Q.子どもの感染リスクは?

A.
変異ウイルスについては、国内外の専門家から、現時点で子どもで特にリスクが高くなるというデータはないとする見解が示されています。

日本小児科学会は変異ウイルスについての見解をウェブサイトに掲載しています。

それによりますと、変異ウイルスはこれまでのウイルスに比べ、ほかの人へ感染させる力が強いことが知られているとしたうえで、イギリスで流行が始まった変異ウイルスについて「国内では子どもが集まる施設で、この変異株によるクラスターの報告がされ、多くの子どもが感染しています。ただ、変異株がすでに広がっている英国ロンドンでは、変異株による感染は、特に子どもに多いということはなく、成人と子どもの感染者の割合は変異株の出現した前後で大きく変わっていません」と指摘しました。

そして「子どもでは感染者の多くが無症状から軽症で、既存株でも変異株でもその違いはありません。頻度の高い症状としては、発熱、せき、鼻水、下痢、頭痛などがあげられます。変異株が子どもにより重い症状を引き起こす可能性を示す証拠はこれまでに得られていません。変異株への対策は、これまでと変わりはありませんが、特に感染力が強いウイルスは、感染対策がうまくできない小さな子どもへの感染の広がりが心配されています。今後、国内での変異株の広がりと、子どもの感染者について慎重に見ていく必要があります」としています。

またWHO=世界保健機関も子どもが変異ウイルスに感染しやすいとは言えないとしています。

イギリスで広がった変異ウイルスは、子どもを含むすべての年代で感染しやすくなっていて、ほかの年代に比べて子どもたちのリスクが高いということはないとしたうえで、WHOの専門家は、この変異ウイルスの感染が広がった時期には、イギリスでは学校の休校措置が取られておらず、子どもたちの間で感染が広がったと見られると説明しています。

そして変異ウイルスに関する研究は現在進められている途中だとしながらも、イギリスでの研究からは子どもたちがこの変異ウイルスに特に感染しやすいものではないとしています。

(2021年3月25日現在)