変異ウイルスの特徴・最新情報

全国で拡大している変異した新型コロナウイルスへの感染。感染力が高いとされる変異や免疫が働きにくくなるとされる変異が報告されています。ここでは変異ウイルスの最新情報をお伝えいたします。

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    英 インド型変異株拡大でコロナ対策規制撤廃 約1か月延期(6/15)

    2021年6月15日

    イギリス政府はインドで確認された変異ウイルスによる感染が国内で急速に拡大しているとして、新型コロナウイルス対策の規制をほぼ撤廃する計画をおよそ1か月延期すると発表しました。

    イギリスでは首都ロンドンのあるイングランドで新型コロナウイルス対策として続けてきた規制を2021年3月から段階的に緩和していて、6月21日にはナイトクラブの営業などほぼすべての規制が撤廃される見通しでした。

    しかし5月以降、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株が急速に拡大し、ここ1週間ほどは1日の感染者が7000人を超える日が続いています。

    これを受けてジョンソン首相は6月14日、規制の撤廃を7月19日に延期すると発表し「規制を撤廃すれば、ウイルスがワクチン接種のスピードを上回り、数千人が犠牲になる事態が現実に起こりうる。ウイルスは根絶できず共生しなくてはならない」と述べて理解を求めました。

    イギリスの保健当局はこの変異ウイルスの感染力はイギリスで確認されたアルファ株よりも強いとしていて、現在、新たな感染の90%以上を占めていると分析しています。

    一方でインドで確認されたデルタ株に対してはワクチンの2回接種は有効だという見解を示していて、7月19日までに18歳以上の国民のおよそ3分の2に2回の接種を完了させるため、接種の間隔を短縮するなど対応を急ぐ方針です。

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    変異ウイルス“デルタ株” 感染力は1.78倍 都内でクラスターも(6/10)

    2021年6月10日

    従来の新型コロナウイルスの「1.78倍」。
    インドで確認された新型コロナウイルスの変異ウイルスのうち、最も拡大している「デルタ株」の国内での感染力についての分析結果です。専門家は「今後の対策には(デルタ株の)感染力の高さを想定する必要がある」と注意を呼びかけています。

    世界74の国・地域で

    WHO=世界保健機関は5月31日、特定の国への差別的な扱いを防ぐため、主な変異ウイルスについて、ギリシャ文字による呼称を使うよう各国の政府などに奨励しました。

    それによりますと
    ▼イギリスで最初に確認された変異ウイルスは「アルファ」、
    ▼南アフリカで確認されたものは 「ベータ」、
    ▼ブラジルで広がったものは「ガンマ」、
    そして
    ▼インドで確認されたもののうち、最も拡大しているものは「デルタ」となっています。

    WHOによりますと、このうち、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の報告があった国や地域は、6月8日の時点で74と、前の週に比べて12増えました。

    また、厚生労働省によりますと、日本国内では、インドで確認された変異ウイルスは6月7日までの1週間に8の都県から合わせて34人の感染が確認されたと報告があったということです。

    前の1週間に確認された人数を10人上回っています。

    東京都の検査「デルタ株」3割余

    一方、6月6日までの1週間に東京都の研究機関が行ったスクリーニング検査で、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」が3割あまりにのぼりこれまでで最も多くなりました。

    都の「健康安全研究センター」は、6月6日までの1週間で新規陽性者の一部から抽出した検体を調べるスクリーニング検査で、合わせて38件の検体を分析しました。 その結果、31.6%にあたる12件で、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」が検出されたということです。

    12件のうち11件は、6月8日から確認されている中学校で起きたクラスターです。中学生やその家族の感染が相次いで確認されています。

    このほか、50%にあたる19件は、イギリスで見つかった変異ウイルス「アルファ株」が、また、残りの7件は従来のウイルスがそれぞれ検出されたということです。

    都の「専門家ボード」の座長で東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「デルタ株」が3割余りとなったことについて「クラスターの発生が大きく影響しているものと考えられ、この数値だけをもって市中に広がっていると判断することはできない。ただ、『デルタ株』は『アルファ株』に比べて1.5倍の感染力なので、今後、置き換わる可能性は高く注意しなければならない」と話していました。 また、都は都内でのウイルスが、「アルファ株」にほぼ置き換わったとして、「アルファ株」かどうかを調べていたスクリーニング検査を「デルタ株」へ切り替える方針を明らかにしました。

    感染力は従来のウイルスの1.78倍

    この変異ウイルスの感染力は、どれほどなのか。

    北海道大学の伊藤公人教授と京都大学の西浦博教授らのグループが行った分析の結果が9日の厚生労働省の専門家会議で示されました。

    グループでは新型コロナウイルスの国際的なデータベースを使って、日本国内から登録された変異ウイルスの数の変化を分析。その結果、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の国内での感染力は、従来のウイルスと比べて「1.78倍」になるおそれがあることが分かったということです。

    また、これまでのデータからの試算ではあるものの、この変異ウイルスが日本国内で新型コロナウイルス全体に占める割合は、7月中旬には全体の半数を超えるという予測になったということです。

    西浦教授は「最新の情報で分析を更新していく必要はあるが、日本国内のデータでも『デルタ株』の感染力の高さが分かってきた。今後の対策には感染力の高さを想定する必要がある」と注意を呼びかけています。

    “一気に医療体制ひっ迫も”

    また6月10日に開かれた東京都のモニタリング会議で東京都医師会の猪口正孝副会長は「『デルタ株』の感染が拡大すると、一気に医療提供体制がひっ迫する。今はワクチン接種で医療従事者も駆り出されていて余力が本当にない状態だ。ぜひ感染を拡大させないよう、皆さんの協力をお願いしたい」と呼びかけました。

    ワクチンは効くのか

    この変異ウイルスに対するワクチンの効果について、WHOはまだ報告が限られているとしながらも、
    ▼発症を防ぐ効果が下がる影響は、
    ファイザーのワクチンとアストラゼネカのワクチンでは「ほとんどない」としているほか、
    ▼ウイルスの働きを抑える中和抗体の量についても、
    ファイザーのワクチンとモデルナのワクチンでは一定程度下がるものの、十分な量があるとしています。

    このうち、発症を防ぐ効果についてイギリス政府が2021年5月22日に出した報告では、イギリスで確認された変異ウイルス「アルファ株」に対して
    ▽ファイザーのワクチンを2回接種したあとでは93%、
    ▽アストラゼネカのワクチンを2回接種したあとでは66%

    だったのに対して、

    インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」に対しては、
    ▽ファイザーのワクチンは88%
    ▽アストラゼネカのワクチンは60%で、
    「2回の接種で十分な効果が得られる」としています。

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    新型コロナ インドで広がる変異ウイルス 厚生労働省警戒強める(6/9)

    2021年6月9日

    インドで広がっている変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は、6月7日までの1週間に全国で新たに34人の感染が報告されたと発表しました。前の週に報告された人数を10人上回り、厚生労働省が警戒を強めています。

    全国の自治体は、変異ウイルスの広がりを調べるため、新型コロナウイルスに感染した人の一部の検体を国立感染症研究所に送るなどして、遺伝子を解析しています。

    厚生労働省によりますと、インドで広がる変異ウイルス「デルタ株」について、6月7日までの1週間に8の都県から、合わせて34人の感染が確認されたと報告があったということです。

    前の1週間に確認された人数を10人上回っています。

    都道府県別では、
    ▼東京都が最も多く9人、次いで
    ▼広島県が6人、
    ▼千葉県と神奈川県、兵庫県が5人、
    ▼静岡県が2人
    ▼群馬県と埼玉県がそれぞれ1人でした。

    これまでに国内で感染が確認されたのは合わせて87人で、
    ▼東京都が23人、
    ▼千葉県が12人、
    ▼兵庫県が11人
    ▼大阪府が9人
    ▼神奈川県が8人
    ▼静岡県と広島県が7人、
    ▼埼玉県が4人、
    ▼群馬県と愛知県が2人、
    ▼長野県と鹿児島県がそれぞれ1人となっています。

    7月中旬には、国内で確認される新型コロナウイルスの半数以上を「デルタ株」が占めるという専門家の予想もあり、厚生労働省が全国的な検査体制を強化するなど警戒を強めています。

    このほか、全国では6月7日までに
    ▼23人が南アフリカで見つかった変異ウイルス「デルタ株」に、▼81人がブラジルで見つかった変異ウイルス「ガンマ株」に感染していたことがそれぞれ確認されたということです。

    新型コロナウイルスワクチン “職域接種” 準備進む

    政府は、職場や大学などでの職域接種について6月21日から始める方針で、まずは1000人以上の規模の企業などから始めることにしています。

    東京・渋谷区に本社がある「あいおいニッセイ同和損保」では東京・名古屋・大阪の合わせて1万2000人の社員や関連会社の社員などを対象に実施するとして、6月8日、厚生労働省のホームページから申請の手続きを行いました。

    この会社の渋谷の本社では食堂を接種会場として活用する予定で、きょうは社員に向けてメールを送り、職域接種について周知を行っていました。

    会社では接種のために社員が職場を離れる間も勤務とみなし、社員がワクチン接種を積極的に受けやすい環境作りを進めたいとしています。

    「あいおいニッセイ同和損保」の兵藤郁子 人事部長は「急な対応で走りながら準備を進めているところですが、社員のワクチン接種が安全に進むよう取り組んでいきたい」と話していました。

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    東京都 国内で確認ない新たな変異の疑いあるウイルス 1件確認(6/4)

    2021年6月4日

    東京都は6月4日のモニタリング会議で、空港での検疫をのぞき、これまでに国内で確認されたことがない新たな変異の疑いがあるウイルスが1件確認されたと発表しました。

    都によりますと、確認されたのは、「L452R」の変異があり一部の「スパイクたんぱく質」が欠損している特徴を持つ疑いがあるウイルスです。

    空港での検疫をのぞき、これまでに国内では確認されたことがないということです。

    5月中旬に北アフリカ地域から帰国した50代の男性の検体を都の健康安全研究センターが解析した結果、確認されたということです。

    男性に濃厚接触者はおらず、すでに療養を終えているということです。

    都によりますと、このウイルスはドイツやアメリカ、イギリスなど34か国ですでに確認されていますが詳しい実態は分かっておらず、都は、国と連携しながらさらにゲノム解析を進めるということです。

    モニタリング会議では、このほか、インドで見つかった「L452R」の変異があるウイルスへの感染が都内ではこれまでに28人に確認されたことが報告されました。

    また、「N501Y」の変異があるウイルスは、陽性率が前の週に比べて1ポイント余り増えておよそ83%になり、専門家は「感染の主体となった」と分析しています。

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    インドで広がる変異ウイルス 日本国内で新たに24人感染確認(6/2)

    2021年6月2日

    インドで広がっている変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は5月31日までの1週間に、国内で新たに24人の感染が確認されたと発表しました。

    新型コロナウイルスへの感染が確認された人について、全国の自治体は一部の検体を抽出して国立感染症研究所などで遺伝子を解析し、変異ウイルスの広がりを調べています。

    厚生労働省によりますと、このうちインドで広がっている変異ウイルスに5月31日までの1週間で、24人が感染していたことが新たに確認されたということです。

    前の1週間に確認された人数を3人上回っています。

    都道府県別では
    ▽東京都が9人、
    ▽大阪府と埼玉県が3人、
    ▽愛知県と兵庫県が2人、
    ▽群馬県と千葉県、神奈川県、長野県、鹿児島県が、それぞれ1人となっています。

    これまでに国内で感染が確認されたのは合わせて53人で、
    ▼東京都が14人、
    ▼大阪府が9人、
    ▼千葉県が7人、
    ▼兵庫県が6人、
    ▼静岡県が5人、
    ▼埼玉県と神奈川県が3人、
    ▼愛知県が2人、
    ▼群馬県と長野県、広島県と鹿児島県でそれぞれ1人となっています。

    このほか、全国では5月31日までに、ブラジルで見つかった変異ウイルスに79人、南アフリカの変異ウイルスに23人が感染していたことが確認されています。

    一方、イギリスで最初に見つかった変異ウイルスは、5月24日の時点で1万1235人の感染が確認されていましたが、厚生労働省は、すでにほどんどの地域で従来のウイルスに置き換わったとみて、都道府県ごとの集計を取りやめています。

    厚生労働省 全国的な検査体制の強化進める

    インドで確認されている変異した新型コロナウイルスを早期に発見しようと、厚生労働省は全国的な検査体制の強化を進めています。

    インドの変異ウイルスかどうかをPCR検査で見極める方法を国立感染症研究所で開発し、5月21日に全国の地方衛生研究所に配備しました。

    民間の検査機関の一部でも試行的に導入し、5月28日と29日の2日間で104人の検体を調べた結果、18人からインドの変異ウイルスが検出されたということです。

    厚生労働省は、新型コロナウイルスに感染した人のおよそ4割に検査を行うことを目標にしています。

    また、地方への技術移転を進めた結果、全国13か所の地方衛生研究所でウイルスの遺伝子解析ができるようになり、さらに22か所で実施できるよう準備を進めているということです。

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    国内でこれまで確認されていない変異ウイルス 神戸で確認(6/1)

    2021年6月1日

    神戸市は、国内ではこれまでに確認されていない新型コロナウイルスの、新たな変異ウイルスを確認したと発表しました。イギリスで広がる変異ウイルスがさらに変異したもので、神戸市は感染力や重症化のリスクなどの特徴は変わらないとしています。

    神戸市によりますと、5月17日、市内の医療機関で50代の男性がPCR検査を受けたところ、新型コロナの感染が確認されました。

    市健康科学研究所がゲノム解析を行い詳しく調べたところ、イギリスで広がっている変異ウイルスがさらに変異したウイルスで、国内では初めて確認されたということです。

    神戸市によりますと、男性やその家族は最近、海外には出かけておらず、男性の体内で変異したものとみられるということです。

    今回、神戸市で確認された新たな変異ウイルスは、海外ではヨーロッパを中心に150例ほど確認されていて、市によりますと、従来のイギリスで広がる変異ウイルスと、感染力や重症化のリスクなどの特徴は変わらないということです。

    神戸市健康局の熊谷保徳副局長は「今回のような新たな変異ウイルスを早急に発見して、感染が拡大しないよう引き続き対策を徹底していく」と話していました。

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    WHO 変異ウイルス呼称「アルファ」などを 特定国への差別防ぐ(6/1)

    2021年6月1日

    WHO=世界保健機関は、変異した新型コロナウイルスについて、特定の国への差別的な扱いを防ぐため、新たに定めた「アルファ」や「ベータ」といったギリシャ文字による呼称を使うよう、各国の政府などに奨励しました。

    WHOは5月31日に、これまでに確認されている変異した新型コロナウイルスのうち、主なものについて新たにギリシャ文字による呼称を発表しました。

    このうち「懸念される変異株」に指定されているものは、
    ▽イギリスで確認された変異ウイルスは「アルファ」
    ▽南アフリカで確認されたものは「ベータ」
    ▽ブラジルで確認されたものは「ガンマ」
    ▽インドで確認されたものは「デルタ」としています。

    こうした新たな呼称を決めたことについて、WHOは「特定の地名を用いることは、汚名を着せ、差別的になる。これを避けるため、各国当局やメディアなどには新たな呼称を使うよう奨励する」として、特定の国や国民への差別的な扱いを防ぐためだと説明しています。

    WHOは「B.1.1.7」などの専門的な名称も、研究者たちの間で使われ続けるとする一方、一般の人たちは覚えにくいと指摘しています。

    新型コロナウイルスの呼称をめぐっては、アメリカのトランプ前大統領が「中国ウイルス」と呼び続けたことに中国が激しく反発したほか、アメリカのアジア系住民に対する暴力や差別を誘発したという批判が高まりました。

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    変異ウイルス 水際対策強化へ ベトナムなどからの入国者対象(5/31)

    2021年5月31日

    政府は、ベトナムとマレーシアで変異ウイルスによる感染が急拡大していることを受け、両国からの入国者に対し、入国後6日間、国が確保する宿泊施設にとどめる措置を取る方針を固めました。

    新型コロナウイルスの水際対策をめぐり、政府は、インドで変異ウイルスの感染が急拡大していることを受け、インドなど合わせて6か国からの入国者に対し、14日間の待機期間のうち、入国後10日間、国が確保する宿泊施設にとどめる「停留」という措置を取っています。

    これに続き、政府は、インドで最初に確認された変異ウイルスとは別の変異が起きたものが検出されたと当局が発表したベトナムと、変異ウイルスの感染が急拡大しているマレーシアからの入国者について、それぞれ6日間の停留措置を取る方針を固めました。

    また10日間の停留措置にアフガニスタンを、3日間にタイとアメリカの一部などからの入国者を追加する方針も固めました。

    いずれも期間中は定期的にウイルス検査を受け、陰性の場合は自宅などでの待機に移ることになります。

    政府は、この措置を6月4日から始める方向で調整を進めています。

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    空港検疫で陽性率が大幅に上昇 専門家「水際対策強化を」(5/26)

    2021年5月26日

    感染力が強いと指摘される変異した新型コロナウイルスが広がっているインドやネパールから入国した人が、空港検疫の検査で陽性と判定される割合、陽性率が4月中旬以降、大きく上がっていることが分かりました。

    中には、空港検疫のタイミングで陽性にならず、すり抜けているケースもあるとみられ、専門家は陽性率が上がった段階で、速やかに水際対策を強化できるようにすることが非常に重要だと指摘しています。

    厚生労働省は、2021年1月以降、入国者全員に対して抗原検査などを行っていて、その結果を入国前の2週間以内に滞在歴があった国や地域別にまとめています。

    それによりますと、2021年3月下旬までは2週間以内にインドに滞在歴があった人で陽性になった人は、1週間当たり1人か2人で、陽性率は1%未満で推移していました。

    しかし、4月に入ると陽性率は4月3日までの1週間で1.57%、10日までで1.82%、17日までで4.30%と上がり、24日までの1週間では陽性となったのは26人、陽性率は6.00%、5月1日までの1週間では陽性となったのは36人、陽性率は5.76%となりました。

    この間、政府は、出国前の72時間以内にPCR検査を受け、陰性であることを示す書類の提示を求め、入国から14日間、自宅などに待機してもらうよう求める対応を取ってきていて、5月1日からはインドからの入国者に空港検疫で陰性でも3日間、宿泊施設にとどまってもらう対策を始めましたが、空港検疫のタイミングで陽性にならず、数日たってから陽性になり、すり抜けているケースもあると見られます。

    その後も、インドからの入国者で陽性となったのは、5月8日までの1週間では陽性は22人で陽性率は3.35%となっているほか、同様の変異ウイルスが広がっている隣国ネパールからの入国者でも、5月1日まででは陽性となったのが31人、陽性率は8.76%、8日まででは陽性は40人、陽性率は7.60%となっています。

    空港検疫で陽性となったうち、両国から入国した人は5月1日まででは全体の70.53%8日まででは75.61%を占めるに至っています。

    政府は、インドとネパールからの入国者については、5月10日からは空港検疫で陰性でも6日間、宿泊施設にとどまってもらうなどの対策をとっています。

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治 教授は「水際対策が強化される1か月前の3月末には空港検疫でインドで広がる変異ウイルスが検出されるようになっていた。その後、4月には陽性者数や陽性率が上がり、本来、このタイミングで強化の検討が行われるべきだった。所管がさまざま省庁にまたがり判断に時間がかかっているので、今後は変異ウイルスに対応するため、空港検疫での状況をもとに素早く対策強化の判断ができる仕組みを作ることが必要だ」と指摘しています。

    インドからの変異ウイルス 29人感染確認 厚労省

    一方、インドで広がっていると見られる変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は、5月24日までに国内で合わせて29人の感染を確認したと発表しました。

    全国の自治体では、変異ウイルスを早期に発見するため、新型コロナウイルスへの感染が確認された人の一部の検体を抽出して国立感染症研究所などに送っています。

    遺伝子を解析した結果、インドで広がっていると見られる変異ウイルスが、5月24日までに合わせて29人から検出されたということです。

    前回、発表された5月18日の時点から21人増えています。

    都道府県別では、千葉県と大阪府が6人、東京都と静岡県が5人、兵庫県が4人神奈川県が2人、広島県が1人でした。

    空港の検疫では、5月7日までに入国した人のうち、160人からインドの変異ウイルスが検出されていて、政府が入国後に国の宿泊施設で待機を求める期間を28日から10日間に延長するなど水際対策を強化しています。

    専門家「ウイルス これまでより広がりやすくなっている可能性」

    インドで広がる変異した新型コロナウイルスは、日本国内で広がっている変異ウイルスより感染力が強いとされていて、厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治 教授は「飛まつに含まれるウイルス量が増加し、ウイルスがこれまでより広がりやすくなっている可能性がある」と指摘しています。

    和田教授は、国内でも主流になった感染力が強い変異ウイルスでのケースを紹介しながら「従来のウイルスなら、家庭で1人感染者が出たときに家族で感染するのは何人かだったのが、変異ウイルスでは家族全員が感染してしまうケースも増えている。変異ウイルスでも感染対策のポイントはこれまでと変わらないが、マスクをしていても狭い部屋で1時間も2時間も話していれば、細かい飛まつは漏れ出てくる。基本的な対策の徹底がこれからも求められる」と注意を促しました。

    スクリーニング検査 始める医療機関も

    都内の一部の医療機関では、患者の中にインドの変異ウイルスに感染した人がいないかを調べるスクリーニング検査を始めています。

    東京・文京区にある東京医科歯科大学附属病院では、新型コロナウイルスに感染し、入院したすべての患者を対象に5月6日から、インドで広がる変異ウイルスに感染しているかどうか調べるスクリーニング検査を実施しています。

    これまではイギリスなどで見つかった変異ウイルスを調べていましたが、4月、インドで新たな変異ウイルスが急激に拡大したことを受け、始めたものです。

    5月24日までに37人を検査した結果、1人がインド型の変異ウイルスに感染していたことがわかりました。

    この患者は一時、重症化し人工呼吸器を装着しましたが、抗ウイルス薬や炎症を抑える薬を投与され症状は回復しました。

    イギリス型の変異ウイルスに感染した患者の症状と比較して、特段、異なる特徴は見られなかったということです。

    患者は海外への渡航歴がなく、分析した東京医科歯科大学ウイルス制御学分野の武内寛明 准教授は「患者が市中で感染し、周辺に、この変異ウイルスに感染した人がいることは十分考えられる」と指摘しています。

    そのうえで「今後、病院がどのような医療体制を整えるべきか考えるうえでも、インド型の変異ウイルスの広がりを調べるのは重要だ。今はまだ感染事例は少数だが、より強い対策をとっていかないとイギリス型の変異ウイルスが徐々に広がったように数か月後に同じ道をたどる可能性は十分にある」と話しています。

    専門家 “治療薬には効果 早期投与が重要”

    国内で広がっている感染力が高い変異した新型コロナウイルスで重症化したケースでは、重症化に至るまでのスピードが通常のウイルスより速いとされています。

    これについて、新型コロナウイルスの治療に詳しい愛知医科大学の森島恒雄 客員教授は「変異ウイルスは、ウイルスの突起が変異をしていて、人の細胞にくっつきやすいため肺の中に入ると多くの肺の細胞に感染してしまう可能性が高く、重症化しやすい。多くの細胞に感染する過程でサイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫の反応で炎症が起きて、症状が悪化していく」と話しています。

    そのうえで、国内で認められている抗ウイルス薬の「レムデシビル」、炎症を抑える「デキサメタゾン」と「バリシチニブ」の3つの治療薬について「変異ウイルスは細胞の中で増殖する過程は従来のウイルスと変わらないとみられている。レムデシビルは細胞の中でウイルスが増殖するのを防ぎ、また、ほかの2つの治療薬については免疫の異常な反応を抑え調節する薬なので、変異ウイルスの治療でも効果があると考えられる」としています。

    ただ、変異ウイルスへの感染では重症化するスピードが速いとして「ウイルスの増殖を抑えるレムデシビルをできるだけ早いタイミングで使っていくことが特に大事になってくる。また、いっぺんにたくさんの細胞が感染し、非常に激しいサイトカインストームが起きてしまうため、デキサメタゾン単独の使用では抑えにくくなっているとも言われていて、バリシチニブと組み合わせて免疫の暴走を抑える治療を行うことも重要だ」と話しています。

    さらに森島客員教授は、インドで広がる変異ウイルスについてはまだ分からないことが多いとしながら、治療薬には効果があると見られるものの、細胞への結合のしやすさを考慮して、イギリスで見つかった変異ウイルスに対してと同様の考え方で治療を行う必要があるのではないかと指摘しました。

    世界の60の国や地域で報告 WHO

    WHO=世界保健機関は、インドで最初に見つかった変異のある新型コロナウイルスの報告があったのは、5月25日の時点で、世界の60の国や地域にのぼるとする報告書を公表しました。

    WHOの報告書によりますと、インドで最初に見つかった変異ウイルスの報告数は、先週の時点では世界の65の国や地域となっていましたが、情報を精査した結果、5月25日時点では、アメリカやイギリス、フランス、中国、ロシアなど、60の国や地域であることが確認されたということです。

    このウイルスには感染力が強まったり、ウイルスを攻撃する抗体の働きを低下させたりするおそれのある変異が複数あり、インドでは1日におよそ20万人の感染が確認されるなど、世界的な感染拡大が懸念されています。

    このほか、イギリスで最初に確認された変異ウイルスの報告があった国や地域の数は、5月25日の時点で155と、前の週に比べて4つ増えました。

    また、南アフリカで確認された変異ウイルスの報告があった国や地域は111と5つ増え、ブラジルで確認された変異ウイルスの報告があった国や地域も62と1つ増えました。

    WHOは、ワクチンが行き渡るまでには時間がかかり、感染の拡大が続けば、新たな変異ウイルスが出てくる可能性が高まるとして、個人や社会全体での感染対策が重要だとしています。

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    西浦教授 “インドで見つかった変異ウイルス 急拡大を懸念”(5/21)

    2021年5月21日

    インドで見つかった変異ウイルスについて、京都大学の西浦博教授は、海外での拡大の状況を分析した結果をもとに、日本国内でイギリスで見つかった変異ウイルスよりも、速いスピードで広がる可能性があるという見方を示しました。

    西浦教授は、5月19日に開かれた厚生労働省の専門家会合にアメリカのウイルスの専門家がインドで見つかった変異ウイルスの海外での拡大を分析した資料を提出しました。

    それによりますと、インドでは2020年3月から4月にかけてゲノム解析が行われたウイルスのうち、イギリスで見つかった変異ウイルスの占める割合が前の週の0.75倍のペースで減った一方で、インドで見つかった変異ウイルスのうち、「L452R」という変異はあるものの、「E484Q」の変異がないタイプのものが1.59倍のペースで増えています。

    ゲノム解析が行われたウイルスは感染が確認されたうちのごく一部ですが、このタイプの変異ウイルスは、2月から3月にかけてはわずかだったのが、3月以降急増し、4月に入ると60%近くを占めていて、急速にこれまでのウイルスからの置き換わりが進んでいるとしています。

    また欧米の6か国での分析では、インドで見つかった変異ウイルスの占める割合は、ほとんどで1%ほど、最も高いイギリスでも10%ほどで、大半を占めるイギリスで最初に見つかった変異ウイルスより少ないものの、急増する傾向となっています。

    西浦教授によりますと、この変異ウイルスがこれまでのものと比べてどの程度広がりやすいのか、各国の専門家の間でも意見は分かれているということですが、イギリスで見つかった変異ウイルスと比べてさらに50%感染力が強いという試算もあり、詳しい分析と対策が必要だとしています。

    西浦教授は「インドで見つかった変異ウイルスは、イギリスで見つかったものより感染性が高く世界中で置き換わる可能性が高い。イギリスのものが日本に侵入するのには2か月ほどかかったが、それによりも短いスパンで、突如として流行が始まり拡大すると考えられる」とコメントしています。

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    コロナ変異ウイルス“高齢者に流行拡大なら重症リスク高まる”(5/19)

    2021年5月19日

    新型コロナウイルスの重症患者が全国で1200人を超えて過去最多の更新が続く中、治療に当たる病院では、今は若い世代で変異ウイルスの感染が広がっているものの、今後、流行が高齢者に広がっていけば、さらに重症リスクが高まると危機感を募らせています。

    川越市にある埼玉医科大学総合医療センターでは、大型連休明けから新型コロナの患者が急増し、重症患者用の集中治療室は3つの部屋がすべて埋まり、中等症の患者の病棟で人工呼吸器を使用するなど、対応に迫られています。

    変異ウイルスの患者も急増し、取材した5月17日、入院していた14人のうち、検査中の4人を除く10人が変異ウイルスに感染していて、これまでみられなかった基礎疾患のない40代の患者が重症化するケースも出ているということです。

    感染症科の岡秀昭教授は「第3波とは患者の様相が大きく異なり、40代、50代など、社会で働いている人が多い。若年でも重症化する人がいて、当然、救命に向かって積極的な治療を希望する。よって、重症者の病棟が常にひっ迫する状況になっている」と話しています。

    岡医師は、今後、流行が高齢者に広がっていけば、さらに重症リスクが高まると危機感を募らせています。

    実際、この病院では、4月下旬、同居する50代の息子から変異ウイルスに感染した80代の女性の治療が続けられています。

    女性は高熱などの自覚症状はなく、検査を行ってはじめて肺炎が悪化していることが分かり、人工呼吸器の装着も検討しなければならない状況に陥っていたということです。

    岡医師は「今は20代から40代で感染が広がっているが、それが高齢者に広がっていくと、間違いなく重症化してしまう。すでに重症患者の病床は満床に近く、今後、集中治療の希望があってもそれに応えられないことが起きてしまい、そうすると死亡率が上がる可能性を避けられなくなる」と危機感を募らせています。

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    英 インドの変異ウイルス 一部地域で拡大 規制緩和に影響も(5/15)

    2021年5月15日

    イギリスのジョンソン首相は、インドで確認された変異ウイルスの感染が一部の地域で拡大しているとして段階的に進む規制の緩和にも今後、影響が出る可能性があるという見方を示しました。

    イギリスでは、イギリスで最初に確認された変異ウイルスの影響で新型コロナウイルスの感染が拡大しましたが、ここ数か月で大きく改善し、感染対策のための厳しい規制が段階的に緩和されています。

    ジョンソン首相は5月14日、記者会見し、インドで最初に確認された変異ウイルスによる感染がイングランド北西部やロンドンの一部で拡大しているとしたうえで、イギリスの変異ウイルスよりも感染力が強いとみられると述べました。

    そして規制の段階的な緩和について「感染力の強さがわずかであれば、予定どおり進められるが、強ければ難しい選択を迫られるだろう」と述べ、今後の状況次第では、影響が出るという見方を示しました。

    ジョンソン首相はイングランドで5月17日から予定されている飲食店の屋内での営業再開などはそのまま行う方針ですが、6月予定しているほとんどの規制の撤廃については遅れる可能性があるとしています。

    最新のデータでは、インドの変異ウイルスによる感染者の数は、イギリス全土で今週は先週に比べ2.5倍増えています。

    政府は重症化するリスクの高い50歳以上について、ワクチンの接種の間隔を12週間から8週間に短縮し、接種をさらに強化していくことにしています。

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    東京都 「N501Y」変異ウイルス 検査の76% 感染確認(5/14)

    2021年5月14日

    東京都内では、感染力の強い「N501Y」の変異があるウイルスの検査で、およそ76%の621人が感染していたことが新たに確認されました。1日の発表人数としては、これまでで2番目に多くなっています。

    東京都は5月14日、5月10日と11日に都に新たに報告があった分として、変異ウイルスの検査結果を発表しました。

    それによりますと、▽10歳未満から90代までの男女620人と、▽年齢と性別が分からない1人の合わせて621人が、感染力の強い「N501Y」の変異があるウイルスに感染していたことが確認されました。

    検査の対象になったのは821人で、確認された人の割合はおよそ76%です。

    5月14日の621人は、1日の発表人数としては5月3日の649人に次いで、これまでで2番目に多くなっています。

    621人の年代別は、▽20代が182人、▽30代が116人となり、20代と30代で半数近くを占めています。

    また、感染経路がほぼ特定されているのは35人で、▽「家庭内」が21人、▽「施設内」が11人、▽「知人」が3人でした。

    これで、都内で変異ウイルスの感染が確認されたのは合わせて5906人になりました。

    また5月14日は、死亡した80代の男性1人が変異ウイルスに感染していたことが新たに確認されました。

    変異ウイルスに感染して死亡した人は17人になりました。

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    タイでイギリスの変異ウイルス感染拡大 1日の感染者数最多に(5/13)

    2021年5月13日

    タイでは、イギリスで確認された変異ウイルスの感染が拡大し、刑務所で大規模なクラスターが発生するなどして、1日の感染者数が過去最多となり、タイ政府は警戒を強めています。

    タイ政府は5月13日、記者会見を行い、1日の感染者数が4887人と、これまでで最も多くなったと発表しました。

    このうち、首都バンコクにある刑務所と敷地内の施設では、大規模なクラスターが発生し、2800人を超える感染が確認されたということです。

    この刑務所と施設には、2020年から続いている反政府デモで王室を中傷したとして不敬罪で起訴された中心メンバーたちが勾留されていて、このうち女性のリーダーは5月6日に保釈されたあとに感染が確認されていました。

    タイでは、2021年3月ごろからイギリスで最初に確認された変異ウイルスの感染が拡大し、5月10日にはインドで確認された変異ウイルスの感染も初めて確認されていて、若者を中心に感染が急速に広がって、4月初めは1日の感染者数が100人以下でしたが、5月に入ると連日2000人前後に急増していました。

    タイ政府は外出時のマスクの着用を全国で義務づけ、バンコクでは公園やマッサージ店などを閉鎖し、飲食店の店内での食事も禁止する措置をとるなどして警戒を強めています。

    さらに、各地に感染者の治療にあたる仮設の病院を設けるとともに、ワクチンの接種を急いでいます。

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    変異ウイルス 重症化リスク1.40倍 報告書まとめる 国立感染研(5/13)

    2021年5月13日

    感染力が強い変異した新型コロナウイルスに感染したケースについて、国立感染症研究所が分析したところ、届け出があったときに重症であるリスクは、従来のウイルスなどと比べて1.40倍だったとする報告書をまとめました。

    この結果だけで重症化リスクを正確に評価するのは難しいとしていますが「現時点では、重症度が高くなっていることを想定して対策を取る必要がある」としています。

    国立感染症研究所は、5月6日までのおよそ3か月間に国内で報告された20万7000人余りのデータをもとに、感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスの重症化リスクを解析しました。

    この間、PCR検査などでこの変異ウイルスへの感染が確認されたのは1万5000人余り、このうち、重い肺炎や多臓器不全など、重症だったのは475人で、届け出があったときに重症であるリスクを分析すると、従来のウイルスなどと比べて1.40倍高く、さらに40歳から64歳では1.66倍だったとしています。

    研究所は、従来のウイルスの場合、データが入力されないケースなどもあり、この結果だけで重症化リスクを正確に評価するのは難しいとしていますが「現時点では、重症度が高くなっていることを想定して対策や治療を行う必要がある」としています。

    鈴木基感染症疫学センター長は「特に40代から50代でリスクが高い傾向が見られ、従来株とは異なる特徴が現れたと考えている」と話しています。

    また、インドで確認された変異ウイルスについて、国立感染症研究所は、日本国内でも大半を占めるようになった変異ウイルスと同程度に感染力が高い可能性を考慮し、拡大を防ぐ対策が求められるとして、5月12日付けで「懸念される変異株」に位置づけました。

    全国各地で9割前後 変異ウイルスに置き換ったと推定

    感染力の強い変異した新型コロナウイルスが各地でどれくらい広がっているか国立感染症研究所が5月上旬までのデータを基に推定したところ、全国各地で9割前後が変異ウイルスに置き換わっていると見られるとする分析結果をまとめました。

    国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は5月11日行われた専門家会合で、感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスについて、民間の検査会社で検出された結果をもとに地域ごとの広がりを推計したデータを示しました。

    それによりますと、国内で最も早く変異ウイルスが広がった大阪府と兵庫県、京都府では、3月から4月にかけて急速に広がり、4月初めに7割あまりになったあと、現在ではほぼすべてが変異ウイルスに置き換わったと推定しています。

    また、東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県や北海道や愛知県、福岡県、沖縄県でも4月中旬ごろから急速に置き換わりが進んでおよそ9割となり、これまで比較的変異ウイルスの感染が少なかった宮城県でもすでに9割近くが置き換わったとみられるとしています。

    鈴木センター長は「明らかに感染力が強く対策にさらに長い時間をかけないと、感染者数が減少していかない。全国でほぼ変異株に置き換わったいま、前回の緊急事態宣言のときと同じような感覚で対策の効果を期待しても、なかなか効果が現れない」と話しています。

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    コロナ変異株 PCR検査装置と新たな試薬で短時間特定 名城大学(5/12)

    2021年5月12日

    名古屋市の名城大学は新型コロナウイルスへの感染を調べるPCR検査装置と、新たな試薬を使ってどの変異株に感染しているかを、短時間で特定できる技術を開発したと発表しました。

    開発したのは名城大学薬学部衛生化学研究室の神野透人教授の研究チームで5月12日、記者会見を行いました。

    それによりますと、通常のPCR検査では試薬を加えた検体を検査装置で調べ陽性かどうかを判断しますが、開発された技術ではDNAと結合して光る新たな蛍光試薬を使って検体を調べ、変異株の「イギリス型」や「南アフリカ型」など8種類のウイルスの型を特定します。

    神野教授は愛知県の衛生研究所と共同で、4月にこの技術を使っておよそ200の検体で実験した結果、従来型のウイルスとイギリス型の変異株をほぼ正確に識別できたということです。

    愛知県では現在、変異株の種類を特定するため検体を、東京の国立感染症研究所に送って遺伝子情報を解析し、結果が判明するまでに1、2週間ほどかかっていますが、今回開発された技術を使えば各都道府県にあるPCR検査装置で、90分程度で判別が可能になるとしています。

    神野教授は「変異株が早く特定できれば、クラスター対策にも役立つので、今後、医療現場などで実用化が進んでほしい」と話しています。

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    インドで確認の変異ウイルス「感染力が強まる」WHOが監視強化(5/11)

    2021年5月11日

    WHO=世界保健機関は、インドで確認された、変異した新型コロナウイルスについて、感染力が強まっていることを示唆する情報があるとして「懸念される変異株」に追加し、監視を強化したことを明らかにしました。

    インドでは、新型コロナウイルスの新たな感染者が1日に36万人以上確認される爆発的な感染拡大が続いていて、WHOはインドで見つかった変異ウイルスについて、感染状況を注視する「注目すべき変異株」として、情報収集にあたってきました。

    この変異ウイルスについて、WHOで新型コロナウイルス対策の技術責任者を務めるバンケルコフ氏は5月10日の記者会見で、感染力が強まっていることを示唆する情報があるとして、位置づけを「懸念される変異株」に引き上げ、監視を強化したことを明らかにしました。

    「懸念される変異株」は、イギリス、南アフリカ、それにブラジルで確認された3つの変異ウイルスに続いて4つ目です。

    バンケルコフ氏はこの変異ウイルスに関して、現在、詳しい情報を集めているとしたうえで、これまでに分かったことを5月11日に公表するとしています。

    また、WHOのテドロス事務局長は、新型コロナ対応などの資金確保のため、2020年設置した「WHO財団」が、インドに酸素や治療薬などを支援するキャンペーンをインターネット上で始めたことを明らかにし、広く寄付を呼びかけました。

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    兵庫県 変異ウイルス 検査で90.9%「ほぼ置き換わった可能性」(5/6)

    2021年5月6日

    兵庫県と神戸市は、独自に行っている変異ウイルス検査の最新の結果を公表しました。

    それによりますと、4月25日までの1週間に、陽性が確認された合わせて3498人のうち824人の検体を採取し、このうち変異ウイルスが確認されたのは749人、率にして90.9%でした。

    兵庫県は「従来のウイルスとほぼ置き換わった可能性がある」と分析しています。

    また、このほかに民間の検査機関でも194人が変異ウイルスに感染していることが確認され、4月25日までの1週間に兵庫県内で変異ウイルスに感染したことが確認された人は合わせて943人となりました。

    兵庫県によりますと943人は、いずれもイギリスで広がる変異ウイルスに感染したと見られるということです。

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    東京 変異ウイルス検査 62%感染確認「流行主体が変異株に」(5/5)

    2021年5月5日

    東京都内の新型コロナウイルスの感染者への検査で、およそ62%に当たる324人が、感染力の強い「N501Y」の変異があるウイルスに感染していたことが新たに確認されました。

    大学運動部の寮で変異ウイルスのクラスターが発生するなど、若い世代への感染が広がっています。

    東京都によりますと、5月5日、新たに感染が確認されたのは、10歳未満から80代までの男女322人と、年齢不明が2人の合わせて324人です。

    新型コロナウイルスへの感染が判明し変異ウイルスの検査の対象になった521人のうちの324人で、およそ62%に当たります。

    都の担当者は「都内でも変異株の感染者が増えており、流行の主体がN501Yに置き換わりつつある」と分析しています。

    324人の年代別は、10歳未満が16人、10代が40人、20代が86人、30代が67人、40代が52人、50代が33人、60代が13人、70代が11人、80代が4人、不明が2人です。

    感染経路がほぼ特定されているのは46人で、「施設内」が26人、「家庭内」が11人、「職場内」が7人、「知人」が2人です。

    このうち「施設内」では、大学の運動部の寮でクラスターが発生し、男子学生合わせて20人の感染が確認されました。

    これで都内で変異ウイルスの感染が確認されたのは、合わせて3146人となりました。

    このうち6人の死亡が確認されました。

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    英で確認の変異ウイルス 142の国・地域に拡大 WHOが報告書(5/5)

    2021年5月5日

    WHO=世界保健機関は、イギリスで最初に確認された、変異した新型コロナウイルスの感染が世界の142の国や地域に広がっているなどとする報告書をまとめました。特にインドでは、1週間の死者数が世界全体の25%を占めるなど、深刻な感染拡大が続いていると警鐘を鳴らしています。

    報告書によりますと、▽イギリスで最初に確認された変異ウイルスの報告があった国や地域の数は、5月4日の時点で142と、前の週に比べて3増えました。

    また、▽南アフリカで確認された別の変異ウイルスの報告があった国や地域は97と10増え、▽ブラジルで確認された別の変異ウイルスの報告があった国や地域は56と3増え、いずれも感染が拡大しています。

    これら3つの変異ウイルスには、感染力や免疫の効果に影響を与えるおそれのある遺伝子変異があり、WHOは「懸念される変異株」として監視を強めています。

    このほか、WHOは、インドで確認された変異ウイルスについて、3つの変異ウイルスに次ぐ「注目すべき変異株」に指定していて、4月27日の時点で、少なくとも17か国で報告されたとしています。

    このうちインドでは、5月2日までの1週間の感染者数が世界全体の46%に上ったほか、死者数も25%を占めたとしています。

    また、周辺地域のネパールやスリランカでも感染が広がり、この地域の死者は前の週から48%増えたとし、深刻な感染拡大が続いていると警鐘を鳴らしています。

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    重症者 全国で1050人に 第3波超え過去最多 変異ウイルス影響か(5/2)

    2021年5月2日

    厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、5月2日時点で1050人となりました。5月1日から30人増え、2021年1月27日時点の1043人を上回ってこれまでで最も多くなりました。

    専門家は変異ウイルスの影響を指摘

    国内の新型コロナウイルスによる重症者の数がこれまでで最も多くなったことについて、専門家は変異ウイルスの影響を指摘しています。

    感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「変異ウイルスが広がっていることが一番の理由ではないかと思う。これまでは、感染してから重症化するまで2週間ほどかかり、重症者の数は遅れて増えてくるという認識だったが、最近はいきなり重症化するケースも多いようだ」と指摘しています。

    濱田特任教授によりますと、変異ウイルスが重症化しやすいかどうかについては、まだ、確立した科学的な証拠はないということです。

    一方、4月、ヨーロッパの公衆衛生に関する専門誌に掲載された論文では、イギリスで最初に確認された変異ウイルスは若い世代でも、従来に比べて重症化しやすくなっていることを示唆するデータが報告され、注目されているということで、濱田特任教授は「変異ウイルスは、感染力が強いだけでなく重症化しやすいという見方が多くなっている」と話していました。

    また、このほかの要因について、濱田特任教授は「感染者数が増えたことで軽症者や無症状者をキャッチできておらず、いわば氷山の一角しか捉えられていないため、重症者が多いように見えている可能性も否定できない」と話していました。

    西村経済再生相「重症者 さらに増えること想定し国も支援」

    西村経済再生担当大臣は、記者会見で「比較的若い世代の人も変異株によって重症化する報告を受けている。重症化する人の数は、感染者数よりも、2週間から3週間遅れて増加する傾向がある。さらに重症者が増えることも想定して、それぞれの自治体で病床を増やしており、国としても支援しながら、なんとしても命を守るべく、全力を挙げていきたい」と述べました。

    退院した人は

    一方、症状が改善して退院した人などは
    ▼国内で感染した人が52万7233人、
    ▼クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて52万7892人となっています。

    また、4月29日には速報値で1日に2万6478件のPCR検査などが行われました。

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    東京都 変異ウイルス「N501Y」239人感染確認 検査した人の61%(4/30)

    2021年4月30日

    東京都内では30日、新たに239人が感染力が強い「N501Y」の変異がある新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

    都によりますと、4月30日に新たに感染が確認されたのは、10歳未満から90代までの合わせて238人と、年齢が分かっていない1人の合わせて239人です。

    検査した389人のうち、61%に当たる239人から変異ウイルスが確認されました。

    239人の年代別は、10歳未満が4人、10代が13人、20代が67人、30代が59人、40代が32人、50代が23人、60代が17人、70代が16人、80代が6人、90代が1人、分からない人が1人です。

    感染経路がほぼ特定されているのは17人で、「施設内」が10人、「家庭内」が6人、「知人」が1人です。

    このうち「施設内」では、いずれも変異ウイルスのクラスターが発生している医療機関で患者3人、有料老人ホームで職員4人の感染がそれぞれ新たに確認されました。

    また、同じ大学で20代の男子学生2人、保育園で園児の女の子1人の感染がそれぞれ確認されました。

    これで都内で変異ウイルスの感染が確認されたのは、合わせて2173人となりました。

    このうち死亡したのは4人です。

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    “急速な広がり” 大阪 兵庫 京都8割超 東京5割超(4/28)

    2021年4月28日

    感染力の強い変異した新型コロナウイルスは、各地でどれくらい広がっているか?
    その現状がわかってきました。
    緊急事態宣言が出されている大阪 京都 兵庫ではこれまでに8割以上、東京でも半数余りが従来のウイルスから置き換わっていて、全国的に急速に置き換わりが進んでいます。

    「N501Y」変異 緊急事態宣言の地域では…

    国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は4月27日夜に行われた専門家会合で、感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスについて、民間の検査会社で検出された結果をもとに地域ごとの広がりを推計したデータを示しました。緊急事態宣言が出ている地域の結果です。

    <大阪 京都 兵庫> 4月下旬にかけて8割超

    変異ウイルスの割合は3月初めに2割ほどだったのが、4月初めには7割ほどと国内で最も早く変異ウイルスの感染が拡大し、急速に置き換わりが進みました。その後、4月下旬にかけて8割を超える状態になったと推定しています。

    <東京> 5月初めに8割ほど

    関西より遅れて変異ウイルスの割合が増え、4月初めに2割ほどだったのが4月下旬には半数を超え、5月初めには8割ほどになると推定しています。

    東北除き 全国的に“急速に置き換わり進む”

    このほかの地域でも「N501Y」の変異があるウイルスの割合が増えていて、国立感染症研究所は東北地方を除いて全国的に急速に置き換わりが進んでいるとしています。

    一方で、このところ特に大阪府では置き換わりのスピードが遅くなる傾向で「頭打ち」の状態になっているとしていて、その要因として
    ▽人出の減少が見られる中で変異ウイルスへの置き換わりのスピードが変化している可能性や
    ▽他の系統のウイルスときっ抗して100%は置き換わらない可能性があるなどとしています。

    国立感染症研究所 脇田隆字所長
    「いま広がっている変異ウイルスは従来のウイルスより感染のしやすさを示す実効再生産数が全国平均では1.32倍になっていた。ただ、感染力は地域によって違いがあり、およそ1.21倍から1.68倍の間で差が認められた」

    「N501Y」変異 感染者の多い地域では…

    ほかの地域でも感染力が強い「N501Y」の変異がある新型コロナウイルスが占める割合が増えてきています。国立感染症研究所が4月26日時点でほかの地域について推定した結果は以下のとおりです。

    <東京 神奈川 千葉 埼玉の1都3県> 5月初めに8割ほど

    4月初めには2割ほどでしたが、4月下旬には半数を超え急速に置き換わっていて、5月初めには8割ほどになると推定しています。

    <愛知> 5月初めに7割余

    急速に置き換わりが進んでいます。4月初めに半数近くとなり、5月初めには7割余りになると推定しています。

    <福岡> 4月下旬に8割以上

    3月中旬まではほとんど見られませんでしたが、4月上旬には2割から3割、そして4月下旬には8割以上になっていると推定しています。

    <沖縄> 4月下旬に8割以上

    3月初めまでは少ない状態でしたが、4月初めから急速に拡大し中旬には半数ほど、そして下旬には8割以上になっていると推定しています。

    <宮城 山形 福島の東北>

    「N501Y」の変異があるウイルスへの置き換わりはまだ大きくは見られていないとしています。

    東京都と民間の検査機関 44.4%で「N501Y」変異が

    東京都内では「N501Y」の変異がある新型コロナウイルスは4月18日までの1週間に都内で行った検査のうち4割余りで見つかり、前の1週間と比べて14ポイント余り増えたことがわかりました。

    都内では都の「健康安全研究センター」と民間の検査機関などで「N501Y」の変異があるウイルスかどうかの検査を行っています。

    4月18日までの1週間に都内で新たに確認された陽性者の4割近くに当たる1562件の検体を調べた結果、「N501Y」の変異があるウイルスは44.4%に当たる694件から見つかりました。これは11日までの1週間と比べて14.4ポイント増えています。

    東京都「健康安全研究センター」分析で約60%

    また、東京都の「健康安全研究センター」に集められた検体を分析した結果では4月25日までの1週間で「N501Y」の変異があるウイルスが59.6%を占めました。

    前の1週間と比べて2倍近くになっていて、専門家は「完全にN501Yが優位になりつつある。N501Yの脅威を考えると引き続きしっかりと警戒して動向を注視していく必要がある」としています。

    東京 ほぼすべて変異ウイルスになると2週間後の陽性者1700人超

    そして、ほぼすべて変異ウイルスに入れかわった場合には2週間後には新規陽性者は1742人、入院患者は4450人になるという推計も明らかにされました。

    変異ウイルス 国内の感染者1万人超に

    変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は国内で確認された感染者が1万人を超えたと発表しました。

    全国の自治体は新型コロナウイルスの新規感染者の一部から検体を抽出してイギリスやブラジル、南アフリカ、それにフィリピンで確認されている変異ウイルスに感染していないかを調べています。

    厚生労働省によりますと、2020年12月から2021年4月27日までに全国の合わせて1万102人から変異ウイルスが検出されたと自治体から報告があったということです。また、4月27日までの1週間に確認された感染者は43都道府県で合わせて4186人に上り、前の週(2352人)のおよそ1.8倍に急増しています。

    また、これまでに変異ウイルスに感染した2200人余りの検体の遺伝子を解析した結果、96%の人からイギリスで最初に見つかったウイルスが検出されたということです。

    都道府県別では…

    変異ウイルスへの感染が確認された都道府県と人数は次のとおりです。

    ▽大阪府が2045人
    ▽東京都で1883人
    ▽埼玉県で563人
    ▽神奈川県で557人
    ▽兵庫県で443人
    ▽愛知県で380人
    ▽京都府で328人
    ▽北海道で299人
    ▽千葉県で274人
    ▽奈良県で252人
    ▽香川県で251人
    ▽愛媛県で248人
    ▽福岡県と広島県で213人
    ▽富山県で179人
    ▽三重県で173人
    ▽岡山県で145人
    ▽徳島県で138人
    ▽静岡県で134人
    ▽岐阜県と滋賀県で126人
    ▽茨城県で116人
    ▽山口県で98人
    ▽新潟県で91人
    ▽群馬県で84人
    ▽和歌山県で83人
    ▽福井県で62人
    ▽鳥取県で61人
    ▽長野県で58人
    ▽熊本県で57人
    ▽宮崎県で49人
    ▽高知県で46人
    ▽山梨県と栃木県、大分県で41人
    ▽石川県と沖縄県で29人
    ▽宮城県と秋田県で27人
    ▽鹿児島県で26人
    ▽佐賀県で24人
    ▽島根県で19人
    ▽長崎県で15人
    ▽福島県で5人
    ▽岩手県で2人
    ▽青森県で1人

    厚生労働省は、感染者情報を集約するシステム「HERーSYS」を通じてこれらのデータを集めているため、自治体の発表と人数が異なる場合があります。

    感染確認は20代が最多 死亡した人は37人

    厚生労働省は4月26日までに変異ウイルスへの感染が確認された人のうち、国立感染症研究所などで遺伝子を解析した2179人について年代をまとめました。

    ▽10歳未満が129人
    ▽10代が243人
    ▽20代が515人
    ▽30代が252人
    ▽40代が279人
    ▽50代が260人
    ▽60代が178人
    ▽70代が156人
    ▽80代以上が164人
    ▽不明が3人となっています。

    このうち死亡した人は合わせて37人で
    ▽40代と50代がそれぞれ1人
    ▽60代が3人
    ▽70代が9人
    ▽80代以上が23人となっています。

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    “感染力↑““抗体働き↓” インドで確認 変異ウイルスとは?(4/28)

    2021年4月28日

    1日の新たな感染者数が連日30万人を超え、1日に亡くなる人も連日2000人を超えているインド。その要因の1つとしてインドで最初に確認された変異ウイルスの影響が指摘されています。WHOはこの変異ウイルスを「注目すべき変異株」に新たに指定しました。

    日本でも東京都が80代女性の感染確認を明らかにするなどしています。どんなウイルスなのでしょうか?

    少なくとも世界17の国で報告

    WHO=世界保健機関は4月27日に公表した報告書で、インドで最初に確認された変異ウイルスがインドのほかイギリスやアメリカ、シンガポールなどこれまでに世界の少なくとも17の国で報告されていることを明らかにしました。

    感染力を強め 抗体の働き低下か

    報告書では、この変異ウイルスには感染力を強めたりウイルスを攻撃する抗体の働きを低下させたりするおそれのある特徴的な遺伝子変異が3つあり、インドの感染状況の分析からも感染力が強まっている可能性が示唆されるとしています。

    このため、WHOはこの変異ウイルスを感染状況を注視する「注目すべき変異株」に新たに指定し、各国の保健当局に対し検出状況を報告するよう呼びかけました。

    一方、WHOはインドでの感染の急拡大は大勢の人が参加する宗教的な行事が開催されるなど社会的な感染対策が困難だったことなども要因だと指摘していて今後、ウイルスの性質に関する研究を急ぐ必要があるとしています。

    どんなウイルス? 国立感染症研究所の評価

    インドで最初に確認された変異ウイルスとは、どのようなウイルスなのか?国立感染症研究所が4月26日時点で評価をまとめています。

    国立感染症研究所が発表した報告によりますと、インドで報告されている変異ウイルスは「B.1.617系統」と呼ばれ、「L452R」と「E484Q」という2つの変異を合わせ持つことがあるということです。

    WHOは、世界の少なくとも17の国で報告されていることを明らかにしましたが、日本でも4月20日に初めて国内の患者から検出され、空港検疫では4月26日までに20人から検出されているということです。

    海外の研究では、インドで使われているワクチンの効果が下がったというデータがある一方で、同じ「L452R」の変異があるウイルスは日本でも広がっている「N501Y」の変異があるウイルスと比べると、感染性が低かったという細胞での実験データもあるということです。

    国立感染症研究所では、インドでは遺伝子解析の数が少ないことなどからインド国内での感染者の急増との関係は明らかではないとしたうえで「ウイルスの性質についてまだわからないことも多く引き続き実態を把握していく」としています。

    イギリス型 南ア型などは「懸念すべき変異株」

    新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、WHOが「懸念すべき変異株」に指定しているのは以下の3つです。
    ▽「イギリスで最初に見つかった変異ウイルス」と
    ▽「南アフリカで見つかった変異ウイルス」
    それに
    ▽「ブラジルで広がった変異ウイルス」

    インドで報告されているのはこれらとは別の変異ウイルスです。

    インドの保健・家族福祉省の2021年3月24日の発表によりますと、インド西部のマハラシュトラ州で「E484Q」と「L452R」という2つの変異を合わせ持ったウイルスが全体の15%から20%で検出されていて、増える傾向にあるということです。

    新型コロナウイルスでは2つ以上の変異が同時に起こるのは珍しいことではなく、感染力などの性質にどの程度影響のある変異かどうかが問題となります。

    例えば、関西を中心に日本でも広がっているイギリスで最初に確認された変異ウイルスは、スパイクたんぱく質に主なものだけでも5つ以上の変異があり、このうち感染力を高めるとされる「N501Y」という変異が問題となっています。

    また、南アフリカで見つかった変異ウイルスとブラジルで広がった変異ウイルスでは「N501Y」に加えて免疫の効果が低下する可能性のある「E484K」の変異も起こっていて、インドで見つかった変異ウイルスと同様に問題となる2つ以上の変異を合わせ持つウイルスとなっています。

    米・バイデン大統領 “インドにワクチン提供”

    インドでは医療体制も危機的な状況に陥っていて、アメリカのバイデン大統領は医療用の酸素などに加えてワクチンも提供したいという考えを示しました。

    バイデン大統領は4月27日、ホワイトハウスで記者団に対し「インドが必要なひととおりの支援を直ちに送る」と述べ、抗ウイルス薬「レムデシビル」やワクチンの製造に使う装置の部品を提供すると明らかにしました。

    さらに、前日に行ったインドのモディ首相との電話会談について「ワクチンそのものをインドに送ることができる時期について話し合った。私はそうするつもりだ」と述べ、すでに明らかにしている医療用の酸素などに加えてワクチンも提供したいという考えを示しました。

    アメリカは、イギリスの製薬大手アストラゼネカなどが開発したワクチンおよそ6000万回分を必要な国に提供する方針をすでに明らかにしていますが、提供先は検討中だとしています。インドに対してはイギリスなど各国や企業が支援を本格化させています。

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    インド 1日の感染者数 世界最多に「変異ウイルスが主要因」(4/23)

    2021年4月23日

    新型コロナウイルスの感染が急速に広がり、1日の新たな感染者が30万人を超えるインドでは、各地の病院で医療用の酸素が不足する深刻な事態になっています。インドでは、4月23日に確認された新規感染者が33万人余りと、1日あたりの感染者としては、世界でもっとも多くなり、死者も国内では過去最多の2200人以上にのぼりました。

    酸素不足で治療滞る

    首都ニューデリーでは、各地の病院から、医療用の酸素が残り数時間分しかないなどとして、追加の供給を訴える声が相次いで上がり、酸素不足で治療が滞る深刻な事態になっています。

    インド政府は、工業用の酸素の生産を減らし医療用に回すなどしていますが、患者の増加に追いついておらず、モディ首相はさらなる増産を指示しました。

    こうした中、中部マディヤプラデシュ州では4月20日、新型コロナに感染した人の親族が、病院の倉庫から酸素ボンベを奪う事件も起きているということです。

    今回の感染の急拡大の背景には、インドで新たに見つかった、2つの特徴的な変異をあわせ持ったウイルスの影響が指摘されています。

    専門家によりますと、この変異ウイルスは感染力が強いおそれがあり、イギリスやシンガポール、カナダなどが相次いでインドからの入国を禁止しています。

    専門家「変異ウイルスが感染拡大の主要因」

    疫学が専門のインド公衆衛生財団のギリダール・バブ教授は、インドで新たに見つかった、2つの変異をあわせ持ったウイルスについて「変異によってウイルスと細胞の受容体が、鍵と鍵穴のように完璧に結合する。それによって感染力が強くなったようだ」と指摘しました。

    そのうえで、データが十分ではないとしながらも「この変異ウイルスが急激な感染拡大の主な要因になっていることに疑いはない」と述べました。

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    「N501Y」変異ウイルス 今月検出相次ぐ 東京医科歯科大調査(4/22)

    2021年4月22日

    感染拡大が懸念されている感染力が高い、変異した新型コロナウイルスについて東京医科歯科大学附属病院が調べたところ、4月に入って患者からの検出が相次いでいることが分かりました。従来のウイルスは検出されなかったということで、分析を行ったグループでは関東でも変異ウイルスが広がってきているとしています。

    東京 文京区にある東京医科歯科大学附属病院では、新型コロナウイルスに感染したすべての患者に対し、変異ウイルスかどうかの検査を行っています。

    グループによりますと、4月21日までの1週間で14人の患者のうち、
    ▽関西で広がっている「N501Y」という変異があるウイルスが11人で、
    ▽抗体の攻撃から逃れる「E484K」という変異のあるウイルスが3人で検出されたということです。
    ▽従来のウイルスは検出されませんでした。

    グループによりますと、3月までの調査では多くが「E484K」の変異があるウイルスでしたが、4月に入り「N501Y」のあるウイルスが増えてきたということで、東京都の調査などでも同様の傾向が確認されています。

    東京医科歯科大学の武内寛明准教授は「主に検出される変異ウイルスの株が、感染力の高いものに逆転してきている。東京でもこの株への置き換わりが急激に起こりつつあると考えている」と話していました。

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    新型コロナ 変異ウイルスの感染者 累計6000人近くに(4/21)

    2021年4月21日

    変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省はこの1週間に新たに2352人の感染が全国の自治体の検査で確認されたと発表しました。新たな確認は前の週の1.5倍に上り、これまでの感染者数は合わせて6000人近くに上っています。

    全国の自治体は新型コロナウイルスの新規感染者の一部から検体を抽出したうえでイギリス、ブラジル、南アフリカ、それにフィリピンで確認されている変異ウイルスに感染していないかを調べています。

    厚生労働省のまとめによりますと、4月20日までの1週間に青森県と岩手県、山形県福島県、佐賀県を除く42の都道府県で合わせて2352人の検体から変異ウイルスが検出されたということです。

    これは前の週のおよそ1.5倍に上っています。

    都道府県別では
    最も多かったのが東京都で549人
    次いで
    ▽大阪府で209人
    ▽埼玉県で196人
    ▽神奈川県で120人
    ▽北海道で119人
    ▽愛媛県で106人などとなっています。

    これまでに自治体の検査で変異ウイルスへの感染が確認された人は合わせて5916人となりました。

    また、国立感染症研究所などで変異ウイルスの遺伝子が確認されたのはこれまでに全国で合わせて1646人で、このうち95%の人からイギリスで最初に見つかったウイルスが検出されているということです。

    この変異ウイルスは従来のものより感染力が強いとされ、厚生労働省や自治体が監視体制を強化しています。

    子どもの割合は…

    変異ウイルスは従来のウイルスに比べて感染力が高くなっていて、すべての年齢層で感染しやすくなっている可能性が指摘されていますが、子どもが感染しやすいかどうかはまだ詳しく分かっていません。

    国立感染症研究所は4月5日時点の国内の感染者について疫学的な分析を行っています。

    それによりますと、イギリスで最初に確認されたタイプの変異ウイルスの感染者1889人と従来のウイルスの感染者3万5216人を年齢別に分析した結果、従来のウイルスでは0歳から5歳以下の感染者は全体の2.1%だったのに対し変異ウイルスでは4.3%と増えていました。

    また、就学年齢となる6歳以上17歳以下の感染者について従来のウイルスでは全体の5.7%だったのに対し、変異ウイルスでは10.3%とこちらも増えていました。

    それ以外の年代では65歳以上の感染者の割合が変異ウイルスで少なくなっていましたが大きな変化はありませんでした。

    国立感染症研究所では子どもの割合が多くなっていることについて、変異ウイルスの流行が始まった当初、子どもに関係する施設でクラスター=感染者の集団が見つかったことが影響している可能性もあるとしています。

    さらに厚生労働省が4月20日、専門家会合で示したデータでは、4月19日時点で詳しい遺伝子検査によって変異ウイルスの感染が確認された1477人を年代別に分析した結果、従来のウイルスでは10歳未満が3%だったのに対し、変異ウイルスでは8%、また10代が7%だったのが変異ウイルスでは11%と10代以下の割合が高まっています。

    ただ、10代以下の割合は1か月前に比べると低くなっているということで、専門家会合では現段階では15歳未満で明らかな感染拡大の傾向は見られないとしています。

    20日までの1週間では…

    4月20日までの1週間に自治体の検査で、変異ウイルスへの感染が確認された都道府県とその人数は次のとおりです。

    厚生労働省のまとめによりますと
    ▽最も多かったのが東京都で549人、
    次いで
    ▽大阪府で209人、
    ▽埼玉県で196人、
    ▽神奈川県で120人、
    ▽北海道で119人、
    ▽愛媛県で106人、
    ▽京都府で91人、
    ▽福岡県で85人、
    ▽滋賀県で79人、
    ▽兵庫県で76人、
    ▽愛知県で73人、
    ▽香川県で57人、
    ▽富山県で55人、
    ▽千葉県で54人、
    ▽三重県で53人、
    ▽奈良県で48人、
    ▽茨城県で43人、
    ▽広島県で42人、
    ▽岡山県で34人、
    ▽群馬県で29人、
    ▽岐阜県と鳥取県で26人、
    ▽山口県で25人、
    ▽宮城県で24人、
    ▽静岡県で21人、
    ▽栃木県で14人、
    ▽沖縄県で12人、
    ▽秋田県と福井県で11人、
    ▽新潟県と長野県、大分県で8人、
    ▽山梨県と熊本県で7人、
    ▽和歌山県と宮崎県で6人、
    ▽石川県で5人、
    ▽長崎県で4人、
    ▽高知県で2人、
    ▽島根県と徳島県、鹿児島県で1人でした。

    青森県、岩手県、山形県、福島県、佐賀県では、厚生労働省のまとめとしては、
    4月20日までの1週間では確認されていません。

    厚生労働省は、感染者情報を集約するシステム「HER-SYS」を通じて、これらのデータを集めていて、自治体の発表と数が異なる場合があります。

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    変異ウイルス「N501Y」 首都圏でも5月初めには8割超か 感染研(4/15)

    2021年4月15日

    感染力が強い、変異した新型コロナウイルスは、関西ではすでに全体の80%を占めていて、東京など首都圏の1都3県でも5月初めには全体の80%以上が従来のウイルスから置き換わるとする推定の結果を国立感染症研究所がまとめました。

    イギリスで最初に確認された「N501Y」という変異のあるウイルスは、国立感染症研究所の分析で、感染の広がりやすさを示す「実効再生産数」が従来のウイルスより平均で1.32倍高く、これまでのウイルスから急速に置き換わっているとみられています。

    国立感染症研究所が変異ウイルスを調べる検査の結果などをもとに、新たに示した4月13日時点での推定では、大阪府と兵庫県、京都府の2府1県では2021年2月から変異ウイルスが急増し始め、3月中には半数以上が変異ウイルスに置き換わったとみられています。

    その後、4月初めの時点では全体のおよそ75%、現時点ではすでに80%を占めていると推定され、この状況が続くと5月中にはほぼすべてが変異ウイルスに置き換わるとみられています。

    また、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県では、3月中旬以降、このタイプの変異ウイルスが増え始め、4月初めの時点ではおよそ10%でしたが、急速に増えつつあり、この状況が続くと5月初めには80%から90%が変異ウイルスに置き換わると推定しています。

    また、愛知、岐阜、三重、静岡の4県や、沖縄県でも5月初めには大半が変異ウイルスになると推定しています。

    イギリスでは2020年10月以降、同じタイプの変異ウイルスが急増し、ことし2月から3月ごろにはほぼすべてが置き換わったとみられていて、日本国内でも同様のことが起きるおそれがあります。

    国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は「このままのペースでいけば、国内でも5月前半には大半がN501Yの変異があるウイルスになると推測される。ただ、人の流れの変化など対策の効果は考慮していないので、対策によっては今後データが変わってくる可能性はある」と話しています。

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    【詳しく】変異ウイルス 感染急拡大 “重症化スピード速い”(4/14)

    2021年4月14日

    新型コロナウイルスのうち、イギリスなどで見つかった「N501Y」と呼ばれる変異が起こったウイルスは、感染力が従来のものより強いとされ、国内で急速に広がっています。

    この変異ウイルスの広がりについて各自治体が調査を進めた結果、感染者に占める割合が大きく上昇していることがわかりました。

    医療現場からは「従来のものと比べ重症化スピードが速い」「基礎疾患のない40代や50代の患者が重症化する場合もある」などの報告も寄せられているといいます。

    各地の現状や今後に関する専門家の見解などをまとめました。

    東京都

    東京都内では、4月11日までの1週間に都の研究機関と民間の検査機関で新型コロナウイルスに感染した人合わせて510人の検体を調査して「N501Y」の変異があるウイルスかどうか調べました。

    その結果、25.5%にあたる130人がこの変異ウイルスと確認されました。

    この割合は3月28日までの1週間は3.1%でしたが、4月4日までの週は16%と急拡大し、今回はさらに10ポイント近く上昇しています。

    2週間で割合がおよそ8倍に増えていて、急速に感染が広がっています。

    都内では4月12日は61人、4月13日は80人が確認され、1日に発表される人数としては2日連続で最多となりました。また14日も新たに72人の感染が確認されました。

    4月12日までに都内で確認された336人のうち、およそ85%にあたる286人は3月29日以降に確認されていて、感染者数の推移を見ても都内で変異ウイルスがこの2週間で広がっていることがうかがえます。

    東京都 小池知事「明らかに猛威 テレワーク徹底を」

    東京都の小池知事は、都庁で記者団に対し「明らかに猛威を振るっているということを認識しながら対策をしっかりと打っていきたい」と述べ、変異ウイルスの感染が広がっているという認識を示しました。

    そのうえで「きょうも雨だが、通勤や通学で駅などがかなり混んでいたと聞いている。再びテレワークを徹底してもらうことがこの嫌な期間を短くおさえられる。一人一人の判断、決断が結局、総体としての対策につながる」と述べ、対策のさらなる徹底を呼びかけました。

    また4月14日夜、記者団に対し「若い世代に変異ウイルスの拡大が見られる。活動的な若い世代への広がりがさらなる感染の広がりにつながることから、特に大都市圏との往来は控え、都と県の境を越えた外出も自粛をお願いしたい。人の流れを抑えるための重要な局面だ」と述べました。

    大阪府

    大阪府では4月3日までの1週間に感染者304人の検体を調査した結果、73.7%にあたる224人が変異ウイルスと確認されました。

    3月13日までの1週間は41.7%、3月20日までの1週間は48.6%、3月27日までの1週間は65%と変異ウイルスの割合が高まっています。

    神奈川県

    神奈川県では、4月1日から11日までに感染者338人の検体を調査し、30.2%にあたる102人が変異ウイルスと確認されました。

    2月全体では5%余りだったということで、短い間に急増していることがわかります。

    兵庫県

    兵庫県では、3月28日までの1週間に感染者260人の検体を調査し、81.2%にあたる211人が変異ウイルスと確認されました。

    調査結果「全体の正確な状況示すものではない」も各自治体は警戒

    これらの調査は、すべての新規感染者に行われているわけではなく、変異ウイルス感染者の濃厚接触者が比較的多く含まれる地域もあり、必ずしも全体の正確な状況を示すものではないということですが、割合は上昇し続けていて、各自治体は警戒を強めています。

    また調査は「N501Y」と呼ばれる変異が対象で「E484K」と呼ばれる変異は含まれません。

    大阪 兵庫は5月中にはほぼすべてが変異ウイルスに置き換わるか

    イギリスで最初に確認された変異ウイルスの特徴の1つは感染力の強さです。

    4月7日に厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますとこのタイプの変異ウイルスについて国立感染症研究所が国内での感染力の強さを計算したところ、感染の広がりやすさを示す「実効再生産数」が従来のウイルスより平均で1.32倍、高くなっていたということです。

    このためこの変異ウイルスが広がり始めた地域ではこれまでのウイルスから急速に変異ウイルスに置き換わっているとみられています。

    国立感染症研究所の4月6日時点の推定では大阪府と兵庫県でことし2月から変異ウイルスが急増し始め、3月中には半数以上が変異ウイルスに置き換わったとみられています。

    その後、4月のはじめの時点では全体のおよそ70%と推定されるということです。

    この状況が続くと5月中にはほぼすべてが変異ウイルスに置き換わるとみられています。

    また、東京都、神奈川県、千葉県の1都2県では、3月中旬以降、このタイプの変異ウイルスが増え始めていますが、4月はじめの時点ではおよそ10%と推定されています。

    ただ、その後、急速に増えていく可能性が指摘されていて、この状況が続くと5月には75%を超え、さらに増えるおそれがあると推定されています。

    WHOによりますとこうした傾向は海外のすでに変異ウイルスが広がっている国でも確認されています。

    イギリスでは2020年10月以降、変異ウイルスが急増し、ことし2月から3月ごろにはほぼすべてが変異ウイルスに置き換わったとみられています。

    また、イギリスと同じく「N501Y」という感染力が高まる変異のあるウイルスが広がった南アフリカでは2020年10月ごろから変異ウイルスが急増し、ことし1月から2月にかけてほぼすべてが変異ウイルスになったとみられるということです。

    病院から「重症化スピード 従来のウイルスより速い」との報告も

    新型コロナの変異ウイルスの感染が広がる中、埼玉県の病院では4月に入って重症患者が増加し、発症から重症化までの期間が従来は1週間程度だったのが4、5日で重症化するケースも出てきているということです。

    コロナ病棟の医師は、変異ウイルスは重症化のスピードが従来より速いという報告もあり危機感を募らせています。

    埼玉県川越市の埼玉医科大学総合医療センターでは、第3波で急増した重症患者は減少していましたが、4月に入って再び増加しているということです。

    病院では、重症患者を5人ほど受け入れられるところ、先週は3人が人工呼吸器を装着するなど、ほとんどの病床が埋まる日が相次ぎ、第3波の初期と同じような状況だということです。

    基礎疾患ない40代や50代の患者が重症化するケースも

    また、病院によりますと、発症から重症化するまでの期間は従来は7日から9日でしたが、現在は4、5日で重症化するケースもみられるということです。

    さらに、4月入院したコロナ患者の一部について検査したところ、変異ウイルスの感染は1人だけでしたが、この病院によりますと、変異ウイルスは肺炎の症状の進行が早く、基礎疾患がない40代や50代の患者でも重症化するケースがみられるという報告もあり、調べきれていない患者についても検査する必要があるとしています。

    コロナ病棟を取りしきる、感染症科の岡秀昭教授は「すでに第4波の入り口にあるのだと思う。関西の医師からは変異株は『ウイルスが変わったと実感するほど症状の進行ペースが違う』と聞いている。感染性も強いし、変異株に置き換わる可能性も高い。人の往来が増えれば、変異ウイルスが首都圏で広がるのは時間の問題で、戦々恐々としている」と危機感を募らせています。

    専門家「これまでと別のウイルス 流行していると捉えてもよい」

    イギリスで最初に見つかった「N501Y」と呼ばれる変異があるウイルスが、関西などで急速に広がっていることについて、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎 特任教授は「感染力が高いことは確かで、関西では従来のウイルスからほぼ変異ウイルスに置き換わっている。この波は東京などの首都圏や、それ以外の地域にも遅かれ早かれ押し寄せてくることになる。海外での広がりかたを見ても完全に避けることは難しく、いかに拡大を遅らせるかを考えるしかない」と指摘しました。

    さらに「関西では40代や50代など比較的若い世代でも重症化するケースが増えてきているほか、発症してから重症化するまでの時間が短くなっているという報告もある。医療体制に与える影響も大きくなるおそれがあり、非常に憂慮しなければならない事態だ。これまでとは別のウイルスが流行していると捉えてもよく、今まで以上に厳しく対策を心がけてもらいたい。国や行政は、ウイルスの広がりのスピードを踏まえて、緊急事態宣言への切り替えなど対策を強化する判断をこれまでより迅速に行ってほしい」と話しています。

    また、東京などで「N501Y」の変異はないものの、免疫の攻撃から逃れる「E484K」と呼ばれる変異があるウイルスがまとまって確認されていることについて「感染力は従来のウイルスから変化がないと思われるが、ワクチンの効果が低下するおそれや以前に感染した人でも再び感染する可能性がある。

    ただ、対策の優先順位としては急速に広がっている『N501Y』の変異があるイギリスで見つかったタイプのウイルスを抑えることが先だ」と話しています。

    全国ではこの1週間で1525人から検出 約1.7倍に増加

    厚生労働省によりますと、4月13日までの1週間に45の都道府県で合わせて1525人の検体から変異ウイルスが検出されたということです。

    ▽最も多かったのが東京都で319人、
    次いで
    ▽大阪府で273人、
    ▽京都府で76人、
    ▽愛知県で67人、
    ▽神奈川県で63人、
    ▽埼玉県で61人、
    ▽福岡県で60人、
    ▽岡山県で45人、
    ▽千葉県で43人、
    ▽茨城県で42人、
    ▽香川県で41人、
    ▽三重県で39人
    ▽富山県と滋賀県で37人、
    ▽愛媛県で36人、
    ▽岐阜県と兵庫県で28人、
    ▽福井県で27人、
    ▽長野県で22人、
    ▽徳島県で21人、
    ▽広島県で17人、
    ▽静岡県で16人、
    ▽北海道で13人、
    ▽奈良県で12人、
    ▽高知県と熊本県、それに大分県で10人、
    ▽山口県で9人、
    ▽秋田県と栃木県で8人、
    ▽群馬県で7人、
    ▽宮崎県で6人、
    ▽和歌山県と鹿児島県、佐賀県で5人、
    ▽島根県で4人、
    ▽新潟県と石川県で3人、
    ▽岩手県と山梨県で2人
    ▽長崎県、沖縄県、青森県、鳥取県と宮城県がそれぞれ1人です。

    青森県、岩手県、それに宮崎県では初めて変異ウイルスの感染が確認されました。

    これまでに、自治体の検査で変異ウイルスへの感染が確認された人は合わせて3564人となり、この1週間でおよそ1.7倍に増加しています。

    また、国立感染症研究所などで変異ウイルスの遺伝子が確認されたのは、これまでに全国で合わせて1141人で、このうち94%の人からイギリスで最初に見つかったウイルスが検出されているということです。

    変異ウイルス 4月段階で国内で広がるのは主に2つのタイプ

    新型コロナウイルスの変異ウイルスは、遺伝情報のどの部分に変異が起こっているかなどにより細かく分類されていますが、2021年4月の段階では国内で主に2つのタイプの変異ウイルスの感染が広がっています。

    「N501Y」と呼ばれる変異があるウイルスは

    大阪府や兵庫県で多く確認されている変異ウイルスは2020年12月、イギリスで最初に見つかり、その後、世界に広がったタイプです。

    このウイルスには「スパイクたんぱく質」と呼ばれる部分に「N501Y」と呼ばれる変異があり、感染力が強くなっています。

    これは「スパイクたんぱく質」の501番目のアミノ酸がアスパラギン(略号N)からチロシン(略号Y)に置き換わっているという意味です。

    この「N501Y」の変異は南アフリカで見つかった変異ウイルスやブラジルで広がった変異ウイルスにも共通してあることが分かっています。

    WHOのまとめによりますと、イギリスで見つかった変異ウイルスは従来のウイルスに比べて、感染力は36%から75%高くなっていたということです。

    また、国内でも国立感染症研究所がことし2月1日から3月22日の事例を分析したところ、感染の広がりやすさを表す数値が従来のウイルスより平均で1.32倍、高くなっているという計算結果となりました。

    国立感染症研究所ではこの変異ウイルスが広がれば従来のウイルスに対するのと同じ対策では、これまで以上の感染者数の増加につながり、医療提供体制や公衆衛生対策の体制を急速に圧迫するおそれがあると指摘しています。

    このため国は「N501Y」の変異を持ったウイルスを監視対象として全国でスクリーニング検査を行うなど警戒を強めています。

    「E484K」と呼ばれる変異があるウイルスは

    一方、3月、東京都などで感染の広がりが指摘されたのが「N501Y」の変異ではなく「E484K」と呼ばれる別の変異があるウイルスです。

    これは「スパイクたんぱく質」の484番目のアミノ酸がグルタミン酸(略号E)からリシン(略号K)に置き換わっているという意味です。

    こちらの変異ウイルスは感染力が著しく高くなったり、症状が強くなったりするなどの性質の変化は報告されていないということです。

    ただ、この変異があると抗体の攻撃から逃れる性質を持つと考えられていて、免疫やワクチンの効果を低下されるおそれが指摘されています。

    国立感染症研究所はこの変異があるウイルスが現在、国内で使われているファイザー社製のワクチンの効果を完全に無効化するとは考えにくいとしています。

    ただ、再感染のリスクが上がったり、ワクチンの有効性が低下したりする可能性はあるということで、「公衆衛生的なリスクは高くないが、中長期に対処していくべきリスク」だとしています

    南アフリカとブラジルで広がった変異ウイルス

    さらに、国内での報告例は少ないものの「N501Y」と「E484K」の両方の変異があるウイルスもあります。

    南アフリカで最初に確認された変異ウイルスやブラジルで広がった変異ウイルス、それにフィリピンで見つかった変異ウイルスです。

    これらの3つの変異ウイルスは感染しやすくなったり、ワクチンの効果が下がるおそれがあったりするなど、両方の変異の特徴があるとみられ日本でも感染が広がらないよう警戒されています。

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    英で確認の変異ウイルス 「132の国と地域に」WHOが報告書公表(4/14)

    2021年4月14日

    WHO=世界保健機関はイギリスで最初に確認された、変異した新型コロナウイルスの感染が世界の132の国や地域に拡大し、南アフリカとブラジルで確認された変異ウイルスも、それぞれ感染が拡大しているとする報告書を公表しました。

    報告書によりますと、イギリスで最初に確認された変異ウイルスの報告があった国や地域は、4月13日の時点で132と、2週間前のまとめと比べて2つ増えました。

    また、南アフリカで確認された別の変異ウイルスの報告があった国や地域は2つ増えて82、ブラジルで確認された別の変異ウイルスも7つ増え52となりました。

    これら3つの変異ウイルスには、感染力や免疫の効果に影響を与えるおそれのある遺伝子変異があり、WHOは「懸念される変異株」に指定して監視を強めています。

    このうちブラジルでは、2021年1月時点で検出された変異ウイルスの割合は28%でしたが、3月には73%に上るなど、感染が急速に拡大しているということです。

    ブラジルでの変異ウイルスの拡大を受けて、フランスのカステックス首相は4月13日、ブラジルとを結ぶすべての航空便の運航を当面、停止すると発表しました。

    このほかWHOの報告書では、3つの変異ウイルスに次ぐ「注目すべき変異株」に、フィリピンや日本で2021年2月に確認された変異ウイルスや、フランスで2021年1月に確認された変異ウイルスなど6つを挙げています。

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    東京都 変異ウイルス クラスターも 1日最多の80人の感染確認(4/13)

    2021年4月13日

    東京都内では4月13日、これまでで最も多い80人が感染力が強いとされる「N501Y」の変異があるウイルスに感染していることが新たに確認されました。このうち7人は同じ病院内で感染した患者と職員で、都によりますと変異ウイルスによるクラスターが都内で確認されるのは初めてだということです。

    東京都内では4月13日、新たに80人が、感染力が強いとされる「N501Y」の変異があるウイルスに感染していることが確認されました。

    都が1日に発表する人数としては、61人だった4月12日を上回り、これまでで最も多くなりました。

    年代別で最も多いのは20代の29人で、次に多いのが30代の14人です。

    20代と30代を合わせると43人で全体の半分以上になります。

    都内初 変異ウイルスによるクラスター確認

    80人のうち7人は同じ病院内で感染した患者4人と職員3人です。

    この病院では4月13日に確認された7人を含めてこれまでに12人の感染が確認されていて、都によりますと変異ウイルスによるクラスターが都内で確認されるのは初めてだということです。

    これで都内で変異ウイルスの感染が確認されたのは合わせて336人になりました。

    このうち死亡したのは1人です。

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    米で流行の変異ウイルス 日本人に多い免疫で効果弱まる可能性(4/13)

    2021年4月13日

    アメリカ・カリフォルニア州を中心に流行している新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、日本人に多いタイプの免疫で一部効果が弱まる可能性があるとする研究結果を東京大学などのグループが公表しました。

    この研究は東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授らのグループがまとめ、正式な審査を受ける前の論文を公開する「プレプリントサーバー」と呼ばれるシステムを利用して公開されました。

    ヒトの免疫には、「抗体」のほかに白血球などがウイルスなどを直接撃退する「細胞性免疫」という仕組みがあります。

    グループは、この「細胞性免疫」に注目し、日本人の6割が持つとされる「HLAーA24」というタイプの白血球がウイルスを撃退できるかを調べました。

    その結果、アメリカ・カリフォルニア州を中心に流行している「L452R」という変異がある変異ウイルスに対しては、働きが低下することが細胞の実験で確認されたということです。

    グループによりますと、実際には別の免疫機能が働くとみられますが、白血球がこのタイプだと免疫の効果が低下するおそれがあるということです。

    この変異ウイルスは国内では4月、沖縄で1人の感染が確認されています。

    佐藤准教授は「細胞性免疫は、ヒトの免疫の中では重要な役割を果たしている。ワクチンの効果などに、どう影響があるのか検証する必要がある」と話しています。

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    「N501Y」変異ウイルスの独自PCR検査開始 東京 墨田区(4/12)

    2021年4月12日

    新型コロナウイルスの変異株の感染が広がる中、東京 墨田区では、区の施設で独自に変異株かどうか調べる体制を整え、検査を始めました。

    東京 墨田区では4月8日から区のPCR検査室で、独自に新型コロナの変異株かどうか調べる検査を始めました。

    検査では、感染力が高いとされイギリスなどで広がった「N501Y」と呼ばれる変異を持つウイルスかどうか確認できるということです。

    これまでは国や都に検体を送り、結果が出るまでに数日かかっていましたが、最短で1時間ほどで「変異株の疑い」と、分かるようになるということです。

    最終的には国の検査機関に送って確定させますが、区が自前で検査できることで、確定となる前から、入院対応の際に変異株の患者として病室の区分けなどができるほか、感染経路を調べる積極的疫学調査も変異株の患者として行うことにつなげられるということです。

    区では、
    ▽PCR検査室で陽性となった検体は、すべて変異株の検査も実施するほか、
    ▽民間の検査会社でも4月中旬から変異株の検査を担ってもらうということです。

    墨田区保健所の西塚至所長は「これまで以上に感染力が強いウイルスが相手になるが、ワクチンを多くの人に打てるまで“第4波”を遅らせたい。対策につなげる1つの判断材料として、変異株かどうか最短で分かることは武器になる」と話していました。

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    大阪 変異ウイルス 30代以下約6割 来週には確保病床超の試算も(4/9)

    2021年4月9日

    大阪府では、4月8日、過去最多の905人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。

    感染急拡大の要因の一つとみられている、変異ウイルス。大阪府が4月5日までの変異ウイルスの感染者の年代を調べたところ、30代以下が全体の6割近くを占めています。

    大阪府が行った今後のシミュレーションでは、1日の新たな感染者数が4月14日の時点で1400人を超えると推計されているほか、患者数も来週までに、現在確保している病床数を超えると試算され、医療体制のひっ迫が懸念されています。

    変異ウイルスの割合 30代以下が約6割

    感染急拡大の要因の一つとみられている、変異ウイルス。

    大阪府が4月5日までに確認された変異ウイルスの感染者の年代を調べたところ、若い世代に多い傾向がみられました。

    30代以下の割合が58.2%となり、このうち20代以下が46.4%と全体の半数近くを占めています。

    大阪府は、2020年10月10日から2021年2月28日までの期間を「第3波」としていますが、「第3波」では、30代以下は感染者全体の45.6%、20代以下は感染者全体の32.2%で、「第3波」と比べても、変異ウイルスへの感染は若い世代に多い傾向になっています。

    変異ウイルスは「第3波」より重症化の割合高く

    大阪府内で増え続ける新型コロナの変異ウイルスの感染者は第3波の感染者全体と比べると、重症化する割合が高くなる傾向がみられます。

    大阪府は、「第3波」の感染者全体と、4月5日までに見つかった変異ウイルスの感染者全体について、重症者の割合などを調べました。

    それによりますと、重症者の割合は、第3波の感染者では3.2%だったのに対して、変異ウイルスの感染者では4.7%となっています。

    発症から重症化するまでの日数は、第3波では8日だったのが、変異ウイルスでは6.5日となり、変異ウイルスの方が短期間で重症化する傾向があることがわかりました。

    大阪府は「現時点では変異ウイルス感染者の母数が少ないため、従来株との単純比較は難しいが、重症化率は従来株と比べて高い傾向だ」と分析しています。

    大阪府の試算では 4月14日には1400人超に

    大阪府の4月8日の感染者数は、905人と3日連続で過去最多を更新し、初めて900人を上回りました。

    この先、感染者数はどうなっていくのか。大阪府は、今後の新規感染者数のシミュレーションも行っています

    3月31日の時点の感染者の発生傾向をもとに、それ以降の新規感染者が前の週と比べて2倍で増加すると想定し、1日当たりの新規感染者がどうなるか計算しました。

    その結果、大阪府の新規感染者は、4月14日の時点で1426人になると推計しています。

    大阪の重症者数 府の試算を上回るペース

    また大阪府は、重症者数のシミュレーションも行っています。

    4月13日には156人、4月14日には166人になると推計していますが、4月7日の時点での重症者数は158人となっていて、すでに府の計算を上回るペースで増加しています。

    大阪府 来週までに確保病床数を超えると試算

    また、大阪府のシミュレーションでは、
    ▽軽症・中等症の患者数は4月14日には2545人
    ▽宿泊療養者の人数は4月14日には2704人
    になると推計しています。

    しかしこの推計結果は、4月7日時点で大阪府が確保している
    ▽軽症・中等症患者向けの病床数1766床
    ▽宿泊療養者向けのベッド数を2416床
    をいずれも超える計算となっていて、医療体制のひっ迫が懸念されています。

    政府 分科会 尾身会長「明らかにいままでとは違うフェーズ」

    新型コロナウイルス対策の政府の分科会の尾身茂会長は、感染力が高い変異ウイルスが関西を中心に広がっている現在の状況について「大阪などでは、市中でのウイルスの密度が高くなっている中で変異株が広がってしまい、明らかにいままでとは違うフェーズに入った。こうした状況で感染を減少傾向に転じさせるためには、単に飲食店の営業時間を短縮するだけでは十分ではなく、接触機会の削減や人が集まる場所を避けること、地域を越えた移動を控えてもらうなどの対策をパッケージで行っていくことが重要になる」と述べました。

    そのうえで「東京でもこれから感染者数が増加していくことはほぼ間違いなく、とても難しい局面で、正念場に差しかかっていることは間違いない。重症化する人が増える事態を何としても避ける必要があり、高齢者のワクチン接種が終わるまでみんなでしのいでいくことが求められている」と強調しました。

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    変異ウイルス 感染力 従来のウイルス比で平均1.32倍高い(4/8)

    2021年4月8日

    感染力が強いとされるイギリスで確認された変異ウイルスについて、国立感染症研究所が日本国内での感染事例から感染の広がりやすさを示す「実効再生産数」を計算したところ、従来のウイルスより平均で1.32倍高くなっていたとする分析結果をまとめました。

    国立感染症研究所は、イギリスで最初に確認された変異ウイルスについて、国内で2021年2月1日から3月22日までの50日間に報告された感染事例から感染の広がりやすさを分析しました。

    その結果、1人が何人に感染を広げるかを示す数値「実効再生産数」は従来のウイルスに比べ変異ウイルスのほうが平均で1.32倍高くなっていたということです。

    このタイプの変異ウイルスは現在、関西などが中心ですが、東京でも少しずつ割合が増えているということで、国立感染症研究所は「感染力が強く従来の感染対策だけでは十分に制御することが難しい可能性がある」と分析しています。

    国立感染症研究所の脇田隆字所長は「解析した期間では従来のウイルスより変異ウイルスのほうが感染力が高いということは言える。今は関西が中心だが東京を含む首都圏でも今後さらに増えてくるという予測もある。急激な感染拡大につながる可能性があるため迅速に対策を打っていく必要がある」と話しています。

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    大阪で広がる変異ウイルス 感染力 最大1.7倍 対策どうすれば?(4/7)

    2021年4月7日

    大阪府は4月6日、過去最多となる719人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表しました。

    これで8日連続で東京の感染者数を上回りましたが、急激な感染拡大の原因の一つとされているのが、変異ウイルスです。

    関西では、イギリスで最初に見つかったタイプの変異ウイルスが多く確認されています。これまでのウイルスとどう違うのか、感染対策はどうすればいいのか、専門家に聞きました。

    変異ウイルスの割合 次第に高まる

    変異ウイルスへの感染が確認された人の割合は徐々に上がっています。

    大阪府は変異した新型コロナウイルスがどれくらい広がっているか実態を調べるため、2021年1月からスクリーニング検査を行っています。

    検査の対象には変異ウイルスの濃厚接触者などが含まれているため、大阪府はこの割合がただちに変異ウイルスの広がりの全体状況を示すものではないとしていますが、割合は上がり続けています。

    3月27日までの1週間で66.5%。検査をした人の中では3人に2人が変異ウイルスに感染しているという計算になります。

    感染力は最大1.7倍 “イギリス型”

    関西で多く確認されているのが、イギリスで最初に見つかったタイプの変異ウイルスです。

    この変異ウイルスは、WHOのまとめによりますと、従来のタイプより感染力が最大で1.7倍ほど高いとされ、これが感染拡大の要因の一つとみられています。

    このウイルスには、「N501Y」と呼ばれる変異があり、ウイルスが人に感染する際の足がかりとなる表面の突起部分が感染しやすいように変化していて、それにより感染力が高くなっていると考えられています。

    変異ウイルスは従来のタイプとどのように違うのか、3つのポイントでみていきます。

    感染力が高いとは?

    変異ウイルスに対し、どんなことに気をつける必要があるのでしょうか。

    感染力が強いということは、少ないウイルスの量でも感染することになるため、どの年代でも感染しやすくなると指摘されています

    特に子供は、従来のタイプでは、他の年代に比べて感染しにくいとされていましたが、変異ウイルスだとほかの年代と同じように感染するようになると考えられています。

    感染症に詳しい大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、子どもの間でも感染が広がりやすいおそれがあることから、注意が必要だとしています。

    (安井医師)
    「これまでよりも少ないウイルスであっても感染してしまう。子どもたちどうしでも、これまで集団感染がほとんどみられなかった施設でも、集団感染が起きるかもしれない。学校や幼稚園、保育園を通じて各家庭に広がるおそれがあり、学校・幼稚園・保育園においてもさらに感染対策をしていかないといけない」

    重症化や死亡のリスクは?

    重症化や死亡のリスクについては、まだ詳しいことはわかっていません。

    ただ、WHOによりますと入院や重症、それに亡くなるリスクが高くなっている可能性があるとしています。

    専門家は今後、変異ウイルスの症例を集めて詳しく調べる必要があると指摘しています。

    変異ウイルスに対しワクチンの効果は?

    変異ウイルスに対してワクチンは効果があるのか、とても気になるところです。

    WHOによりますと、イギリスで最初に報告された変異ウイルスについては、ワクチンの効果に大きな変化はないとしています。

    また、イスラエルではファイザーのワクチンの発症を防ぐ効果が94%、感染を防ぐ効果も92%だったなどとする論文が出されていて、分析の対象となった期間にイギリスで見つかった変異ウイルスが流行していたことから、この変異ウイルスに対する効果があることが示唆されるとしています。

    4月12日から高齢者へのワクチン接種が始まりますが、全体にいきわたるには時間がかかります。

    専門家は、ワクチンがいきわたるまで爆発的な感染を抑えることが重要だと指摘しています。

    (大阪府済生会中津病院 安井良則医師)
    「感染対策をやっているからまだこの程度に抑えられているんだというふうに考えるべきではないかと思います。なかなか患者数が減らないとなると、より強い対策、例えば外出も制限しないといけない時が来るかもしれない。これからの1か月、2か月間というのはすごく大切だと思います。感染者の増加の速度を抑えながら、ワクチンの接種率をあげていくことが大切だといえます」

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    変異ウイルス感染 前週の約1.6倍に増加(4/7)

    2021年4月7日

    イギリスや南アフリカなどで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は6日までの1週間に、国内で新たに200人余りの感染が確認されたと明らかにしました。前の週に比べて、およそ1.6倍に増加しています。

    厚生労働省によりますと、新規感染者から一部の人を抽出して検体の遺伝子を解析した結果、4月6日までの1週間に22の都道府県で合わせて208人が、イギリスや南アフリカ、それにブラジルで広がっている変異ウイルスに感染していたことが確認されました。
    前の週に確認された人数を79人、率にして61%上回っています。
    90%がイギリスで感染が広がっている変異ウイルスだということです。

    都道府県別で
    ▽最も多かったのが大阪の75人、
    ▽北海道が22人、
    ▽千葉が17人、
    ▽兵庫が16人、
    ▽香川と愛媛が11人、
    ▽三重が10人、
    ▽神奈川が8人、
    ▽岐阜が7人、
    ▽奈良が6人、
    ▽東京が5人、
    ▽愛知、長崎が3人、
    ▽秋田、埼玉、岡山、山口、徳島が2人、
    ▽和歌山、島根、高知、福岡がそれぞれ1人となっています。

    このうち、秋田と島根、山口、それに長崎では初めて感染が確認されました。

    これまでに国内で感染が確認されたのは、38都道府県で合わせて886人となっています。

    厚生労働省は自治体に対して、新型コロナウイルスの感染者の検体を可能なかぎり調べるよう求めるなど、監視体制を強化しています。

    検疫含めた感染1000人超に

    厚生労働省によりますと、イギリスと南アフリカ、それにブラジルで報告されている変異ウイルスへの感染がこれまでに確認されたのは、38の都道府県の合わせて886人です。

    このうち、
    ▽北海道が60人、
    ▽秋田で2人、
    ▽福島で5人、
    ▽茨城で1人、
    ▽栃木で2人、
    ▽群馬で3人、
    ▽埼玉で61人、
    ▽千葉で38人、
    ▽東京で23人、
    ▽神奈川で42人、
    ▽新潟で32人、
    ▽石川で1人、
    ▽福井で2人、
    ▽山梨で2人、
    ▽長野で1人、
    ▽岐阜で22人、
    ▽静岡で22人、
    ▽愛知で5人、
    ▽三重で17人、
    ▽滋賀で4人、
    ▽京都で24人、
    ▽大阪で205人、
    ▽兵庫で197人、
    ▽奈良で7人、
    ▽和歌山で3人、
    ▽島根で1人、
    ▽岡山で12人、
    ▽広島で23人、
    ▽山口で2人、
    ▽徳島で17人、
    ▽香川で13人、
    ▽愛媛で17人、
    ▽高知で3人、
    ▽福岡で7人、
    ▽長崎で3人、
    ▽大分で1人、
    ▽鹿児島で5人、
    ▽沖縄で1人となっています。

    厚生労働省によりますと、これらは遺伝子解析の結果、変異ウイルスと確定した人数で、遺伝子解析が行われる前に自治体が発表した人数は含まれないということです。

    このほか、検疫でもこれまでに152人の感染が確認され、フィリピンで見つかった変異ウイルスも検出されています。

    検疫と合わせると、国内で確認された変異ウイルスの感染者は、合わせて1038人に上っています。

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    変異ウイルス多数確認の仙台市 市長“検査態勢強化を検討”(4/6)

    2021年4月6日

    新型コロナウイルスの変異ウイルス「E484K」が仙台市内で多数確認されたことを受けて、仙台市の郡市長は変異ウイルスの検査態勢の強化を検討する考えを示しました。

    「E484K」は新型コロナウイルスの変異の一つで、ワクチンが効きにくくなる可能性や再感染しやすくなる可能性などが指摘されています。

    仙台市では、2021年2月下旬から3月25日までに感染が確認された検体の一部を調べた結果、およそ80%にあたる167件で「E484K」の変異ウイルスが確認されました。

    この変異ウイルスの確認は検体を国立感染症研究所に送って遺伝情報を解析して行われていますが、郡市長は4月6日の定例の記者会見で「現在の国に委託する形式では、感染元の調査が不十分なところもあるので、変異株の検査の着実な実施と早期発見に向けた検討を進める」と述べ、検査態勢の強化を検討する考えを示しました。

    また4月5日から『まん延防止等重点措置』が適用されたことについて、郡市長は「心苦しいが、適用の期間内に感染を押さえ込まなくてはいけない。市民には継続して強い危機感をもってもらい、飲食店などの事業者には感染の収束のために最大限の協力をお願いしたい」と述べました。

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    仙台市 変異ウイルス「E484K」が80% 2月以降の新型コロナ感染(4/5)

    2021年4月5日

    仙台市は、2021年2月以降に新型コロナウイルスの感染が確認された検体の一部を調べたところ、80%が「E484K」と呼ばれる変異ウイルスだったと明らかにしました。

    仙台市によりますと、市内で2021年2月から3月25日までに感染が確認された検体の一部、208件を国立感染症研究所で調べた結果、「E484K」と呼ばれる変異ウイルスが80%にあたる167件確認されたということです。

    「E484K」は抗体の攻撃から逃れる性質を持つと考えられていて、ワクチンが効きにくくなる可能性や再感染しやすくなる可能性などが指摘されています。

    一方、感染力が著しく高くなったり、症状が強くなったりするなどの変化はこれまでのところ報告されていないということです。

    仙台市の郡市長は、市議会でこうした内容を報告したうえで、「E484K変異株にどのように対応するかは今直面している課題だが、基本的な予防策を徹底することに尽きる」と述べました。

    感染症対策専門家「引き続き調べる必要」

    感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「宮城県での感染拡大の要因の1つとなった可能性はあるが、『E484K』によるワクチンへの影響は今のところなさそうだと考えている。まだはっきりと分かっていないこともあり、引き続き調べていく必要がある」と指摘しています。

    賀来特任教授によりますと、これまでに確認された変異ウイルスの傾向として、大阪など関西では感染性を高めるとされる「N501Y」という変異の割合が多く、東京など東日本では「E484K」の割合が多くなっているということです。

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    東京で拡大? 変異ウイルス「E484K」とは(4/2)

    2021年4月2日

    イギリスや南アフリカなどで広がったものとは異なるタイプの変異した新型コロナウイルス「E484K」。免疫やワクチンの効果が低下する可能性が指摘されているタイプです。

    感染が確認された患者のうちの3分の1から検出された東京医科歯科大学附属病院の研究グループは、東京ではこの変異ウイルスが従来型から置き換わってきている可能性があるとしています。

    「E484K」の変異とは

    「E484K」は新型コロナウイルスの変異の一つで「スパイクたんぱく質」のアミノ酸のうち、484番目のアミノ酸が変化していることを意味しています。

    この変異があると抗体の攻撃から逃れる性質を持つと考えられていて、再感染しやすくなる可能性やワクチンが効きにくくなる可能性などが指摘されています。

    これまでに南アフリカで確認された変異ウイルスとブラジルで広がった変異ウイルスでは「N501Y」と呼ばれる感染性を高めるとされる変異に加えてこの変異があることが知られています。

    今回、報告されたのは「N501Y」は無いものの「E484K」がある変異ウイルスです。

    国立感染症研究所によりますと同様のウイルスは2021年3月3日までに空港の検疫で2例、国内では394例が見つかっていて、主に海外から国内に入ってきたとみられますが、慶応大学のグループは国内で変異したとみられるケースもあったと報告しています。

    この変異ウイルスの性質はまだ詳しく分かっていませんが、これまでのところ感染力が著しく高くなったり症状が強くなったりするなどの変化は報告されていないということです。

    また、現在、全国の自治体で行われている変異株のスクリーニングは「N501Y」の変異を見つけ出すもので「E484K」を見つけるためには遺伝情報を詳しく解析する必要があります。

    国立感染症研究所ではこの変異ウイルスについて遺伝情報の解析や監視を続けて実態を把握していくとしています。

    「E484K」とは

    「E484K」と呼ばれる変異は「スパイクたんぱく質」の484番目のアミノ酸がグルタミン酸(略号E)からリシン(略号K)に置き換わっているという意味です。

    「N501Y」とは

    「N501Y」と呼ばれる変異は「スパイクたんぱく質」の501番目のアミノ酸がアスパラギン(略号N)からチロシン(略号Y)に置き換わっているという意味です

    変異ウイルスは、遺伝情報のどの部分に変異が起こっているかなどにより細かく分類されています。

    このうち、現在、WHO=世界保健機関が「懸念される変異株=VOC」として挙げているのは次の3種類です。

    イギリスで見つかった変異ウイルス

    2020年12月、イギリスで見つかり、その後、世界に広がった変異ウイルスです。

    国内でも最も多く報告されている変異ウイルスで、正式には「VOCー202012/01」と命名されています。

    このウイルスには「スパイクたんぱく質」に「N501Y」と呼ばれる(えぬ・ごーまるいち・わい)変異があることが分かっています。

    これは「スパイクたんぱく質」の501番目のアミノ酸がアスパラギン(略号N)からチロシン(略号Y)に置き換わっているという意味です。

    WHOのまとめによりますと、従来のウイルスに比べて、感染力は36%から75%高くなっていて、感染した場合に入院や重症、それに亡くなるリスクが高くなっている可能性があるとしています。

    南アフリカで見つかった変異ウイルス

    もう一つが、南アフリカで見つかった変異ウイルスです。

    正式には「501Y.V2」と呼ばれています。

    この変異ウイルスにはイギリスで見つかった変異ウイルスと同じく、「N501Y」の変異があります。

    さらにそれだけでなく「E484K」と呼ばれる変異も起こっていることが分かっています。

    これは「スパイクたんぱく質」の484番目のアミノ酸がグルタミン酸(略号E)からリシン(略号K)に置き換わっているという意味です。

    WHOのまとめによりますと、従来のウイルスに比べて、感染力は50%高いとみられ、病院での死亡率が20%高いとする南アフリカからの報告があるとしています。

    ブラジルで広がった変異ウイルス

    そしてもう一つがブラジルで広がった変異ウイルスです。

    ブラジルから日本に来た人への空港検疫で初めて見つかりました。

    これは南アフリカで見つかった変異ウイルスと同じく「N501Y」と「E484K」の両方の変異が起こっています。

    WHOのまとめによりますと、従来のウイルスに比べて感染力は高いとみられますが、感染した場合の重症度については、調査中としながらも、影響は限られるとしています。

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    兵庫県 陽性者の8割がイギリスの変異ウイルス 県独自の検査で(4/1)

    2021年4月1日

    兵庫県が独自に行っている新型コロナウイルスの変異ウイルスの検査で、直近の1週間で検査した70人の検体のうち、80%がイギリスで広がる変異ウイルスだったことがわかりました。井戸知事は、変異ウイルスの拡大が患者の急増につながっているという見方を示しました。

    兵庫県は、変異した新型コロナウイルスの感染状況を探るため、県内の地方衛生研究所で独自の検査を行っていて、直近の検査結果を公表しました。

    それによりますと、3月21日までの1週間で、検査した陽性者70人の検体のうち、56人、率にして80%がイギリスで広がる変異ウイルスだったということです。

    その前の3月14日までの1週間は52.6%だったため、県は変異ウイルスの割合が急増しているとしています。

    井戸知事は記者会見で「変異株が通常株に置き換わりつつある。拡大が先行しているのが関西なのかもしれない。また、家庭内の濃厚接触者がほとんど陽性になっているのは、変異株のうつりやすさから来ているのではないか」と述べて、変異ウイルスの拡大が患者の急増につながっているという見方を示しました。

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    仏 変異ウイルス拡大 外出・営業の制限全国に 学校も閉鎖へ(4/1)

    2021年4月1日

    フランスでは変異した新型コロナウイルスの感染拡大が続いているため、マクロン大統領は住民の外出や小売店の営業を制限する措置を全国に広げるほか、これまで対面での授業を続けてきた学校の閉鎖にも踏み切ると発表しました。

    フランスでは新型コロナウイルスの変異ウイルスの感染が拡大し3月31日の感染者数が5万9000人を超えたほか、5000人以上が集中治療室で治療を受けていて医療現場からは対策の強化を求める声が上がっています。

    マクロン大統領は3月31日夜、テレビ演説を行い「変異ウイルスの感染の広がりは場所を問わず速く入院患者も増えている」と述べ、より若い世代にも感染が広がっているという認識を示しました。

    そのうえでパリや北部の地域などで行っている住民の外出や小売店の営業を制限する措置を4月3日の夜から全国に広げ4週間にわたって行うと発表しました。全土での外出制限は2020年の春と秋に続いて3度目となります。

    また、これまで対面での授業を続けてきた学校についても4月5日から3週間にわたって閉鎖するとしています。

    一方でワクチンの接種を加速させることで5月中旬には段階的に規制を解除させたい考えも示しました。

    ワクチン接種加速へ

    フランス政府は4月から国内の100か所以上に大規模な接種会場を設け、ワクチン接種を加速させることにしています。

    フランスではこれまでにワクチンを少なくとも1回接種した人は国民の11%ほどで、46%を超えているイギリスに比べて大きく遅れているなどとして政府を批判する声も上がっています。

    このためマクロン政権は国内に新たに100か所以上の大規模な接種会場を設ける計画で3月31日、会場の一つとなるパリ近郊のサッカースタジアムがメディア向けに公開されました。スタジアム内のイベント会場では受付や接種のためのブースを設営する作業が行われていました。

    また、スタジアムには接種の予約を受け付けるコールセンターも設置されることになっていて、この会場だけで1週間に1万人に接種する計画です。

    フランス全体では今後、5月半ばにおよそ30%の国民が少なくとも1回接種することを目指しています。

    マクロン大統領は3月31日のテレビ演説で「われわれは祝日も週末も平日と同じように休むことなくワクチンを接種するためにあらゆる措置をとる」と述べ、ワクチン接種を加速するために全力を尽くす考えを示しました。

    マクロン政権としては接種を加速させることで感染に歯止めをかけるとともに、観光や飲食業など大きな打撃を受けている経済の再開にも道筋をつけたい考えです。

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    変異ウイルス 3月30日までの1週間で新たに129人感染確認(3/31)

    2021年3月31日

    イギリスや南アフリカなどで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は、3月30日までの1週間に国内で新たに129人の感染が確認されたと明らかにしました。

    厚生労働省によりますと、新規感染者の中から一部の人を抽出して検体の遺伝子を解析した結果、3月30日までの1週間に20の道府県で合わせて129人が、イギリスや南アフリカ、それにブラジルで広がっている変異ウイルスに感染していたことが確認されました。

    前の週に確認された人数を21人、率にして14%下回っています。

    ▽最も多かったのが北海道と大阪府でそれぞれ25人、
    次いで
    ▽兵庫県が20人、
    ▽広島県が8人、
    ▽三重県が7人、
    ▽岐阜県と徳島県、それに福岡県がそれぞれ6人、
    ▽静岡県が5人、
    ▽神奈川県が4人、
    ▽岡山県が3人、
    ▽福井県と愛知県、滋賀県、和歌山県、高知県がそれぞれ2人、
    ▽埼玉県と千葉県、奈良県、大分県がそれぞれ1人となっています。

    このうち福井県と愛知県、三重県、奈良県、和歌山県、高知県、福岡県、それに大分県では初めて感染が確認されました。

    これまでに感染が確認されたのは34都道府県の合わせて678人で、このうち9割以上(92%)の人からイギリスで確認されている変異ウイルスが検出されたということです。

    厚生労働省は、変異ウイルスが確認された自治体に対して、新型コロナウイルスの感染者の検体を可能なかぎり調べるよう求めるなどして、封じ込めを強化していくことにしています。

    全国の感染状況は

    厚生労働省によりますと、イギリスと南アフリカ、それにブラジルで報告されている変異ウイルスへの感染がこれまでに確認されたのは、
    ▽北海道が38人(+25人)
    ▽福島県が5人、
    ▽茨城県が1人、
    ▽栃木県が2人、
    ▽群馬県が3人、
    ▽埼玉県が59人(+1人)、
    ▽千葉県が21人(+1人)、
    ▽東京都が18人、
    ▽神奈川県が34人(+4人)、
    ▽新潟県が32人、
    ▽石川県が1人、
    ▽福井県が2人(+2人)、
    ▽山梨県が2人、
    ▽長野県が1人、
    ▽岐阜県が15人(+6人)、
    ▽静岡県が22人(+5人)、
    ▽愛知県が2人(+2人)、
    ▽三重県が7人(+7人)、
    ▽滋賀県が4人(+2人)、
    ▽京都府が24人、
    ▽大阪府が130人(+25人)
    ▽兵庫県が181人(+20人)
    ▽奈良県が1人(+1人)、
    ▽和歌山県が2人(+2人)、
    ▽岡山県が10人(+3人)、
    ▽広島県が23人(+8人)、
    ▽徳島県が15人(+6人)、
    ▽香川県が2人、
    ▽愛媛県が6人、
    ▽高知県が2人(+2人)、
    ▽福岡県が6人(+6人)、
    ▽大分県が1人(+1人)、
    ▽鹿児島県が5人、
    ▽沖縄県が1人で、
    34都道府県の合わせて678人となっています。

    このほか、検疫ではフィリピンで見つかったウイルスも含め、123人(+23人)の感染が確認されているということです。

    厚生労働省によりますと、これらは遺伝子解析の結果、変異ウイルスと「確定」した人数で、遺伝子解析が行われる前の「疑い」の段階で自治体が発表した人数は含まれていないということです。

    3月30日までに7人が死亡

    厚生労働省によりますと、変異ウイルスに感染した人のうち、3月30日までに全国で男女7人の死亡が確認されています。

    年代は▽60代が1人で、▽80代以上が6人となっています。

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    “英で確認 変異ウイルス 130の国と地域に拡大” WHOが報告書(3/31)

    2021年3月31日

    WHO=世界保健機関は、イギリスで最初に確認された変異した新型コロナウイルスは、世界の130の国や地域に拡大し、南アフリカとブラジルで確認された変異ウイルスも感染の拡大が続いているとする報告書を公表しました。

    報告書によりますと、イギリスで最初に確認された変異ウイルスの報告があった国や地域は3月30日の時点で、前の週に比べて5つ増え130となりました。

    また、南アフリカで最初に確認された別の変異ウイルスの報告があった国や地域は、前の週に比べて5つ増え80、ブラジルで確認された別の変異ウイルスも4つ増え45となりました。

    これら3つの変異ウイルスには、感染力や免疫の効果に影響を与えるおそれのある遺伝子変異があり、WHOは「懸念される変異株」に指定して監視を強めています。

    このほか、これらに次ぐ「注目すべき変異株」には、フィリピンや日本で、2021年2月に確認された変異ウイルスや、フランスで2021年1月に確認された変異ウイルスなどが追加され、合計で6つとなりました。

    新型コロナウイルスの感染者数は、世界全体で増加傾向が続いていて、特にブラジル、アメリカ、インド、フランス、それにポーランドで増加しています。

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    東京都 変異ウイルス検査強化 民間機関依頼で体制作りが課題(3/25)

    2021年3月25日

    東京都は、変異した新型コロナウイルスの検査を強化するため、民間の検査機関に協力を仰いで規模の拡充を進める考えです。
    民間検査は都内のすべての検査の9割を占めていますが、変異ウイルスの検査を新たに導入する場合、ノウハウの習得などが必要で、速やかな体制作りが課題です。

    東京都では感染力が高いとされる変異ウイルスかどうかの検査を、都の健康安全研究センターと2月からは協力が得られた民間の検査機関1社で、行っています。

    しかし、現在、検査できているのは、都内の新規陽性者のおよそ10%で、都はこの割合を、4月上旬にはおよそ25%に、その後は40%に引き上げることを目指しています。

    そのために都は、研究センターでの検査を増やすだけでなく、通常の検査のおよそ93%を占めている民間の検査機関で変異ウイルスの検査の規模を拡充したい考えです。

    ただ、変異ウイルスの検査は通常の検査と方法が異なるため、新たに導入する場合は、担当者のノウハウの習得や検査要員の確保などが必要です。

    都内で感染確認の増加が続くなか、都によりますと、民間の検査機関では変異ウイルス検査の体制が整っていないところが多く、速やかな体制作りが課題です。

    このため、都は、民間の検査機関で出た陽性の検体を都の研究センターに運んで変異ウイルスかどうか検査する仕組みも作る方針です。

    都 「戦略的な検査」進める

    都は、クラスターを早期に捉えたり、感染の広がりを監視したりするために「戦略的な検査」を進めています。

    クラスターを早期に捉える検査では、3月19日から葛飾区の3つの医療機関で医師や看護師などを対象に始めています。

    今後、ほかの地域でも高齢者施設などで定期的に進めていく予定です。

    また、感染の広がりを監視するために繁華街や特定の地域などで進める検査は、江戸川区が居酒屋やカラオケ店の従業員に行った検査を支援するなど、区市町村や国と連携して進める考えです。

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    1週間で150人の感染確認 前の週に比べ17%増(3/24)

    2021年3月24日

    イギリスや南アフリカなどで広がっている変異した新型コロナウイルスに、3月23日までの1週間で150人が感染していたことが新たに確認されました。前の週から2割近く増えています。

    厚生労働省によりますと、一部の新規感染者から検体を抽出して遺伝子を解析した結果、3月23日までの1週間に12の都府県で合わせて150人が、イギリスや南アフリカ、それにブラジルで広がっている変異ウイルスに感染していたことが確認されました。

    前の週に確認された128人を人数にして22人、率にして17%上回っています。

    ▽兵庫県が最も多く67人、次いで
    ▽大阪府が33人、
    ▽千葉県が19人、
    ▽静岡県が10人、
    ▽岐阜県が5人、
    ▽東京都と岡山県がそれぞれ4人、
    ▽広島県が3人、
    ▽神奈川県が2人、
    ▽栃木県と埼玉県、それに
    ▽香川県がそれぞれ1人となっています。

    子ども含め幅広い年代で感染

    国内では、子どもも含めて幅広い年代が変異ウイルスに感染しています。

    厚生労働省が3月16日までに確認された変異ウイルスの感染者405人について、年齢を調べたところ、
    ▽最も多かったのは40代で67人、率にして17%でしたが、
    ▽次に多かったのは10歳未満の子どもで59人、率にして15%、
    ▽10代が48人で12%となりました。

    10代以下が全体のおよそ4分の1を占めています。

    ほかの年代では
    ▽20台が35人、率にして9%、
    ▽30代が54人で13%、
    ▽50代が45人で11%、
    ▽60代が25人で6%、
    ▽70代が27人で7%、
    ▽80代以上が35人で9%となっています。

    厚生労働省によりますと、イギリスの専門家会議の見解では、変異ウイルスは子どもが大人よりも感染しやすいということはなく、どの年齢であっても感染しやすい可能性があると報告されているということです。

    国内では変異ウイルスの集団感染も

    国内では子どもが関係する変異ウイルスの集団感染も起きています。

    静岡県浜松市では、3月、小学生が通う放課後児童会で、クラスターが発生し、3月23日までに児童や職員など33人の感染が確認されました。

    全員がイギリスで広がる変異ウイルスに感染したとみられています。

    いずれも軽症か無症状で、児童会が開設されていた小学校は一時、臨時休校となりました。

    また、埼玉県では2月、児童施設で変異ウイルスの集団感染が明らかになり、子どもや職員など合わせて20人の感染が確認されています。

    日本小児科学会「特に子どもに多いということはない」

    変異ウイルスについては、国内外の専門家から、現時点で、子どもで特にリスクが高くなるというデータは無いとする見解が示されています。

    このうち日本小児科学会では、変異ウイルスについての見解をウェブページに掲載しました。

    それによりますと、変異ウイルスはこれまでのウイルスに比べ、ほかの人へ感染させる力が強いことが知られているとしたうえで、イギリスで流行が始まった変異ウイルスについて、「国内では子どもが集まる施設で、この変異株によるクラスターの報告がされ、多くの子どもが感染しています。ただ、変異株がすでに広がっている英国ロンドンでは、変異株による感染は、特に子どもに多いということはなく、成人と子どもの感染者の割合は変異株の出現した前後で大きく変わっていません」と指摘しました。

    そして、「子どもでは感染者の多くが無症状から軽症で、既存株でも変異株でもその違いはありません。頻度の高い症状としては、発熱、せき、鼻水、下痢、頭痛などがあげられます。変異株が子どもにより重い症状を引き起こす可能性を示す証拠はこれまでに得られていません。変異株への対策は、これまでと変わりはありませんが、特に感染力が強いウイルスは、感染対策がうまくできない小さな子どもへの感染の広がりが心配されています。今後、国内での変異株の広がりと、子どもの感染者について慎重に見ていく必要があります」としています。

    WHO「すべての年代で感染しやすくなっている」

    また、これとは別にWHO=世界保健機関はイギリスで広がった変異ウイルスについて、子どもを含む、すべての年代で感染しやすくなっていて、ほかの年代に比べて子どもたちのリスクが高いということはないとしています。

    WHOの専門家は、この変異ウイルスの感染が広がった時期には、イギリスでは学校の休校措置が取られておらず、子どもたちの間で感染が広がったとみられるとしています。

    そのうえで、変異ウイルスに関する研究は現在、進められている途中だとしながらも、イギリスでの研究からは子どもたちがこの変異ウイルスに特に感染しやすいものではないとしています。

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    新型コロナ “変異ウイルスへ急速に置き換わる“ WHOが報告書(3/24)

    2021年3月24日

    変異した新型コロナウイルスが確認されているイギリスと南アフリカ、それにブラジルでは変異ウイルスの割合が高くなり、従来のウイルスと急速に置き換わっているとする報告書をWHO=世界保健機関が公表しました。

    3月23日付けの報告書によりますと、このうちイギリスと南アフリカではそれぞれの国で確認された変異ウイルスが2020年の秋以降、従来からある新型コロナウイルスと急速に置き換わり、検出されるもののほとんどを占めるようになったということです。

    またブラジルでも、変異ウイルスの割合がおよそ半分を占めるようになっているとしています。

    さらに1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」も、イギリスで最初に確認された変異ウイルスは41%、南アフリカで最初に確認された変異ウイルスは36%、ブラジルで確認された変異ウイルスは11%、それぞれ従来のウイルスに比べて高いと推定されるとしています。

    変異ウイルスの報告があった国や地域は、イギリスの変異ウイルスは前の週に比べて7つ増え125、南アフリカの変異ウイルスは11増え75、ブラジルの変異ウイルスは3つ増え41となっています。

    WHOはこれら3つのウイルスを「懸念される変異株」に指定して監視を強めていますが、報告書ではこれらに次ぐ「注目すべき変異株」に新たに2つの変異ウイルスを加えたとしています。

    一方、3月21日までの1週間に報告された世界全体の新型コロナウイルスの感染者の数は、ブラジルやインド、それにフランスで増加した影響などで4週連続で前の週を上回り、6週連続で減少していた死者の数も増加に転じました。

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    変異ウイルス 「検査比率上げ監視体制を強化」西村経済再生相(3/23)

    2021年3月23日

    新型コロナウイルス対策をめぐり、西村経済再生担当大臣は、自民党の議員がすべての新規感染者を変異ウイルスの検査対象とすることを提言したのに対し、早期に検査の比率を引き上げ、監視体制を強化する考えを示しました。

    政府は、変異ウイルスへの対応として、新規感染者の5%から10%を目安に検体を抽出して行っている検査を早期に40%程度まで引き上げることにしています。

    こうした中、西村経済再生担当大臣は、医師の資格を持つ自民党の国会議員らと面会し、すべての新規感染者を変異ウイルスの検査対象とするよう提言を受けました。

    これに対し、西村大臣は「専門家も、いずれ、すべて変異ウイルスに置き換わるときが来るだろうとしている。日本でどのくらいの速さで広がるのか、感染力が強いのかなどの研究も進めてもらっており、最大限の警戒感をもって監視したい」と述べ、早期に検査の比率を引き上げ、監視体制を強化する考えを示しました。

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    ドイツ メルケル首相 変異ウイルス拡大で新たな措置を発表(3/23)

    2021年3月23日

    ドイツのメルケル首相は、変異した新型コロナウイルスにより感染が再び急速に拡大しているとして、新たな措置を発表しました。4月のキリスト教の復活祭、イースターの休日に合わせて、これまで営業を認めてきた食料品店も含め、店舗の営業を原則として禁止するなどとしています。

    ドイツでは3月、条件付きで小売店や博物館などの営業再開を認める、段階的な緩和が始まりましたが、イギリスで確認された変異ウイルスが新たな感染の7割以上を占めるようになり、感染が再び急速に拡大しているとして警戒が強まっています。

    メルケル首相は3月23日、記者会見し、家族などと集まる機会の増える4月はじめのイースターの休日合わせ、新たな措置を発表しました。

    この中では4月1日から5日まで、店舗の営業を原則として禁止し、これまで認めてきた食料品店についても、4月3日の土曜日を除いて営業を禁止するとしています。

    また、市民に対しては自宅にいるよう呼びかけ、家族や友人と集まる場合は、子どもを除く最大2世帯5人までに人数を制限するということです。

    メルケル首相は会見で「私たちはいま、新たなパンデミックに直面している」と述べ、厳しい措置に理解を求めました。

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    変異ウイルスへの水際対策 成田空港で入国者にアプリを確認(3/23)

    2021年3月23日

    変異した新型コロナウイルスへの水際対策を強化しようと、成田空港で、入国者の居場所を把握するためのスマートフォンのアプリを確認する措置が3月23日から始まりました。

    日本人を含むすべての入国者には、入国後14日間自宅やホテルなどで待機するよう政府が求めていて、その期間中は1日に1回、スマートフォンのアプリなどで居場所や健康状態の報告が行われることになっています。

    さらに成田空港の検疫所では変異ウイルスへの対策を強化しようと、3月23日からこうしたアプリについて入国者に確認する措置が始まりました。

    国の委託を受けたスタッフが入国者一人一人にスマートフォンの提示を求めたうえで、位置情報を確認するアプリやビデオ通話アプリなどがインストールされているか確認していました。

    また、スマートフォンを持っていない入国者には自己負担で端末を借りるよう求めることになり、スマートフォンのレンタルの受け付けが新たに設けられています。

    キューバから帰国した30代の日本人の女性は、「位置情報の確認やビデオ通話は抵抗があります。ただ、みんなが安心して過ごすためにしかたありません。このまま自宅に帰って14日間過ごします」と話していました。

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    フランス 新型コロナ 新たな感染の70%余が変異ウイルスに(3/18)

    2021年3月18日

    フランスでは、イギリスで最初に確認された変異ウイルスが新たな感染の70%余りを占めるなど変異ウイルスの感染が広がっています。現在の感染状況についてカステックス首相は3月16日、下院にあたる国民議会で「変異ウイルスによる感染の第3波に見舞われているようだ」と述べ、警戒を呼びかけました。

    感染拡大に歯止めをかけるため、全国で午後6時以降の夜間の外出を制限しているほか、南部のニースや北部のダンケルクなど、変異ウイルスの感染拡大が著しい地域については、週末に限って日中も住民の外出を制限するなど感染対策を強化しています。

    一方、パリと周辺地域では重症化する患者が増え、集中治療室の病床がひっ迫してきたため、政府は、今後1週間で病床に比較的余裕がある西部や南西部の病院に重症患者100人ほどを航空機や高速鉄道を使って移送することにしています。

    また、保健当局は西部ブルターニュ地方の病院で亡くなった8人の患者から別の変異したウイルスが新たに見つかったと発表しました。

    このうち7人は生前、新型コロナウイルス特有の症状を示していたものの、PCR検査の結果は陰性で、血液や呼吸器のより詳しい検査で感染が分かったということです。

    保健当局は、この変異ウイルスの感染力の強さや重症化のリスク、それにどのくらい感染が広がっているかについて、詳しい調査を始めています。

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    新たな変異ウイルス WHOが各国に特徴など情報提供求める(3/18)

    2021年3月18日

    新たな変異ウイルスの確認が各国で相次いでいることを受けて、WHO=世界保健機関は3月16日付けの報告書で、感染の拡大が懸念される変異ウイルスを国内で新たに確認した場合、ウイルスの特徴などに関する情報を提供するよう各国に重ねて求めました。

    WHOは、イギリスと南アフリカ、それに南米のブラジルでそれぞれ確認された、3つの変異した新型コロナウイルスを「懸念される変異株」として、世界の報告数をまとめています。

    WHOの報告書によりますと、このうちイギリスで最初に確認された変異ウイルスの報告があった国や地域は、3月16日の時点で前の週に比べて7つ増え、118となりました。

    また、南アフリカで最初に確認された別の変異ウイルスは6つ増え64、ブラジルで確認された別の変異ウイルスは6つ増え38となりました。

    新型コロナウイルスをめぐっては、アメリカやフィリピン、それにフランスでそれぞれこれまでとは別の変異ウイルスが確認されていて、報告書ではこのうち、アメリカ西部カリフォルニア州で2020年6月に初めて確認された変異ウイルスについて、詳しいことは分かっていないものの、感染力が強い可能性があるなどとして、先の3つの変異ウイルスに次ぐ「注目すべき変異株」に指定したことを明らかにしました。

    WHOは「新型コロナウイルスは絶えず進化している」として、感染の拡大が懸念される変異ウイルスを国内で新たに確認した場合、ウイルスの特徴などに関する情報を提供するよう各国に重ねて求めています。

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    新型コロナ 政府の「基本的対処方針」案 変異ウイルス監視強化(3/18)

    2021年3月18日

    緊急事態宣言の解除に伴い、政府が変更する新型コロナウイルス対策の「基本的対処方針」の案が明らかになりました。感染の再拡大を防ぐため、変異ウイルスの検査を早期に40%程度まで引き上げるなど、全国的な監視体制を強化するとしています。

    それによりますと、社会経済活動を継続しながら、再度の感染拡大を防止するための取り組みを進めるとしたうえで、変異ウイルスへの対応として、現在、新規感染者の5%から10%を目安に検体を抽出して行っている検査を早期に40%程度まで引き上げ、全国的な監視体制を強化するとしています。

    また、民間の検査機関や大学などとの連携をさらに進め、ゲノム解析を強化するとしています。

    さらに、感染状況の兆候を早期につかむため、2月、宣言が解除された大阪や福岡などを含めた10都府県に対し、3月中をめどに高齢者施設での検査を実施するほか4月から6月にかけては、歓楽街などで定期的に集中的な検査を行うよう求めています。

    そして、宣言の解除後も、自治体などに対し、飲食店が感染防止のためのガイドラインを守っているか見回り調査を行うよう促すほか、感染の再拡大の場合には、飲食店に対する営業時間の短縮要請や、「まん延防止等重点措置」を機動的に活用するとしています。

    一方、医療提供体制については、厚生労働省と都道府県が連携して、病床などの確保計画を見直すなどとしています。

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    変異ウイルス 迅速に検出できるPCR試薬キット開発 島津製作所(3/17)

    2021年3月17日

    感染力が高いとされる変異した新型コロナウイルスを早期に検出して対策を取れるようにすることが課題になっていますが、京都市に本社がある大手分析機器メーカー「島津製作所」はPCR検査で変異ウイルスを迅速に検出できる試薬キットを開発したと発表しました。

    変異ウイルスの検出は、これまで各地の自治体などで検体をPCR検査にかけて陽性かどうかを判定したあと、別の試薬を使ってウイルスの遺伝子に変異があるか調べたうえで、国立感染症研究所が検体のゲノム解析を行って変異ウイルスかどうか判定して行ってきました。

    「島津製作所」はPCR検査で使う新たな試薬キットを開発し、だ液などの検体をPCR検査にかける際、新たなキットを使うと陰性か陽性かだけでなく、ウイルスの遺伝子に変異があるかどうかも一度に判定できるということです。

    それでも変異ウイルスかどうかは国立感染症研究所での検査で確定させる必要がありますが、会社では検査の工程を減らせるため、作業の迅速化につながると説明しています。

    島津製作所は製品化するために1か月から2か月程度研究を重ねるとしていますが、公的な検査機関などに限定して試薬キットの提供を始めるとしています。

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    これまでにわかった特徴・感染拡大の現状は(3/17)

    2021年3月17日

    新型コロナウイルスのうち、感染力が高いとされる変異や免疫が働きにくくなるとされる「変異ウイルス」が世界の100を超える国や地域から報告されていて、WHO=世界保健機関や各国が警戒を強めています。

    その変異ウイルスについてこれまでわかっている特徴や感染拡大の傾向についてまとめました。

    特に警戒が必要なのは、
    ▼イギリスで最初に見つかった変異ウイルス、
    ▼南アフリカで最初に見つかった変異ウイルス、
    それに
    ▼ブラジルで広がった変異ウイルスです。

    いずれも「N501Y」と呼ばれる変異があり、ウイルスが人などに感染する際の足がかりとなる表面の突起部分が感染しやすいように変化していて感染力が高くなっていると考えられています。

    3つの変異ウイルスそれぞれの特徴とは

    1)イギリスで最初に見つかった変異ウイルス

    イギリスで最初に見つかった変異ウイルスは、WHOによりますと、3月9日までに111の国と地域で感染が確認されています。

    この変異ウイルスの感染力は、ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターによりますと、複数の研究から36%から75%高くなっているとしています。

    また、イギリス政府は従来のウイルスより入院や死亡のリスクの上昇に関わっている可能性が高いとしていて、検証が行われています。

    一方で、ワクチンの効果には大きな影響はないとしています。

    2)南アフリカで最初に見つかった変異ウイルス

    次に、南アフリカで最初に見つかった変異ウイルスです。

    WHOによりますと感染力は50%高いとされ、3月9日までに58の国と地域で感染が確認されていますが、発症した場合の重症度は従来のウイルスと比べて変わっていないとしています。

    一方、このウイルスには「E484K」と呼ばれる体の中で作られる

    抗体の攻撃から逃れる変異があるため、再感染するリスクが上がると考えられています。

    さらに、ワクチンが効くかどうかについて抗体がウイルスを抑える効果が下がるという研究結果が出ていて、各ワクチンメーカーはそれでも十分な効果はあるとしていますが検証作業を進めています。

    3)ブラジルで広がった変異ウイルス

    そして、ブラジルで広がった変異ウイルスです。

    ブラジルでは、北部のマナウスで2020年12月4日に最初に出現したと見られ、1月の時点ではマナウスで報告された感染者の91%がこの変異ウイルスへの感染だったということです。

    WHOによりますと、感染力が従来のものより高いとされ、3月9日までに32の国と地域で感染が確認されていますが、発症した場合の重症度への影響は限られているとしています。

    また、このウイルスも、抗体の攻撃から逃れる「E484K」と呼ばれる変異があるため、再感染したケースが報告されています。

    一方で、ワクチンへの影響については現在、調査が行われている途中だということです。

    さらに新たな変異ウイルスも続々見つかる

    このほか、国内では2月25日にフィリピンから入国した人で感染しやすく変化した「N501Y」の変異と、免疫の攻撃から逃れる「E484K」の変異がある別の変異ウイルスが検出されたと報告されています。

    さらに、免疫の攻撃から逃れる「E484K」の変異がある別のタイプの変異ウイルスも3月3日までに400例近く見つかっています。

    この変異ウイルスには感染しやすく変化した「N501Y」の変異はなく、感染力は従来のものと変わらないと考えられるものの、中には国内で変異が起きたと見られるものもあり、国立感染症研究所は「注目すべき変異株」として遺伝情報の解析などを通じて実態を把握していくとしています。

    変異ウイルス 新たに全国で128人感染判明

    厚生労働省によりますと、遺伝子解析の結果、3月16日までの1週間に11の道府県の合わせて128人が、イギリスや南アフリカ、それにブラジルで広がっている変異ウイルスに感染していたことが確認されました。

    前の週に確認された人数を51人、率にして66%上回っています。

    内訳は、
    ▽兵庫県が最も多く56人、
    次いで
    ▽埼玉県が16人、
    ▽北海道が13人、
    ▽大阪府が10人、
    ▽徳島県が9人、
    ▽神奈川県と愛媛県がそれぞれ6人、
    ▽京都府と広島県がそれぞれ5人、
    ▽香川県と沖縄県が1人ずつとなっています。

    北海道と徳島県、愛媛県、香川県、それに沖縄県で確認されたのは初めてです。

    これまでに国内で399人の感染を確認

    これまでに国内で変異ウイルスへの感染が確認された人は、
    ▽北海道が13人、
    ▽福島県が5人、
    ▽茨城県が1人、
    ▽栃木県が1人、
    ▽群馬県が3人、
    ▽埼玉県が57人、
    ▽千葉県が1人、
    ▽東京都が14人、
    ▽神奈川県が28人、
    ▽新潟県が32人、
    ▽石川県が1人、
    ▽山梨県が2人、
    ▽長野県が1人、
    ▽岐阜県が4人、
    ▽静岡県が7人、
    ▽滋賀県が2人、
    ▽京都府が24人、
    ▽大阪府が72人、
    ▽兵庫県が94人、
    ▽岡山県が3人、
    ▽広島県が12人、
    ▽徳島県が9人、
    ▽香川県が1人、
    ▽愛媛県が6人、
    ▽鹿児島県が5人、
    ▽沖縄県が1人の合わせて399人となっています。

    また、この399人が感染した変異ウイルスの内訳は、
    ▽イギリスで報告された変異ウイルスに感染していた人が374人、
    ▽ブラジルが17人、
    ▽南アフリカが8人となっています。

    「変異ウイルス」感染 死者は神奈川県と大阪府で合わせて3人

    国内で3月17日までに死亡した人のうち、変異ウイルスへの感染がわかった人は3人となっています。

    このうち神奈川県によりますといずれも県内に住む50代と70代の男性の合わせて2人が、死亡したあとに変異ウイルスへの感染が確認されました。

    また3月17日、大阪府も新型コロナウイルスに感染して死亡した80代の女性が変異ウイルスに感染していたことが確認されたと発表しました。

    厚生労働省 変異ウイルス感染者の入退院基準とりまとめ

    変異ウイルスに感染した人の入院や退院について厚生労働省は基準をとりまとめ、都道府県などに通知しています。

    それによりますと、法律に基づく入院措置の対象となるのは、
    ▽変異ウイルスの感染が確定した患者のほか、
    ▽変異ウイルスが流行している国や地域に滞在歴のある入国者で新型コロナウイルスの感染が確認された人や感染が疑われる人、
    ▽過去14日以内にこれらの国や地域に滞在歴のある入国者の濃厚接触者で感染が確認された人や感染が疑われる人などとなっています。

    入院措置の対象となった人の退院基準については、
    ▽37度5分以上の発熱が24時間なく、
    ▽呼吸器症状が改善傾向となっていることが必要で、その上で24時間以上あけた検査を2回行い、連続で陰性となることとしています。

    また、変異ウイルスに感染した無症状の患者の退院基準については、
    ▽検体を採取してから6日間が経過した後の検査で陰性が確認され、▽24時間以上が過ぎてからの検査で再び陰性が確認されれば退院を認めるとしています。

    厚生労働省は科学的な知見が得られるまで、当面の間、この基準の運用を続けるとしています。

    専門家「変異ウイルス主流の流行起きれば状況厳しくなるおそれ」

    変異ウイルスの国内での状況について、公衆衛生学が専門で国際医療福祉大学の和田耕治教授は「国内でどこまで広がっているのかまだわかっていないことも多いが、各国の状況を見ると封じ込めることは難しく、国内でも感染の主流に置き換わると考えるべきだ。変異ウイルスの情報が盛んに出始めた年末年始の時期以降、感染者数が減ってきていて一般の人はなかなか危機感を持ちにくい状況だと思うが、変異ウイルスが主流の流行が起きれば、感染拡大のスピードや感染者数などの状況がこれまでより厳しくなるおそれがある」と述べました。

    そのうえで行うべき対策について和田教授は「個人で行う対策は全く変わらないが、年度替わりの時期で多くの組織で人事異動で感染対策の責任者が替わり、これまでやってきていた対策がうまく引き継がれないケースもあるかもしれない。2020年の同じ時期にもそうしたケースが見られていて特に高齢者施設、医療機関、自治体などではこれまでの対策をより素早く行う必要があり、徹底してほしい。また、監視体制の強化も必要で、民間の検査会社が検査したウイルスの検体からも変異ウイルスを検出できるように、しっかりとしたルール作りを国が行うべきだ」と話しています。

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    警戒すべき変異ウイルスの特徴は(3/17)

    2021年3月17日

    新型コロナウイルスのうち、感染力が高いとされる変異や免疫が働きにくくなるとされる変異があるものなどが世界の100を超える国や地域から報告されていてWHO=世界保健機関や各国が警戒を強めています。
    (3月16日現在)

    懸念は3つの変異ウイルス

    新型コロナウイルスは1か月に2か所ほどのペースで遺伝情報の一部の変異を繰り返していますが、ほとんどの場合はウイルスの感染力や病原性に影響は出ません。

    ところが、一部のウイルスについては感染力が高くなる変異や免疫の攻撃から逃れる変異があり国際的に「懸念される変異株」としてWHOや各国は監視体制を強化しています。

    特に警戒が必要なのは、
    ▼イギリスで最初に見つかった変異ウイルス、
    ▼南アフリカで最初に見つかった変異ウイルス、
    それに
    ▼ブラジルで広がった変異ウイルスで、いずれも「N501Y」と呼ばれる変異があり、ウイルスが人などに感染する際の足がかりとなる表面の突起部分が感染しやすいように変化していて感染力が高くなっていると考えられています。

    イギリスで報告のウイルス

    このうち、イギリスで最初に見つかった変異ウイルスは、2020年12月上旬に最初に報告されましたが、その後行われたウイルスの解析から2020年9月20日にはこの変異ウイルスに感染した人がいたことが分かっています。

    この変異ウイルスの感染力は、ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターによりますと、複数の研究から36%から75%高くなっているとしています。

    イギリスでは、2020年12月上旬には1日当たりの感染者数は、1万人台でしたが、その後急増し、12月下旬には5万人台に、そして1月に入ると6万人を超えた日もあり、増加の大きな要因は変異ウイルスによるものとみられています。

    WHOによりますと、この変異ウイルスは3月9日までに111の国と地域で感染が確認されています。

    また、イギリス政府は従来のウイルスより入院や死亡のリスクの上昇に関わっている可能性が高いとしていて、検証が行われています。

    一方で、ワクチンの効果には大きな影響はないとしています。

    南アフリカで報告のウイルス

    南アフリカで最初に見つかった変異ウイルスは、2020年8月上旬に発生したとされ11月中旬に南アフリカで行われた解析では、ほとんどのケースがこの変異ウイルスだったとみられています。

    WHOによりますと感染力は50%高いとされ、3月9日までに58の国と地域で感染が確認されていますが、発症した場合の重症度は従来のウイルスと比べて変わっていないとしています。

    一方、このウイルスには「E484K」と呼ばれる体の中で作られる抗体の攻撃から逃れる変異があるため、再感染するリスクが上がると考えられています。

    さらに、ワクチンが効くかどうかについて、抗体がウイルスを抑える効果が下がるという研究結果が出ていて、各ワクチンメーカーはそれでも十分な効果はあるとしていますが検証作業を進めています。

    ブラジルで広がったウイルス

    ブラジルで広がった変異ウイルスは、ブラジルから日本に到着した人でことし1月6日、最初に検出されました。

    ブラジルでは、北部のマナウスで2020年12月4日に最初に出現したと見られ、1月の時点ではマナウスで報告された感染者の91%がこの変異ウイルスへの感染だったということです。

    WHOによりますと、感染力が従来のものより高いとされ、3月9日までに32の国と地域で感染が確認されていますが、発症した場合の重症度への影響は限られているとしています。

    また、このウイルスも南アフリカで最初に報告された変異ウイルスと同様に、抗体の攻撃から逃れる「E484K」と呼ばれる変異があるため、再感染したケースが報告されています。

    一方で、ワクチンへの影響については現在、調査が行われている途中だということです。

    ほかの変異ウイルスも

    このほか、国内では2月25日にフィリピンから入国した人で感染しやすく変化した「N501Y」の変異と、免疫の攻撃から逃れる「E484K」の変異がある別の変異ウイルスが検出されたと報告されています。

    国立感染症研究所によりますと、このウイルスはフィリピンでも報告されていて、従来のものより感染力が強い可能性があり、国際的に懸念されているほかの変異ウイルスと同程度の脅威があると考えられるとしています。

    さらに、免疫の攻撃から逃れる「E484K」の変異がある別のタイプの変異ウイルスも3月3日までに400例近く見つかっています。

    この変異ウイルスには感染しやすく変化した「N501Y」の変異はなく、感染力は従来のものと変わらないと考えられるものの、中には国内で変異が起きたとみられるものもあり、国立感染症研究所は「注目すべき変異株」として遺伝情報の解析などを通じて実態を把握していくとしています。

    専門家「年度替わり より素早く対策を」

    変異ウイルスの国内での状況について、公衆衛生学が専門で国際医療福祉大学の和田耕治教授は「国内でどこまで広がっているのかまだ分かっていないことも多いが、各国の状況を見ると封じ込めることは難しく、国内でも感染の主流に置き換わると考えるべきだ。変異ウイルスの情報が盛んに出始めた年末年始の時期以降、感染者数が減ってきていて一般の人はなかなか危機感を持ちにくい状況だと思うが、変異ウイルスが主流の流行が起きれば、感染拡大のスピードや感染者数などの状況がこれまでより厳しくなるおそれがある」と述べました。

    そのうえで行うべき対策について、和田教授は「個人で行う対策は全く変わらないが、年度替わりの時期で多くの組織で人事異動で感染対策の責任者が替わり、これまでやってきていた対策がうまく引き継がれないケースもあるかもしれない。2020年の同じ時期にもそうしたケースが見られていて特に高齢者施設、医療機関、自治体などではこれまでの対策をより素早く行う必要があり、徹底してほしい。また、監視体制の強化も必要で、民間の検査会社が検査したウイルスの検体からも変異ウイルスを検出できるように、しっかりとしたルール作りを国が行うべきだ」と話しています。

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    新型コロナ 2人が変異ウイルスで死亡 全国で初めて 神奈川県(3/16)

    2021年3月16日

    神奈川県は新型コロナウイルスに感染し死亡した、県内に住む男性2人が変異ウイルスに感染していたことがわかったと、3月16日発表しました。県によりますと、変異ウイルスに感染して死亡したのは、全国で初めてだということです。

    神奈川県によりますと、死亡したあとに変異ウイルスへの感染が確認されたのは、いずれも県内に住む50代と70代の男性の合わせて2人です。

    このうち、50代の男性は、死亡したあとに新型コロナウイルスへの感染が確認され、その後の検査で変異ウイルスに感染していたことが確認されたということです。

    また、70代の男性は体調を崩したあと、新型コロナウイルスへの感染が確認され、医療機関に入院中に死亡し、その後、変異ウイルスに感染していたことが確認されました。

    いずれも死因は肺炎で、神奈川県によりますと変異ウイルスに感染して死亡したのは、全国で初めてだということです。

    どこの国で広がっていた変異ウイルスなのかや感染経路については、わかっていないということで、県は国立感染症研究所に依頼して、さらに詳しく調べているということです。

    死亡した2人はいずれも新型コロナウイルスに感染した人、あるいは死者として県内ですでに発表されています。

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    フィリピンで報告の変異ウイルス 国内で初めて検出(3/12)

    2021年3月12日

    2月、空港の検疫で新型コロナウイルスの感染が確認された男性から、フィリピンで報告されている変異ウイルスが国内で初めて検出されたことがわかりました。

    厚生労働省によりますと、変異ウイルスが確認されたのは、2月25日にフィリピンから成田空港に到着した60代の男性です。

    空港の検疫で新型コロナウイルスへの感染が確認され、その後、検体を国立感染症研究所で解析した結果、フィリピンで見つかっている変異ウイルスが検出されました。

    国内で確認されたのは初めてです。

    男性は無症状だということです。

    国立感染症研究所によりますと、この変異ウイルスは、従来のものより感染力が強い可能性があり、イギリスや南アフリカ、それにブラジルで広がっている変異ウイルスと同じ脅威があると考えられるということです。

    フィリピンでは3月3日までに34例の報告があり、国立感染症研究所は、現地で一定程度、まん延している可能性もあり、状況に応じて水際対策の強化を早急に検討すべきだとしています。

    一方、個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に3密の回避やマスクの着用、手洗いなどが推奨されるとしています。

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    変異ウイルス流入防止へ “入国者上限1日2000人に” 国交相(3/12)

    2021年3月12日

    赤羽国土交通大臣は閣議のあとの記者会見で、変異した新型コロナウイルスの流入を防ぐため当面、入国者の上限を1日当たり2000人に抑える方針を示し、航空会社に対して国際線の搭乗者数を制限するよう改めて要請しました。

    会見で赤羽国土交通大臣は「検疫の確実な実施を確保するという観点から当面、日本人と再入国者を含め入国者の総数を1日およそ2000人に抑制する」と述べ、変異した新型コロナウイルスの流入を水際で防ぐため1日当たりの入国者数を抑える政府の方針を明らかにしました。

    そのうえで赤羽国土交通大臣は「日本に到着する航空機の搭乗者数を抑制して入国者数を管理することが求められている。航空会社に対して旅客数を抑制することを要請している」と述べ、航空各社に対して搭乗者数を制限するよう改めて求めました。

    国土交通省からの要請を受けて、全日空と日本航空は当面、国際線の1週間当たりの搭乗者数をそれぞれ3400人以下になるよう制限し、すでに新たな予約の受付を停止するなどの対応をとっています。

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    神戸市 39%が変異ウイルス 新たな感染確認での割合高まる(3/11)

    2021年3月11日

    新型コロナウイルスの変異ウイルスの感染状況を調べるため、神戸市が独自に行っている検査で、3月4日までの1週間に市内で感染が確認されて検体を調べた人のうち、およそ39%でイギリスで広がった変異ウイルスが見つかりました。変異ウイルスの占める割合が徐々に高まっていて、神戸市は感染予防策の徹底を呼びかけています。

    神戸市が市の環境保健研究所で行った検査によりますと、3月4日までの1週間、市内の新規感染者のおよそ69%に当たる67の検体のうち26人、率にして38.8%がイギリスで広がった変異ウイルスでした。

    イギリスで広がった変異ウイルスの確認は、
    ▽2月18日までの1週間は、79の検体のうち12人で率にして15.2%
    ▽2月25日までの1週間は、32の検体のうち7人で率にして21.9%
    となっていて、割合が徐々に高まっています。

    このほか、
    ▽3月4日までの2週間、起源が不明な変異ウイルスが5人の検体から見つかったということです。

    神戸市の久元市長は記者会見で「変異株が広がっているのは間違いないが、多くは濃厚接触者なので、市中に広く存在しているというところまでは言えないのではないか。新規感染者も増えているので、油断せず感染予防策を徹底してほしい」と述べました。

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    変異ウイルス 感染確認発表より前に下水から検出 北大(3/11)

    2021年3月11日

    2020年12月はじめに国内で採取された下水から、新型コロナウイルスの変異ウイルスの遺伝情報が検出されたと北海道大学などの研究チームが発表しました。

    この時期にすでに国内で変異ウイルスの感染者がいた可能性があるとみて、詳しく調べたいとしています。

    北海道大学大学院工学研究院の北島正章助教などの研究チームは、2020年4月から国内各地の下水を採取して新型コロナウイルスの感染の広がりを調べてきました。

    このうち、2020年12月4日に採取した下水を分析したところ、イギリスや南アフリカなどで確認された変異ウイルスと同じ「N501Y」という変異があるウイルスの遺伝情報が検出されたということです。

    研究チームは、この下水を採取した都市の名前を公表していません。

    国内で変異ウイルスの感染確認が初めて発表されたのは2020年12月25日でしたが、研究チームはこれよりも前に変異ウイルスの感染者が国内にいた可能性があるとしています。

    一方で研究チームは、検出された変異ウイルスが海外からのものかはまだわからないとしたうえで、同じ都市で2020年11月に採取した下水からは検出されていないとしています。

    研究チームの北島助教は「遺伝情報の解析を進めるとともに、国内での感染の広がりをさらに詳しく調べていきたい」と話しています。

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    「3つの変異ウイルスの感染 世界で拡大」WHO 報告書 公表(3/11)

    2021年3月11日

    WHO=世界保健機関は、イギリスや南アフリカ、それにブラジルで確認された3つの変異ウイルスの感染が世界で拡大しているとする報告書を公表しました。

    報告書では、変異ウイルスを含めて新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためには、個人の取り組みとともに社会的な感染対策が引き続き極めて重要だと指摘しています。

    報告書によりますと、イギリスで最初に確認された変異ウイルスの報告があった国や地域は3月9日の時点で、前の週に比べて5つ増え、111に上っているということです。

    南アフリカで最初に確認された別の変異ウイルスの報告があった国や地域は、前の週に比べて3つ増え58、ブラジルで確認された別の変異ウイルスも3つ増え、32となっています。

    また、3月7日までの1週間に報告された世界全体の新型コロナウイルスの感染者の数は、前の週に比べて2%多い273万4381人となり、2週連続で前の週を上回りました。

    国別では、感染者の累計が世界で2番目に多いインドで9%の増加、3番目のブラジルで11%の増加、イタリアで24%の増加となっています。

    このうちブラジルでは、1週間当たりの新たな感染者数が最も多い状態で、死亡率も高くなっていますが、報告書では、これが変異ウイルスによるものか、いわゆる医療崩壊によるものか、あるいはこの両方によるものか判断することは難しいとしています。

    一方、この1週間に亡くなった人の数は世界全体で6万323人と、前の週に比べて6%減り、5週連続で前の週を下回りました。

    報告書では、変異ウイルスを含めて新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためには、個人の取り組みとともに社会的な感染対策が、引き続き極めて重要だと指摘しています。

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    英変異ウイルス 死亡リスク 64%高める可能性 研究グループ(3/11)

    2021年3月11日

    イギリスで最初に見つかり、世界各地に広がった変異した新型コロナウイルスについて、イギリスの大学などの研究グループは、死亡するリスクが従来のウイルスに比べ高いとする研究結果を発表しました。

    イギリス・エクセター大学などの研究グループは3月10日、イギリスの医学雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に、イギリスで急速に広まった変異した新型コロナウイルスに感染した人と、従来のウイルスに感染した人とで死亡するリスクに違いがあるかを調べた論文を発表しました。

    研究グループは、2020年10月から2021年1月にかけて変異した新型コロナウイルスに感染した30歳以上の人およそ5万5000人と、年齢や性別、それに居住地や感染時期などがよく似た従来のウイルスに感染した人、およそ5万5000人について検査が行われた日から28日以内の死者の数を比較しました。

    その結果、変異ウイルスに感染したグループでは227人が死亡したのに対し、従来のウイルスに感染して死亡したのは141人で、研究グループは変異したウイルスは死亡するリスクを64%高める可能性があるとしています。

    研究グループは「死亡するリスク自体は、依然、低いものの、死者の数が増加する可能性がある」として、変異ウイルスの拡大への警戒が必要だとしています。

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    政府分科会 尾身会長「変異株が主流に 監視体制強化を」(3/10)

    2021年3月10日

    新型コロナウイルスへの対応をめぐり、政府の分科会の尾身茂会長は、衆議院厚生労働委員会で、今後、変異ウイルスが国内でも主流になっていくという認識を示し、監視体制を強化する必要性を強調しました。

    この中で、政府の分科会の尾身会長は変異ウイルスについて「間違いなく既存株に取って代わるプロセスが始まっていて、早晩、変異株が主流になると考えておいたほうがいい」と指摘しました。

    そのうえで「今のところ日本では、変異株の感染力がヨーロッパで言われているほど高くなったという直接のエビデンスはないが、そうなるだろうと想定して、大学や民間の検査機関をすべて動員し、変異株のモニタリングをオールジャパンで強化していくことが急務だ」と述べました。

    一方、首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言について「客観的、社会的に説明がつかないようなしかたでの解除や延長はやるべきではない。感染状況も大事だが、医療への負荷がより重要になることも考慮しながら判断することになる」と述べました。

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    変異ウイルス検査 1都3県で感染発表の1割にとどまる… 理由は?(3/8)

    2021年3月8日

    イギリスなど海外で広がる変異した新型コロナウイルスは国内でどこまで検査されているのか。緊急事態宣言が延長された首都圏の1都3県で、2月末までの1週間に400人余りに変異ウイルスの検査が行われたことがわかりました。

    これは、この期間に発表された新規感染者の1割ほどの数…。専門家は「検査などの監視体制をさらに強化する必要がある」と指摘しています。なぜ、このような事態になっているのでしょうか。

    全国20都府県 計194人から検出(空港検疫除く)

    海外で猛威をふるう変異ウイルスはこれまでより感染力が強いと考えられていて、今後の国内の感染状況を大きく左右するとも言われています。

    国内では、3月5日までに空港の検疫を除いて全国20の都府県で合わせて194人から変異ウイルスが検出されています。

    検査の仕組みとは?

    そもそも変異ウイルスはどのような体制で検査しているのか、その仕組みです。

    まず、自治体が新型コロナの陽性者のうち一部の人を抽出して原則、地方衛生研究所でPCR検査による分析を行います。

    自治体の検査で変異ウイルスの疑いが出た場合、国立感染症研究所に検体を送ってゲノム解析を行い結果を確定させてきました。

    1都3県 検査は新規感染者発表の約1割

    変異ウイルスの検査はすべての感染者に対して行われているわけではなく自治体が一部の人を抽出して行っているため、感染者をすべて見つけられていない可能性があります。

    今回、NHKは緊急事態宣言が延長された東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県を対象に、変異ウイルスの検査がどれくらい行われたのかを調査しました。

    その結果、1都3県全体では2月28日までの1週間に合わせて418人に変異ウイルスの検査が実施されていたことがわかりました。

    これは、この期間に発表された新規感染者の1割ほどの数となります。

    ただ、実際は変異ウイルスの検査は感染が確認されてからしばらくたって実施されることもあり、この期間の検査率を示す数字ではありません。

    都県別では、
    ▽東京は149人を検査し、変異ウイルスが確認された人はいませんでした。
    ▽神奈川は43人を検査し、最終的な結果はまだ出ていません。
    ▽埼玉は44人を検査し、変異ウイルスが確認された人はいませんでした。
    ▽千葉は182人を検査し、このうち1人が変異ウイルスに感染していることがわかりました。

    検査 一部にとどまる “体制整備の途中” “検体保存されず”…

    国は自治体に対して新規感染者の5%から10%を目安に検体を抽出して調べるよう求めています。

    変異ウイルスの検査について自治体からは、
    ▽まだ体制を整えている途中であることに加えて、
    ▽そもそも検体が保存されていなかったり収集できていなかったりするケースや、
    ▽確定検査ができるほどウイルスの遺伝子の量が十分でない検体もあることなどが課題にあがっています。

    一方で、いずれの地域も今後、変異ウイルスの検査体制を強化したいとしています。

    また、厚生労働省によりますとこれから順次、自治体の検査だけでも結果を確定していくということです。

    変異ウイルスが確認された自治体の中には検体を抽出する割合を増やして検査を広げるところも出てきています。

    国内の感染の広がりは?

    イギリスなど海外で広がる変異した新型コロナウイルスは国内では2020年12月に初めて見つかり、それ以降、徐々に感染が拡大しています。3月5日までに確認された地域は合わせて20の都府県にのぼっています。

    国内で最初に変異ウイルスが確認されたのは2020年の12月25日。イギリスを出て羽田空港や関西空港に到着した5人から検出されました。

    その翌日には、東京都で空港の検疫以外では初めて変異ウイルスが確認されました。
    年が明けた1月、
    ▽6日には兵庫県、
    ▽18日には静岡県、
    ▽28日には埼玉県で、
    空港の検疫以外では初めて変異ウイルスが確認されました。

    この時期になると海外に滞在歴が無い、いわゆる市中感染したと見られる人も出てきました。

    2月に入ってさらに地域が拡大し、
    ▽4日には神奈川県、
    ▽9日には福島県、栃木県、群馬県、茨城県、新潟県、長野県、
    ▽12日には山梨県と滋賀県、
    ▽16日には京都府と鹿児島県、
    ▽18日には岡山県、
    ▽22日には大阪府で、
    変異ウイルスの検出が初めて報告されました。

    職場や保育園などで変異ウイルスによるクラスターが発生したとみられる地域もありました。

    3月になっても、
    ▽3日に千葉県と岐阜県で
    ▽5日に石川県で
    初めて変異ウイルスが確認されました。

    国内全体 計251人の感染確認

    都道府県別では、
    ▽埼玉県で40人
    ▽兵庫県で37人
    ▽新潟県で31人
    ▽神奈川県で15人
    ▽東京都で14人
    ▽大阪府で12人
    ▽京都府で9人
    ▽静岡県で7人
    ▽福島県で5人
    ▽鹿児島県で5人
    ▽岐阜県で4人
    ▽群馬県で3人
    ▽岡山県で3人
    ▽山梨県で2人
    ▽滋賀県で2人
    ▽茨城県で1人
    ▽千葉県で1人
    ▽栃木県で1人
    ▽長野県で1人
    ▽石川県で1人
    変異ウイルスが確認されています。

    月別に見ると、
    ▽2020年12月は3人、
    ▽2021年1月は21人だったのに対し、
    ▽2月は134人と大幅に増加。
    ▽3月も5日までにすでに36人となっています。

    これ以外に空港の検疫が57人いて、国内全体では合わせて251人の感染が確認されています。

    厚生労働省は国内での変異ウイルスの感染状況について「クラスターが複数報告され海外とのつながりのない事例が継続して確認されているが、地域で広く流行している状況ではない」としています。

    専門家「検査数やや少ない 体制強化が必要」

    東京医科大学・濱田篤郎教授(海外の感染症に詳しい)
    「国内でも感染者の数が多い1都3県で検査数が1割程度というのは変異ウイルスの感染状況を把握するにはやや少ないと感じる。ウイルスの広がりを早期に把握し対策に生かすためにも、検査などの監視体制をさらに強化する必要があるのではないか」と指摘しています。

    そのうえで検査機関に検体が保存されていないなどの理由で変異ウイルスの検査ができないケースがあることについては、民間の検査機関を含め検体をきちんと採取して保存する体制をとる必要があるとしています。

    また、今後の見通しについて「世界の状況を見ると変異ウイルスは欧米を中心に広がっており日本もいずれそうなる可能性は高い。第3波の状況がようやく落ち着きつつあるが、感染力の高いウイルスが広がると医療機関が再びひっ迫し深刻な状況に陥るおそれもあるため変異ウイルスが流行する時期をなるべく遅らせる必要がある」と注意を呼びかけています。

    そのうえで一般の人たちについても「緊急事態宣言が解除されてもこうしたウイルスの脅威にさらされていることを認識し、会食を控えるなどしばらくは対策を続けてほしい」と呼びかけています。

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    WHO 新型コロナ変異ウイルスは「100超の国や地域に拡大」(2/24)

    2021年2月24日

    WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスの感染が新たに確認された人の数は、世界全体で引き続き減少傾向にある一方、変異ウイルスは100を超える国や地域に拡大しているとする報告書を2月23日に公表しました。

    報告書によりますと、2月15日から21日までの1週間に報告された感染者の数は世界全体で245万7026人と前の週に比べて11%減り、6週連続で前の週を下回りました。

    新たな感染者の数が1週間の合計で最も多かったのは、
    ▽アメリカで48万467人と前の週に比べて29%の減少、
    ▽次いでブラジルで31万6221人と1%の減少となりました。
    1週間の新たな感染者数はヨーロッパ全体でも前の週に比べて減少となりましたが、フランスでは13万1179人と前の週に比べて3%増えました。

    また世界全体で、この1週間に亡くなった人の数は6万6359人と前の週に比べて20%減り、3週連続で前の週を下回りました。

    一方、変異ウイルスの報告があった国や地域の数は、
    ▽イギリスで最初に確認された変異ウイルスでは、前の週に比べて7つ増え101
    ▽南アフリカで最初に確認された別の変異ウイルスでは、前の週に比べて5つ増え51
    ▽ブラジルや日本で確認された別の変異ウイルスでは、前の週に比べて8つ増え29となりました。

    WHOは、感染対策によって新たな感染者数は引き続き減少傾向にある一方、変異ウイルスの拡大は続いているとして警戒を続けるよう呼びかけています。

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    変異ウイルス 全国で5人感染確認 海外滞在歴なし 大阪府でも初(2/22)

    2021年2月22日

    イギリスで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスに、海外で滞在歴のない全国の男女5人が感染していたことが新たにわかりました。大阪府では初めて感染が確認されています。

    厚生労働省によりますと、変異ウイルスへの感染が新たに確認されたのは、▽大阪府の10代の男性2人と40代の女性1人、それに▽京都府の年代が公表されていない男女2人です。

    大阪府で検疫の検査以外で変異ウイルスの感染が確認されたのは初めてで3人は濃厚接触者だということです。

    5人とも海外での滞在歴はなく、厚生労働省が感染経路を調べています。

    これで国内で変異ウイルスへの感染が確認されたのは、空港の検疫も含めて合わせて178人となりました。

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    “変異ウイルス3種類の感染 世界で拡大” WHOが報告書(2/11)

    2021年2月11日

    WHO=世界保健機関はイギリスで確認された変異した新型コロナウイルスなど3種類の変異ウイルスの感染が世界で拡大し、ウイルスを攻撃する抗体から逃れる変異も共通して確認されるようになっているとして、感染対策を徹底することが重要だとする報告書を公表しました。

    報告書によりますと、イギリスで最初に報告された変異ウイルスは2月9日の時点で、先週に比べて8か国多い83の国や地域で確認されたということです。

    また南アフリカで最初に報告された別の変異ウイルスも先週に比べて3か国多い37の国や地域で、ブラジルや日本で報告された別の変異ウイルスも先週に比べて4か国多い14の国や地域でそれぞれ確認されたということです。

    さらにウイルスを攻撃する抗体から逃れる「逃避変異」と呼ばれる変異が、南アフリカの変異ウイルスとブラジルの変異ウイルスに続いて、イギリスの変異ウイルスでも確認されるようになっていると指摘しています。

    この変異はワクチンの効果に影響を与えるおそれがあることから、報告書はワクチンへの影響などを調べるとともに、感染対策を徹底することが重要だとしています。

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    変異ウイルス “市中拡大見られずも監視続ける必要”(2/10)

    2021年2月10日

    感染力が高いとされる変異した新型コロナウイルス。クラスターとみられる感染が新たに確認されています。

    2月9日、イギリスと南アフリカで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスに、全国で合わせて13人が感染していたことがわかりました。

    このうち9つの県に住む20代から50代の11人は、いずれも同じ施設を利用した職場の関係者で、海外に滞在歴はないということです。

    このほか、神奈川県では海外に滞在歴がない40代と50代の男女から南アフリカで感染が広がっている変異ウイルスが検出されました。

    変異ウイルスは、2月10日までに、空港の検疫で43例、検疫以外では65例の合わせて108例見つかっていて国内で感染が拡大することが懸念されています。

    変異ウイルスとは

    多くのウイルスは、感染を繰り返すうちに遺伝情報にごく小さな変異が起こります。新型コロナウイルスでは、2週間に1か所ほどのペースで小さな変異が起こることがこれまでの研究で分かっています。

    ただ、こうした変異はほとんどの場合、ウイルスの性質には影響がありません。

    しかし、▼イギリスで確認された変異ウイルスと▼南アフリカで広がった変異ウイルス、それに▼ブラジルから見つかった変異ウイルスはいずれも変異によってウイルスの性質が変化していると考えられています。

    この3つに共通しているのは新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染する際の足場となる「スパイクたんぱく質」の遺伝情報に「N501Y」と呼ばれる変異が起こり、アミノ酸が変化していることです。

    イギリスからの報告ではこの変化によって感染のしやすさが最大70%程度高くなっているおそれがあるとされています。

    また、最近、注目されているのはこれとは別の変異です。

    ▼南アフリカで見つかった変異ウイルスと▼ブラジルから見つかった変異ウイルスでは、「E484K」と呼ばれる変異が確認されています。

    この「E484K」の変異があるとウイルスが抗体の攻撃から逃れやすくなると考えられていて、細胞を使った実験でも抗体の効果が弱まったという報告があります。

    こうしたことから、▼現在、使われているワクチンの効果に影響が出ないかや▼1度感染した人が再び感染するおそれがあるのではないかなどの懸念が出てきています。

    ヒトの免疫は抗体だけで決まるわけではない上にワクチンの効果は発症を抑えるだけで無く、重症化を防ぐことも期待されていることなどから影響については、現在、詳しい調査や研究が進められています。

    変異ウイルス検出の流れ

    変異ウイルスの検出は、国立感染症研究所でウイルスの遺伝子をすべて解読する方法で行われていましたが、国立感染症研究所はPCR検査で変異ウイルスを特異的に迅速に検出する手法を開発し、いまでは各地の地方衛生研究所でこの手法での検査が行われるようになってきています。

    各地の地方衛生研究所では、通常の検査で新型コロナウイルスの陽性が確認された検体のうち、一定の割合を抽出して変異ウイルスを迅速に検出するためのPCR検査を行っていて、変異ウイルスの可能性があることが分かった場合には、検体を国立感染症研究所に送って確定させる流れになっています。

    こうした中で、東京都では1月29日までにPCR検査などで新型コロナウイルスの感染が確認された1710人分の検体について調べた結果、変異ウイルスが検出されたのは2人分の検体で、一部にとどまり感染の主流にはなっていないと見られます。

    専門家“市中での広がりは見られない 一方で監視を続ける必要”

    国立感染症研究所の脇田隆字所長は2月9日夜の記者会見で、「いま変異株が各地で検出されているが、ほとんどのケースで感染の経路は追えている。変異株に感染した人とつながりがない状況で、市中で変異株に感染するという状況にはないと考えている」と話し、現時点では市中での広がりは見られないという見解を示す一方、感染が拡大するおそれはあり、監視を続ける必要があるとしています。

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    英国の変異ウイルス 69の国・地域で確認 WHO公表(1/28)

    2021年1月28日

    イギリスで最初に確認された新型コロナウイルスの変異ウイルスは、これまでに世界の69の国や地域で確認されているほか、南アフリカと南米のブラジルでそれぞれ確認された別の2つの変異ウイルスも確認が相次いでいるとする報告書を、WHO=世界保健機関が公表しました。

    報告書によりますと、イギリスで最初に確認された変異ウイルスは、今月25日の時点で、日本を含むアジアや欧米、それに中東など世界の合わせて69の国や地域で確認されているということです。

    また、南アフリカで確認された別の変異ウイルスは、日本や中国、オーストラリア、イギリス、フランス、カナダなど25の国や地域で確認されているほか、6つの国や地域で確認中だということです。

    さらに、日本やブラジルで確認された、これら2つとは別の変異ウイルスは、アメリカやイギリス、イタリアなど8つの国や地域で確認されているということです。

    ワクチンの効果などに関する研究は各国で進められている最中で、WHOは、手洗いや人混みを避けること、それにマスクの着用などの対応や、国や地域で取り組む感染対策の徹底が重要だと指摘しています。

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    変異ウイルス 最新情報は?WHO担当者に聞く(1/22)

    2021年1月22日

    イギリスで最初に確認され、1月17日時点で日本も含めて58の国と地域で確認されている新型コロナウイルスの変異ウイルス。従来のウイルスとの違いは?ワクチンは効くのか?
    WHO=世界保健機関のヨーロッパ地域事務局で変異ウイルスの対応にあたっているリチャード・ペボディ博士に話を聞きました。
    (欧州総局記者 古山彰子)

    北欧のデンマークにあるWHOヨーロッパ地域事務局で変異ウイルスの対応にあたっているリチャード・ペボディ博士は、イングランド公衆衛生庁に勤めたあと、2019年からWHOヨーロッパ地域事務局で、高脅威病原体(high threat pathogen)、危険性の高い病原体の対応にあたるチームリーダーを務めています。

    今わかっていることは

    (記者)
    WHOでは、変異ウイルスについて、これまで何がわかっていて、何がわかっていないんでしょうか?1月15日時点の最新の情報を教えてください。

    (ペボディ博士)
    世界では今、複数の変異ウイルスが確認されています。ここでは、変異ウイルスとして世界でいちばん初めにイギリスで検出され、今は世界各地で確認されている変異ウイルスについて話します。

    イギリスがこのウイルスを、去年12月に世界で初めて検出しました。それなので、私たちはまだどんな懸念があるのか日々学んでいるところです。

    今すでにわかっていることは、この変異ウイルスは従来のウイルスに比べて速く感染が広がるという証拠が集まっていることです。

    イギリスでは去年12月の数週間で感染が見られるようになり、1月には変異ウイルスの感染者の方が多くなりました。

    症状の重さについては、つまり、入院したり死亡したりする可能性については、従来のウイルスとの違いが見られません。可能性が高いこともなければ、低いこともないんです。

    イギリスでは感染者自体が増えているので、より多くの人が入院し、死者も増えています。

    (ペボディ博士)
    南アフリカで検出された変異ウイルスは、イギリスとは異なるものです。

    ただ、イギリスでも、南アフリカで検出された変異ウイルスが確認されています。確認されたのはとりわけ、南アフリカから旅行してきた人と関係のある人たちからです。

    日本について言えば、南アメリカから来たであろうウイルスが見つかっています。

    これらのウイルスはすでに世界の複数の場所で確認されていますし、とても簡単に、速く感染が広がります。すべての国は、速やかに措置をとれるようにウイルスをいち早く検出できるシステムを持ち続け、感染を抑えていかなければなりません。

    これまでに変異ウイルスを検出し報告した国々は、高度な監視システムを持ち、ウイルスを検出できているのです。きちんと報告し、正しいことをしているのです。

    ほかの変異ウイルスもすでに広がっているのに私たちが気付いていないだけ、ということは、十分あり得ますし、そうなんだと思います。

    予防対策は

    (記者)
    変異ウイルスに感染しないためにはどのような対策が必要ですか?。

    (ペボディ博士)
    従来のウイルス対策と同じで、その対策が、これまで以上に大切になってきています。

    人との間に距離をとること、マスクを着けること、手を洗うこと、これらの対策すべてが、変異ウイルスであっても従来のウイルスであっても、感染が広がるのを防ぐことにつながります。

    感染が広がりやすくなっているということはつまり、これらの対策を一段と徹底しなければいけないということです。とても大切なことです。

    各国は、感染状況に応じて措置をとる必要がありますし、感染状況が深刻な国では、より強化された対策が必要です。

    (記者)
    必要以上に心配する前に、手洗いなど、できることをすべきということですね。

    (ペボディ博士)
    WHOや各国がすべきたとこれまで言ってきた対策を続けるべきです。手をしっかりと洗うこと、人と接するときはマスクをすること、人との間に距離を取ること。これらすべてが、ウイルスが広がる可能性を少なくするのに、大切なんです。

    体調が悪くなったら、家で過ごすこと。感染した疑いのある人は検査を受けること。もし感染が確認されたら、隔離すること、変異ウイルスであっても従来のウイルスであっても、これらすべてが大切なんです。

    ワクチンの効果への影響は

    (記者)
    ワクチンは、変異ウイルスにも効果がありますか?。

    (ペボディ博士)
    それに関するデータはまだ見ていません。データを待っているところです。ワクチンが、変異ウイルスにも効果があるかどうか、効果があったとしてもより限定的な効果になるのか、今まさに研究が進められています。

    まだ研究の途中ですが、感触としては、少なくとも現段階で理論上は、ワクチンが変異ウイルスに効かないという根拠はありません。研究結果を見なければいけませんが、従来のウイルスに対しては、臨床試験の結果を見るとワクチンは効果があるので、ほかのどんな変異ウイルスに対しても予防の効果があると予想しています。

    それでもやはり、研究結果を見て、本当に効果があるのか、確認しなければならないので、もう少し待ってみましょう。

    (記者)
    各国は今の段階では、ワクチンの接種計画を変える必要がないということですね。

    (ペボディ博士)
    もちろんです。変異ウイルスが検出されたからと言って、今のワクチン接種計画を変える必要は全くありません。

    年齢による感染のしやすさは

    (記者)
    変異ウイルスは、若い人が感染しやすいという情報もありますが?。

    (ペボディ博士)
    大切な質問ですね。少なくともイギリスの証拠からすれば、今のところ、すべての年齢層で感染が広がりやすいです。若い人も、大人もです。年齢によって、感染しやすい、しにくいということはなく、すべての人が感染しやすいんです。

    だから、これまでの対策の内容を変えるのではなくて、今までの対策を強化する必要があるんです。

    休校という措置もありますね。今の対策のレベルでは感染を抑えきれていないのであれば、休校の措置を取るという方法もあるんです。でも大切なのは、子どものほうが感染しやすいという根拠はないということ。子どもも大人も同じです。

    これからワクチン接種を始める国へ

    (記者)
    日本のように、まだワクチン接種が始まっていない国に対して、アドバイスはありますか。

    (ペボディ博士)
    変異ウイルスに関係なく、ワクチン接種はとても大切です。ワクチン接種は、重症化するリスクのある人たちを守る重要な追加的な要素ですね。だからこそ、各国でワクチン接種が始まっているわけです。

    今、各国では、感染すると重症化しやすい人、死に至るリスクの高い人たち、特にお年寄りや高齢者施設の人たちを中心に接種を始めています。そして、医療従事者に対しても始まっています。彼らを守り、保健システムをもたせるために。各国は、誰を優先すべきなのか、見極め、接種を進めていく必要があると考えています。

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    米ファウチ博士 “変異ウイルスにワクチン 一定程度の有効性”(1/22)

    2021年1月22日

    アメリカ政府の新型コロナウイルス対策に関わるファウチ博士は、1月21日に開かれた記者会見で、イギリスなどで見つかっている変異したウイルスに対して、ワクチンの有効性は一定程度保たれているとの見方を示したうえで、ワクチン接種のペースを速めることが重要だと訴えました。

    アメリカのバイデン政権で首席医療顧問として新型コロナウイルス対策に関わるアンソニー・ファウチ博士は1月21日、バイデン大統領就任後、初めての記者会見を開きました。

    ファウチ博士はまず、アメリカの感染の状況について「増加のペースが緩んでいるようにも見えるが注意深く見守る必要がある」と述べ、深刻な状態が続いているという認識を示しました。

    そして、イギリスや南アフリカなどで見つかっている変異したウイルスが、ワクチンの有効性に与える影響について、「初期の研究結果を見るかぎり、有効性に変化はあるかもしれないが、なくなるわけではない」と述べ、一定程度の有効性が保たれているとの見方を示しました。

    そのうえで、ファウチ博士は「ワクチンの有効性を保つためには、ワクチンを可能なかぎり多くの人に接種して感染の拡大を抑制し、ウイルスを変異させないことが重要だ」とワクチン接種のペースを速めるよう訴えました。

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    新型コロナ変異ウイルス WHO担当者「感染スピード速い」(1/19)

    2021年1月19日

    イギリスで感染が広がる変異した新型コロナウイルスについて、WHO=世界保健機関の専門家は従来のウイルスより感染拡大のスピードが速いと指摘する一方、重症化や死亡のおそれについては従来のものと大きな違いはないという見方を示しています。

    WHOのヨーロッパ地域事務局で変異ウイルスの対応にあたっているリチャード・ペボディ博士はNHKのインタビューでイギリスで感染が広がる変異した新型コロナウイルスについて「従来のウイルスに比べ速いスピードで感染が広がるという証拠が集まっている。イギリスでは去年12月の数週間で感染が見られるようになり、今月は変異ウイルスの感染者のほうが多くなった」と述べました。

    一方で「入院したり死亡したりする可能性については、従来のウイルスと違いが見られない」としています。

    さらに変異ウイルスに各国で開発されたワクチンが有効かどうかについては「変異ウイルスに対してより限定的な効果しかないのか複数の研究が進められているが、少なくとも現段階では理論上は変異ウイルスに効かないという根拠はない」と話したうえで、これまでどおり手洗いやマスクの着用、3密の回避などの対策の徹底を呼びかけました。

    WHOによりますとイギリスで感染が広がる変異ウイルスは17日の時点で58の国と地域で確認されているということです。

    米 発生源の調査巡り中国側に情報開示求める

    1月18日から始まったWHO=世界保健機関の執行理事会では、WHOの国際的な調査チームが進めている新型コロナウイルスの発生源などの調査を巡り、アメリカが中国に情報開示を求めたのに対し、中国側がこれに反論する一幕がありました。

    このなかでアメリカの代表は調査チームが中国湖北省の武漢で進めている調査に関して「調査は中国側から新型ウイルスに関する遺伝子配列や武漢でこれまでにとったサンプルなど、すべての情報が提供されることでのみ、成功する」と述べ、中国側にすべての情報を開示するよう求めました。

    これに対して中国の代表は「中国は常にタイムリーに情報を公開し、透明性と責任感を持って対応にあたってきた。ウイルスの発生源の調査には調整と協力が必要であり、政治的な圧力をかけるのはやめるべきだ」と反論し、情報は開示していると主張しました。

    WHOの調査に関してはアメリカのポンペイオ国務長官が1月15日、武漢にある「中国科学院武漢ウイルス研究所」に言及した上で「WHOの報告が信用されるためには、ウイルスのサンプルや内部告発者などに制限なくアクセスできることが重要だ」と述べて徹底した調査を求めています。

    英 感染確認は減少傾向も入院患者は最多に “30秒に1人入院”

    変異した新型コロナウイルスの感染が広がるイギリスでは、1日に新たに確認される感染者は減少傾向にあるものの、入院患者はこれまでで最も多くなっていて、医療体制がひっ迫する深刻な状況が続いています。

    イギリスでは感染力が強いとされる変異した新型コロナウイルスの感染が広がり、外出が厳しく制限されるとともに、飲食店と生活必需品を扱う店以外の小売店は原則として営業が禁止されています。

    感染は2020年12月から急速に拡大し、1月1日に新たに確認される感染者が6万人を超える日もありましたがここ数日は5万人を下回っています。

    ただ入院患者は増えていて、最新の発表で3万7475人とこれまでで最も多くなり、政府は30秒に1人の割合で入院しているとしています。

    ジョンソン首相は1月18日、メディアの取材に対し「われわれはまだ危機を脱してはいない。医療体制はひっ迫していて、感染者はいまだに増えている」と話し、厳しい外出制限などの対策を徹底するよう強く呼びかけました。

    一方、ハンコック保健相は記者会見で、これまでに400万人余りがワクチンの1回目の接種を受けたと明らかにしました。

    イギリスでは70歳以上の高齢者や医療従事者など優先される1500万人への2月15日までのワクチンの接種を目標にしていて、これらの人たちへの接種を急いでいます。

    米でも「3月までに変異ウイルスが感染の主流となる可能性」

    イギリスで感染が広がる変異したウイルスはアメリカでは現段階で急速な感染拡大は確認されていませんが、アメリカCDC=疾病対策センターは3月までに感染の主流となる可能性があると推測しています。

    アメリカではこれまでに変異ウイルスの感染が14の州で合わせて88例報告されていて、渡航歴のない人の感染も確認されています。

    CDCは1月15日に発表した報告書で、現段階で変異ウイルスへの感染は全米の新型コロナウイルスの感染例の0.5%以下と見積もっています。

    ただ変異ウイルスはこれまでのウイルスに比べて感染拡大のスピードが速いため、CDCではアメリカでも3月までに感染の主流となる可能性があると推測しています。

    CDCは感染拡大を抑えるためにはこれまで以上にマスクの着用や他人との接触を避けるといった感染対策を徹底することに加え、ワクチンの接種を迅速に進める必要があるとしています。

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    変異ウイルス 静岡「緊急警報」 国内・国外の感染は? 対策は?(2021/1/19)

    2021年1月19日

    イギリスで感染が広がる変異した新型コロナウイルスをめぐり、静岡県で海外の渡航歴がなく感染者との接触も確認されていない男女3人の感染が確認されたことを受けて、静岡県の川勝知事は臨時の会見を行って県独自の「感染拡大緊急警報」を発令し、対策の徹底を強く呼びかけました。
    変異したウイルスの国内・国外での感染の広がりや、対策の現状などをまとめました。

    静岡県では1月18日、20代の女性とその濃厚接触者の40代の女性、それに60代の男性の3人が変異ウイルスに感染したことが確認されました。

    変異したウイルスをめぐり、海外の渡航歴がなく感染経路が分からないケースは国内で初めてです。

    川勝知事は1月19日午後、臨時の会見を行い、県民にさらなる感染防止対策を求める県独自の「感染拡大緊急警報」を発令しました。

    そして「英国の事例では感染力が高いと報告され、日本でも感染が爆発的に増加すると医療提供体制が崩壊し救える命が救えなくなる可能性がある」と強い危機感を示したうえで「これまで以上に県民一人一人に感染防止対策を徹底してもらい、医療提供体制をさらに強化する必要がある」と述べました。

    そのうえで具体的な対策として
    ▽3密を避けるなど基本的な感染防止対策の徹底や、
    ▽県境を越えた移動を自粛し県内でも不要不急の外出を控えること、
    そして、
    ▽必ずマスクを着用し、家族以外との会食は行わないよう呼びかけました。

    一方、変異ウイルスであっても基本的な対策は変わらないとして、飲食店などへの時短要請や特別な行動制限を行う必要はないと説明しました。

    さらに1人 変異ウイルス感染か

    また、静岡県によりますと変異した新型コロナウイルスへの感染が確認された60代の男性の濃厚接触者について、国立感染症研究所が変異ウイルスに感染しているかどうかPCR検査を行ったところ1月19日に陽性と判定されたということです。

    この濃厚接触者の検体は今後、結果を確定するために遺伝子を解析する検査が行われますが、県はPCR検査の精度は高く変異ウイルスへの感染が確定する可能性が高いとしています。

    この濃厚接触者は、すでに感染が確認されている男性以外とは濃厚接触をしていないということです。

    また、県は国立感染症研究所に3人の感染が確認された地域から32の検体を提供しPCR検査が行われていますが、この濃厚接触者を除く31の検体の変異ウイルスへの感染はありませんでした。

    国内で感染確認は47人

    イギリスなどで広がっている変異ウイルスは、表面にある「スパイク」と呼ばれる突起の部分が感染しやすい形に変わっていて感染力が高いとされます。

    こうした変異ウイルスへの感染が国内で確認されたのは1月19日までで47人となっています。

    ウイルスのタイプ別に見ると、
    ▽イギリスで最初に報告されたタイプの変異ウイルスに感染していたのは38人、
    ▽南アフリカで報告されたタイプの変異ウイルスに感染していたのは5人、
    ▽そして、これらのものとは異なる変異ウイルスへの感染がブラジルに滞在歴のある4人で確認されています。

    また、47人のうち、
    ▽およそ4分の3にあたる36人は、イギリスや南アフリカ、そしてブラジルなど海外から日本に到着した際に空港検疫で感染が確認されています。

    ▽8人は、海外に滞在歴がある人やその濃厚接触者です。

    ▽海外に滞在歴がなく感染者との接触も確認されていない人で変異ウイルスへの感染が確認されたのは、1月18日に発表された静岡県の男女3人が初めてです。

    これについて国立感染症研究所の脇田隆字所長は1月18日の会見で、変異ウイルスが発見された地域で陽性者の検体の調査を行っているとしたうえで「この地域で流行の主流になっているウイルスが、変異したウイルスに置き換わっている状況ではないと思う」と説明しています。

    58の国と地域で確認

    新型コロナウイルスは2週間に1度ほどの頻度で変異を繰り返していて、通常は遺伝子の一部が変異してもウイルスの特徴や性質に大きな変化が起きることはありませんが、感染力に関わる部分に変異が起きているため、監視が強められている変異ウイルスは主に3種類あります。

    いずれも「N501Y」と呼ばれる変異があり、このうちの1つが今回、静岡県で確認されたのと同じタイプのウイルスです。

    このウイルスはイギリスで2020年9月に出現し感染力が高いとされていて、WHO=世界保健機関によりますと1月17日の時点で58の国と地域で確認されているということです。

    また、同じ箇所が変異している別のタイプのウイルスが南アフリカで確認されたほか、日本の空港検疫でブラジルから到着した人からも同様のウイルスが確認されています。

    データベースに登録増える

    世界各地の研究機関で解析したウイルスを登録するデータベース「Nextstrain」には、2019年12月から今月までに登録されたウイルスのうち、およそ3900の遺伝子の情報がまとめて公開されています。

    この中では3種類の変異ウイルスの登録は去年秋ごろから増え始め、1月15日の時点では表にまとめられたうちの33%に上っています。

    この割合は市中での感染状況を示すものではありませんが、世界中で監視体制が強められる中で変異ウイルスの登録が増えてきています。

    WHOはウイルスを解析できる能力を拡大し、情報を国際的に公開することが重要だとしていて、今回見つかっている変異によって感染力や重症度にどういった変化が出るかやワクチンや治療などに与える影響について世界各国で研究が進められています。

    感染力や重症化は?【1. 英のタイプ】

    イギリスで広がっている変異した新型コロナウイルスについては、これまでの研究で感染しやすくなっている可能性があることが分かっています。

    国立感染症研究所によりますと、ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターなどの報告では、これまでのデータの分析からイギリスの変異ウイルスは1人が何人に感染させるかを示す「再生産数」と呼ばれる数値が0.4以上増加し、感染のしやすさが最大70%程度増加している可能性があるということです。

    感染した際の症状の重さについてこれまでより重症化しやすいというデータはないということです。

    ただ、イギリスで変異ウイルスに感染した人の多くが重症化のリスクが低い60歳未満だということで、評価には注意が必要だとしています。

    感染力や重症化は?【2. 南アなどのタイプ】

    南アフリカで確認されているウイルスやブラジルから日本に入国した人から見つかった変異ウイルスは、それぞれイギリスとは違うウイルスです。

    ただ、いずれの変異ウイルスも、ウイルスが細胞に感染する際に働く「スパイクたんぱく質」というたんぱく質の遺伝子に「N501Y」と呼ばれる共通の変異が起こっています。

    イギリスで見つかったウイルス以外は感染しやすくなっているかどうかなど、まだ分かっていません。

    ワクチンの効果は

    変異したウイルスに対してワクチンの効果があるかについても詳しいことは分かっていませんが、厚生労働省によりますと、ウイルスが多少変化してもワクチンの効果がなくなるわけではないとしています。

    これについて、アメリカの製薬大手、ファイザーなどのグループが実験を行っています。

    グループでは、イギリスや南アフリカで見つかった変異ウイルスと同じ変異を持つウイルスを人工的に作り出し、ファイザーのワクチンを接種した人の血液と反応するかを調べました。

    その結果、血液の中の抗体が変異ウイルスを攻撃することが確認されたということです。

    ファイザーでは、変異したウイルスに対するワクチンの有効性については、引き続き調べる必要があるとしています。

    専門家「第3波 より長期化のおそれも」

    海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は「イギリスなどで広がる変異したウイルスは、感染力がこれまでのものより高いとされている。まだ情報が限られていて分かっていないことも多いが、仮に変異ウイルスが国内で広がってしまえば、現在の感染の第3波がより長期にわたってしまうおそれがある」と指摘しました。

    そのうえで「水際での対策は、ウイルスの侵入を遅らせたり、入ってくる数を減らしたりする効果を目的にしたもので、ウイルスの流入を完全に防ぐことはできない。国や自治体は、市中で変異ウイルスに感染した人の感染源を詳しく調べるとともに、国内で変異ウイルスの感染がないか調べるモニター調査をより強化する必要がある。私たちが取るべき感染予防策はこれまでと同じだが、感染力の高さを考えればこれまで以上に対策を心がけることが必要で、特に緊急事態宣言の対象の地域では、不要不急の外出などは控えてもらいたい」と話しています。

    迅速な検出手法 開発も

    イギリスや南アフリカなどで確認されている変異した新型コロナウイルスの監視体制を強化するため、国立感染症研究所などでは従来のPCR検査を活用して変異ウイルスを迅速に検出する手法を開発しています。

    変異したウイルスを見つけ出すには、これまで特殊な装置を使ってすべての遺伝情報を詳細に解析する必要がありますが、
    ▽ウイルスの量が少ないと調べることができないことや、
    ▽結果が出るまでに時間がかかることが課題となっていました。

    国立感染症研究所が新たに開発した手法は、PCR検査の技術を使ってウイルスの遺伝子にいま問題となっている「N501Y」と呼ばれる変異が起こっているかどうかを直接、検出できるものです。

    これまでは半日以上かかっていた検査が数時間でできるうえに、通常のPCR検査の機器を活用することができるということです。

    この検査ではイギリスで確認された変異ウイルスか南アフリカで確認されたものかなどを詳細に区別することはできないということですが、国立感染症研究所では、大量のサンプルを迅速に調べることができるため実用化されれば監視体制の強化に役立つとしています。

    田村厚労相 “専門組織立ち上げ流行防ぐ”

    田村厚生労働大臣は専門の組織を立ち上げて健康観察や行動確認を強化し、国内での流行を防ぎたいという考えを強調しました。

    政府の水際対策では、原則として外国人の入国を全面的に制限していますが、日本人の帰国者や在留資格のある外国人の再入国などは引き続き認められ、入国時に自宅や宿泊施設での14日間の待機を求めています。

    こうした中、田村厚生労働大臣は東京都内で記者団に対し「変異ウイルスが流行している地域から入国する人に対しては、国が直営する『フォローアップセンター』を作り1日1回、無料通信アプリのLINEや電話などで健康確認をすることを考えている」と述べ、変異したウイルスが流行しているイギリスや南アフリカからの入国者について、専門の組織を立ち上げて健康観察や行動確認を強化する考えを示しました。

    そのうえで「国内で感染が広がっていくことに対する国民の大変な心配があるので、変異ウイルスの感染流行が見られる場合は対象エリアも随時、広げていきたい」と述べ、変異したウイルスの国内での流行を防ぎたいという考えを強調しました。

    加藤官房長官「他地域も監視体制を強化」

    加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で、変異した新型コロナウイルスの監視体制について「厚生労働省が国立感染症研究所や自治体と連携し、今回、変異株が報告された静岡県の直近の検体を提出するよう協力を要請し優先的に解析を行うなどの強化を図っている」と述べました。

    そのうえで「他の地域についても、ゲノム解析能力のキャパシティー、静岡県の解析の結果を踏まえつつ監視体制を強化する方向で国立感染症研究所で検討している」と述べました。

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    コロナ変異ウイルス 国内で初確認 英国からの帰国者5人(2020/12/25)

    2020年12月25日

    田村厚生労働大臣は、12月25日午後9時すぎから記者会見し、イギリスから帰国した5人から変異した新型コロナウイルスへの感染が確認されたと発表しました。変異したウイルスへの感染者が国内で確認されたのは初めてです。

    5人はイギリスから帰国

    5人は、12月中旬から下旬にイギリスから帰国し、空港の検疫で新型コロナウイルスの陽性が確認されたため、国立感染症研究所で検体を解析した結果、変異した新型コロナウイルスが確認されたということです。

    ▽2人は12月18日と20日に羽田空港に帰国し、▽3人は12月21日に関西空港に帰国したということです。

    年齢は、10歳未満から60代までの男女で、帰国した際に、4人は症状がなく60代の男性がけん怠感を訴えていたということです。

    5人について田村大臣は「空港検疫で陽性が確認されたので国内に到着したあと、ほかの人に感染するような形で接触があったことは考えられないだろう」と述べました。

    26日以降の帰国者への対応は

    また、26日以降、イギリスと南アフリカから帰国する人への対応について「3日間、ホテルで滞在してもらい、その後検査を行って陰性ならば公共交通機関を使わない形で、自宅などに戻ってもらう。帰国してから14日間は自宅に待機してもらい、その間、健康フォローアップを実施するよう準備に入っている。国内で感染者が拡大する可能性をなるべくなくしていくことに、万全を期す」と述べました。

    イギリスで感染力が強いとされる変異した新型コロナウイルスが広がっていることを受けて、政府は、12月24日から、当分の間、イギリスからの新規の入国を拒否するなど、入国制限を強化していました。

    変異したウイルスとは 国立感染研の情報

    イギリスを中心に感染が広がっている変異したウイルスについて、国立感染症研究所は12月22日の時点での情報をまとめて公表しています。

    それによりますと変異株ではウイルスが細胞に感染する際の足場となる「スパイクたんぱく質」と呼ばれる部分の遺伝子に9つの変異があるということです。

    ウイルスの特徴としては、イギリスの解析でこれまでのウイルスよりも最大で70%、感染しやすくなっている可能性があるということです。

    症状への影響については、現時点で、この変異株に関係した重症化のデータはないものの、変異したウイルスへの感染が確認された人の大部分が重症化の可能性が低い60歳未満のため評価には注意が必要だということです。ワクチンの有効性への影響は現時点では不明だとしています。

    北里大学 中山特任教授「水際でせき止めるのは難しい」

    ウイルスに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は、変異した新型コロナウイルスが国内で確認されたことについて「人の動きがある以上、イギリスで流行しているウイルスが国内で見つかることはおかしくない。全員、症状が出るわけではないので、水際でせき止めるのは難しい。春に流行した際も気がつかないうちにヨーロッパで流行していたウイルスが国内に入り込んでいて、気付いたときにはもう遅かった。それと同じようなことが今回も起きている可能性がある」と指摘しました。

    また、変異したウイルスについては「まだ、分かっていないことも多いが、さまざまな報告をみると感染する力が高くなっているようだ。このウイルスで症状に違いがあるかどうかは分かっていないが、感染者数が増えれば、その分、重症の患者も増える可能性がある」と話していました。

    そして、中山特任教授は、気がついたときには、変異したウイルスがすでにまん延していることもありえるとした上で「これから年末年始で集まる機会があるかもしれないが、『密』にならないようにして、外出を控えるなど、いままで以上に自粛の意識を持ってほしい」と話していました。

    国立感染研 脇田所長「国内で流行 拡大でない」

    イギリスで広がっている変異した新型コロナウイルスに男女5人が感染していることが確認されたことについて、国立感染症研究所の脇田隆字所長は、「イギリスで流行が拡大している変異ウイルスが検疫で確認されたということで、真の意味で国内に侵入して流行が拡大しているわけではないと受け止めている」。

    「この変異株は、感染力が70%増加しているという情報もあり、国内で拡大するといまの流行をかなり広げてしまう。ただ、病原性やワクチンが有効かどうかについてはまだわからず、今後、ウイルスの分析をしっかり行う必要がある。現在の段階では国内に入れない対策が非常に重要になってくる」と話しました。

    その上で、「変異したウイルスは国内に入り込んだり、発生したりする可能性もある。マスク着用のほか、手洗い、人と人との距離をとる、3密を避ける、そして飲酒を伴う懇親会など感染リスクの高い『5つの場面』を避けるといった基本的な感染対策を徹底し、リスクのある行動を避けてもらう対策はこれまでと変わらない」と述べ引き続き、基本的な感染対策を取る必要性を強調しました。

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    コロナ 変異ウイルス 症状は? 予防法は? 専門家の見解(12/25)

    2020年12月25日

    イギリスでは変異した新型コロナウイルスの感染が拡大し、WHO=世界保健機関によりますと、24日現在でデンマークやオランダなどでも確認されています。
    変異ウイルスはどうやって見つかった?症状は?予防法は?
    WHOが23日に行った、専門家とのオンライン会見のポイントをまとめました。

    変異ウイルスはどうやって見つかった?

    写真・イギリスのウェルカムサンガー研究所(Wellcome Sanger Institute)ジェフリー・バレット氏

    私たち「イギリス 新型コロナウイルス感染症 ゲノムコンソーシアム」は、新型コロナウイルスの変異などを監視していて、検査のために採取された検体に含まれるウイルスの遺伝情報の配列を調べています。

    私たちは、世界で共有されている新型コロナウイルスの配列のデータベースの半数余りにあたる、15万件ほどの解析を行ってきました。

    これはイギリス国内の感染者全体の7~8%にあたる量です。

    多くは全国から無作為に集められ、私たちは1日単位、1週間単位で、イギリスのどの地域で、どのようなウイルスの変異が起きているか監視しています。

    そうした中、問題となっているある特定の変異ウイルスが、イングランドの南東部とロンドンで極めて急速に拡大していることがわかってきました。

    以前からある新型コロナウイルスよりもとても早いスピードで感染が広がるので、国内だけでなく、国際的にも関心を集めるようになりました。

    予防措置はどう取る?

    写真・WHOで検査担当フランク・コーニングス氏

    大切なことは、ウイルスに変異はあるものの、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)であることに変わりはなく、これまでの対策は有効で、実施し続けるべきだということです。

    この1年間に皆さんがやってきたこと、検査、隔離、治療、追跡、手を清潔に保つことや人と人とが距離を取ること、室内の換気をよくすること、特に今、休暇期間に家族で集まるときには窓を開けて、新鮮な空気を取り込むことがとても大切です。

    必要な時にはマスクをつけることももちろん大切です。

    このような対策を取り始めてもう何か月もたち、まもなく1年になろうとしますし、簡単ではないのはわかっています。

    しかし、特に休暇期間にはこうした対策を続ける必要があるんです。

    みんなで一緒にやる必要があります。

    一般的に言えば、変異したウイルスにもこれまでと同じ検査方法が使えます。

    一部の検査方法はもはや使えないという情報もありますが、そうした検査にはウイルスを検知するためのいくつかのバックアップ用の仕組みがあります。

    抗原検査や短時間で診断するための検査も変異ウイルスに有効です。

    これまでの新型コロナウイルスとの症状の違いは?

    ユニバーシティーカレッジロンドン ウイルス学教授 ジュディー・ブルーアー氏

    今のところ、すでに感染が世界に広がっている新型コロナウイルスと比べ、症状に違いはありません。

    症状が違うという科学的な証拠はないんです。

    今、詳細な質のよいデータを集めているところで、少し時間がかかります。

    ワクチンの効果に影響は?

    ユニバーシティーカレッジロンドン ウイルス学教授 ジュディー・ブルーアー氏

    いいえ。

    ワクチンの接種計画は、すでに予定されていたとおり実施されています。

    変更する予定はありません。

    免疫学的にみて、変異ウイルスが異なる振るまいをしているという証拠はありません。

    ですので、ワクチンは問題なく機能すると思います。

    イギリスではすでにワクチンの接種を始めたので、注意深く状況を見ていますが、今のところ、問題があるという兆候はなく、従来のウイルスと異なる振るまいをしているということもありません。

    何も心配することはなく、ワクチンの接種はうまくいくと思っています。

    子どものほうが感染しやすいのか?

    ユニバーシティーカレッジロンドン ウイルス学教授 ジュディー・ブルーアー氏

    そういうデータは見ていません。

    子どものほうが感染しやすいのではないかといううわさがありますね。

    ただ、どういうデータに基づいてそう言われているのかわかりません。

    子どもたちは学校に行きますので、そこで感染することはあります。

    しかしそれは、人とのかかわりが増えたから感染しやすくなったというだけで、ウイルスの感染力とは関係がありません。

    より慎重な、疫学的な調査が必要であり、それはすでにイギリスで始められていることです。

    ウイルスの変異はどのように起きるのか?

    写真・WHOで検査担当フランク・コーニングス氏

    はい。

    とても大切な質問ですね。

    変異というと、非常に恐ろしく、パニックを起こしがちです。

    でも実際にはウイルスが変異することはとても普通のことです。

    ウイルスは自己複製します。

    つまり、みずからのコピーを作るんです。

    そこでいつも少し変異が起きます。

    コピーの作り方はとても雑で、その過程でエラーが起きるんです。

    皆さんが字を書くときに「書き間違い」をするような感じです。

    それがウイルスの世界では変異(mutation)と呼ばれ、変異したウイルスは変異株(variant)と呼ばれるんです。

    ほとんどの場合、これらの変異は、感染力などに影響はありませんが、時折、科学者のことばで言うと、元のウイルスよりも環境に適したウイルスになります。

    その場合、特定の環境でより支配的なウイルスになってしまいます。

    変異ウイルスについてわかっていることは?

    写真・イギリスのウェルカムサンガー研究所(Wellcome Sanger Institute)ジェフリー・バレット氏

    より速いスピードで感染するようにみえます。
    確実ではありませんが、各地で確認された変異ウイルスの感染のスピードはとても速いです。

    より重症化しやすいのかというと、今のところ、その根拠はありません。
    今後数週間かけてデータを集め、根拠を示さなければいけません。

    ワクチンの効果への影響、これはさきほどブルーアー氏が説明しましたね。

    どう備えればいいのか?

    写真・イギリスのウェルカムサンガー研究所(Wellcome Sanger Institute)ジェフリー・バレット氏

    マスクの使用や人との間に距離を取ること、長時間室内で人と集まるのを避けること。

    これは、イギリスだけでなく、全世界の誰に対しても言えることです。

    1つ言えるのは、イギリスではこれだけ、変異ウイルスが見つかっているわけですから、ほかの国でもすでに広がっていることは十分にありうるでしょう。

    過去数日間にいくつかの例が確認されましたが、今後さらに確認される国は増えるでしょう。

    ですので理想的には、世界中のすべての人が、この12か月間実施してきた対策を続けることです。

    今後数週間、数か月間で、より詳細なデータが明らかになり、この変異ウイルスに対してより詳しい答えができるでしょう。

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    新型コロナ 変異ウイルス 専門家「日本にも入る前提で対策を」(12/21)

    2020年12月21日

    イギリスで、感染力が強いとされる変異した新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受けて、ヨーロッパをはじめ、世界各国でイギリスからの旅客機の受け入れを停止するなど、影響がさらに広がっています。国立感染症研究所によりますと、日本国内ではこれまでのところ確認されていないということですが、専門家は「いずれ国内に入ってくる前提で対策を考える必要がある」と話しています。

    イギリスでは、首都ロンドンを含む南東部で変異した新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、12月20日から急きょ、この地域での外出制限など、厳しい感染対策が導入されました。

    これを受けてヨーロッパでは、ドイツやイタリア、それにオランダなど各国がイギリスからの旅客機の受け入れを停止する措置を決めたほか、フランスやベルギーはこれに加えて鉄道やフェリーの受け入れも停止するとしています。

    また、EU=ヨーロッパ連合は、12月21日に専門家の会合を緊急に開き、現状の分析や今後の対応を協議することにしています。

    このほかヨーロッパ以外でも対応が相次いでいて、イランがイギリスへの国際線を2週間停止することにしたほか、ロイター通信によりますと、南米のアルゼンチンとチリも、イギリスとの間の国際線を停止すると発表しています。

    また香港は、12月22日から当面、14日以内にイギリスに2時間以上、滞在したことのある人を対象に香港に入ることを禁止することになりました。

    さらにインド政府も12月21日、イギリスとの間を結ぶ国際線の運航を12月22日から12月31日まで停止すると発表しました。

    一方、ドイツで感染対策を担うシュパーン保健相は変異したウイルスについて専門家らと協議したとしたうえで「ワクチンに与える影響は何もない」と述べました。

    変異のウイルス 日本国内で確認されず

    新型コロナウイルスの遺伝子を分析している国立感染症研究所によりますと、これまでのところ国内ではイギリスで報告されている変異したウイルスは、確認されていないということです。

    デンマーク オランダ オーストラリアでも確認

    WHO=世界保健機関で新型コロナウイルス対応の技術責任者を務めるバンケルコフ氏は12月20日、イギリスの公共放送BBCの番組に出演し、変異した同じウイルスがイギリスのほか、デンマーク、オランダ、それにオーストラリアでも確認されたことを明らかにしました。

    そのうえでバンケルコフ氏は「ウイルスの変異自体は常に起きうる。大切なのは今回の変異で何が起きるのか、理解することだ」と述べ、変異したウイルスの特性を見極める必要があるという考えを示しました。

    また、イタリア政府は12月20日、イギリスからの旅客機の受け入れを禁止し、過去14日間にイギリスに滞在した旅行客の入国も禁じると発表しました。

    すでにイギリスからイタリアに入国した人に検査を呼びかけていて、これまでに1人が変異した新型コロナウイルスに感染していることを確認したということで、隔離を行うとともに家族など濃厚接触者の調査を行っているとしています。

    専門家「いずれ国内に入る前提で対策を」

    イギリスで変異した新型コロナウイルスが報告されていることについて、日本ウイルス学会理事長で大阪大学の松浦善治教授は「イギリスの論文を確認したが、ウイルスが感染するときの足がかりになる『スパイクたんぱく質』に変異が見つかっている。新型コロナウイルスのようなRNAウイルスは次々に変異するのが特徴で、変異して感染性が強くなったウイルスが増えるというのはよくあることだ」と指摘しています。

    一方で、今回の変異が 症状の重さや、ワクチンの効果に何らかの影響を及ぼすことを示すデータは今のところないということで、松浦教授は「現在、開発されているワクチンで防ぐことができないなら問題だが、その点はすぐに研究が行われるだろう。また、毒性が強くなったかどうかもまだよく分かっていない。すぐに慌てるのではなく、慎重に様子を見たほうがいいと思う」と話しています。

    また「こうした変異は、これからもどんどん出てくるだろう。イギリスは変異したウイルスが見つかったことで、慎重を期してロックダウンを選んだのではないだろうか。日本でも、いずれ国内に入ってくるという前提で対策を考えておく必要がある」と話していました。

    ウイルスの変異とは

    新型コロナウイルスはヒトに感染すると、ヒトの細胞の中で遺伝子のRNAを次々とコピーすることで数を増やしていきます。

    この時、まれにコピーした遺伝情報にミスが起きてしまい、突然、RNAの配列の一部が欠けたり、入れ代わったりすることがあり、これを「変異」といいます。

    国立感染症研究所によりますと、新型コロナウイルスでは、こうした変異は2週間に1度くらいの頻度で起きているとみられ、これまで日本で見つかっているウイルスでもいくつも変異が起きていることが確認されているということです。

    通常、遺伝子の一部が変異してもウイルスの特徴や性質に大きな変化が起きることはありません。

    ただ、偶然、遺伝子の中で、ウイルスの性質に関わる場所に変異が起きたり、たくさんの変異が積み重なったりすると、
    ▽感染しやすくなったり、
    ▽症状が重くなったりすることがあるということです。

    これまでの研究では、新型コロナウイルスが細胞に入り込む際の足がかりとなるウイルスの表面にある突起「スパイクたんぱく質」の性質が感染力に影響するとされていて、このたんぱく質を作り出す遺伝子に変異が起きると、感染力も変わるおそれがあるということです。

    東京大学医科学研究所などのグループが先月、発表した研究では、
    ▽中国 武漢で報告された新型コロナウイルスと
    ▽現在、世界中で広がっているヨーロッパ系統のウイルスでは「スパイクたんぱく質」の遺伝子の一部が異なっていて、ハムスターを使った実験ではヨーロッパ系統のほうが飛まつ感染しやすい性質があったということです

    ただ、この実験では症状の重さや抗体への反応などには変化は見られませんでした。

    新型コロナウイルスの世界的な感染拡大でウイルスがヒトに感染して増殖する機会が増えれば、遺伝子に変異が起こるリスクも高まると考えられていて、各国の研究機関がウイルスの遺伝情報を解析するなどして警戒しています。

    日本とイギリスの往来 現状は

    政府は現在、イギリスを入国拒否の対象国としていることから特段の事情がないかぎり、新規の入国は認めていません。

    イギリスからの入国が認められるケースは、
    ▽日本人と、中長期の在留資格を持つ外国人で、ウイルス検査や14日間の自宅などでの待機が求められます。

    また、
    ▽日本に住んでいる日本人や外国人がイギリスに7日間以内の短期出張をした場合は、帰国や入国の際、一定の条件のもと14日間の待機は免除されます。

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    ロンドンなど外出制限へ “変異ウイルスで感染急拡大”(12/20)

    2020年12月20日

    イギリスのジョンソン首相は、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているとして、ロンドンを含むイングランドの南東部を対象に、外出制限などの厳しい措置を12月20日から再び導入することを明らかにしました。ジョンソン首相は「急拡大は変異したウイルスによって起きているとみられる」としています。

    イギリスでは、ロンドンを含むイングランドの南東部で感染が急速に拡大していて、ハンコック保健相は12月14日、「変異したウイルスを確認した」と発表しています。

    ジョンソン首相は、12月19日、急きょ記者会見を開き、感染の拡大を抑えるため、ロンドンを含む南東部では、正当な理由がない限り外出を控えるよう求めることや、生活必需品を販売する店を除いて、小売店は一部のサービスを除いて営業を行わないことなど、11月に実施したのと同様の厳しい措置を12月20日から再び導入することを明らかにしました。

    ジョンソン首相は「急拡大は変異したウイルスによって起きているとみられる。多くの不確定要素はあるが、従来よりも最大70%感染しやすいようだ」と述べました。

    一方で、変異したウイルスによって症状がより重くなったり、ワクチンが効きにくくなったりすることを示す証拠はないとしています。

    イングランドでは、12月23日から5日間規制を緩和して、3世帯までであれば集まってクリスマスを過ごすことを認める予定でしたが、南東部では規制の緩和が見送られることになり、ほかの地域でもクリスマスの1日のみに限定するとしました。

    ジョンソン首相は「誰もが失望することはわかっている。首相としてほかに道はない」と述べ、理解を求めました。

    クリスマス直前の決定に、野党などからは遅すぎるという声もあがっています。

    イギリスでは、西部ウェールズでも変異したウイルスによる感染が拡大していて、同様の措置を12月20日から導入するなど、規制の強化が広がっています。

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