オミクロン株の症状や感染力などコロナ変異ウイルス最新情報

全国で拡大している変異した新型コロナウイルスへの感染。2022年時点で注目されているオミクロン株は、症状や重症化・入院の割合、感染力など、従来のコロナウイルスとの違いが報告されています。また2022年7月現在、オミクロン株の系統で「BA.2」「BA.2.75」「BA.4」「BA.5」「XE」と呼ばれる変異ウイルスが注目されています。ここでは変異ウイルスの最新情報をお伝えいたします。

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    新型コロナ 「BA.5」の症状は「BA.2」と同等 動物実験で(11/5)

    2022年11月5日

    新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、2022年夏の「第7波」以降主流となった「BA.5」は、感染した場合の症状の程度が、2022年初め以降の「BA.2」と同等で、比較的低かったとする動物での実験結果を、東京大学などのグループが発表しました。

    この研究は、東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授らのグループが行い、科学雑誌の「ネイチャー」に発表しました。

    研究では、実際に感染した人からとったオミクロン株の「BA.5」や「BA.2」などを、ハムスターに感染させて症状の違いを調べました。

    そして、ハムスターの体調の指標となる体重の変化を比べると、2021年夏に広がったデルタ株を感染させた場合は、減少したのに対し、「BA.5」と「BA.2」のどちらの場合でも、ウイルスに感染していない場合と同じ程度の体重だったということです。

    また、「BA.5」と「BA.2」のどちらに感染させた場合でも、デルタ株では現れた呼吸器の症状が見られず、肺の組織を調べても炎症はなく、感染した場合の病原性は、比較的、低かったとしています。

    河岡特任教授は「人でも『BA.5』と『BA.2』、2つのウイルスの病原性は、ほぼ同じだったのではないかと考えられる。今後、ウイルスによって病原性に違いが出てくる原因を明らかにしていきたい」と話しています。

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    「BA.5」対応ワクチン モデルナも使用承認 11月にも接種開始へ(11/1)

    2022年11月1日

    新型コロナウイルスのオミクロン株のうち感染の主流になっている「BA.5」に対応するモデルナ製のワクチンについて、厚生労働省の専門家による部会で国内での使用を承認することが了承されました。早ければ11月にも接種が始まる見通しです。

    モデルナは10月5日に「BA.5」や「BA.4」などに対応するワクチンの承認申請を行っていて、10月31日夜開かれた厚生労働省の専門家による部会で、18歳以上を対象に国内での使用を承認することが了承されました。

    ワクチンの有効性については「BA.5」を含む変異株に対する予防効果が期待され、安全性については、海外での使用実績で特段の懸念はみられていないいうことです。

    オミクロン株に対応したワクチンを巡っては、9月からファイザーとモデルナの「BA.1」対応のワクチン、10月からファイザーの「BA.5」対応ワクチンの接種が始まっていて、厚生労働省は年内に希望する人への接種を行うとしていますが、政府が31日公表した最新の状況によりますと、接種を受けた人の数は国内で595万人余りで、全体の4.7%となっています。

    モデルナの「BA.5」対応ワクチンについて、厚生労働省は今後必要な手続きを進め、早ければ11月にも接種が始まる見通しです。

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    オミクロン株対応ワクチン接種進まず 政府は対応策検討へ(11/1)

    2022年11月1日

    新型コロナのオミクロン株に対応したワクチンを接種した人の割合は、接種開始から1か月以上が経過した現時点で4%台となっています。政府内では、感染の第8波なども懸念される中、危機感も出ていて、広報の充実や職域接種の拡充など対応策を検討しています。

    新型コロナのオミクロン株に対応したワクチン接種は、2022年9月下旬から始まり、政府はすべての希望者が年内に接種を終えられるよう、1日100万回を超えるペースの接種体制を整えるとしています。

    しかし、接種開始から1か月余りが経過した10月31日に政府が公表した最新の状況では、オミクロン株に対応したワクチンの接種を受けた人の数は国内で595万人余り、割合は4.7%でした。また1日当たりの接種のペースも最近は30万回前後となっています。

    政府内では「若い世代を中心に当初の想定より接種が進んでいない」という受け止めとともに、感染の第8波の到来やインフルエンザとの同時流行なども懸念される中で、備えが遅れることへの危機感も出ています。

    政府は、接種率の向上に向けてテレビCMなどによる広報の充実や職域接種の拡充など対応策を検討しています。

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    オミクロン株の新たな変異ウイルスは「リスク変化なし」WHO(10/29)

    2022年10月29日

    WHO=世界保健機関はオミクロン株の新たな変異ウイルスで、日本でも感染が確認されている「BQ.1」などのウイルスについて、現時点では、これまでのオミクロン株と比べ、大きなリスクの変化はないとする最新の知見を公表しました。

    新型コロナウイルスの変異や、そのリスクについて調査しているWHOの専門家グループは10月28日、オミクロン株の新たな変異ウイルス「BQ.1」と「XBB」について、最新の知見を公表しました。

    このうち、欧米を中心に感染が拡大している「BQ.1」については、これまでのオミクロン株に比べて感染者に占める割合が増える傾向にあり、免疫から逃れる能力が高い可能性があるものの、まだ明確なデータはないと指摘しました。

    一般的に、ウイルスが免疫から逃れる能力が高いとワクチン接種後の感染や、再感染のリスクが高くなりますが、現時点では、さらなる調査が必要だとしています。

    また、シンガポールなどで感染が広がっている「XBB」についても、一部の国で感染力の高さが指摘されているものの、これまでのオミクロン株に比べ、今の段階では、免疫から逃れる能力や重症化率が高いとはいえないとしています。

    こうしたことからWHOは、これら2つの新たな変異ウイルスについて、現時点では、これまでのオミクロン株と比べ、大きなリスクの変化は見られないと指摘し、今後も評価を続けるとともに、各国に対して、監視の継続を呼びかけています。

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    オミクロン株の新たな変異ウイルス「XBB」東京都内で初確認(10/28)

    2022年10月28日

    東京都は10月27日、「XBB」と呼ばれるタイプの新型コロナのオミクロン株の新たな変異ウイルスが、都内で初めて確認されたと発表しました。

    都は10月27日、モニタリング会議で新型コロナのオミクロン株のうちの複数のタイプのウイルスが組み合わさった「XBB」と呼ばれるタイプの新たな変異ウイルスが6件確認されたと発表しました。

    都によりますと「XBB」は10月17日時点で検疫で7件検出されていましたが、都内での確認は初めてだということです。

    「XBB」はシンガポールなどで感染が広がっているウイルスで、シンガポールでは9月中旬には感染者全体の17.3%だったのが、10月中旬には60.7%を占めているということです。

    一方、重症度については現時点で分かっていないということです。

    都内の変異株の発生状況を調べる東京iCDCの賀来満夫所長は「シンガポールなどで局所的に増加しているものの、世界的に優勢となる兆候は見られず、引き続き国内外での動向を注視する必要がある」と話していました。

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    オミクロン株「BA.2.75」に国内承認治療薬の効果確認 東大など(9/10)

    2022年9月10日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の一種「BA.2.75」に対する治療薬の効果について、東京大学などのグループが、細胞の実験で調べたところ国内で承認されている複数の治療薬が十分な効果があることが確認されたと発表しました。

    東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授らのグループは医学雑誌の「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に「BA.2.75」に対する治療薬の効果を分析した研究結果を発表しました。

    グループは培養した細胞をオミクロン株の「BA.2.75」に感染させ、さまざまな治療薬の成分がウイルスの働きを抑えられるか調べました。

    その結果、国内で承認されている「レムデシビル」、「ラゲブリオ」(一般名:モルヌピラビル)、それに「パキロビッド」(一般名:ニルマトレルビル/リトナビル)の3種類の抗ウイルス薬の成分については、いずれも従来のウイルスと同じ程度の効果が確認できたということです。

    また、抗体医薬では、従来のウイルスに対して効果が確認されていた「ロナプリーブ」や「ゼビュディ」は「BA.2.75」に対しての効果が大幅に下がったものの8月承認された「エバシェルド」は、従来型のウイルスと同じ程度の効果が確認できたということです。

    日本ではオミクロン株のうち「BA.5」が感染の主流となっていますが、インドなど「BA.2.75」が多く検出されている国もあります。

    河岡特任教授は「日本でも『BA.2.75』の感染が広がる可能性は否定できないが、日本で流行したとしても、今の治療薬で十分対応できるだろう」と話しています。

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    新型コロナ 入国者から未報告変異ウイルス確認 感染力など注視(9/8)

    2022年9月8日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の一種で、海外でもこれまでに報告されていないタイプの変異ウイルスが、8月、海外から日本に到着した人で検出されたと、国立感染症研究所が発表しました。感染力などは分かっておらず、注視していくとしています。

    国立感染症研究所によりますと8月下旬、ベトナムへの渡航歴があり、日本に到着した3人から、オミクロン株の一種で、これまでに報告されていないタイプの変異ウイルスが検出されたということです。

    この変異ウイルスはオミクロン株の「BA.2.3.2」という系統によく似ていて、細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質に「L452R」などの変異が加わっているほか、免疫の反応に影響する可能性のある変異もあるということです。

    世界的にも報告はないため、感染力や重症度について詳しいことは分かっておらず、研究所は海外の研究機関などとも議論して、各国での検出状況などについて注視する必要があるとしています。

    研究所の齋藤智也感染症危機管理研究センター長は「特殊な変異が入ったウイルスは多く見つかっていて、必ずしもすべてが増えていくわけではないが注視していく」と話しています。

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    コロナ後遺症 けん怠感やせきの割合増加 オミクロン株の流行後(8/28)

    2022年8月28日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の流行が広がったことし、後遺症を訴えて医療機関を受診した人を東京都が分析したところ、デルタ株が流行していた以前に比べ、けん怠感やせきの症状を訴える人の割合が増えたことがわかりました。

    東京都は、オミクロン株の流行が広がった2022年1月から7月までに新型コロナに感染したあと後遺症を訴え都立病院を受診した119人の症状を調査・分析しました。

    それによりますと、
    デルタ株が流行していた時期に行われた分析と比べ、
    ▽けん怠感を訴える人が40%から46%に、
    ▽せきの症状が14%から22%にそれぞれ増えたことがわかりました。

    一方、
    ▽息切れの症状は19%から10%に、
    ▽嗅覚障害は16%から10%に、
    ▽味覚障害は12%から8%にそれぞれ減っていました。

    また、
    後遺症の症状が出る時期は
    ▽発症から1か月未満が82%、
    ▽発症から1か月以上が18%となっています。

    都の担当者は、「年齢やコロナり患時の重症度にかかわらず、後遺症が出る可能性がある。後遺症が疑われる場合は無理をせず専門の窓口などに相談してほしい」と話しています。

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    「BA.5」感染の免疫 “「BA.2.75」には効きにくい” 東大発表(8/14)

    2022年8月14日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の1つで、国内でも検出されている「BA.2.75」は、現在、ほぼすべてを占める「BA.5」に感染してできた免疫が効きにくいとする動物実験の結果を、東京大学などのグループが公表しました。

    この研究は、東京大学医科学研究所の佐藤佳教授らの研究グループ「G2P-Japan」が第三者の査読を受ける前の論文として公表しました。

    グループで、「BA.5」に感染したハムスターの血液を使ってウイルスを抑える中和抗体の働きを調べたところ、「BA.2.75」に対しては「BA.5」と比べて12分の1に下がっていたとしています。

    また、病原性を調べるため、実際のウイルスをハムスターに感染させると、「BA.2.75」の場合、気管の炎症や肺の損傷を示す値が「BA.5」と同じ程度になったということです。

    一方で、ワクチンの効果について「BA.2.75」の特徴を再現したウイルスを作り、3回接種した人の血液を使ってワクチンで得られた中和抗体の働きを調べると、「BA.2」と同じ程度だったとしています。

    佐藤教授は「『BA.5』に感染してできた中和抗体が、『BA.2.75』には効果を示さない可能性がある。置き換わりが進むことで、今の感染が十分減らない可能性がある」と話しています。

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    新型コロナ「BA.2.75」の感染力 「BA.5」の1.14倍 西浦教授ら(8/7)

    2022年8月7日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の1種で日本でも検出されている「BA.2.75」の感染の広がりやすさは、現在、感染の主流となっている「BA.5」の1.14倍になっているとする分析を、京都大学の西浦博教授らのグループが公表しました。

    京都大学の西浦教授と北海道大学の伊藤公人教授らのグループは、5月から7月上旬にかけてインドで報告された「BA.2.75」やほかの変異ウイルスのデータをもとに、感染の広がりやすさの違いを分析しました。

    その結果、「BA.2.75」の、1人が何人に感染を広げるかを示す「実効再生産数」は現在、感染のほとんどを占めると推定される「BA.5」の1.14倍、感染の第6波で主流だった「BA.2」の1.36倍と推定されたということです。

    グループは、日本で「BA.2.75」が急拡大する可能性は低いものの、少しずつ置き換わっていくと分析しているということです。

    西浦教授はこれまでのウイルスと比べた場合の広がりやすさについて「軽微な程度にとどまっている」としながらも「現状では日本に『BA.2.75』の感染者がどの程度いるのか把握できない状態なので、警戒感を持って情報収集をしないといけない」と話しています。

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    【詳しく】オミクロン株の一種 「BA.2.75」 増加の懸念は?(7/28)

    2022年7月28日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の一種「BA.2.75」(ビーエー・ツー・セブンファイブ)がインドを中心に増えています。世界の多くの地域では日本でもほぼ置き換わったオミクロン株の「BA.5」が主流で、「BA.2.75」の感染力や感染した場合に重症化しやすいかなどははっきり分かっていませんが、専門家は「国内でも、いまの流行が収まったあとで増加する可能性は懸念される」と話しています。

    「BA.2.75」は、国内で6月まで感染の中心となっていたオミクロン株の「BA.2」系統の変異ウイルスです。

    WHO=世界保健機関によりますと、2022年5月にインドで初めて報告され、ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターの7月23日の報告によりますと、いまでは21か国で見つかっているということです。

    国内でも東京都や神戸市などで確認されています。

    国立感染症研究所によりますと、「BA.2」に比べてスパイクたんぱく質に数か所の変異が加わっていて、このうち、例えば「G446S」という変異は、オミクロン株の「BA.1」と共通していて、ワクチンの接種で得られた中和抗体を逃避する可能性もあるということです。

    インドでは、2022年5月の時点では感染者数や死亡者数が低い水準で推移していましたが、その後、増加傾向に転じていて、「BA.2.75」の拡大が影響している可能性も指摘されています。

    ただ、インド以外の多くの地域では、日本でもほぼすべてを占めるに至った「BA.5」が主流の状態が続いています。

    ECDCは「BA.2.75」を「注目すべき変異株=VOI」に位置づけていますが、7月15日の報告では、感染力や免疫への影響、感染した場合の重症度はまだ分かっていないとしています。

    東京大学医科学研究所の佐藤佳教授が主宰する研究グループ「G2P-Japan」は、「BA.2.75」の表面にある突起の部分、スパイクたんぱく質を再現したウイルスを人工的に作成し、治療薬の成分が効くかどうか調べました。

    査読を受ける前の論文としてインターネットで発表した細胞を使った実験結果によりますと、国内で承認されている治療薬では重症化リスクのある人に点滴で投与される抗体医薬のうち▼「ソトロビマブ」の成分はウイルスの働きを抑えていた一方、▼2種類の抗体を同時に点滴で投与する抗体カクテル療法、「ロナプリーブ」の成分では、ウイルスの働きを抑えられなかったということです。

    京都大学 西浦博教授「広がりやすい可能性ありそう」

    インドでは、2022年5月の時点で感染者数や死亡者数が低い水準で推移していましたが、その後、増加傾向に転じていて「BA.2.75」の拡大が影響している可能性も指摘されています。

    京都大学の西浦博教授は7月27日の厚生労働省の専門家会合のあとの会見で「BA.2.75」について「流行地域が限られるため十分に分析できていないが、インドでの感染状況を見るとこれまでより広がりやすい可能性はありそうだ」とコメントしました。

    東京都のスクリーニング検査では「BA.2.75」に感染した人が7月21日に初めて2人、確認されましたが、西浦教授は、この時点ですでに都内に10数人の感染者がいた可能性があるという試算を示した上で、今後「BA.2.75」がさらに増えた場合の影響について「『第7波』がピークを越えたあとに再び上昇したり、流行が長引いて医療がひっ迫したりすることが想定される」とコメントしました。

    そして国内で「BA.2.75」が広がった場合に備え感染の状況を正しく把握できる態勢を作った上で、重症化のリスクやワクチンの効果についての情報を世界に発信することも求められるという考えを示しました。

    東京医科大学 濱田篤郎特任教授「感染力が強い可能性」

    海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授も「『BA.2.75』は実態がまだ十分明らかになっていないが、感染力がいままでの『BA.2』や『BA.5』よりも強い可能性はある程度想定される。国内でもいまの『BA.5』の流行が収まったあとで増加する可能性は懸念される」と述べました。

    一方、ツイッターなどでギリシャ神話に出てくる上半身は人、下半身は馬の怪物、「ケンタウロス」という呼び方がされていることについて「『BA.2.75』が『BA.2』と『BA.5』の両方の特徴を持っているので、このような呼び方をされているようだが、正式に決まった名前ではない」と指摘しました。

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    感染拡大で主流の「BA.5」 潜伏期間は「BA.1」より短い2.4日か(7/28)

    2022年7月28日

    新型コロナウイルスの感染拡大の主流になっている、オミクロン株の1つ、「BA.5」に感染してから症状が出るまでの潜伏期間について調べたところ、平均は2.4日で、ことし初めに拡大したオミクロン株の「BA.1」より半日短かったとする結果を茨城県の保健所がまとめました。

    調査は「BA. 5」への置き換わりが進んだ7月4日からの3週間に発症した患者を対象に茨城県潮来保健所が行いました。

    それによりますと、感染経路が分かっている72人について、ウイルスにさらされたとみられるときから発症までの潜伏期間を調べたところ、1人を除いた71人が3日以内で平均では2.4日でした。

    潜伏期間は、ことし初めからの第6波で広がった「BA. 1」の平均2.9日より半日短く、デルタ株の平均3.7日より1.3日短かったとしています。

    また、1人が発症してから、次に感染した人が発症するまでの期間も「BA. 5」では0.67日と短かったということで、短時間のうちに次々と感染が広がり、拡大のスピードが速い理由の1つとして考えられるとしています。

    政府は濃厚接触者に求める待機期間を最短で3日間に短縮していますが、調査した潮来保健所の緒方剛所長は「潜伏期間が長い人を見逃している可能性が全くないとはいえないが、トータルで見た場合は3日の待機期間は合理的だと裏付ける結果ではないか」と話しています。

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    【詳しく】過去最多の感染者数 拡大の大きな要因は「BA.5」か(7/21)

    2022年7月21日

    新型コロナウイルスの一日の感染者数は、7月21日に全国で18万6000人余りと過去最多を更新しました。
    政府分科会の尾身茂会長はNHKのインタビューに対し「感染の拡大がまだ続いている。おそらくすぐにピークアウトは起きない」と話しています。
    感染拡大の「第7波」に大きく関わっていると考えられているのが、オミクロン株の1つ「BA.5」です。

    感染力や感染した場合の重症度はどの程度なのか。
    今後、どこまで拡大するのか。
    わかってきたことをまとめました。

    過去最多 “第7波” 背景に「BA.5」

    過去最多の感染となっている「第7波」

    オミクロン株の「BA.5」への置き換わりが進んでいることが拡大の大きな要因となっていると考えられています。

    政府分科会の尾身茂会長は「第7波」の背景には
    ▽「BA.5」の感染力が従来のオミクロン株よりも高いこと
    ▽「BA.5」にワクチンや感染による免疫をかいくぐる「免疫逃避性」があること
    ▽3回目のワクチン接種から数か月たち免疫の効果が下がってきていること
    ▽高齢者の4回目接種もまだ途中で若い年齢層の接種率もまだ低いことがある
    と指摘しました。

    そして尾身会長は「感染の拡大がまだ続いている。おそらくすぐにピークアウトは起きなくて、第6波のピークの2倍くらいに増えてもおかしくない勢いだと考えています。」と述べました。

    「BA.5」感染力は?

    「BA.5」はオミクロン株の一種で、2022年2月に南アフリカで確認されたあと、5月以降、欧米を中心に広がりました。

    現在、世界で検出される新型コロナウイルスのほとんどはオミクロン株で、WHO=世界保健機関によりますと「BA.5」は7月10日までの1週間で前の週から2ポイントほど増えて53.6%を占めています。

    アメリカでは7月16日までの1週間で全体の77.9%を占めています。

    WHOのテドロス事務局長は、7月19日の記者会見で「この6週間で世界の感染者数はほぼ倍増している。死亡者数は感染者数の増加ほどには増えていないが、今後数週間は感染者数が増えることで入院者数や死亡者数の増加が見込まれる」と述べ、厳しい感染状況が続いているという認識を示しました。

    また「BA.5はこれまでに検出された変異ウイルスの中で最も感染力が強い」とも話しています。

    イギリスの保健当局の6月24日の発表によりますと「BA.5」は「BA.2」と比べて35.1%速く広がっているとみられるということです。

    国立感染症研究所の分析では、国内で「BA.5」の占める割合は今週の時点で96%に上っているとみられ、8月の第1週には全国で100%になると推定されるとしています。

    京都大学の西浦博教授が厚生労働省の専門家会合に示した資料によりますと、東京都内のデータをもとに分析した結果、「BA.5」はこれまで主流だった「BA.2」と比べて27%速く広がっているとみられるとしています。

    免疫を逃れる特徴も

    「BA.5」はウイルスの表面にある突起で、細胞に感染する際の足がかりとなる「スパイクたんぱく質」に「L452R」や「F486V」と呼ばれる変異が起きています。

    これらの変異によって、「BA.5」は免疫を逃れる性質を持つに至ったと見られています。

    WHOによりますと「BA.5」はウイルスの働きを抑える中和抗体の効果が、当初広がった「BA.1」に比べて7分の1以下になったという実験結果があるということです。

    また、アメリカ・コロンビア大学のグループが7月5日、科学雑誌「ネイチャー」で発表した論文によりますと、新型コロナのmRNAワクチンを3回接種した人などの血液を使った実験では、「BA.4」と「BA.5」は「BA.2」に比べて中和抗体の効果が4分の1以下になっていたということです。

    さらにワクチン接種や感染によって得られた免疫が時間の経過とともに弱まってきていることも、感染の拡大につながっているとみられています。

    7月21日の厚生労働省の専門家会合で、京都大学の西浦教授が示した試算の資料によりますと、オミクロン株の『BA.4』と『BA.5』に対する免疫を持つ人の割合はいずれの年代でも下がってきているということです。

    免疫を持つ人の割合は7月20日の時点で
    ▽20代で30.1%
    ▽30代で29.2%
    ▽40代で28.0%
    ▽50代で28.6%
    ▽60代で25.4%
    ▽70代以上で25.1%
    などとなっています。

    西浦教授は7月中旬の段階で「相当な割合の人が『BA.4』や『BA.5』に感染しやすい状態になっていると考えられる。ブレイクスルー感染や再感染が起こりやすい厳しい状況だ」とコメントしています。

    再感染は?

    一方、WHOは7月20日に出した週報の中で、再感染のリスクについて「以前に『BA.2』に感染した人は感染から守られる」としていて、中東・カタールでの査読前の論文の研究結果を引用しています。

    それによりますと「BA.4」や「BA.5」への再感染を防ぐ効果は
    ▽オミクロン株より前の新型コロナウイルスに感染した人では28.3%と低かったのに対し
    ▽オミクロン株の「BA.1」や「BA.2」に感染した人では79.7%だった
    としています。

    研究グループは「『BA.1』や『BA.2』に感染した人では、『BA.4』『BA.5』に対しても守られる効果は強い」としています。

    重症化しやすい?

    感染した場合に重症化しやすいかどうかについて、WHOは7月20日に出した週報でも「現在までに得られている科学的な研究結果では、『BA.2』と比べて重症度に差があるとは認められていない」としています。

    その一方で「BA.5」は100か国で報告されていて、感染者数や入院や集中治療室での治療に至った人の数が増えているとしています。

    またECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターも「重症度が増しているという証拠はない」としたうえで、感染者数が増えると入院者数や死亡者数が増える可能性があると指摘しています。

    海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「ヨーロッパでは日本よりも少し先に『BA.5』の感染が拡大していて、フランスやイタリア、ドイツなどの西ヨーロッパの状況が日本の今後の参考になるのではないかと考えている。今のところ、感染者数は増えているが、重症者数はそれほど増えていない。感染者全体が増えていくことによって、特に高齢者を中心に重症者が増加していくことを懸念している状況だ」と話しています。

    薬の効果は?

    「BA.5」に対して、現在ある薬が効くのか。

    7月20日、新たな研究結果が報告されました。

    東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授らのグループは、実際のウイルスを培養細胞に感染させ、治療薬でウイルスの増殖がどの程度、抑えられるのか調べた結果を国際的な医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表しました。

    それによりますと、点滴で投与する「レムデシビル」と飲み薬の「ラゲブリオ」、それに別の飲み薬の「パキロビッド」の成分については、「BA.2」に対してよりもウイルスの増殖を抑える効果が高かったということです。

    一方、抗体を使った治療薬については当初のウイルスへの効果と比べて、大幅に効果が下がっているものがあったということです。

    河岡特任教授は「『BA.5』の病原性はまだ十分、分かっていないが、実験では日本で使える薬でも高い効果がみられたため、その点で安心ではないか」としています。

    ワクチンの効果は?

    ワクチンについて、イギリスの保健当局は6月24日に出した報告書で初期データの解析結果を示しました。
    それによりますと5月下旬までの1か月余りの間に感染した人のデータを分析したところ、「BA.5」に感染した人に対するワクチンの効果は、「BA.2」に感染した人に対する効果と比べて大きな違いはなかったと報告しています。

    また、アメリカ・ワシントン大学のグループは7月19日、科学雑誌「サイエンス」に「BA.5」の特徴を再現したウイルスを人工的に作り、mRNAワクチンを接種した人の血液を使って中和抗体の働きを調べた結果を報告しました。

    中和抗体の効果は、2回の接種ではこれまで主流だったウイルスに比べて23分の1以下になりましたが、3回の接種では6分の1程度だったということです。

    グループは「『BA.5』では、2回接種までではワクチンの効果はかなり下がるが、3回目の追加接種をすることで『BA.1』に対する効果と同じレベルにまで回復できる」としています。

    一方、アメリカのFDA=食品医薬品局は、6月30日、この秋以降に行う追加接種のワクチンについて、いま使われているワクチンの成分に加え、「BA.4」や「BA.5」のスパイクたんぱく質を加えたものを開発すべきだと、製薬会社に対して推奨したと発表しました。

    ただ、今のワクチンは新型コロナに感染した場合に重症化するのを防ぐ基盤になるとして、いま行われている接種については変更を求めないとしています。

    東京医科大学の濱田特任教授は「ワクチンの有効性について、まだデータが出そろったわけではないが、少なくとも2回の接種だけではあまり効果はない。3回目の接種をすることで、ある程度の感染予防効果があるし、重症化を防ぐ効果が接種から半年近くは残るということは重要な点だ。4回目の接種をすることで重症化予防効果をさらに上げていくことが大切だ。日本でも、秋以降の感染拡大はいまよりも本格的なものになる可能性がある。秋以降の接種の考え方や、ワクチンの確保について、国レベルで議論を進めるべきだ」と指摘しています。

    感染拡大はどこまで?

    名古屋工業大学の平田晃正教授はAI=人工知能を使って分析した今後の感染者数・死亡者数の予測の結果を示しています。

    「BA.5」の感染力がこれまでの1.3倍だと想定し、過去の感染者数の推移やワクチンの効果、それに人流などのデータをもとに、直近の感染の急拡大を踏まえて7月15日時点で計算しました。

    その結果、東京都内の感染者数は7月27日がピークで、1週間平均で一日当たりの感染者はおよそ2万人、最大でおよそ2万3000人になるという計算結果だったということです。

    ただ平田教授は「AIが、感染者数があまりに増えると検査が追いつかなくなり、報告される感染者数が頭打ちになるという傾向を学習している可能性がある」として、さらに感染が拡大する可能性も否定できないとしています。

    一方、重症者の数は東京都内で8月中旬に一日当たりおよそ60人、亡くなる人の数は8月中旬に一日当たりおよそ26人という計算結果になったということです。

    東京医科大学の濱田特任教授は「6月いっぱいは日本国内でも感染対策がかなり緩和されていて、ちょうどその時期に『BA.5』が国内でも広がったため、食事の場面を中心に感染が広がり、7月上旬の感染者数の急増につながったと考えられる。感染者の急増を実感し、行動を引き締めにかかっている人も多くいると思う。対策をいままでよりも強くすることは、今後、『第7波』の流行を早めにピークアウトに持って行くために非常に重要なことだと思う」と話しています。

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    「BA.5」従来のオミクロン株に比べ病原性高めか 動物実験結果(7/14)

    2022年7月14日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の一種で、置き換わりが進みつつある「BA.5」について、東京大学などのグループは症状を引き起こす力がこれまでのオミクロン株に比べて高まっている可能性があるとする動物などでの実験結果を発表しました。

    この研究は、東京大学医科学研究所の佐藤佳教授が主宰するグループ「G2P-Japan」が正式な査読を受ける前の論文として、インターネット上で発表したものです。

    グループでは、オミクロン株の「BA.2」と「BA.5」の特徴をそれぞれ再現したウイルスを作製し、培養細胞に感染させて増え方を調べたところ、24時間後には「BA.5」のウイルスは「BA.2」に比べて34倍の量に増えていたということです。

    さらにハムスターに感染させる実験では、「BA.2」では体重が減少しなかったのに対し、「BA.5」では10%程度減少し、体重以外にも肺などの炎症が強まっていたということです。

    グループでは、実際にヒトでの症状についてはさらに調べる必要があるとしたうえで、「BA.5」は病気を引き起こす力が同じオミクロン株の「BA.2」よりも高まっている可能性があるとしています。

    佐藤教授は「ウイルスの毒性は必ずしも弱まっていくわけではない。今後もウイルスは変化していくため、注意が必要だ」と話していました。

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    【詳しく】オミクロン株「BA.5」急増 感染力は? ピークはいつ?(7/13)

    2022年7月13日

    新型コロナウイルスの1日の感染者数が、東京ではおよそ4か月ぶりに1万人を超え、全国でも9万人を超えました。今の感染再拡大に大きく関わっているのが、オミクロン株の1つ、「BA.5」と考えられています。

    感染のピークは?ワクチンは?重症度は?

    最新の見解をまとめました。

    “第7波” 「BA.5」が主流に

    2022年2月以降、減少傾向が続いてきた新型コロナウイルスの感染が6月下旬以降、再拡大しています。政府分科会の尾身会長は7月11日、「新たな感染の波が来たことは間違いない」と述べ、“第7波”に入ったという認識を示しました。
    専門家は、「第7波」ともいえる再拡大の背景に、
    ▼これまでのワクチン接種や感染によって得られた免疫の効果が時間の経過とともに弱まってきていること、
    ▼人と人との接触の機会が増えていることとともに、
    ▼オミクロン株のうち、感染力がより強いとされる「BA.5」が主流になってきていることがあると指摘しています。

    そもそも「BA.5」って?感染力は?

    「BA.5」はオミクロン株の一種で、ことし2月に南アフリカで確認されたあと、5月以降、欧米を中心に広がりました。

    現在、世界で検出される新型コロナウイルスのほとんどはオミクロン株ですが、WHO=世界保健機関によりますと、「BA.5」は6月25日までの1週間で、前の週から15ポイント増えて52%を占めています。アメリカでは、7月9日までの1週間で全体の65%を占めています。

    WHOのテドロス事務局長は12日の記者会見で「新たな波が起きていて、新型コロナがまだ終わりに近づいていないことが改めて示されている」と述べました。

    イギリスの保健当局の6月24日の発表によりますと、「BA.5」は「BA.2」と比べて35.1%速く広がっているとみられるということです。

    国内でも広がり始めていて、7月13日の厚生労働省の専門家会合に、京都大学の西浦博教授が、東京都内のデータをもとに分析した結果として示した資料によりますと、「BA.5」はこれまで主流だった「BA.2」と比べて27%速く広がっているとみられるとしています。

    東京都のモニタリング会議での報告によりますと、6月27日までの1週間で「BA.5」が疑われるケースが33.4%を占め、置き換わりが進んでいるとしています。

    また、国立感染症研究所の分析では、「BA.5」の占める割合は、8月の第1週には全国でほぼ100%になると推定されるということです。

    感染のピークは?AIで予測

    名古屋工業大学の平田晃正教授はAI=人工知能を使って分析した今後の感染者数・死亡者数の予測の結果を示しています。

    それによりますと、「BA.5」の感染力がこれまでの1.3倍だと想定し、過去の感染者数の推移やワクチンの効果、それに人流などのデータをもとに分析したところ、東京都内の感染者数は7月25日がピークで、1日およそ1万8000人になるという結果になったということです。

    また、東京都では、65歳以上の高齢者で亡くなる人の数が、8月には1日当たり、およそ20人になるとしていますが、65歳以上を中心とした4回目の接種が順調に進めば、9月下旬にはおよそ10人まで減るという計算結果になったとしています。

    感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「多くの人がワクチンの3回目の接種を受けていることや、寒い時期ではないことなどを踏まえると、ことしの年明けにオミクロン株が流行し始めたときほどまでは感染者数は増えないのではないかと考えられるが、以前経験したより拡大することも想定して対策を準備すべきだ。3回目のワクチン接種をまだ受けていない人は、早めに受けていただきたいし、高齢者の方は4回目の接種を受けることが一番大事だ」と指摘しました。

    さらに、「感染者数が特に増えているときは、一人ひとりの予防対策をある程度強めに行うことが大切で、感染を疑うような症状があれば早めに検査したり、医療機関を受診したりしてほしい。多くの地域では病床はまだひっ迫していないが、行政機関は前もって準備し、医療従事者や介護施設の職員などへの4回目の接種も検討してもらいたい」と対策の強化を訴えました。

    ワクチンは?

    ワクチンについて、イギリスの保健当局は6月24日に出した報告書で、5月下旬までの1か月余りの間に感染した人のデータを分析したところ、「BA.5」に感染した人に対するワクチンの効果は、「BA.2」に感染した人に対する効果と比べて大きな違いはなかったと報告しています。

    一方で、アメリカのFDA=食品医薬品局は、6月30日、この秋以降に行う追加接種のワクチンについて、いま使われているワクチンの成分に加え、「BA.4」や「BA.5」のスパイクたんぱく質を加えたものを開発すべきだと、製薬会社に対して推奨したと発表しました。

    ただ、今のワクチンは新型コロナに感染した場合に重症化するのを防ぐ基盤になるとして、いま行われている接種については変更を求めないとしています。

    東京医科大学の濱田特任教授は「日本でも、秋以降の感染拡大はいまよりも本格的なものになる可能性がある。秋以降の接種の考え方や、ワクチンの確保について、国レベルで議論を進めるべきだ」と指摘しています。

    ワクチン接種や感染で得た免疫が…

    さらに、ワクチン接種や感染によって得られた免疫が、時間の経過とともに弱まってきていることも、感染の拡大につながっているとみられています。

    7月13日の厚生労働省の専門家会合で、京都大学の西浦教授が示した試算の資料によりますと、オミクロン株の『BA.4』と『BA.5』に対する免疫を持つ人の割合はいずれの年代でも下がってきているということです。

    免疫を持つ人の割合は7月13日の時点で、20代で31.2%、30代で30.2%、40代で29%、50代で29.7%、60代で26.4%、70代以上で26%などとなっています。

    重症化しやすい?

    感染した場合に重症化しやすいかどうかについて、WHOは7月6日の週報で「『BA.2』と比べて重症度が変化しているという証拠はない」としています。

    ただ、複数の国で、感染者数が増えたため、入院や集中治療室での治療に至った人の数、それに亡くなる人の数が急増しているとしています。

    また、ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターも「重症度が増しているという証拠はない」としたうえで、感染者数が増えると、入院者数や死亡者数が増える可能性があると指摘しています。

    東京大学の佐藤佳教授らのグループが専門家の査読を受ける前にインターネット上で発表した論文によりますと、「BA.5」の特徴を再現して作製したウイルスなどをハムスターに感染させたところ、体重が10%程度減少したということです。

    「BA.2」では体重の減少はなかった一方、「BA.5」では肺などの炎症もより多く見られたということで、従来のオミクロン株よりも病原性が高まっている可能性があるとしています。

    実際にはこれまでに受けたワクチンの効果もあり、「BA.5」に感染した場合の症状についてはまだはっきりわかっていません。

    東京医科大学の濱田特任教授は「今のところ、『BA.5』はそれほど重症化を引き起こさないのではないかと見られているが、まだはっきり分かっていない。フランスやイタリア、ドイツなどでは『BA.5』に置き換わってきていて、ここ1、2週間で感染者数がかなり増えている。これらの国々で感染者数がどのように推移して、重症者がどのくらい増えるかということは、今後の日本の状況を予測する上で、非常に重要だと考えられる」と述べました。

    免疫を逃れる特徴も

    「BA.5」は、ウイルスの表面にある突起で、細胞に感染する際の足がかりとなる「スパイクたんぱく質」に「L452R」や「F486V」と呼ばれる変異が起きています。

    これらの変異によって、「BA.5」は免疫を逃れる性質を持つに至ったと見られています。

    WHOによりますと、「BA.5」はウイルスの働きを抑える中和抗体の効果が、当初広がった「BA.1」に比べて7分の1以下になったという実験結果があるということです。

    また、アメリカ・コロンビア大学のグループが7月5日、科学雑誌「ネイチャー」で発表した論文によりますと、新型コロナのmRNAワクチンを3回接種した人などの血液を使った実験では、「BA.4」と「BA.5」は、「BA.2」に比べて中和抗体の効果が4分の1以下になっていたということです。

    さらに気になる変異ウイルスも

    きのう国内でも検疫以外で初めてオミクロン株の一種「BA.2.75」が検出されたと神戸市が発表しました。

    2022年6月に最初にインドから報告された変異ウイルスで、イギリスやドイツ、アメリカなどでも見つかっています。

    「BA.5」などと同様に、免疫を逃避する性質があり、インドでは「BA.5」よりも増加のスピードが速いということです。

    濱田特任教授は「これまで主流だった『BA.2』よりも免疫を逃避しやすい、免疫がある人も感染しやすい可能性が高いということで、WHOも注目して監視をしている。日本で皆さんが心配する必要はまだないと思うが、行政レベルでは、この新しいウイルスがどのような特徴を持っているのか、かなり厳重に監視したほうがいいと思う」と話しています。

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    新たな変異ウイルス「BA.2.75」 神戸市で確認 検疫除き全国初(7/12)

    2022年7月12日

    神戸市は新型コロナウイルスのオミクロン株の系統の一つで、「BA.2.75」(ビー・エー・ツー・セブンファイブ)と呼ばれる新たな変異ウイルスが市内で確認されたと発表しました。
    市は国内の検疫を除いて全国で初めての確認だとしています。

    神戸市によりますと、6月24日、市内の40代の女性がせきや発熱の症状があったため医療機関を受診したところ、新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

    その後、市が女性の検体を回収し、ゲノム解析を行ったところ、オミクロン株の「BA.2」の系統の「BA.2.75」と呼ばれる新たな変異ウイルスだったことが判明したということです。

    女性は発症する前の14日以内に渡航歴がないほか、海外に渡航した人との接触も確認されておらず、神戸市は、「市中感染の可能性を否定できない」としています。

    市によりますと、この変異ウイルスは6月インドで初めて確認されたばかりで、感染力や重症化リスクについて現時点ではっきりとしたデータがなく、WHO=世界保健機関が監視を強めているということです。

    市は、この変異ウイルスが確認されたのは検疫を除いて全国で初めてだとしています。

    市健康局の山崎初美担当局長は「変異株であっても基本的な感染予防対策は従来株と同様だ。換気や手洗いをして少しでも感染するリスクを減らしてもらいたい」と話しています。

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    世界のコロナ新規感染 約30%増加「BA.4」「BA.5」主流に WHO(7/7)

    2022年7月7日

    WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、世界で確認された新型コロナウイルスの新規感染者数がこの2週間で30%近く増えたとして、感染対策を引き続き徹底するよう呼びかけました。

    WHOのテドロス事務局長は7月6日の定例会見で、新型コロナウイルスについて、オミクロン株の「BA.4」と「BA.5」がヨーロッパやアメリカ大陸で主流となる中、世界で確認された1週間あたりの新規感染者数が2週間前に比べて30%近く増えたと述べました。

    ただ、多くの国で検査態勢が縮小していることから、実際の感染者数はさらに多い可能性があるとしました。

    また、ワクチンの接種は依然として、重症化や死亡のリスクを下げるのに有効だとしながらも、変異を続けるウイルスに対して効果が弱まっていることが、感染者数が増えている背景にあると指摘しました。

    テドロス事務局長は「課題に立ち向かうには、世界レベル、国レベル、それに地域レベルでの行動が必要だ」と述べ、高齢者や医療従事者などへのワクチンの追加接種や、人の多い場所や換気の悪い室内でのマスク着用といった感染対策を引き続き徹底するよう呼びかけました。

    アメリカ 新型コロナ感染「BA.5」「BA.4」70%超

    アメリカCDC=疾病対策センターによりますと、7月2日現在、アメリカで新たに報告された新型コロナウイルスの感染者のうち、オミクロン株の「BA.5」の割合は53.6%、「BA.4」の割合は16.5%で、合わせて70%を超えました。

    6月4日の時点では合わせて15.7%と推定されていて、この1か月足らずの間に大幅に増えました。

    1日に報告される新規感染者数は5月半ば以降、10万人前後で推移していますが、自宅で検査をして保健当局に報告しなかった人などを含めると感染者はさらに多いと見られています。

    また、新たに入院した人の1週間平均も7月3日の時点で、先月の同じ時期に比べて14%ほど増えました。

    アメリカ政府は秋以降、感染の波が再び起きる可能性があるとして、追加接種用のワクチンに「BA.4」や「BA.5」に対応する成分を加えるよう製薬会社に推奨しているほか、50歳以上の人に4回目の接種を呼びかけるなど、警戒を強めています。

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    【詳しく】オミクロン株「BA.5」とは 国内でも広がり 最新状況(7/6)

    2022年7月6日

    新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、「BA.5」というタイプの変異ウイルスが欧米などでは主流となっていて国内でも広がりつつあります。

    専門家は「感染力がやや強く、免疫を持っている人もかかってしまうことがあり、ある程度、感染者数が増えることは避けられない。感染者数がどんどん増えれば、重症になる人もでるので、注意していく必要がある」と指摘しています。

    「BA.5」とは

    「BA.5」はオミクロン株の一種で、2022年2月に南アフリカで確認されたあと、5月以降、欧米を中心に広がり、WHO=世界保健機関によりますと、6月中旬の段階で世界で検出される新型コロナウイルス全体の40%ほどを占めています。

    アメリカでは、7月初めまでの1週間で全体の半分以上を占めるに至り、このところの感染の増加に影響していると考えられています。

    イギリスの保健当局の6月24日の発表によりますと、「BA.5」はそれまで主流だった「BA.2」と比べて、35.1%速く広がっているとみられるということです。

    東京都のモニタリング会議での報告によりますと、6月20日までの1週間で、「BA.5」が疑われるケースが25.1%を占めていたということです。

    特徴は

    「BA.5」はウイルスの表面にある突起で、細胞に感染する際の足がかりとなる「スパイクたんぱく質」に「L452R」などの変異が起きていて、免疫を逃れる性質があり、WHOによりますと、「BA.5」はウイルスの働きを抑える中和抗体の効果が当初広がったオミクロン株の「BA.1」に比べて7分の1以下になったという実験結果があるということです。

    また、ワクチン接種や感染によって得られた免疫が時間の経過とともに弱まってきていることも感染の広がりにつながっているとみられています。

    6月30日に開かれた厚生労働省の専門家会合で京都大学の西浦博教授が示した資料によりますと、オミクロン株に対する免疫を持つ人の割合はいずれの年代でも下がり始めていて、6月末の時点で20代で44.6%、70代以上では37.4%などとしています。

    重症化は

    一方、感染した場合に重症化しやすいかどうかについてWHOは6月22日の週報で「『BA.1』と比べて変化しているという情報はない」としているほか、ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターも6月13日の報告で、データはまだ限られているとしたうえで「重症度が増しているという証拠はない」としています。

    ただ、感染者数が増えると、入院者数や死亡者数が増える可能性があると指摘しています。

    さらに、ワクチンについてイギリスの保健当局は5月下旬までの1か月余りの間に感染した人のデータを分析したところ、「BA.5」に感染した人と「BA.2」に感染した人との間で、ワクチンの効果に大きな違いはなかったと報告しています。

    海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「いままで流行していたタイプのオミクロン株に比べて感染力がやや強く、免疫を持っている人もかかってしまうことがある。『BA.2』から置き換わるだけでなく、ある程度、感染者数が増えることは避けられない。各国からの報告では感染した場合の重症度は今のところあまり変わらず、従来のオミクロン株と同程度だとされている。ただ、感染者数がどんどん増えれば、重症になる人もでるので、注意していく必要がある」と指摘しています。

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    新たな変異ウイルス「BA.4」 兵庫 姫路で確認 国内2例目(6/23)

    2022年6月23日

    兵庫県姫路市は、新型コロナウイルスのオミクロン株の系統の1つで「BA.4」と呼ばれる、新たな変異ウイルスが確認されたと発表しました。「BA.4」が検疫を除いて国内で確認されるのは、岡山県に続いて、2例目だということです。

    姫路市によりますと、6月13日、けん怠感や頭痛などがあった市内の50代の女性が民間の検査所で検査を受けたところ、新型コロナの感染が確認されました。

    症状は軽く、自宅で療養していて、海外への渡航歴はないということです。

    姫路市の環境衛生研究所がゲノム解析を行ったところ、オミクロン株の系統の1つで「BA.4」と呼ばれる新たな変異ウイルスと、6月23日、確認されたということです。

    「BA.4」は、2022年1月に南アフリカで最初に検出され、姫路市によりますと、空港での検疫を除くと、国内で初めて岡山県で確認されたのに続き、今回が2例目だということです。

    6月3日付けの国立感染症研究所の資料によりますと「BA.4」は従来のオミクロン株に比べて重症度などに大きな差が見られるという科学的な証拠は現時点ではないものの、監視を継続していく必要があるとしています。

    姫路市は「今後も市内の変異株の動向を把握し、情報を公開していく。変異ウイルスでも基本的な対策は変わらないので、引き続き感染予防を徹底してほしい」と話しています。

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    新たなコロナ変異ウイルス「BA.4」検疫除き国内初 岡山で確認(6/22)

    2022年6月22日

    岡山県は新型コロナウイルスのオミクロン株の系統の一つで「BA.4」と呼ばれる新たな変異ウイルスが県内で確認されたと発表しました。

    「BA.4」が検疫を除いて国内で確認されるのは初めてだということです。

    岡山県によりますと6月、県内で新型コロナウイルスへの感染が確認された1人から採取した検体を詳しく調べたところ「BA.4」と呼ばれる新たな変異ウイルスだったことが確認されました。

    「BA.4」は2022年1月に南アフリカで最初に検出された変異ウイルスで、県によりますと、空港の検疫を除いて国内で確認されるのは初めてだということです。

    また、同じく南アフリカで見つかった「BA.5」と呼ばれる変異ウイルスが、岡山県内では初めて別の感染者1人から確認されたこともわかりました。

    県は2人について年齢や性別を公表していませんが、いずれも海外から帰国したあとに症状が出たことから、市中感染ではないと見ていて、症状は2人とも軽いということです。

    岡山県は「国立感染症研究所は『BA.4』も『BA.5』も、従来のオミクロン株に比べて、重症化する割合などに大きな差が見られるという科学的な証拠は、現時点ではないとしている」と説明していて、引き続き感染の広がりや症状などを注視していく必要があるとしています。

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    オミクロン株「BA.2.12.1」の感染 大阪府内で初確認 吉村知事(5/27)

    2022年5月27日

    大阪府の吉村知事はアメリカで感染が増えているオミクロン株の「BA.2.12.1」という系統のウイルスに府内に住む50代の男性が感染したことが確認されたと発表しました。大阪府内で「BA.2.12.1」への感染が確認されたのは初めてです。

    「BA.2.12.1」はオミクロン株の系統の1つでアメリカを中心に感染が広がっていて、国内では検疫以外で5月24日に東京で初めて確認されています。

    大阪府の吉村知事は5月27日、記者団に対し、5月23日に発生届が出された府内の50代の男性についてゲノム解析を行ったところ「BA.2.12.1」に感染していることが確認されたことを明らかにしました。大阪府内で「BA.2.12.1」への感染が確認されたのは初めてです。

    男性は海外への渡航歴などはなく市中感染とみられていて、症状は軽いということです。

    府によりますと「BA.2.12.1」は感染した場合の重症度は明らかになっていない一方、これまでのオミクロン株に比べて感染力が高い可能性があるということです。

    吉村知事は「警戒すべき変異株の1つだと思っている。大きな波になることがないか、置きかわり方を注視したい」と述べました。

    一方、吉村知事は府民や近隣の府県の旅行者を対象に旅行費用の一部を府が助成する「大阪いらっしゃいキャンペーン」を6月1日から再開することに関連して、新たに奈良県からの旅行者についてもキャンペーンの対象に加えることを公表しました。

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    オミクロン株 後遺症 東京都への相談 せき・けん怠感が多く(5/26)

    2022年5月26日

    東京都に寄せられたオミクロン株に感染した人の後遺症の相談は、デルタ株などと比べて「せき」や「けん怠感」が多い一方「嗅覚障害」や「味覚障害」は少なかったことがわかりました。

    都は、都立病院などに新型コロナの後遺症に関する相談窓口を設置していて、オミクロン株に感染したとみられる人が2022年に入って4月末までに寄せた相談、合わせて2039件の分析を行いました。

    その結果、相談者が訴えている具体的な症状は、複数回答で最も多いのが、
    ▼「せき」で38.6%、
    次いで、
    ▼「けん怠感」が34.0%でした。

    デルタ株が流行の主体だった2021年10月までの半年余りに寄せられた相談と比べると、
    ▼「せき」は16ポイント、
    ▼「けん怠感」は8ポイント、
    多くなっています。

    また、
    ▼デルタ株のころは30.4%と最も多かった「嗅覚障害」は9.5%、
    ▼23.3%だった「味覚障害」は10.6%と、
    いずれも相談が少なくなりました。

    一方、相談を寄せた人の年代にはデルタ株のころと目立った差はなかったということです。

    都の専門家は「相談は高い水準で推移している。後遺症を予防する観点からも、感染しないよう対策の徹底が必要だ」としています。

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    新型コロナ オミクロン株系統「BA.5」都内で確認 検疫除き初(5/24)

    2022年5月24日

    東京都は、新型コロナウイルスのオミクロン株の系統の一つで「BA.5」と呼ばれる新たな変異ウイルスが確認されたことを明らかにしました。

    厚生労働省によりますと、国内での確認は検疫を除くと今回が初めてだということです。

    都によりますと、都の「健康安全研究センター」が行った解析で、オミクロン株の系統の一つで「BA.5」と呼ばれる新たな変異ウイルスが1件確認されました。

    「BA.5」は南アフリカで置き換わりが進んでいるウイルスで、厚生労働省によりますと、検疫を除いて国内で確認されるのは今回が初めてだということです。

    感染した70代の男性は、海外への渡航歴や渡航歴のある人との接触はなく、市中で感染したと見られるとしています。

    また、症状は軽かったということです。

    一方、アメリカで感染が増えているオミクロン株の「BA.2.12.1」という系統のウイルスも、1件、都内では初めて確認されました。

    このウイルスに感染した50代の男性も、海外への渡航歴などはなく市中感染と見られていて、症状は軽かったということです。

    都によりますと、いずれの変異ウイルスも、感染した場合の重症度は明らかになっていない一方、これまでのオミクロン株に比べて感染力が高い可能性があるということで、発生の動向を注視していくとしています。

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    オミクロン株の5タイプ “抗体使った多くの薬で効果下がる”(5/21)

    2022年5月21日

    「BA.2」や「BA.4」など新型コロナウイルスのオミクロン株のさまざまなタイプについて、東京大学などのグループが抗体を使った治療薬の効果を調べたところ、多くの薬で効果が下がっていたとする細胞実験の結果を公表しました。

    この研究は、東京大学医科学研究所の佐藤佳教授らのグループが、第三者のチェックを受ける前の「査読前論文」としてインターネット上で公開しました。

    グループでは「BA.2」や「BA.4」など5つのタイプのオミクロン株について、特徴を再現したウイルスを作って細胞に感染させ、治療薬に使われる抗体を投与して反応を調べました。

    その結果、今回調べた8種類の抗体のうち、5種類については、5つのタイプのウイルスにはいずれも効果がみられなかったということです。

    一方、日本でも承認されている「ソトロビマブ」は、「BA.2」に対しては効果が従来のウイルスのおよそ20分の1になっていたものの、このほかのタイプに対しては一定の効果がみられました。

    また、アメリカの製薬会社が開発した「ベブテロビマブ」は、5つのタイプすべてで効果が高まっていたということです。

    佐藤教授は「新しい変異ウイルスが日本に入ってくる前に、ウイルスの特性や薬の効果を迅速に確認することは大切だ」と話しています。

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    コロナ オミクロン株の「BA.4」と「BA.5」 国内の検疫で初確認(5/12)

    2022年5月12日

    新型コロナウイルスのオミクロン株のうち南アフリカで置き換わりが進んでいる2種類の変異ウイルスの感染が、国内の検疫で初めて確認されました。WHO=世界保健機関は入院に至るリスクに差はないとしていて厚生労働省は「現時点で対策を変えることは考えていない」としています。

    感染が確認されたのはオミクロン株のうち「BA.4」と「BA.5」と呼ばれる変異ウイルスです。

    厚生労働省によりますと、4月22日に南アフリカから成田空港に到着した50代の男性が「BA.4」に4月29日にスペインとザンビアから成田空港に到着したいずれも60代の男性2人が「BA.5」に感染していたことが確認されました。

    3人は空港の検疫所で受けた新型コロナウイルスの検査で陽性となり、厚生労働省の求めに応じて宿泊施設で待機したあと施設を出たということです。

    いずれも症状はなかったとしています。

    国内の検疫で「BA.4」と「BA.5」の感染が確認されたのは初めてです。

    南アフリカでは、日本でも主流となっている「BA.2」から、「BA.4」と「BA.5」への置き換わりが進んでいて、イギリスの保健当局は感染拡大のスピードが「BA.2」よりやや速い可能性があると指摘しています。

    WHOは、これまでのところ入院に至るリスクに差はないとしていて、厚生労働省は「今後の感染状況は注視していくが現時点で対策を変えることは考えていない。従来の対策を続けてほしい」としています。

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    新型コロナ 変異ウイルス「XE」検疫で感染確認 国内では2人目(5/2)

    2022年5月2日

    4月、アメリカから羽田空港に到着した男性が、新型コロナの2種類のオミクロン株が組み合わさった「XE」と呼ばれる変異ウイルスに感染していたことが分かりました。

    「XE」への感染が国内で確認されたのは2人目です。

    「XE」は「第6波」で広がったオミクロン株の「BA.1」と、より感染力が高いとされる「BA.2」が組み合わさった変異ウイルスで、イギリスの保健当局の資料では、感染が広がるスピードが「BA.2」より12.6%速いと試算されています。

    厚生労働省によりますと、4月16日にアメリカから羽田空港に到着し、検疫所の新型コロナウイルスの検査で陽性となっていた50代の男性について、検体の遺伝子を解析した結果「XE」への感染が確認されたということです。

    男性は当初、のどの痛みや頭痛を訴えていましたが、症状は軽く、4月23日に検疫の宿泊施設での療養を終えて施設を出たということです。

    国内では、2022年3月下旬にアメリカから成田空港に到着した女性も「XE」に感染していたことが確認されています。

    厚生労働省は「XE」の感染力や重症化リスクが従来のオミクロン株より高いかどうか、海外の状況を分析するとともに国内でも監視を続けています。

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    オミクロン株 BA.2に新たな変異 感染力など影響は不明(5/2)

    2022年5月2日

    現在主流となっている新型コロナウイルスのオミクロン株に、これまで見られなかった変異が加わったウイルスを国内で初めて検出したと東京医科歯科大学のグループが発表しました。新たな変異は、2021年夏に広がったデルタ株で変異が見られた場所にみられるということで、感染力が高まっているかどうかなど、詳しく調べるとしています。

    東京医科歯科大学の武内寛明准教授などのグループは、4月中旬までのおよそ3か月間に大学の病院のコロナ患者116人から検出されたウイルスの遺伝子を解析しました。

    その結果、4月中旬、患者2人からオミクロン株のうち、現在主流になっている「BA.2」に、新たな変異が加わったウイルスを検出したということです。

    新たな変異は、デルタ株と同様、細胞に感染する際の足がかりとなるスパイクたんぱく質の「L452」という場所で起きていましたが、感染力が高まっているかどうかなどは分かっておらず、今後詳しく調べるとしています。

    また、ウイルスが検出された2人の症状は軽く、海外渡航歴がなかったことや遺伝子の特徴から、ウイルスは日本国内で変異したとみられるということです。

    同様の変異があるウイルスはイギリスなどでも確認され、増加傾向にあるということで、武内准教授は「感染力が高い可能性は考えられる。これまでと同様、感染対策を続ける必要がある」と話しています。

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    オミクロン株 新たな変異ウイルス 仙台で確認 海外でも未確認(4/28)

    2022年4月28日

    仙台市で新型コロナの感染が確認された患者1人から、海外でも確認されていない、オミクロン株の2つのタイプが組み合わさった新たな変異ウイルスが確認されました。

    この患者は重症化せずに回復しましたが、厚生労働省が感染力などを調べています。

    確認されたのは、第6波で広がったオミクロン株の「BA.1」と、より感染力が高いとされる「BA.2」が組み合わさった、新たな変異ウイルスです。

    厚生労働省などによりますと、仙台市で感染が確認された患者1人について4月15日に検体の遺伝子を国立感染症研究所で解析した結果、これまでに国内外で確認されていないタイプだとわかりました。

    感染が確認された患者は3月下旬に発症しましたが、重症化せずに回復しているということです。

    また海外での直近の滞在歴はなく、国内で感染した可能性があるとしています。

    今回確認された変異ウイルスは、3月に成田空港の検疫で見つかった「BA.1」と「BA.2」が組み合わさった「XE」と呼ばれるタイプとは別のもので、従来のオミクロン株より病原性や感染力が強いのかはわかっていないということです。

    国立感染症研究所は「国内でBA.1からBA.2への置き換わりが進む中で、同じ人が2つのタイプのウイルスに感染して遺伝子の組み換えが起きる可能性はある。病原性などは調査中だが、現時点で感染の広がりは確認されていないので、特に心配する状況ではないと見ている」としています。

    今回の新たなタイプとは

    今回検出された新型コロナウイルスは、オミクロン株のうち「BA.1」とより感染力が高いとされる「BA.2」が組み合わさったもので、新型コロナウイルスが細胞に感染する際の足がかりとなるスパイクたんぱく質の中の一部分を境に「BA.1」と「BA.2」に分かれているということです。

    新型コロナウイルスは世界中で広がる中で変化を繰り返していて、1人の人が複数のタイプに感染することで遺伝子の組み換えが起き、複数のウイルスの特徴を持った「組み換え体」と呼ばれるタイプの新たな変異ウイルスができることがあり、世界各地から報告されています。

    今回検出されたウイルスと似たタイプとして、スパイクたんぱく質を含む大部分は「BA.2」でそれ以外の部分は「BA.1」になっている「XE」と呼ばれるタイプのウイルスがあり、「XE」は日本国内では空港の検疫で検出されているほか、イギリスの保健当局によりますと、感染が増加する速度が「BA.2」より12.6%高く、イギリス国内では4月下旬までの90日間で1294人の感染が報告されています。

    専門家「感染力大きく変わるようなことは起きないのではないか」

    海外の感染症や変異ウイルスに詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、今回検出されたウイルスについて「異なる種類の新型コロナウイルスに同時に感染すると、体内で組み換えが起こりうる。今回のウイルスに感染した人が見つかったのは3月末で、『BA.1』と『BA.2』の置き換わりが起きていた時期なので、組み換えが起きていても不思議ではない。ただ、組み換えが最初に見つかった人の体内で起きたのか、ほかの人の体内で起きたのかは分からない」と話しています。

    また、今回見つかったウイルスの感染力などについては「感染力に影響がある可能性も否定はできないが、ほかの組み換えウイルスの状況などを見ると、感染力が大きく変わるようなことは起きないのではないかと考えられる。ただ、ほかの地域でも同様の組み換えが起きている可能性があるので、各地で監視を続けることが大切だ。1人1人が懸念するような状況ではなく、これまでと同様の感染対策を続けることが大切だ」と話しています。

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    新型コロナ「BA.2」「XE」とは?知っておきたいこと(4/11)

    2022年4月11日

    新型コロナウイルスの感染がまた徐々に増えつつあります。
    次の「第7波」で主流になるとみられているのが、オミクロン株の1つでより感染力が高いとされる「BA.2」。さらにイギリスなどでは別の変異ウイルス「XE」も徐々に広がりをみせ、日本国内でも初めて検疫で確認されました。
    新たな変異ウイルスの現状、そして必要な対策とはどんなことなのでしょうか。

    ■「BA.2」 世界で広がる

    新型コロナウイルスは世界中で広がる中で変化を繰り返しています。その中で今、世界各国で最も広がっているのがオミクロン株の1つ「BA.2」というウイルスです。「BA.1」からさらに、ウイルスの表面の突起で細胞に感染する際の足がかりとなる「スパイクたんぱく質」などの遺伝子が変異しています。

    ● “英93%・米72%が「BA.2」”
    新たに確認された感染者のうち「BA.2」の占める割合は
    ▽イギリスでは保健当局が2022年3月27日までの1週間で93.9%に上ったとしていて
    ▽アメリカではCDC=疾病対策センターが2022年4月2日までの1週間で72.2%だと推定しています。

    ● “日本 5月には93%が「BA.2」に”

    日本国内では国立感染症研究所が民間の検査会社のデータをもとに全国での「BA.2」の割合を推定したところ、2022年3月半ばの時点で30%程度でしたが、5月の第1週には93%、6月の第1週には100%を占めるとみられるということです。

    「BA.1」では2021年12月下旬に市中感染が確認されてから数週間後の2022年1月中旬にはそれまでのデルタ株からほぼ置き換わりました。

    「BA.2」は2月中旬に東京都で市中感染が確認され「BA.1」に置き換わった時に比べると急激ではありませんが、置き換わりが進んでいます。

    特徴1. “「BA.1」より感染力が強まっている”WHO

    WHO=世界保健機関は「BA.2」は第6波で主流だったオミクロン株の「BA.1」と比べて感染力が強まっているとしています。デンマークのデータを使った分析では「ある人が感染してからほかの人に感染させるまでの時間」=「世代時間」は「BA.1」より15%短く「1人が何人に感染を広げるか」を示す「実効再生産数」は26%高いとされています。

    特徴2. 重症化率は低いか

    重症化率は低いとみられ、WHOはイギリスでの分析結果として「BA.1」に感染した人と「BA.2」に感染した人の間で入院に至るリスクに差は無かったとしています。

    特徴3. 「BA.1」感染→「BA.2」感染も

    「BA.1」に感染した人でも「BA.2」に感染する可能性はあります。

    ■ワクチンの効果

    ワクチンの効果はイギリスの保健当局の研究者がまとめたデータによりますと、発症予防効果は3回目の接種から
    ▽1週間の時点で「BA.1」は71.3%だったのに対し「BA.2」は72.2%で大きくは変わりませんでした。
    一方
    ▽15週間以上たった時点では大幅に下がり「BA.1」で45.5%「BA.2」で48.4%でした。

    ■今の感染者数の増加 “「BA.2」への置き換わりが強く影響”

    2022年4月6日に開かれた厚生労働省の専門家会合は、今の感染者数の増加について「接触機会の増加と『BA.2』系統への置き換わりが強く影響していると考えられる」としています。

    国立感染症研究所の鈴木基 感染症疫学センター長は「(次の)第7波では『BA.2』が主体になる見込みだ。『BA.1』よりも感染力がやや強いことから、第6波よりも波が高くなる可能性を考えて医療体制を準備する必要がある」としています。

    第6波でオミクロン株の「BA.1」が広がり始めた時、デルタ株と比べて重症化しにくいことが分かり警戒感が薄れたのではないかと考えられています。しかし感染者数はそれまでの感染拡大より格段に多くなったため結果的に亡くなる人も増加しました。「BA.2」でも同じことが起きないか懸念されています。

    ■ワクチン3回目接種の進展で…

    その一方で第6波が始まった2022年1月と異なるのがワクチンの3回目の接種の進展です。政府の発表によりますと、国内で3回目の接種を終えた人は4月11日時点で65歳以上の高齢者でおよそ85%に上り、人口全体でも45%ほどとなっています。

    特に高齢者で3回目の接種が進むほど亡くなる人の数を減らすことにつながると考えられ、重症化する人や亡くなる人の数を抑えられる可能性があります。実際に2回目の接種が進んだ2021年夏には、ワクチンの効果で高齢者で亡くなる人を減らせたと厚生労働省の専門家会合は分析しています。

    海外の感染症の状況に詳しい、東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「世界的にはほとんどの国で『BA.2』系統に置き換わっていて、ヨーロッパでは9割を超えている国もある。日本でも今後は接触機会を減らしながら予防対策をもう少し強めに行うことや、ワクチンの追加接種を進めることなどが大事だ。特に20代の感染者が多くなっているので、この世代への対策が再増加を軽くできるかどうかのカギになるのではないか」と話しています。

    ■新タイプ「XE」 日本でも初確認

    さらに新たな変異ウイルスで複数のウイルスが組み合わさった「XE」と呼ばれるタイプがイギリスなどで報告されています。日本国内でも検疫で初めて確認されました。

    1. 「XE」日本国内で初確認 成田到着の女性が検疫で

    厚生労働省は4月11日「XE」が国内の検疫で初めて確認されたと発表しました。感染が確認されたのはアメリカから入国した30代の女性で、3月26日に成田空港に到着したあと検疫所での検査で陽性となり、国立感染症研究所で検体の遺伝子を解析した結果「XE」と確認されたということです。

    2. 「XE」…「BA.1」+「BA.2」

    ウイルスは小さな変異を繰り返し新たな性質を獲得しますが、それとは別に1人の人が複数のタイプに感染することで遺伝子の組み換えが起きて複数のウイルスが組み合わさった新たなウイルスができることがあります。

    「XE」は複数のウイルスが組み合わさってできたタイプで、オミクロン株の「BA.1」と「BA.2」が組み合わさっています。ウイルスの表面にあり、人の細胞に感染する際の足がかりとなるスパイクたんぱく質を含むほとんどの部分が「BA.2」ほかの部分が「BA.1」となっています。

    3. 「XE」感染広がるスピード “「BA.2」より12.6%速い”

    WHOは「XE」をオミクロン株の一種としていて、イギリスの保健当局の資料によりますと、イギリスで2022年1月19日に最初に報告されて以降、4月5日までに1179件報告されています。小規模のクラスターも報告されていますが、解析が行われたウイルス全体に占める割合は1%未満となっています。

    3月30日までのデータに基づいて数理モデルを使った解析を行った結果「XE」の感染が広がるスピードは「BA.2」よりも12.6%速いと試算されたとしています。

    ■複数が組み合わさったウイルスまだほかにも…

    複数のウイルスが組み合わさったタイプのウイルスはほかにもあり、このうち「XD」と「XF」は2021年夏の「第5波」で広がったデルタ株と、オミクロン株の「BA.1」というタイプが組み合わさったタイプです。

    1. 「XD」…ほとんどデルタ株+スパイクたんぱく質が「BA.1」

    「XD」はスパイクたんぱく質の部分が「BA.1」それ以外のほとんどがデルタ株となっていて、イギリスの保健当局の資料によりますと、最初に検出されたのは2021年12月13日で、2022年4月1日の時点でフランスで66件、デンマークで8件、ベルギーで1件報告されているということです。

    WHOは「XD」を感染力や感染した際の重症度、ワクチンの効果などに対する影響の度合いがはっきり分からない「VUM」=監視下の変異株に位置づけていますが、感染の広がりは限定的だとしています。

    2. 「XF」…一部がデルタ株+大部分が「BA.1」

    また「XF」はスパイクたんぱく質を含めた大部分が「BA.1」で一部がデルタ株となっています。イギリスの保健当局は2022年1月7日以降、イギリスで39件見つかっているものの2月14日以降報告はなく感染の広がりは見られていないとしています。

    3. 「BA.4」「BA.5」も確認…

    さらにこのほかのタイプでもスパイクたんぱく質の遺伝子が変異している「BA.4」や「BA.5」と呼ばれる変異ウイルスも南アフリカなどで確認されています。まだ感染力や感染した場合の重症度はよくわかっていません。

    WHOは複数のウイルスが組み合わさるなどして新たな変異ウイルスが生まれるリスクは今も高く、ウイルスの遺伝子を解析してデータを共有することは引き続き欠かせないとしています。

    東京医科大学の濱田特任教授は「『BA.4』や『BA.5』は『BA.2』と同じくオミクロン株の亜型の1つで、一つのオミクロン株が感染して増殖する過程で変異して出現してきた。感染が拡大して脅威となるのか、それほど感染は広がらないかはまだ分からないが監視をしていくことが非常に重要だ。2つの変異ウイルスが合わさったタイプのうち『XE』は感染力が高いとされているが、大きな流行を引き起こすかどうかというと今の段階では判断が難しい。むしろオミクロン株とは全く別の新たな変異ウイルスが出現する可能性も警戒すべきで、ゲノム解析などの監視体制を続けることが重要だ」と話しています。

    ■専門家「基本的な日常の対策は変わらない」

    現在の新規感染者数は2021年夏の第5波のピークより高い状況が続いています。厚生労働省の専門家会合は、さらにリバウンドの可能性も懸念されるとしていて
    ▽ワクチンの追加接種をさらに進めること
    ▽外出の際には混雑した場所や換気が悪い感染リスクの高い場所を避けること
    ▽不織布マスクの正しい着用、消毒や換気、密を避ける
    といった対策を徹底するよう改めて呼びかけています。

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授は「全く予想もしなかった変異のあるウイルスではない。注目して見ていくことにはなるが対策の大きな方針が変わるといったことはなさそうだ。今は『BA.2』が主流になってきているが、XE株であっても基本的な日常の対策は変わらないし、3回目のワクチン接種を引き続き進めてほしいという方針も変わらない」と話しています。

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    新型コロナウイルス “XE” 国内検疫で初確認 成田到着の女性(4/11)

    2022年4月11日

    新型コロナウイルスのうち、オミクロン株の複数のタイプが組み合わさった「XE」と呼ばれるウイルスへの感染が、国内の検疫で初めて確認されました。

    厚生労働省によりますと、感染が確認されたのは3月26日にアメリカから成田空港に到着した30代の女性です。

    空港の検疫所で新型コロナウイルスの検査を受けて陽性となり、国立感染症研究所で検体の遺伝子を解析した結果「XE」と確認されたということです。

    XEはイギリスなどで報告されていますが、国内で感染が確認されたのは初めてです。

    「XE」は「第6波」で広がったオミクロン株の「BA.1」と、より感染力が高いとされる「BA.2」が組み合わさったタイプで、イギリスの保健当局の資料では「BA.2」より感染が広がるスピードが12.6%速いと試算されています。

    厚生労働省の専門家会合の脇田隆字座長は先週「イギリスでも感染が広がっている状況ではなく、重症度との関連についてもよく分かっていない」などとしています。

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    コロナ 5月第1週には93%が「BA.2」系統に置き換わるか 感染研(4/10)

    2022年4月10日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の1つで感染力がより強いとされる「BA.2」系統のウイルスについて、国立感染症研究所は5月の第1週には国内の93%がこのウイルスに置き換わるとする推定結果をまとめました。

    これは、国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長が4月6日に開かれた厚生労働省の専門家会合で示しました。

    国内の2つの検査会社を対象にした抽出調査の結果をもとに全国のオミクロン株全体に占める「BA.2」の割合を分析したところ、5月の第1週には93%が「BA.2」に置き換わると推定され、6月の第1週には100%置き換わると推定されたということです。

    専門家会合の資料によりますと、「BA.2」はこれまで主流だった「BA.1」よりも感染力が強いとされ、海外では「BA.2」への置き換わりが進んで重症者や死亡者が増えている国もあるということです。

    鈴木センター長は「次の“第7波”は『BA.2』が主流になる見込みだ。オミクロン株は重症化率が低下しているとはいえ、高齢者では3回目の接種をさらに進めることや4回目の方針についても決めておくことが必要だ」とコメントしています。

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    新型コロナ 新たな変異ウイルス「XE」 イギリスなどで報告(4/7)

    2022年4月7日

    新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、複数のタイプが組み合わさった「XE」(エックス・イー)と呼ばれるタイプのウイルスが、イギリスなどで報告されています。感染の広がりやすさなどははっきり分かっておらず、専門家は注目して監視する必要があるとしながらも、基本的な対策は変わらないとしています。

    新型コロナウイルスは世界中で広がる中で変化を繰り返していて、1人の人が複数のタイプに感染することで遺伝子の組み換えが起き、複数のウイルスの特徴を持った新たな変異ウイルスができることがあります。

    このうち「XE」と呼ばれるウイルスは、オミクロン株のうち「第6波」で広がった「BA.1」(ビーエー・ワン)というタイプと、より感染力が高いとされる「BA.2」(ツー)が組み合わさったタイプです。

    ウイルスの表面にあり、人の細胞に感染する際の足がかりとなるスパイクたんぱく質を含むほとんどの部分が「BA.2」、ほかの部分が「BA.1」となっています。

    WHO=世界保健機関は「XE」をオミクロン株の一種として監視していて、イギリスの保健当局の資料によりますと、イギリスで2022年1月19日に最初に報告されて以降、3月22日までに763件報告され、小規模のクラスターも報告されていますが、3月下旬の時点で検出されたすべてのウイルスに占める割合は1%未満となっています。

    また、3月15日までの初期のデータに基づいて数理モデルを使った解析を行ったところ、感染が広がるスピードは「BA.2」より9.8%速いと試算されたとしていますが、WHOはさらに確認することが必要だとしています。

    「XE」は日本ではまだ見つかっていないということで、厚生労働省の専門家会合の脇田隆字座長は、4月6日の記者会見で「今のところ、日本の検疫などでXE系統が見つかった報告もなく、国内でも見つかっていない。イギリスでも広がっている状況ではなく、重症度の関連についてもよくわかっていない。今後の感染拡大の状況をしっかり見ていくことと、検疫で見つかるウイルスのゲノム解析を続ける必要がある」と述べました。

    複数のウイルスが組み合わさったウイルスはほかにもあり、このうち「XD」と「XF」(エックス・ディー/エックス・エフ)は、2021年夏の「第5波」で広がったデルタ株と、オミクロン株のうち、「BA.1」というタイプが組み合わさったタイプです。

    「XD」はスパイクたんぱく質の部分が「BA.1」、それ以外のほとんどがデルタ株となっていて、イギリスの保健当局の資料によりますと、最初に検出されたのは2021年12月13日で、2022年3月22日の時点でフランスで40件、デンマークで8件、ベルギーで1件、報告されているということです。

    WHOは「XD」を感染力や感染した際の重症度、ワクチンの効果などに対する影響の度合いがはっきり分からない「VUM」(ブイ・ユー・エム)=監視下の変異株に位置づけていますが、感染の広がりは限定的だとしています。

    また「XF」は、スパイクたんぱく質を含めた大部分が「BA.1」で、一部がデルタ株となっています。

    イギリスの保健当局は、2022年1月7日以降、イギリスで39件見つかっているものの2月14日以降報告はなく、感染の広がりは見られていないとしています。

    WHOは、複数のウイルスが組み合わさるなどして新たな変異ウイルスが生まれるリスクは今も高く、ウイルスの遺伝子を解析して、データを共有することは引き続き欠かせないとしています。

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授は「これまでもアルファ株とデルタ株の合わさったものなどが出てきていて、オミクロン株でも『BA.1』と『BA.2』の2種類があることから、同時に感染することで合わさったものが出ることはありえると考えられていた。全く予想もしなかった変異のあるウイルスではない。注目して見ていくことにはなるが、対策の大きな方針が変わるといったことはなさそうだ。いまは『BA.2』が主流になってきているが、XE株であっても基本的な日常の対策は変わらないし、3回目のワクチン接種を引き続き進めてほしいという方針も変わらない」と話しています。

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    小池都知事 “「BA.2」急速に置き換わり 感染防止対策徹底を”(4/1)

    2022年4月1日

    東京都の小池知事は記者会見で、新型コロナの都内の感染状況について、オミクロン株のBA.2の系統のウイルスへの急速な置き換わりが進んでいるとして感染再拡大に警戒感を示すとともに、感染防止対策の徹底と3回目のワクチン接種の検討を呼びかけました。

    東京都のスクリーニング検査では、3月21日までの1週間で、新規陽性者のうちオミクロン株のBA.2の系統の疑いがあるウイルスの割合が半数を超え、急速に置き換わりが進んでいます。

    これについて小池知事は、4月1日の記者会見で「感染力が強いからこそ置き換わりが進み、より短い時間でより多くの人に感染を広げると言われている。感染再拡大への警戒を継続する必要がある」と述べました。

    そのうえで「これからの時期は新入社員の歓迎などで飲食の機会が増えやすい。都が認証した店舗で少人数、短時間でお願いしたい」と述べ、引き続き感染防止対策を徹底するよう呼びかけました。

    また、3回目のワクチン接種について「重症化を予防するだけでなく感染の連鎖を断ち切る効果が期待できる。ぜひ接種の検討をお願いしたい」と述べ、都の大規模接種会場などの利用を呼びかけました。

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    オミクロン株に専門家が感染 初期症状から重症化 どう感じた?(3/14)

    2022年3月14日

    新型コロナウイルスのオミクロン株は比較的重症化しにくいとされ、中には季節性のインフルエンザと変わらないのではないかという意見を述べる人もいます。

    しかし、そのオミクロン株に感染して重症化し、人工呼吸器が必要になった専門家がいます。

    新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博 教授(61)です。

    初期にはのどがむずむずするくらいで、高熱も出なかったのに、気づいたらせきがひどくなり、肺炎になっていました。

    およそ3週間の入院治療を経て回復した舘田さんに話を聞きました。いつも感染対策を呼びかけてきた専門家自身が感染して感じたことは。

    ※以下「」は舘田さんのコメント

    第6波のピーク時に感染

    舘田さんが新型コロナウイルスに感染したのは、第6波がほぼピークの状態だった2月4日ごろ。

    そのころ東京都では一日の新規感染者数が2万人を超え、全国では10万人を超えていました。

    感染症学が専門で、2021年までは感染症学会の理事長もつとめた舘田さん。

    大学で教えるだけでなく、厚生労働省の専門家会合や新型コロナ対策に当たる政府の分科会に出て意見を述べ、助言を行うなど、多忙な日々を送っていました。

    初期症状は...

    当初はのどがむずむずするくらいで高熱もなく、抗原検査を2日連続で受けても、いずれも陰性だったと言います。

    しかし、2月9日ごろから強く乾いたせきが続き、38度以上の発熱も。

    そして、病院でPCR検査を受けたところ、新型コロナへの感染が判明しました。

    オミクロン株への感染でした。

    「最初は、のどがむずむずするくらいで高い熱が出るわけでもない。花粉症か何か、ちょっと違和感があるという感じだった。いったん軽快するのかなと思うような兆候があって、何となく治るのかなと少し油断した部分もあったかもしれない」

    「今、冷静に考えると、なぜもっと早め早めに、PCR検査をやらなかったのかと思う」

    いきなり肺炎 即入院 そして人工呼吸器に

    舘田さんは、血液中の酸素の値が低くなり、CT検査ではすりガラス状の白い影が映し出され、肺炎になっていることもわかりました。

    その日から即、入院になりました。

    主治医からは人工呼吸器を使った治療を行うと告げられました。

    「PCR陽性とか、サチュレーション(血液中の酸素飽和度)が下がってるとか、CTで肺炎像があるとか、そのときは意識がもうろうとしているような状況でした。まともに自分の感染の状態とかリスクを評価できるような、そういった状態じゃなかったんじゃないかなと思います。どういう形で検査の結果が出て、どういう形で話を受けて、どうなっていったかというのはあまり記憶にないです」

    重症化の要因は...

    舘田さんが重症化したのには、1つ、要因があります。

    実は、アレルギー体質で、新型コロナのワクチンを接種できていなかったのです。

    このため舘田さんは日頃から、マスクの着用の徹底や人との距離をとること、接触する時間を短くすること、それに換気の徹底といった感染対策を取っていたと言います。

    「アレルギーがある体質で、ワクチンを受けられてなかったんですね。ですから当然コロナにかかってしまうと、重症化してしまうリスクが高いとわかっていました。この後どういうふうな形で治療が行われて、その治療に(自分の体が)反応してくれるのか、やっぱり不安ですよね。不安な状況というのがありました」

    「主治医の先生が提案してくれた挿管、人工呼吸器につなげましょうという選択肢を受け入れざるをえない、受け入れないという選択肢はないという、そういう状態だったと思います」

    「ワクチンを受けていない人、そして新型コロナウイルス感染症の肺炎を合併して低酸素の状態になっている、そういう意味ではかなり厳しい状況になりつつあるんだろうなって思いました。その中で人工呼吸器につながるわけですから、さらに呼吸の状態が悪くなる、予期せぬ合併症を発症してしまうと、さらに厳しい状況になる。そういう可能性が高まってきてるんだろうなっていうことを感じました」

    意識がほぼない10日間も...

    舘田さんが人工呼吸器を使った治療を受け始めたのは2月10日。

    その後、10日近くにわたってほぼ意識がありませんでした。

    新型コロナで重症化した人では、免疫の仕組みが暴走し、体中に炎症を引き起こす「サイトカインストーム」が起きます。

    この間、舘田さんは、人工呼吸器とともに免疫の過剰な働きを止める薬を使った治療を受けました。

    そして舘田さんは、2月20日ごろになって意識が戻り、医療スタッフと話せるようになりました。

    ただ、時間や日付の感覚はなくなっていました。

    「いろいろ聞いてきましたけど、実際に自分で体感するのは初めてでしょ。挿管されるときは、麻酔がかかってる訳ですよね。意識がない中で、いつも夢を見てるような、そういった感じでした。それから現実になったり夢になったり、どこまでが本当なのか、幻覚を見ているみたいな状態になるわけですよ。だんだん意識が戻ってくるにしたがって現実の部分が多くなってきて、主治医の先生の顔が目の前に出てきたり、あるいはその先生とお話ししたりする時間が長くなってきて、だんだん意識が戻ってくるようなそういうイメージでした」

    「ただ、死なずにすんだなということは何となくわかりました。あんまり冷静には考えてなかったかもしれないけれども、ああ意識が戻ってきたんだな、それで(人工呼吸器を)抜管するんだなっていうことはわかりました」

    声も出ず 歩けない 衰弱著しく

    舘田さんはその後、一般病棟に移りリハビリを受けました。

    しかし、10日間人工呼吸器の治療を受けた影響は大きく、声も出ず、足の筋肉も衰えて歩けない状態でした。

    2、3日たってからは話すことや食事はできるようになりましたが、回復には想像していた以上に時間がかかると感じています。

    「足腰が弱って、シャワーも自分で浴びられないし、疲れてしまって、髪の毛も自分で洗えないわけですよ。そういうふうな状態から、少しずつ行動範囲を広げていくような状況でした。僕ぐらいの年齢であっても10日間の人工呼吸器につながれるだけで、これだけ厳しい状況になってしまうわけですから、もう少しお年の方、あるいは基礎疾患のある方がもう少し長い期間人工呼吸器につながってしまったら、これはなかなか日常生活に戻るのは大変なんだろうなっていうことを改めて感じました」

    舘田さんは3月2日、およそ3週間の入院治療を終え、退院しました。

    しかし、自宅に帰ることはできたものの、通常の生活に戻るにはさらにリハビリが必要だと感じています。

    <舘田さんの症状・治療の経過>

    ▽2/4ごろ
    のどの違和感を覚える。37度5分前後の微熱。2日連続で抗原検査受けるも陰性。

    ▽2/9
    せきが出始める。38度以上の発熱。解熱剤飲んで対処。

    ▽2/10
    強く乾いたせきが止まらなくなる。血液中の酸素の値が83%、PCR検査で新型コロナ陽性が判明。
    CT画像で「すりガラス状」のコロナの肺炎。ICUに移動し、夜に挿管、人工呼吸器使った治療開始。

    ▽2/10以降
    人工呼吸器使った治療と並行して、免疫の過剰な働きを止める薬を使った治療。10日間にわたって、ほぼ意識なし。

    ▽2/20
    肺の状態が改善し、人工呼吸器を外す。

    ▽2/21
    一般病床に移動。個室でリハビリ。

    ▽3/2
    退院。

    ▽3月上旬
    少し速く歩くことや入浴でも息がすぐ苦しくなる状態。

    感染を経験して感じたことは?

    舘田さんは、この経験を通じて感染対策を呼びかける立場として感じたことがあると言います。

    1.ワクチンと感染対策をとることの重要性

    1つは、重症化を予防するワクチンと感染対策をとることの重要性です。

    「ワクチンを受けていない高齢者が新型コロナウイルス感染症にかかってしまうと、重症化しやすいというのは明らかですから、受けられる人は3回目の接種までしっかりと受けられることをお勧めしたいと思います。ただ、(私のように)アレルギーがあったりとか、あるいは自分の信念で受けたくないっていう方もいますから、そういう人たちは自分たちは感染したら重症化しやすいんだということを改めて認識していただいて、感染を避けるような行動を普通の人たち以上に注意してとっていかれることが大事になると思います」

    「ワクチンも(ファイザーやモデルナのような)メッセンジャーRNAワクチンだけじゃなくて、(アストラゼネカなどの)ウイルスベクターワクチンであったり、さまざまなものが開発されています。こちらのワクチンはアレルギー反応が起きるから使うべきじゃないけど、こっちのワクチンは使えるよねとか、そのときの量を減らす、あるいは間隔を空ける、そういった工夫を合わせるなどして、基礎疾患がある人たちや高齢者をいかに重症のコロナウイルス感染症から守るか、考えていかなければいけないだろうなと思います」

    2.いったん回復したら終わりの病気ではない

    また、今も本調子ではなく、すぐに息切れし、筋肉も戻っていないという舘田さんは、改めてコロナはいったん回復したら終わりの病気ではないと感じています。

    「呼吸が苦しい状態が続くとか、そういった症状が残りやすい感染症の1つですから、高齢の方たちは、コロナ自体は治るかもしれないけれども、例えば人工呼吸器につながれている期間が長くなってしまうと、だんだん体の筋肉が萎縮してしまって治ったあと普通の生活に戻れない、戻るのに非常に時間がかかってしまう可能性が高くなると思います」

    3.コロナはまだ危険な感染症

    猛威を振るったオミクロン株による感染拡大の第6波は、今、ピークを越え、季節性インフルエンザと同様の扱いにすべきではないかという意見を言う人もいます。

    舘田さんは自身の体験からも、まだ安心できないと考えています。

    「60代前半で基礎疾患が特にない人が、こういう形で人工呼吸器を使わざるをえないような状況に追い込まれてしまう。そのくらい危険な感染症であるということは改めて感じました。ワクチンを打ってないということもありますけれど、これだけ肺炎を合併しやすくて重篤化しやすいことを、私自身の一例ですけれども、実感することができました。そういう意味では、まだまだ油断できるような感染症ではない」

    「感染症を専門とする医師として、どうすれば感染を抑えることができるのか情報発信してきたわけですが、感染してしまいました。ただ、それがどこで感染したのか全く思い当たるものがありません」

    「リスクを下げるよう注意してきましたが、たまたまどこかで感染のリスクを高めるような場面、シチュエーションが重なってしまうようなことが起きてしまう。そういうリスクが高まるような場面が生じてしまうと、それが一瞬であったとしても感染が起きる。それが、この感染症の非常に注意しなければいけないところだと感じました」

    自分自身の経験 少しでも役立つなら

    舘田さんは「自分自身の経験が、少しでも役立つなら」と、感染して重症化した経験について、初めてインタビューに答えたということです。

    新型コロナウイルスは、誰が感染してもおかしくない状態が続いています。

    感染対策を呼びかけてきた専門家が重症になったことからも、油断することなく、対策を続けることが改めて重要だと言えます。

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    オミクロン株「BA.2」“抗ウイルス薬は効果あり” 東大など(3/13)

    2022年3月13日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の1つ、「BA.2」について東京大学などのグループは、培養細胞を使った実験の結果、国内で使われている3種類の抗ウイルス薬はいずれも効果があったと発表しました。

    この研究は、東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授らのグループがアメリカの医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表しました。

    グループは、培養したサルの細胞に「BA.2」系統のウイルスを感染させ、さまざまな治療薬を投与して効果を調べました。

    その結果、国内で承認されている「ラゲブリオ」、「パキロビッドパック」、それに「レムデシビル」の3種類の抗ウイルス薬は、従来株と同じレベルの効果を得るためには最大で3倍程度、濃度を高める必要がありましたが、いずれも「BA.2」に対して十分な効果が確認されたということです。

    また、国内で使われている2種類の抗体薬については一定の効果がみられたものの、従来株に比べると50分1から60分1程度に下がっていました。

    グループでは今後、動物実験などでさらに効果を検証していくということです。

    河岡特任教授は「抗ウイルス薬については効果があることが確かなので、これらの薬にできるだけ多くの人がアクセスできる体制を作ることが重要だ」と話していました。

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    オミクロンで呼吸困難の「上気道狭さく」 学会が注意呼びかけ(3/3)

    2022年3月3日

    新型コロナウイルスのオミクロン株に感染した患者で、のどの奥が腫れて呼吸困難になるなどの症状が、複数、報告されていることが分かり、耳鼻咽喉科の学会は、会員の医師などに緊急で注意の呼びかけを行いました。

    日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によりますと、オミクロン株の感染拡大に伴い、感染者で、のどの奥が腫れて気道がふさがり、呼吸困難になる「上気道狭さく」という症状が、複数、報告されていて、のどの切開手術が必要となったケースもあったということです。

    どの程度の頻度で起きるのかなどは分かっていませんが、血液中の酸素飽和度には、直前まで異常がでないことから、軽症と判断されて発見が遅れるおそれがあるということです。

    このため学会では、会員の医師などに対し、オミクロン株では「上気道狭さく」のリスクがあることや、地域の医療機関が連携して治療にあたることなど緊急の呼びかけを行いました。

    学会で新型コロナの対策チームの責任者を務める木村百合香医師によりますと、多くの感染者は、こうした症状にはならずに治ると考えられるものの、つばを飲み込めないような強いのどの痛みがあるときや、息を吸うのが苦しいとき、声がこもったようになっているときなどは、早急に医療機関を受診してほしいということです。

    木村医師は「オミクロン株が出てくるまでは、こうした症状が増えたという報告はなく、危機感を持って対応している。発生の頻度について今後、調査していきたい」と話しています。

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    国内の主流は「BA.1.1」新型コロナ オミクロン株(2/27)

    2022年2月27日

    新型コロナウイルスのオミクロン株について東京医科歯科大学のグループがウイルスの遺伝子を解析したところ、国内で主流となっているのはオミクロン株の中でも「BA.1.1」と呼ばれる系統のウイルスだったとする調査結果を発表しました。

    73%が「BA.1.1」

    調査は東京医科歯科大学の武内寛明准教授などのグループが行いました。

    グループでは2021年12月から2022年2月中旬までの新型コロナの患者40人を対象にウイルスの遺伝子を解析した結果、およそ9割がオミクロン株で、このオミクロン株のうち73%が「BA.1.1」という系統だったということです。

    「BA.1.1」は「BA.1」がさらに変異したウイルスで、国内での集計では「BA.1」に含まれていますが、WHO=世界保健機関では感染拡大が懸念されている「BA.2」とともに、オミクロン株の系統の1つとして監視の対象としているということです。

    武内准教授は「デンマークなど『BA.1.1』の報告が少なかった国では『BA.2』への置き換わりが早かったが、海外の状況を見ると『BA.1.1』が主流の国では置き換わりが遅い可能性がある。オミクロン株の流行は長引くおそれがあり、医療機関のひっ迫を抑えていくことが重要だ」と話していました。

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    オミクロン 感染者減少も死亡者増加 わかってきたこと(2/25)

    2022年2月25日

    感染拡大の第6波はピークを越えたものとみられ、ようやく減少局面に入りました。

    ただ、減少のスピードは増加したときと比べて遅くなっている一方、死亡者数はこれまでにないペースで増えています。

    オミクロン株の症状、後遺症は。

    そして、異なる系統のオミクロン株「BA.2」の感染拡大は。

    わかってきたことをまとめました。

    (2022年2月25日現在)

    “ピークアウト”も 減少スピード鈍化

    新型コロナウイルスの新規感染者数は、2月中旬になって全国では2か月半ぶりに減少に転じ、多くの地域で減少局面となっています。

    オミクロン株が広がった感染拡大の第6波では、感染者数は2022年に入ってからだけですでに300万人を超えましたが、ようやく「ピークアウト」したように見えます。

    ただ、減少スピードは緩やかで、1週間の新規感染者数は2月24日までの1週間では、前の週と比べて0.88倍となっています。

    厚生労働省の専門家会合は2月24日、「減少傾向となっているものの、そのスピードは鈍化していて、ワクチン接種の加速に伴って継続的に減少した2021年夏の状況とは異なり、全国的に再び増加傾向に転じる可能性がある」と指摘しました。

    日本より先に感染が拡大した海外の傾向を見ると、イギリスでは、1週間の新規感染者数が、1月10日前後に100万人を超えたあと、一気に40%ほど減少。

    1月中旬から2週間ほどは横ばいになったものの、2月24日までの1週間では27万人余りと再び減少しています。

    アメリカでは、CDC=疾病対策センターによりますと、1月10日に1日の新規感染者数が130万人を超え、1週間平均でも80万人を超えたあと、次第に減少傾向となり、2月23日の時点では1週間平均で7万5000人ほどとなっています。

    海外では、ワクチンの追加接種の接種率がイギリスでは55.8%、アメリカでは28.1%あり、さらに、感染拡大の規模が日本よりも大きく、免疫のある人が多くなっていることも、感染が急速に減ってきた背景にあるのではないかと考えられています。
    (データはOur World in Data 2月22日時点)

    死亡者数 第5波上回る

    こうした中で、日本国内で亡くなる人の数は過去最多の状況が続いています。

    1日に報告される亡くなった人の数は、およそ1か月前の2022年1月26日には34人でしたが、2月4日には103人と100人を超えたあと、2月22日には322人と初めて300人を超えて、過去最多を更新。

    第5波までにはなかった200人を上回る状態が連日続いています。
    (※2021年5月18日には216人となっていますが、この日は兵庫県が2021年3月から5月に亡くなったあと、報告されていなかった人の数をまとめて報告しています)

    2022年1月以降に発表された亡くなった人の数は、2月24日までで4402人となっています。

    デルタ株の時期に亡くなった人は、2021年7月から10月の4か月間でみても3483人で、オミクロン株が主体の感染の第6波では、すでに上回っています。

    オミクロン株は重症化しにくいとされ、致死率はおよそ0.14%と以前のウイルスより低くなっていますが、感染規模があまりにも大きいため、重症者数や死亡者数も多くなっています。

    亡くなっているのはほとんどが高齢者で、感染によって基礎疾患が悪化するケースが多いとされています。

    厚生労働省のまとめでは、1月5日から2月8日までのおよそ1か月で亡くなった817人のうち、90代以上が34.4%、80代が36.6%、70代が19.6%、60代が4.0%で、60代以上が94.6%を占めています。

    国内では、デルタ株が広がった2021年夏の第5波は、ワクチンの接種が進んだタイミングだったため、ワクチンによって多くの高齢者の死亡を防ぐことができたとされています。

    2回のワクチン接種で一定程度は重症化を防ぐ効果があるとはいえ、接種から時間がたって効果が下がってきたところに、オミクロン株の感染が高齢者にも拡大し、重症化する人も増えていると考えられています。

    これまでの感染拡大では、感染者数のピークからおよそ2週間遅れて重症者数がピークとなり、その後、死亡者数がピークとなってきていて、今後も増えるおそれがあります。

    京都大学の西浦博教授は、2月24日の厚生労働省の専門家会合で、2021年12月から2022年4月23日までに、新型コロナウイルスで亡くなると推定される人が、合わせて5517人に上る可能性があるとする推定結果を示しました。

    この試算にワクチンの3回目接種などの効果は含まれていないということですが、仮に、2月中に高齢者の60%が3回目の接種を終えた場合には、高齢者の死亡を295人減らすことが期待できるとしています。

    海外では 死亡者減少の国も、再上昇の国も

    海外では、死亡者数がようやく減少に転じた国がある一方、増加している国もあります。

    アメリカでは、CDCのデータによりますと、1月中旬から1か月ほど、1週間平均で1日に報告される死亡者数が2000人を超える日が続いてきました。

    2月上旬をピークに徐々に減少し、2月中旬には2000人を下回り、2月23日現在、1600人余りとなっています。

    イギリスでは、1週間平均で1日に報告される死亡者数は、2月16日までの1週間では123人と、死亡者数が増え始める前の、2021年の年末の水準に戻りました。

    一方、イギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイト、「アワ・ワールド・イン・データ(Our World In Data)」によりますと、1日当たりの死亡者数は、2月23日までの1週間で、フランスは233人と多い状況が続いていて、デルタ株の時期にピークだった2021年8月下旬のおよそ110人を上回っています。

    ドイツは、2022年1月下旬には死亡者数が減って1週間平均で140人ほどでしたが、感染が再び急激に広がっていて、現在は204人と再び増えています。

    どんな人が重症化?

    重症化している人は高齢者や、基礎疾患のある人が多いとされています。

    2月24日の厚生労働省の専門家会合では、大阪府で2021年12月17日から2022年2月17日までに重症化したケースを分析した結果が報告されました。

    それによりますと、
    ▽基礎疾患がある人が重症化した率は2.33%と、
    ▽基礎疾患がない人の0.05%より大幅に高くなっていました。

    ここでは、重症化リスクの高い基礎疾患がある患者として、糖尿病や心臓の病気、COPD=慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患の患者、人工透析を受けている患者、免疫抑制剤や抗がん剤などを使っている患者を挙げています。

    年代別に見ると、基礎疾患があっても
    ▽10代から40代では重症化したのは1%未満だったのに対し、
    ▽50代では1.25%、
    ▽60代で2.14%、
    ▽70代で3.71%、
    ▽80代で3.38%、
    ▽90代で1.63%、
    ▽100歳代4.00%などとなっていました。

    死亡に至った率は、
    ▽基礎疾患がなかった場合は0.04%で、
    ▽基礎疾患があった場合は2.82%となっていました。

    また、専門家会合では、広島県で重症化したり死亡したりした割合を調べたデータも報告されました。

    それによりますと、感染が判明したときに軽症だった人が、重症化したり死亡したりした割合は第6波では0.4%で、第5波の0.8%より下がっていました。

    当初は軽症でも、重症化したり死亡したりした割合は、
    ▽年齢が80歳以上だと4.4%、
    ▽糖尿病だと2.1%、
    ▽心臓や血管の病気だと2.7%、
    ▽COPDだと5.5%、
    ▽がんだと2.3%、
    ▽認知症だと3.7%となっていました。

    「BA.2」 1月までで0.6%だが…

    感染状況に影響する可能性があり、注視されているのが、オミクロン株の系統の1つで「BA.2」と呼ばれる変異ウイルスです。

    日本国内でも市中での感染が報告されています。

    世界中で感染が広がっているオミクロン株「BA.1」は、ウイルスの表面にある突起部分「スパイクたんぱく質」の一部に欠けている部分がありますが、「BA.2」ではこの欠けている部分がないことが分かっています。

    海外の一部で行われている検査方法ではオミクロン株を検出できないことがあり、「ステルス・オミクロン」と呼ばれることもありますが、日本では別の方法で調べていて検出できるため、この呼び方は当たらないとされています。

    ただ、「BA.1」か「BA.2」か区別するには遺伝情報を解析する必要があります。

    国立感染症研究所などが2月16日に発表した調査結果では、国内では、「BA.2」は2021年の年末から1月30日までに全国で合わせて94件報告されていて、オミクロン株全体に占める割合はおよそ0.6%だということですが、遺伝子解析に時間がかかることがあり、暫定的な結果だとしています。

    理論疫学が専門の京都大学の西浦博教授は、2月24日に開かれた厚生労働省の専門家会合のあと、BA.2の分析について、「現在までに日本での『BA.2』の広がりの実態をリアルタイムで把握できていない。部分的なサンプル調査で十分なので、全国的な調査が必要だ」とコメントしています。

    「BA.2」の感染力は? 重症化は?

    「BA.2」は感染力が、さらに高いとみられています。

    デンマークの保健当局のもとにある研究所によりますと、「BA.2」は、2021年の年末の1週間ではデンマーク国内で検出される新型コロナウイルスの20%ほどだったのが、2022年1月中旬から下旬の1週間では66%ほどになったとしています。

    また、イギリスの保健当局によりますと、イギリスでも「BA.2」とみられる変異ウイルスは、2022年1月24日は5.1%だったのが、2月6日には18.7%になったとしています。

    感染した人1人が発症し、次に感染した人が発症するまでの間隔、「発症間隔」は、デルタ株では平均4.09日だったのが、オミクロン株の「BA.1」では平均3.72日、「BA.2」では平均3.27日と「BA.1」より半日程度短くなっていて、感染拡大スピードが速いことに関わっている可能性があるとしています。

    一方、東京医科歯科大学のグループは、日本国内でオミクロン株に感染した40人を分析した結果として、7割以上が「BA.1.1」という、「BA.1」系統のウイルスだったと発表しました。

    デンマークなど「BA.1」が主流の国では「BA.2」への置き換わりが早く進んだ一方、「BA.1.1」が主流の国では置き換わりが遅い可能性があると指摘し、引き続き分析する必要があるとしています。

    厚生労働省の専門家会合は2月24日、「いまのところ兆候は見られないが、今後置き換わることで再度感染が増加に転じる可能性に注意が必要だ」としています。

    「BA.2」は入院のリスクに差がないという報告も、海外から出ています。

    デンマークの研究所の報告によりますと、入院のリスクに差はなく、「BA.1」に感染したあと、「BA.2」に再感染したケースも47例報告されていますが、ほとんどがワクチンを打っていなかった若い世代で、症状は軽く、入院した人はいなかったとしています。

    イギリスの保健当局は、データはまだ限られているとしながらも、「BA.1」に感染したあと、「BA.2」に再感染したケースは報告されていないとしています。

    また、WHOは「BA.2」による重症化リスクは、「BA.1」より上がっているとする根拠はないとしています。

    ワクチンの効果について、イギリスの保健当局は、ワクチンで発症を防ぐ効果は、
    ▽2回接種から25週以上、およそ半年以上たったあとでは、「BA.1」では9%だったのが、「BA.2」では13%、
    ▽3回目の追加接種から2週間たった後では、「BA.1」の63%に対し、「BA.2」では70%で、ワクチンの効果に違いはなかったとしています。

    上気道の炎症起こしやすく せきやのど、鼻の症状も

    オミクロン株について、WHO=世界保健機関は、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、多くの人にとっては、肺まで達して重症化するリスクはほかの変異ウイルスより低いとしています。

    国立感染症研究所は1月24日時点で、新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステム「HER-SYS」に登録された3600人余りのデータを出しています。

    届け出の時点でオミクロン株でみられる症状は
    ▽発熱が66.6%、
    ▽せきが41.6%、
    ▽全身のけん怠感が22.5%、
    ▽頭痛が21.1%、
    ▽せき以外の呼吸器症状が12.9%、
    ▽吐き気やおう吐が2.7%、
    ▽下痢が2.3%などとなっています。

    これまで、新型コロナウイルスで特徴的にみられた嗅覚障害や味覚障害を訴えた人は0.8%でした。

    このほかの国内や海外の調査でも、せきやのどの痛み、鼻水や鼻づまりの症状が見られていて、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、花粉症の症状と紛らわしいとして、毎年花粉症で悩まされている人は、症状が出る前に早めに医療機関を受診しておくよう呼びかけています。

    オミクロン株の後遺症 検証はこれから

    オミクロン株に感染したあと、後遺症がどの程度出るのか、各国で関心が高まっていますが、まだはっきり分かっていません。

    「Long COVID」と呼ばれる新型コロナウイルスの後遺症について、WHOは「発症から3か月後から始まり、少なくとも2か月は続く症状」としています。

    従来の新型コロナウイルスでは、感染を経験した10%から20%ほどで、けん怠感や息切れ、認知機能障害などの後遺症がみられ、「一般的に日常生活に影響を及ぼす」としています。

    また、「感染初期の重症度と、その後に後遺症が現れるかどうかに関連はないようだ」としています。

    オミクロン株が南アフリカで初めて報告されてから、まだ3か月余りしかたっておらず、後遺症については今後、検証が進むとみられます。

    “オミクロン株後”の議論も

    イギリス政府に対して感染症対策の科学的なアドバイスを行う専門家グループは1月26日、今後の中長期的な見通しについてまとめた声明を発表しました。

    その中では、新たな変異ウイルスの予測は難しいものの、将来的に再び流行の波が訪れることはほぼ確実で、病原性が軽くなるとは限らないとしています。

    そして、流行を予測できるような状態になるのは何年も先になる可能性もあるとして、感染状況を把握して報告するモニタリングとサーベイランスの仕組みを維持する必要があるとしています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    ▽感染力
    WHOの週報では、オミクロン株はこれまでの変異ウイルスよりも感染が拡大しやすくなっているとしています。

    ▽病原性
    オミクロン株では、入院に至るリスクや重症化リスクがデルタ株に比べて低いとされています。

    ただ、感染拡大の規模が大きく、入院者数や重症化する人も増えていて医療機関への負荷は大きくなっています。

    ▽再感染のリスク
    WHOは、オミクロン株ではワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクは、デルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

    ▽ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)
    オミクロン株に対しては、ワクチンの効果が下がりますが、ワクチンの3回目の追加接種によって、再び効果が上がるとされています。

    イギリスの保健当局のデータでは、オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで、2回の接種から20週を超えると10%程度に下がっていましたが、ファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりました。

    重症化して入院するリスクを下げる効果は、発症を防ぐ効果より高くなっています。

    ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと、2週以降だと88%となっていました。

    アメリカのCDCのデータでは、ワクチンを打っていない人と比較して、ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」で入院を防ぐ効果は、デルタ株の時期には、3回目の追加接種のあとだと、2か月までだと96%、4か月以上たっても76%でした。

    オミクロン株の時期には、2回目の接種から2か月までだと入院を防ぐ効果は71%、5か月以上たつと54%となっていましたが、3回目の接種を行うとオミクロン株に対しても入院を防ぐ効果は上がり、接種から2か月以内だと91%、4か月から5か月でも78%になっていました。

    CDCは、3回目の接種が重要で、未接種者はできるだけ早くワクチンを接種する必要があるとしています。

    治療薬の効果重症化を防ぐために感染した初期に投与される「抗体カクテル療法」は、効果が低下するとされ、厚生労働省はオミクロン株では投与を推奨しないとしています。

    一方で、軽症患者用の飲み薬「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」や、新たに承認された「パキロビッドパック(一般名ニルマトレルビル/リトナビル)」、それに軽症から重症の患者まで投与される「レムデシビル」など、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないと考えられています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    専門家は

    今後の見通しについて厚生労働省の専門家会合の脇田隆字座長は、2月24日の会合のあと「新規感染者数の減少傾向を保つことが、医療の状況の改善につながるが、今は、ぎりぎり減少傾向になっている状態だ。今後、人々の接触機会が増えるなど、少しのきっかけで、再び増加傾向になって医療への負荷につながると考えられる。感染状況を改善させて、それを継続させることが非常に重要だ」と述べました。

    また、海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「BA.2」について、「今の時点では国内で『BA.2』が広がっている状況では無いと考えられる。海外からは『BA.2』によって、重症者が増えたり、ワクチンが『BA.1』よりも効かなくなったりしたという報告はなく、対策としては変わらないと考えられる。ただ、『BA.2』が広がる国とそうなっていない国があり、どうして違うのか、詳しい理由はまだ分かっておらず、国内でも広がると流行が長引くなどの可能性は否定できないため、今後、十分に監視を強めていく必要がある」と話しています。

    対策は変わらない

    オミクロン株でも、感染経路はこれまでと変わらず、飛まつによる感染、「マイクロ飛まつ」や「エアロゾル」と呼ばれる密閉された室内を漂う、ごく小さな飛まつが主となっています。

    ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染もあります。

    オミクロン株でも、飲食店での職場同僚との忘年会や、自宅での親族との会食など、飲食を通じた感染が見られたほか、職場での密な環境での作業を通じて感染するケースも報告されています。

    政府分科会の尾身茂会長は、マスクを外した状況や「鼻マスク」など着用が不十分な状況での感染が思っていたよりもはるかに多いとして、不織布マスクで鼻までしっかり覆ってほしいと呼びかけています。

    厚生労働省の専門家会合は、ワクチンの接種に加え、これまでも多くの人が集まる行事で感染が拡大したことから、これから卒業式や春休みなど、行事が行われる年度末に向け、1つの密でも避け、外出の際には混雑した場所や感染リスクの高い場面を避けることや、不織布マスクの正しい着用や手指の消毒、換気といった感染対策の徹底を呼びかけています。

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    オミクロン株 40代で急激に悪化も“ワクチン・対策徹底を”(2/24)

    2022年2月24日

    新型コロナウイルスのオミクロン株が広がった感染拡大の第6波では、重症化するのは高齢者がほとんどとされてきましたが、重症患者の治療を行ってきた東京の病院では、40代や50代でも急激に呼吸状態が悪くなって重症化する人が出ているとして、医師はワクチンの追加接種を行うとともに感染対策を徹底するよう訴えています。

    新型コロナの重症患者の治療の中核を担っている国立国際医療研究センターでは、2月に入ってから40人から50人前後が入院する状態が続いていて、このうちの5人前後が重症で、この2週間ほどで増えてきているということです。

    オミクロン株が拡大した2022年1月以降は、70代以上の高齢者で感染したことで持病が悪化して重症化する人が多かったということですが、この2週間では40代や50代でも新型コロナウイルスそのものによる肺炎で重症化した人が2人いるなど、重症化するのは高齢者だけではないとしています。

    センターの森岡慎一郎医師は「50代、40代で基礎疾患があったり、ワクチンを1回も打っていなかったりする人たちがコロナの肺炎で急激に呼吸の状態が悪くなることが散見され、医療現場として非常に怖いことだと感じている。東京都内の新規感染者数はピークアウトしているが、患者さんの重症度が上がっていて、現場ではこれからピークが来るのではないかと考えている。オミクロン株を甘く見ずに、一人ひとりが自分のこととして捉え、まずはワクチンをしっかり2回打ち、3回目のブースター接種も行って、感染対策に気をつけながら生活することが大事になる」と話しています。

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    「BA.2」国内で94件報告 オミクロン株全体の約0.6%に 感染研(2/23)

    2022年2月23日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の一種「BA.2」について、国立感染症研究所などの調査で、国内ではこれまでに少なくとも94件報告されていて。オミクロン株全体のおよそ0.6%となっています。

    国立感染症研究所などが行っている新型コロナウイルスの遺伝子解析による調査によりますと、2月16日時点の発表で、オミクロン株の「BA.2」のウイルスは、2021年の年末から1月30日までに、全国で合わせて94件報告されているということです。

    一方、現在、流行の主流になっている「BA.1」のウイルスは、同じ期間に1万6000件余りが検出されていて、オミクロン株全体に占める「BA.2」の割合はおよそ0.6%だということです。

    ただ、遺伝子解析の報告に時間がかかることがあるため暫定的な結果だとしていて、割合についても地域ごとに異なる可能性があるとしています。

    国立感染症研究所では、引き続き遺伝子の調査を通じて「BA.2」の動向を監視していくということです。

    専門家「今後、十分に監視強めていく必要」

    オミクロン株の一種「BA.2」の国内の状況について、海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「調査結果を見るかぎりは、今の時点では国内で『BA.2』が広がっている状況では無いと考えられる。海外からは『BA.2』によって、重症者が増えたり、ワクチンが『BA.1』よりも効かなくなったりしたという報告はなく、対策としては変わらないと考えられる。ただ、『BA.2』が広がる国とそうなっていない国があり、どうして違うのか詳しい理由はまだ分かっておらず、国内でも広がると流行が長引くなどの可能性は否定できないため、今後、十分に監視を強めていく必要がある」と話しています。

    さらに研究必要も「BA.2」は「BA.1」より強い症状の可能性

    新型コロナウイルスのオミクロン株の一種「BA.2」と呼ばれるウイルスについて、東京大学などのグループが培養細胞などを使って実験したところ、現在主流となっている「BA.1」に比べて症状を引き起こす力が強くなっている可能性があることが分かりました。

    これは東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授らのグループが、第三者のチェックを受ける前の「査読前論文」としてインターネット上で公表しました。

    グループでは「BA.2」のスパイクたんぱく質の特徴を再現したウイルスを人工的に作製し、培養細胞に感染させて反応を調べました。

    その結果「BA.2」を再現したウイルスでは、感染した際に周辺にある細胞を壊す力が、デルタ株よりは弱いものの、「BA.1」と比べて1.5倍に高まっていたということです。

    さらにハムスターに感染させる実験では「BA.1」では肺からはウイルスが検出されず体重は減りませんでしたが、「BA.2」を再現したウイルスでは肺からもウイルスが確認され、体重が減少する傾向がみられました。

    グループでは、人工的に作製したウイルスでの実験のため、実際の症状がどうなるかについてはさらに研究が必要だとしたうえで、「BA.2」は「BA.1」よりも強い症状を引き起こす可能性があるとしています。

    佐藤准教授は「実験からは『BA.2』は特性が違うことが示唆される。この2つのウイルスは別のウイルスとして、それぞれ対処する必要があるのではないか」と話しています。

    海外の研究では入院リスクなどに差がないと報告

    デンマークなど海外の研究では、「BA.2」は「BA.1」と比べて入院のリスクなどに差が見られないことが報告されています。

    佐藤佳准教授によりますと、海外からの入院のリスクなどについての報告はワクチンの3回目の接種が一定程度進んでいる中でのデータであり、ワクチンによって重症化を防ぐことができている可能性があるということです。

    今回の研究結果は人工的に再現したウイルスを使った培養細胞や動物での実験のため、実際のヒトでどのような症状がでるかについては慎重に判断する必要があるものの、ウイルス自体の特性としては「BA.1」よりも「BA.2」の方が重症化につながる症状を引き起こしやすいおそれがあり、注意が必要だということです。

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    大阪府 オミクロン株「BA.2」13人の感染確認 3人は市中感染か(2/22)

    2022年2月22日

    大阪府は新型コロナへの感染が確認された患者についてゲノム解析を行った結果、これまでに13人が、オミクロン株の一種で感染力がさらに高いと指摘されている「BA.2」と呼ばれるウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
    このうち3人は感染経路が分かっておらず、市中感染とみられるということです。

    「BA.2」はオミクロン株の一種で、現在、流行の主流になっているものとは異なる系統のウイルスで、国内では兵庫県や東京都などでも確認されていました。

    これについて、大阪府の吉村知事は2月22日、記者団に対し、新型コロナへの感染が確認された府内の患者3000人余りを対象にゲノム解析を行った結果、2月21日までに合わせて13人の感染が確認されたことを明らかにしました。

    このうち、2月16日から18日の間に確認された3人は、海外渡航歴がなく、感染経路が分かっておらず、市中感染とみられるということで、吉村知事は「今後、市中感染が広がる可能性が高いと認識している」と警戒感を示しました。

    一方、吉村知事は国から医師や看護師らの派遣を受けて、大阪市内のホテルに開設した高齢者用の臨時の医療施設について、2月21日から24時間体制の本格運用を始めたことを明らかにしました。

    また、数日中に高齢者専用の宿泊療養施設2か所の運用も開始し、3つの施設合わせて600床で高齢の患者の受け入れを進めていく方針も公表しました。

    吉村知事は「高齢者に早期治療を行うことで重症化を防ぐとともに、一度入院した人の退院後の受け入れ先としても活用することで、病床のひっ迫を防ぎたい」と述べました。

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    オミクロン 症状 後遺症は ピークは わかってきたこと(2/16)

    2022年2月16日

    急拡大してきた新型コロナウイルスの新規感染者数は全国的に減少し始めてきています。

    ただ、減少のスピードは鈍く、重症者数や死亡者数は増える傾向が続いています。

    オミクロン株の症状、後遺症は。
    そして専門家からも聞こえ始めた「感染がピークアウトした」との指摘は。

    わかってきたことをまとめました。

    (2022年2月16日現在)

    デルタ株の半分の期間で2倍以上の感染者数

    オミクロン株による感染拡大の第6波で、新規感染者数の増加は1か月余りにわたって続いてきました。

    感染者数は、デルタ株が広がった2021年夏の感染の第5波でも、7月から9月までの3か月間で90万人ほどでした。

    第6波では、ことしに入ってからの1か月半で230万人を超えました。

    デルタ株の時期の半分の期間で2倍以上の感染者数と、格段に大きな感染拡大になっています。

    それが、2022年2月中旬になって、報告される感染者数が減少する傾向が見え始めました。
    2月15日の時点で、前の週と比較した全国の1週間の新規感染者数は0.90倍となり、専門家からは「感染はピークを越えた」という指摘も出始めました。

    日本国内でもっと早く感染が拡大した沖縄県では、1月18日に1週間平均の感染者数がおよそ1440人と最も多くなったあと、減少に転じました。

    しかし、2月15日でもおよそ560人となっています。

    1月前半の2週間では、感染者数が一気に40倍になるという急拡大でしたが、その後の1か月でピーク時の半分以下にはなったものの、減少に向かうスピードは緩やかになっています。

    日本より先に感染が拡大した海外の傾向を見ると、イギリスでは、1週間の新規感染者数が、1月10日前後に100万人を超えたあと、1月18日までの1週間ではおよそ67万4000人と、前の週と比べておよそ40%減少しました。

    その後、2週間ほど横ばいが続きましたが、2月15日までの1週間では36万8000人余りと再び減少しています。

    アメリカでは、CDC=疾病対策センターによりますと、1月10日に1日の新規感染者数が130万人を超え、1週間平均で80万人を超えました。

    その後、次第に減少傾向となり、2月14日の時点では1週間平均の新規感染者数が14万6000人余りと、減ってきています。

    海外では、ワクチンの追加接種の接種率がイギリスでは55.5%、アメリカでは27.7%あり、さらに感染拡大の規模が日本よりも大きく、免疫のある人が多くなっていることも、感染が急速に減ってきた背景にあるのではないかと考えられています。
    (データはOur World in Data 2月14日時点)

    死亡者数は第5波上回るおそれ

    国内での感染者数は、オミクロン株が広がった2022年1月から2月15日までの1か月半でおよそ233万7000人にのぼります。

    この間、2367人が亡くなっていて、致死率はおよそ0.10%となっています。

    重症化しにくいとされてきたオミクロン株ですが、感染規模があまりにも大きいため、重症者数や死亡者数も多くなっています。

    1日に報告される亡くなった人の数は、3週間前の2022年1月26日には34人でしたが、2月4日には103人と100人を超え、2月8日は159人、2月15日には236人と過去最多を更新しています。

    デルタ株が広がった時期で最も多かった2021年9月8日の89人よりも多い状態が続いています。

    これまでの感染拡大では、感染者数のピークからおよそ2週間遅れて重症者数、その後、死亡者数がピークとなっています。

    デルタ株の時期では、2021年8月から10月の3か月間に3073人が亡くなっていて、オミクロン株が主体の第6波で上回るおそれもあります。

    国内では、デルタ株が広がった2021年夏の第5波は、ワクチンの接種が進んだタイミングだったため、ワクチンによって多くの高齢者の死亡を防ぐことができたとされています。

    2回のワクチン接種で一定程度は重症化を防ぐ効果があるとはいえ、接種から時間がたって効果が下がってきたところにオミクロン株の感染が高齢者にも拡大し、重症化する人も増えていると考えられています。

    病床の使用率は日に日に上がってきていて、2月15日時点で、大阪府では84.3%、東京都では58.8%などとなっています。

    沖縄県では48%で少しずつ減少しています。

    さらに、新型コロナウイルス以外の救急患者の搬送が難しくなるケースも出ていて、総務省消防庁のまとめによりますと、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上など「搬送が困難な事例」の数は、2月13日までの1週間で5740件で、5週連続で過去最多を更新しています。

    アメリカでは、CDCのデータによりますと、報告が少なくなる週末を除き、1日に報告される死亡者数が2000人を超える日が続いています。

    CDCは、オミクロン株では重症度は低いものの、入院患者などが多くなっていて、医療体制に負荷がかかり、死亡者数も相当な数になっているとしています。

    イギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイト、「アワ・ワールド・イン・データ(Our World In Data)」によりますと、1日当たりの死亡者数は、2月14日までの1週間には
    ▽アメリカで2300人余り、
    ▽フランスで320人余り、
    ▽日本で150人余りなどとなっています。

    デルタ株の時期では、
    ▽アメリカでは2021年9月下旬のおよそ2000人、
    ▽フランスでは8月下旬のおよそ110人がピークで、現在は当時の水準を超えています。

    行動制限の緩和に踏み切ったデンマークは、人口はおよそ581万人と兵庫県とほぼ同じ規模ですが、1日に報告される死亡者数は2月14日で41人で、これまでデンマークで最も多かった2021年1月の水準に並んでいます。

    どんな人が重症化?

    重症化している人は高齢者や、基礎疾患のある人が多いとされています。

    厚生労働省の専門家会合に出された資料によりますと、2022年1月1日から20日までに、肺炎が悪化して酸素投与が必要な「中等症2」以上になった割合は、重症化のリスク因子がない人では0.09%でしたが、リスク因子がある人では1.22%と13倍以上になっていました。

    リスク因子として挙げられているのは、「慢性閉塞性肺疾患」、「糖尿病」、「脂質異常症」、「高血圧症」、「慢性腎臓病」、「がん」、「肥満」、「喫煙」で、中等症2以上になった割合は
    ▽リスク因子が1つだと0.81%、
    ▽2つだと2.13%、
    ▽3つだと3.63%、
    ▽4つ以上だと4.70%と高くなっていました。

    また、年齢別にみると、
    ▽リスク因子が1つでもある人で40歳未満では、0.155%、
    ▽40代では0.37%、
    ▽50歳から64歳では0.61%、
    ▽65歳以上だと4.43%と、年齢が上がるほど高くなっていました。

    ワクチン追加接種で入院リスク大幅↓

    ワクチンの追加接種の効果について、新たなデータがCDCから発表されました。

    CDCは、2021年8月下旬から2022年1月下旬までにアメリカ各地にある病院で救急の外来を訪れた患者およそ24万人と、入院した患者およそ9万3000人のデータをもとに、18歳以上についてワクチンの効果を分析した結果を2月11日付けの週報に発表しました。

    それによりますと、ワクチンを打っていない人と比較して、ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」で入院を防ぐ効果は、デルタ株の時期には、3回目の追加接種のあと、2か月までだと96%、4か月以上たっても76%ありました。

    これがオミクロン株の時期には、2回目の接種から2か月までだと入院を防ぐ効果は71%、5か月以上たつと54%となっていましたが、3回目の接種を行うとオミクロン株に対しても入院を防ぐ効果は上がり、接種から2か月以内だと91%、4か月から5か月でも78%になっていました。

    CDCは、3回目の接種が重要で、未接種者はできるだけ早くワクチンを接種する必要があるとしています。

    上気道の炎症起こしやすくせきやのど 鼻の症状も

    オミクロン株について、WHO=世界保健機関は、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、多くの人にとっては、肺まで達して重症化するリスクはほかの変異ウイルスより低いとしています。

    国立感染症研究所は1月24日時点で、新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステム「HER-SYS」に登録された3600人余りのデータを出しています。

    届け出の時点でオミクロン株でみられる症状は
    ▽発熱が66.6%、
    ▽せきが41.6%、
    ▽全身のけん怠感が22.5%、
    ▽頭痛が21.1%、
    ▽せき以外の呼吸器症状が12.9%、
    ▽吐き気やおう吐が2.7%、
    ▽下痢が2.3%などとなっています。

    これまで、新型コロナウイルスで特徴的にみられた嗅覚障害や味覚障害を訴えた人は0.8%でした。

    このほかの国内や海外の調査でも、せきやのどの痛み、鼻水や鼻づまりの症状が見られていて、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、花粉症の症状と紛らわしいとして、毎年花粉症で悩まされている人は、症状が出る前に早めに医療機関を受診しておくよう呼びかけています。

    感染 子どもと高齢者が増加

    オミクロン株では、子どもと高齢者の感染が多くなっています。

    厚生労働省のウェブサイトによりますと、10歳未満の新規感染者数は、
    ▽2021年12月28日までの1週間では149人でしたが、
    ▽2022年1月4日まででは353人、
    ▽1月11日まででは2238人、
    ▽1月18日まででは1万2947人、
    ▽1月25日まででは4万1863人、
    ▽2月1日まででは6万7564人、
    ▽2月8日まででは7万6856人と増加が続いています。

    アメリカでは、2022年に入ってから、およそ450万人の子どもの感染が確認されています。

    2月10日までの1週間の子どもの新規感染者数はおよそ30万人で、ピークだった1月20日までの1週間のおよそ115万人からは大きく減少しました。

    それでも、デルタ株の時期よりも多いということです。

    アメリカ小児科学会は、子どもで症状が重くなり入院に至る率は0.1から1.5%、死亡率は0から0.01%だと報告しています。

    また、高齢者の感染者数も増加しています。

    60代以上の感染者数は、
    ▽2021年12月28日までの1週間では379人でしたが、
    ▽2022年1月4日まででは513人、
    ▽1月11日まででは3685人、
    ▽1月18日まででは1万3867人、
    ▽1月25日まででは3万5500人、
    ▽2月1日まででは6万0732人、
    ▽2月8日まででは7万5969人となっています。

    亡くなる人は圧倒的に高齢者が多く、厚生労働省のまとめでは、1月5日から2月8日までのおよそ1か月で亡くなった817人のうち、
    ▽90代以上が34.4%、
    ▽80代が36.6%、
    ▽70代が19.6%、
    ▽60代が4.0%で、
    ▽60代以上が94.6%を占めています。

    政府分科会の尾身茂会長は2月10日、「オミクロン株では、感染の場は飲食店だけでなく家庭や職場などにも多様化している。感染者の年代は10代以下と高齢者に二極化していて、一部の人は重症化している。メリハリをつけて重症化するリスクのある人に重点を置く医療・保健体制が必要で、感染対策も飲食店だけでは意味がなく、幅広い対策にシフトする必要がある」と述べました。

    オミクロン株の後遺症 検証はこれから

    オミクロン株に感染したあと、後遺症がどの程度出るのかについてはまだ分かっていません。

    「Long COVID」と呼ばれる新型コロナウイルスの後遺症について、WHOは「発症から3か月後から始まり、少なくとも2か月は続く症状」としています。

    従来の新型コロナウイルスでは、感染を経験した10%から20%ほどで、けん怠感や息切れ、認知機能障害などの後遺症がみられ、「一般的に日常生活に影響を及ぼす」としています。

    また、「感染初期の重症度と、その後に後遺症が現れるかどうかに関連はないようだ」としています。

    オミクロン株が南アフリカで初めて報告されてから、まだ3か月ほどしかたっておらず、後遺症の研究はこれからです。

    海外でも関心が高まっていて、検証が進むとみられます。

    「BA.2」でわかってきたこと

    オミクロン株の系統の1つで「BA.2」と呼ばれる変異ウイルスは、国内でも、検疫だけでなく市中で報告され始めています。

    ただ、国立感染症研究所が厚生労働省の専門家会合に2月15日に示した資料によりますと、2月第1週の時点で、「持続的な置き換わりは観察されていない」としています。

    世界中で感染が広がっているオミクロン株「BA.1」は、ウイルスの表面にある突起部分「スパイクたんぱく質」の一部に欠けている部分がありますが、「BA.2」ではこの欠けている部分がないことが分かっています。

    海外の一部で行われている検査方法ではオミクロン株を検出できないことがあり、「ステルス・オミクロン」と呼ばれることもありますが、日本では別の方法で調べていて検出できるため、この呼び方は当たらないとされています。

    「BA.2」は感染力がさらに高いとみられています。

    デンマークの保健当局のもとにある研究所によりますと、「BA.2」は、2021年の年末の1週間ではデンマーク国内で検出される新型コロナウイルスの20%ほどだったのが、2022年1月中旬から下旬の1週間では66%ほどになったとしています。

    イギリスの保健当局によりますと、イギリスでも「BA.2」とみられる変異ウイルスは、2022年1月24日は5.1%だったのが、2月6日には18.7%になったとしています。

    この間、「BA.1」は1月24日の94.9%から、2月6日には81.3%と割合が下っています。

    感染した人1人が発症し、次に感染した人が発症するまでの間隔、「発症間隔」は、デルタ株では平均4.09日だったのが、オミクロン株の「BA.1」では平均3.72日、「BA.2」では平均3.27日と「BA.1」より半日程度短くなっていて、感染拡大スピードが速いことに関わっている可能性があるとしています。

    その一方で、データはまだ限られているとしながらも、「BA.1」に感染したあと、「BA.2」に再感染したケースは報告されていないとしています。

    専門家は、「BA.2」の影響で、感染がなかなか減っていかないおそれもあるとしています。

    WHOによりますと、「BA.2」による重症化リスクは、「BA.1」より上がっているとする根拠はないとしています。

    また、ワクチンの効果について、イギリスの保健当局は、ワクチンで発症を防ぐ効果は、2回接種から25週以上、およそ半年以上たったあとでは「BA.1」では9%だったのが、「BA.2」では13%、3回目の追加接種から2週間たった後では「BA.1」の63%に対し、「BA.2」では70%で、ワクチンの効果に違いはなかったとしています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    ▼感染力

    WHOの週報では、オミクロン株はこれまでの変異ウイルスよりも感染が拡大しやすくなっているとしています。

    ▼病原性

    オミクロン株では、入院に至るリスクや重症化リスクがデルタ株に比べて低いとされています。

    ただ、感染拡大の規模が大きく、入院者数や重症化する人も増えていて医療機関への負荷は大きくなっています。

    ▼再感染のリスク

    WHOは、オミクロン株ではワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクは、デルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

    ▼ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    イギリスの保健当局のデータでは、オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで、2回の接種から20週を超えると10%程度に下がっていましたが、ファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりました。

    重症化して入院するリスクを下げる効果は、発症を防ぐ効果より高くなっています。

    ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと、2週以降だと88%となっていました。

    ▼治療薬の効果

    重症化を防ぐために感染した初期に投与される「抗体カクテル療法」は、効果が低下するとされ、厚生労働省はオミクロン株では投与を推奨しないとしています。

    一方で、軽症患者用の飲み薬「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」や、新たに承認された「パキロビッドパック(一般名ニルマトレビル/リトナビル)」、それに軽症から重症の患者まで投与される「レムデシビル」など、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないと考えられています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    専門家は

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は「拡大傾向はいま落ち着きつつあるが、多くの地域で高止まりしていて、本当に減少局面に入るかどうかもう少し注視が必要だ。オミクロン株でも、特に75歳以上の高齢者では、感染すると重症化し、亡くなる人も増えてきている。高齢者施設での感染が依然として多いので、こうした場所で3回目のワクチン接種をどれくらい速く行えるかも今後の重要なポイントだ」と話しています。

    また、厚生労働省クラスター対策班参与で、数理モデルに詳しい古瀬祐気医師は「感染状況はピークが見えてきたところかなと思っている。通常の医療が提供できなくなってきたところが出始めたことに市民が気付き、いまは我慢するときだと行動を変えたことが背景にあるのではないか。ただ、3月には卒業や入学、入社や異動、歓送迎会など人との接触が多くなる季節がやってくるので、感染者数が減りきらないまま流行が長引いたり、すぐに第7波が始まったりする可能性もある。特に、まだ1回目、2回目のワクチンを打っていない人は、オミクロン株に感染しても良い免疫ができないと言われているので、いまからでも接種してほしい」と話しています。

    対策は変わらない

    どこで感染してもおかしくない状況が続く中、専門家は対策をより徹底するよう呼びかけています。

    オミクロン株でも、感染経路はこれまでと変わらず、飛まつによる感染、「マイクロ飛まつ」や「エアロゾル」と呼ばれる密閉された室内を漂う、ごく小さな飛まつが主となっています。

    ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染もあります。

    オミクロン株でも、飲食店での職場同僚との忘年会や、自宅での親族との会食など、飲食を通じた感染が見られたほか、職場での密な環境での作業を通じて感染するケースも報告されています。

    政府分科会の尾身会長は、マスクを外した状況や「鼻マスク」など着用が不十分な状況での感染が思っていたよりもはるかに多いとして、不織布マスクで鼻までしっかり覆ってほしいと呼びかけています。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種に加えて、特に会話時などでのマスクの着用、消毒や手洗い、換気や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    オミクロン株 少なくとも4経路で国内に入ったか 感染研が解析(2/13)

    2022年2月13日

    国立感染症研究所が国内で検出された新型コロナウイルスのオミクロン株の遺伝情報を詳しく解析したところ、これまでに少なくとも4つの経路で国内に入ってきた可能性があることがわかりました。

    国立感染症研究所は1月17日までに国内で詳細な遺伝情報が報告された新型コロナウイルスのオミクロン株、2650例について解析しました。

    その結果、国内のオミクロン株は、少なくとも4つのグループがあり、それぞれ異なる経路で海外から入ってきた可能性があることが分かったということです。

    このうちの1つは国内で流行の主流となっているウイルスで、アメリカで多く検出されているのと同じか近い系統のウイルスだということです。

    また、九州地方で確認されたあと関東など全国に広がったウイルスは、アメリカやイギリスで検出される系統と同じか近いウイルスで、関東地方や東北地方で感染が広がったウイルスはヨーロッパやアジアで検出が多い系統に近い種類だということです。

    一方、2021年12月下旬から関西地方で広く検出されたウイルスはその後、感染が広がっておらず、クラスター対策などにより、収束したと考えられるということです。

    国立感染症研究所は「遺伝情報の解析結果を疫学調査とあわせて分析することで、オミクロン株の感染経路や感染拡大のメカニズムに関する理解を深めることに役立つと考えられる」としています。

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    オミクロン株 重症者増 BA.2の影響は わかってきたこと(2/9)

    2022年2月9日

    重症化しにくいとされてきたオミクロン株。しかし、感染者数は過去最多の水準が続く中、重症患者が増え続けています。

    一日に報告される亡くなった人の数は100人を超え、デルタ株が拡大した感染の第5波のときのピークより多くなっています。

    どんな人が重症化しているのか。

    感染を抑える目的で出されたまん延防止等重点措置の効果は、オミクロン株でも出ているのか。

    国内でも報告され始めた、異なる系統のオミクロン株「BA.2」の感染状況への影響は。

    わかってきたことをまとめました。

    (2022年2月9日現在)

    一日の死亡者数 デルタ株の時期を超える

    オミクロン株によって引き起こされた、今回の新型コロナウイルスの感染拡大。

    拡大のペースはやや鈍化してきたものの、過去最多の水準が続いています。

    一日に報告される亡くなった人の数は、2週間前の2022年1月26日には34人でしたが、2月4日には103人と100人を超え、2月9日には162人と過去最多を更新しました。

    デルタ株が広がった2021年の夏で最も多かった、2021年9月8日の89人より多くなっています。

    アメリカでは、CDC=疾病対策センターのまとめで、報告が少なくなる週末を除き、一日に報告される亡くなった人の数が2000人を越える日が続いています。

    CDCは、オミクロン株では重症度は低いものの、入院患者などが多くなっていて、医療体制に負荷がかかり、死亡者数も相当な数になっているとしています。

    イギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイト、「アワ・ワールド・イン・データ(Our World In Data)」によりますと、一日当たりの死亡者数は、2月8日までの1週間には

    ▽アメリカでおよそ2500人
    ▽フランスでおよそ330人
    ▽日本で100人余り
    などとなっています。

    デルタ株の時期では、
    ▽アメリカでは2021年9月下旬のおよそ2000人
    ▽フランスでは8月下旬のおよそ110人
    がピークで、現在は当時の水準を超えています。

    重症化しにくくても感染規模あまりに“大”

    重症患者の数も増え続けています。

    日本での重症患者の数は、2022年2月8日の時点で1141人となりました。

    これは、東京オリンピックの閉会式が行われた2021年8月8日の1138人と同じ水準です。

    このときは緊急事態宣言が6都府県に出されていました。

    オミクロン株について、WHO=世界保健機関は、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、多くの人にとっては、肺まで達して重症化するリスクはほかの変異ウイルスより低いとしています。

    2022年2月9日の厚生労働省の専門家会合に出された報告によりますと、大阪府で第6波の期間中、2月5日までに報告された感染者20万人近くについて分析すると、重症化率は0点08%となっています。

    同じく専門家会合では、沖縄の「宮古・八重山医療圏」で1月31日までに感染した2214人の症状を分析した結果も報告され、重症は0%、酸素投与が必要な中等症2は1.9%、息切れや肺炎が見られる中等症1は3.6%、軽症や無症状が94.5%でした。

    重症化する割合は低いものの、感染規模があまりに大きいため、重症者が増え、医療体制を圧迫しています。

    デルタ株が広がった2021年夏の感染の第5波は、ワクチンの接種が進んだタイミングだったため、多くの高齢者の死亡をワクチンで防ぐことができたとされています。

    2回のワクチン接種で一定程度は重症化を防ぐ効果があるとはいえ、接種から時間がたって効果が下がってきたところにオミクロン株が感染拡大し、重症化する人も増えていると考えられています。

    病床の使用率は日に日に上がってきていて、2月8日時点で、大阪府では81.4%、沖縄県では57.8%、東京都では55.8%などとなっています。

    さらに、新型コロナウイルス以外の一般の救急患者の搬送が難しくなるケースも出ていて、東京都内で最も重症な救急患者を診る大学病院では、通常の6割ほどしか患者を受け入れられないところも出てきています。

    どんな人が重症化?

    重症化している人は高齢者や、基礎疾患のある人が多いとされています。

    厚生労働省の専門家会合に出された資料によりますと、2022年1月1日から20日までに、肺炎が悪化して酸素投与が必要な「中等症2」以上になった割合は、重症化のリスク因子がない人では0.09%でしたが、リスク因子がある人では1.22%と13倍以上になっていました。

    リスク因子として挙げられているのは、

    「慢性閉塞性肺疾患」、「糖尿病」、「脂質異常症」、「高血圧症」、「慢性腎臓病」、「がん」、「肥満」、「喫煙」で、中等症2以上になった割合は
    ▽リスク因子が1つだと0.81%
    ▽2つだと2.13%
    ▽3つだと3.63%
    ▽4つ以上だと4.70%
    と高くなっていました。

    また、年齢別にみると、
    ▽リスク因子が1つでもある人で40歳未満では0.155%
    ▽40代では0.37%
    ▽50歳から64歳では0.61%
    ▽65歳以上だと4.43%
    と年齢が上がるほど高くなっていました。

    ワクチン追加接種で入院リスク大幅↓

    オミクロン株でも、ワクチンの追加接種で効果があると考えられています。

    1月21日には、アメリカのCDC=疾病対策センターが、入院を防ぐ効果はオミクロン株に対しても90%に上昇するという分析結果を公表しています。

    ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」の2回目の接種から6か月以上たった場合、入院を防ぐ効果は、デルタ株が優勢だった時期に81%だった一方、オミクロン株が優勢になった時期には57%でした。

    しかし、3回目の接種のあとではデルタ株の時期は94%、オミクロン株の時期は90%に上昇したということです。

    また、ワクチンの追加接種を受けていない人では、追加接種を受けた人に比べて入院する割合は大幅に高く、50歳から64歳で44倍、65歳以上で49倍になるという分析も合わせて公表しています。

    CDCは、症状の悪化を防ぐためには3回目の接種が重要で、未接種者はできるだけ早くワクチンを接種する必要があるとしています。

    上気道の炎症起こしやすくせきやのど 鼻の症状も

    オミクロン株では、これまでのデルタ株などととは症状の傾向が異なっています。

    国立感染症研究所は1月24日時点で、新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステム「HER-SYS」に登録された3600人余りのデータを出しています。

    届け出の時点でオミクロン株でみられる症状は
    ▽発熱が66.6%
    ▽せきが41.6%
    ▽全身のけん怠感が22.5%
    ▽頭痛が21.1%
    ▽せき以外の呼吸器症状が12.9%
    ▽吐き気やおう吐が2.7%
    ▽下痢が2.3%
    などとなっています。

    これまで、新型コロナウイルスで特徴的にみられた嗅覚障害や味覚障害を訴えた人は0.8%でした。

    また、国立感染症研究所が122人について疫学調査で詳しく調べた結果でも
    ▽せきが45.1%
    ▽37度5分以上の発熱が32.8%
    ▽のどの痛みが32.8%
    ▽鼻汁が20.5%で
    嗅覚障害や味覚障害はそれぞれ1%前後でした。

    のどの痛みを訴える人がこれまでより多く、においや味がしないと訴える人が少ないとされています。

    また、鼻水や鼻づまりの症状もあることから、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、毎年花粉症で悩まされている人は、症状が出る前に早めに医療機関を受診しておくよう呼びかけています。

    重点措置後、感染拡大スピード鈍化も…

    オミクロン株による感染拡大の対策として、まん延防止等重点措置が沖縄・広島・山口の3県に適用されてからすでに1か月たち、首都圏などに拡大されてから3週間近くとなります。

    厚生労働省の専門家会合に出されたデータでは、繁華街の夜間の人出は1月下旬の時点で、

    ▽沖縄県で2021年12月と比べて半減
    ▽広島県でも半減
    ▽山口県でも30%
    減少しました。

    また、
    ▽東京都では30%余り減少
    ▽愛知県では30%ほど
    減少しました。

    最初に重点措置が出された3県などでは感染の減少傾向がみえてきました。
    ただ、多くの地域では感染拡大のスピードは鈍化するにとどまっています。

    沖縄では、これまで一日の感染者数が最も多かったのは、1月15日の1829人で、そのとき人口10万人あたりは700人近くとなっていました。

    その後、減少していますが、3週間以上たった2月8日の時点でも人口10万人あたりでは290人余りです。

    デルタ株が広がった2021年夏のピーク時の320人余りをようやく下回った状態です。

    感染が収まっていくスピードはゆるやかですが、2月2日の専門家会合で京都大学の西浦博教授が示したデータでは、沖縄県ではピークを過ぎたと見られています。

    また、2月9日に出されたデータでは、1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数は首都圏や大阪では「1」前後まで下がり、「2」を超えることもあった2022年1月上旬から減少傾向が続いています。

    海外では、イギリスは、1週間の新規感染者数が、1月10日前後には100万人を超えたあと、1月18日までの1週間ではおよそ67万4000人と、前の週と比べておよそ40%減少しました。

    その後、しばらく横ばい傾向が続いたあと、2月8日までの1週間では50万9000人余りと、再び減少しています。

    感染力が高い?「BA.2」でわかってきたこと

    一方、感染状況に影響を与えるおそれもあるとして注視されているのが、オミクロン株の系統の1つで「BA.2」と呼ばれる変異ウイルスです。

    国内でも、検疫だけでなく、神戸市や東京都内でも報告され始めました。

    世界中で感染が広がっているオミクロン株「BA.1」は、ウイルスの表面にある突起部分「スパイクたんぱく質」の一部に欠けている部分がありますが、「BA.2」ではこの欠けている部分がないことが分かっています。

    海外で行われている一部の検査方法ではオミクロン株を検出できないことがあり、「ステルス・オミクロン」と呼ばれることもありますが、日本では別の方法で調べていて検出できるため、この呼び方は当たらないとされています。

    「BA.2」は感染力が高いとみられています。

    デンマークの保健当局のもとにある研究所によりますと、「BA.2」は2021年の年末の1週間ではデンマーク国内で検出される新型コロナウイルスの20%ほどだったのが、2022年1月中旬から下旬の1週間では66%ほどになったとしています。

    また、2021年1月中旬までのおよそ1か月間の、家庭での感染について分析した結果、家庭内で二次感染する率は「BA.1」では29%、「BA.2」では39%だったとして、より広がりやすい可能性があるとしています。

    一方で、デンマークの近隣のスウェーデンやノルウェー、それにイギリスでも「BA.2」の割合は増加しているものの、オミクロン株全体の10%から20%ほどにとどまっているとしています。

    京都大学の西浦博教授は「『BA.2』の流行の影響で、デンマークでは2段のような流行曲線になったり、南アフリカで感染者数が減少したあとに再び上昇が始まったりしている。仮に感染者数が減り始めたとしても、今後の上昇やまん延のリスクはある。そのメカニズムをひもとくことが、医療体制のひっ迫を見通す上でより重要だ」とコメントしています。

    一方、「BA.2」でも重症化リスクは「BA.1」と変わらないと考えられています。

    「BA.2」に感染した患者22人を診療した国際医療福祉大学のグループは、2月7日、いずれも軽症か無症状だったと発表しました。

    ほとんどがワクチンを接種していて、重症化リスクのある人はいなかったとしながらも、治療方針自体は「BA.1」と変わらないと見られるとしています。

    イギリスの保健当局はワクチンによって発症を防ぐ効果は、

    2回接種から25週以上、およそ半年以上たったあとでは「BA.1」では9%だったのが、「BA.2」では13%、

    3回目の追加接種から2週間たった後では「BA.1」の63%に対し、「BA.2」では70%で、ワクチンの効果に違いはなかったとしています。

    子どもの感染拡大各国で懸念

    オミクロン株では、これまで少なかった子どもでの感染拡大も続いています。

    厚生労働省のウェブサイトによりますと、10歳未満の新規感染者数は、2021年12月28日までの1週間では149人でしたが、2022年1月4日まででは353人、1月11日まででは2238人、1月18日まででは1万2947人、1月25日まででは4万1863人、2月1日まででは6万7564人と増加が続いています。

    アメリカでは、2022年に入っておよそ420万人の子どもの感染が確認されています。

    2月3日までの1週間の子どもの新規感染者数は63万人余りで、減少しているものの、デルタ株の時期のピークの2倍を超えています。

    アメリカ小児科学会は、子どもで症状が重くなり入院に至る率は0.1から1.5%、死亡率は0から0.01%だと報告しています。

    日本国内でも、ワクチンの接種対象の年齢が5歳までに引き下げられました。

    ファイザーの臨床試験では、5歳から11歳での発症を防ぐ効果は90.7%で、接種後に出た症状もおおむね軽度から中程度だったとしています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    ▼感染力

    WHOの週報では、オミクロン株はこれまでの変異ウイルスよりも感染が拡大しやすくなっているとしています。

    ▼病原性

    オミクロン株では、入院に至るリスクや重症化リスクがデルタ株に比べて低いとされています。

    ただ、感染拡大の規模が大きく、入院者数や重症化する人も増えていて医療機関への負荷は大きくなっています。

    ▼再感染のリスク

    WHOは、オミクロン株ではワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクは、デルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

    ▼ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    イギリスの保健当局のデータでは、オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで、2回の接種から20週を超えると10%程度に下がっていましたが、ファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりました。

    重症化して入院するリスクを下げる効果は、発症を防ぐ効果より高くなっています。

    ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと、2週以降だと88%となっていました。

    ▼治療薬の効果

    重症化を防ぐために感染した初期に投与される「抗体カクテル療法」は、効果が低下するとされ、厚生労働省はオミクロン株では投与を推奨しないとしています。

    一方で、軽症患者用の飲み薬「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」や中等症以上の患者用の「レムデシビル」など、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないと考えられています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    専門家は

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は「オミクロン株では多くの人にとって重症化や死亡のリスクは下がっているが、特に75歳以上ではどうしてもリスクがあり、高齢者に感染が広がれば去年夏の第5波よりも亡くなる人が多くなるかもしれない。今後、3月の年度末、4月の新年度と、再び人との接触機会が大きく増加するタイミングが近づいている。それまでに、少なくとも65歳以上の高齢者に、なるべく早く3回目のワクチン接種を行うことが必要だ」と話しています。

    対策は変わらない

    今の感染拡大の状況の中で、専門家は対策をより徹底するよう呼びかけています。

    オミクロン株の感染経路もこれまでと変わらず、飛まつによる感染、「マイクロ飛まつ」や「エアロゾル」と呼ばれる密閉された室内を漂う、ごく小さな飛まつが主となっています。

    ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染もあります。

    オミクロン株でも、飲食店での職場同僚との忘年会や、自宅での親族との会食など、飲食を通じた感染が見られたほか、職場での密な環境での作業を通じて感染するケースも報告されています。

    政府分科会の尾身会長は、マスクを外した状況や「鼻マスク」など着用が不十分な状況での感染が思っていたよりもはるかに多いとして、不織布マスクで鼻までしっかり覆ってほしいと呼びかけています。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種に加えて、特に会話時などでのマスクの着用、消毒や手洗い、換気や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    オミクロン株の「BA.2」ゲノム解析で従来株と異なる変異箇所(2/7)

    2022年2月7日

    オミクロン株の系統の1つで、海外の一部の国で広がっている「BA.2」と呼ばれる変異ウイルス。都内にある大学のウイルス学の専門家が患者の遺伝情報を調べたところ、従来のオミクロン株と同じく30か所以上の変異があるものの変異箇所が相当数異なっていたということです。この患者は海外への渡航歴がなく、市中感染の疑いがあり、専門家は「変異箇所の違いが感染のしやすさにどう影響を及ぼすのか、慎重に見ていく必要があるが、これが広がると第6波が長引く可能性がある」と指摘しています。

    東京医科歯科大学の武内寛明准教授は、オミクロン株の系統の1つ、「BA.2」に感染し、この病院で治療を行った患者のゲノム解析を行い、従来のオミクロン株「BA.1」との違いを分析しました。

    その結果、ウイルスが人間の細胞と結びつく鍵となる「スパイクたんぱく質」に、従来のオミクロン株と同じく、30か所以上の変異があったものの、変異箇所が相当数異なっていたということです。

    上段が従来のオミクロン株「BA.1」、下段が「BA.2」で、紫色などが変異している箇所です。

    詳しく見ると、アルファ株と同じ「N501Y」の変異、オミクロン株の感染力の強さに影響を及ぼすことが最近の研究で分かってきた「H655Y」の変異は、いずれもありますが、「T19I」のように、従来のオミクロン株にはなかった変異箇所も9か所、確認されました。

    武内准教授は「変異箇所が異なる場所に、『BA.2』の感染伝播性の優位性を決める変異があるのではないか」として、それぞれの違いを慎重に見ていく必要があるとしています。

    さらに、解析を行った患者は、65歳未満で軽症だったものの、海外への渡航歴がなく、感染経路が分からず、市中感染の疑いがあるとしています。

    武内准教授は「『BA.2』の市中感染の始まり、それに近い状況が起きつつあり、オミクロン株による第6波の収束に影響を与える可能性が否定できない。第6波を長引かせないために新たな変異株の市中流行を食い止める必要がある」と指摘しています。

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    オミクロン 濃厚接触者になったら 知っておきたいこと(2/3)

    2022年2月3日

    新型コロナウイルスのオミクロン株の感染急拡大が続いています。2月3日、感染確認の発表が過去最多となったほか、これまでの累計は300万人を超えました。

    「自分が濃厚接触者になった」「家族や同居する人が濃厚接触者になった」
    いま、そんな人も多いのではないでしょうか…?

    濃厚接触者になると一定の期間、自宅での待機が必要とされます。
    何日間の待機が必要なのか?
    家族や生活はどうするのか?
    そうしたさまざまな疑問について最新の情報をまとめました。

    ■濃厚接触者の定義

    濃厚接触者は感染した人と近距離で接触したり長時間接触したりして、感染している可能性がある人です。厚生労働省などによりますと、濃厚接触者かどうかを判断する際の重要なポイントは次のとおりです。

    【接触の期間】
    ・感染者がウイルスを排出しなくなる発症後10日間たつまでの間(感染者が無症状の場合は検査のための検体を採取してから7日間)

    【接触の目安】
    ・マスクなどをつけずに感染者に手で触れたり、お互いに手を伸ばしたら届く距離で15分以上接触したりした場合
    ・感染者の体液などがついたものに直接触れた可能性のある場合など

    家族に感染者がいる場合や感染者の介護をしている場合などはこの目安に当てはまることになると思われます。

    ●濃厚接触者とみなされないケースも
    しかし医療機関や介護施設で行われているようにしっかりとした感染予防策が取られていた場合は濃厚接触者とはみなされません。また15分以上の接触といっても会話をしていたか、歌を歌ったり大声を出したりするような環境だったか、換気が十分にできていたかなど、その場の具体的な状況によって濃厚接触者と判断されるかどうかは変わってきます。

    ■保健所が判断も…

    濃厚接触者に当たるかどうかは保健所が判断していましたが、厚生労働省は感染状況が悪化した場合などでは地域の状況に応じて柔軟に判断することを認めています。このため感染が広がっている現在、保健所が高齢者施設や医療機関など重症化するリスクの高い場所を優先して判断する地域が多くなってきています。

    <大阪>感染者の同居家族“濃厚接触者としての対応を”

    例えば大阪府では同居する家族については基本的には保健所の連絡を待たずに濃厚接触者としての対応をするよう呼びかけているということです。

    また感染者が確認された学校や会社などではそれぞれの学校や会社などに濃厚接触者かどうかを判断をしてもらっていて、それ以外の場所での濃厚接触者については感染した本人から濃厚接触者と考えられる人に連絡してもらうようにしているということです(※参照:大阪府 陽性者と濃厚接触の可能性がある場合の対応について)。

    ■待機期間は原則7日間

    厚生労働省ではオミクロン株の潜伏期間などの最新の科学的な知見を踏まえ1月、濃厚接触者の自宅などでの待機期間を当初の14日間から7日間に短縮しました。

    つまり感染者と最後に接触した日を0日として7日間は自宅などでの待機が求められることになります。ただ医療従事者などのいわゆる「エッセンシャルワーカー」については、自治体の判断により4日目と5日目に国内で承認されている抗原検査キットで陰性が確認された場合は5日目から解除できるとしています。

    ●“7日間で待機解除も10日間たつまで対策を”
    国立感染症研究所によりますと、オミクロン株に感染した場合、7日目までに発症する確率は94.5%、10日目までに発症する確率は99.2%となっています。つまり7日間の待機期間では5%程度のリスクが残るとされています。

    このため厚生労働省では、待機が解除されたあとも10日間たつまでは検温など自分で健康状態を確認することや、リスクの高い場所や会食などを避けたりマスクを着用したりするなど感染対策を徹底することを求めています。

    ■感染者の同居家族が濃厚接触者に

    同居している家族が感染した場合「最後に接触した日」というのは、感染者が入院したり個室などに隔離された状態になった日とされています。

    ただ感染したのが幼い子どもや介護を必要とする人の場合は、自宅療養中に隔離を徹底するのは困難です。こうした場合、これまでは濃厚接触者になった家族は感染者の療養が終わった日を0日として原則としてそこからさらに7日間の自宅待機が必要とされていました。

    これについて国は2月2日付けで、感染者と同居している家族が濃厚接触者になった場合の自宅待機期間を短縮しました。これにより家庭内で感染対策を取っていれば待機期間は感染者が発症してから7日間(発症日を0日と数えます)などとなりました。

    少し複雑になりますが、詳しくは次のとおりです。

    1. いつからいつまで待機?

    1. 感染者が発症した日
    2. 感染者が無症状の場合は検体を採取した日
    3. 感染が分かって感染対策を取った日

    この1~3の中で最も遅い日を0日とします。そこから7日間、自宅などで待機して8日目に解除されます。

    ●感染対策とは?
    厚生労働省によりますと、今回想定されている感染対策は完全に部屋を分けて一切の接触を無くすといった厳格な隔離ではないということです。具体的に次のようにされています(日常生活を送るうえで可能な範囲で)。
    ▽マスク着用
    ▽手洗い・手指消毒
    ▽物資等の共用を避ける
    ▽消毒の実施など

    また厚生労働省によりますと、幼い子どもでマスクの着用を徹底するのが難しい場合などは手洗いを徹底したり、タオルなどの共用を避けたりするなどの対策が考えられるということです。このほかにも換気をする、極力接触を避けるなど基本的な感染対策はできるかぎり取る必要があります。

    2. 待機期間中に別の家族が発症したら?

    最初に感染が分かった家族とは別の家族が待機期間中に感染確認された場合は改めて日数を数え直すことになります。

    3. 子どもが感染した場合は?

    【軽症で自宅待機の場合】
    すぐに家庭内での感染対策を取った場合を考えてみます。子どもの発症日を0日として家族は7日間自宅待機となります。そして8日目に解除となります。また感染した子ども自身は発症日を0日として10日間、かつ症状が治まって72時間たっていれば検査を受けなくても療養が終了となります(※症状が悪化するなどした場合は必ず相談窓口などに相談してください)

    【無症状の場合】
    感染した子ども本人は検体を採取してから7日間たてば療養を解除できます。そして濃厚接触者についても感染した子どもが検体を採取した日を0日として7日間が自宅待機期間となります(検体採取日から家庭内で感染対策をとった場合)。つまり感染した子どもも家族も同時に解除できる可能性があります。ただ当初は無症状でもその後発症した場合は改めて発症日を0日として数え直すことになります。

    ●早めの対策で自宅待機も早く解除される可能性
    いずれの場合も検査結果が分かった日が起点ではありませんから、検査を受けた日に結果を待たずに感染対策を始めれば濃厚接触者の自宅待機もその分早く解除される可能性があります。

    4. 解除後 ふだんの生活は?

    濃厚接触者の自宅待機が解除されれば通勤や通学などができるようになります。ただ感染者の療養期間が終わるまでは発熱がないか検温するなど自分で健康状態を確認したり、リスクの高い場所の利用や会食を避けたりするなどの感染対策が求められています(※療養期間や待機期間にかかわらず一般的な感染対策は継続することが必要です)。

    ■自宅待機中の生活

    自宅待機の際には不要不急の外出はできるかぎり控え、やむをえず外出する場合にはマスクの着用や手洗いなどの感染対策を行って人との接触を避けることとされています。また通勤や通学も控える必要があるということです。

    オミクロン株の流行が主流となって期間は短縮されましたが、オミクロン株であっても感染が起こる仕組みや場面自体は変わらないとされているため自宅待機中の対策の内容も基本的には変わりません。

    東京都の新型コロナ対策を担当する感染症対策部では次のようにしています。
    ▽不要不急の外出は控え、職場や学校には行かずに自宅で待機
    ▽待機中は毎日朝と夕方の2回、体温を測って体調に異常がないか確認
    ▽発熱やせきなどの症状が出たら、かかりつけ医か新型コロナの検査や診療が可能な医療機関を受診
    ▽なるべく公共交通機関の利用を避ける

    ただ厚生労働省では受験をする場合はガイドラインに基づいて必要な対策が取られた会場などで試験を受けることができるとしていて、その場合は外出も認められるということです。

    濃厚接触者になった場合は決められた期間がすぎるまでは「もしかしたら感染しているかも」と考えて行動することが重要です(※参照:東京都のHP「身近な人が新型コロナウイルス感染症になった方へ ~自分が濃厚接触者だと思ったら~」)。

    ■家族に濃厚接触者が出た場合

    家族に濃厚接触者が出た場合について東京都の感染症対策部によりますと「『濃厚接触者の濃厚接触者』という概念はないため濃厚接触となった人を除いて家族全員が行動を制限されることはなく、行政としても行動は制限していない」ということです。

    ただ勤務先や通学先などで個別にルールを定めている場合もあるため、会社や学校と話し合ってそれぞれのルールに従ってほしいということです。

    もちろん濃厚接触者が待機中に発症するなどして実は感染していたことが分かる可能性もあります。万が一感染していた場合に備えて、濃厚接触者となった家族の待機期間中は次のようなことに注意してほしいということです。

    ▽家庭内でのタオルの共用を避けたり、食事の時間をずらしたりするなどできるかぎり空間を分けて生活する
    ▽マスク着用などでせきエチケットを守る、手洗いやアルコール消毒などを心がける
    ▽ドアノブやテレビのリモコンなど頻繁に触れるものの消毒
    ▽定期的に換気をする

    ●“油断しないで”
    オミクロン株は重症化する割合が低くなったと言われていることから、ついついこれまでよりも軽く考えてしまうこともあるかもしれませんが、それでも高齢者や基礎疾患がある人などを中心に重症化する人が世界中で報告されています。油断せずに、特に基礎疾患があったり高齢だったりして重症化のリスクが高い家族がいる場合は注意が必要です。

    ■家族の感染確認 “従来の対策徹底で感染防げる”

    国立感染症研究所などの調査によりますと、初期の分析結果でオミクロン株の家庭内での感染率は30%~45%程度となっていてデルタ株よりも高い可能性があるということです。

    ただこの調査では、オミクロン株でも感染経路はこれまでの新型コロナウイルスと変わらず飛まつ感染や換気の悪い場所でのいわゆる「マイクロ飛まつ(エアロゾル含む)」による感染が中心だったということで、従来からの感染対策を徹底することで防ぐことができると考えられています。

    厚生労働省が作成している注意の呼びかけイラストでは家族に感染者が出た場合に次の注意点を挙げています。

    1. 部屋を分ける
    2. 窓を開けて換気
    3. マスクを着用
    4. こまめな手洗い、手で触れる部分を消毒
    5. 汚れたリネンや洋服は洗濯
    6. ゴミは密閉して捨てる

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    オミクロン株 “マスクしても距離を” 富岳シミュレーション(2/2)

    2022年2月2日

    スーパーコンピューター「富岳」を使った研究で、新型コロナウイルスのオミクロン株はマスクをした状態であっても50センチ以内に近づいて会話をすると感染リスクが高まることがわかりました。

    神戸市にある理化学研究所などの研究チームは、新型コロナウイルスの飛まつの広がりをスーパーコンピューター「富岳」を使って研究しています。

    今回は、従来株よりも感染力が強いとされるオミクロン株の影響を調べるためデルタ株の1.5倍の感染力と想定して、これまでに起きたクラスターの状況などをもとにシミュレーションしました。

    その結果、感染している人と15分間対面で会話したときの平均の感染確率は、感染者がマスクをしている場合、1メートル以上の距離ではほぼ0%でしたが、50センチ以内の距離ではおよそ14%に高まり、マスクをして会話をする場合でも十分な距離をとることが必要だとしています。

    一方、感染者がマスクをしていない場合は1メートルの距離でおよそ60%、50センチ以内の距離ではほぼ100%となりました。

    また、イベント時に隣に座った人と会話をしたシミュレーションでは、感染者がマスクをした場合、隣の人は40%、感染者がマスクをしていない場合、周囲の人に50%近い感染確率が確認されました。

    一方で、距離をとって座った場合には感染のリスクが低く押さえられるということです。

    今回の研究結果から研究チームは、学校の授業などはマスクをして十分な距離をとれば感染リスクは低いと指摘し、近い距離で会話することが増える休み時間は飛まつが充満しないよう短時間で複数に分けて取ることも対策の一つだとしています。

    理化学研究所の坪倉誠チームリーダーは「マスクをつけることに加え、人との接触時間や会話する距離をもう一度、原点に戻って考えてもらうことが重要だ」と話していました。

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    オミクロン株 症状は? ピークは? わかってきたこと(2/2)

    2022年2月2日

    オミクロン株による感染急拡大は全国各地に及んでいます。
    重症化リスクは低いとはいえ、入院患者数や亡くなる人の数も増加し、病床のひっ迫も各地で深刻な状態に近づいています。
    当初は、感染が急激に拡大したあと、急激に下がるという観測もありましたが、先に感染が拡大した沖縄の様子をみると、感染が下がるペースはゆるやかです。

    また、オミクロン株のうち、異なる系統のウイルス「BA.2」は今後、感染状況に影響を与えるのか。
    感染のピークは見えてくるのか、感染者が多い状態はどれだけ続くのか。
    わかってきたことをまとめました。
    (2022年2月2日現在)

    初期症状 せきやのど、鼻の症状も

    一日に報告される全国の感染者数は、連日過去最多を更新し続けています。

    国内で検出される新型コロナウイルスのうち、オミクロン株の疑いがあるウイルスは1月30日までの時点で全国で99%と、ほぼオミクロン株に置き換わったとみられます。

    オミクロン株では、これまでのデルタ株などとは症状の傾向が異なることが分かってきています。

    国立感染症研究所は1月24日時点で、新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステム「HER-SYS」に登録された3600人余りのデータをもとにまとめました。

    それによりますと、届け出の時点でオミクロン株でみられる症状は
    ▽発熱が66.6%、
    ▽せきが41.6%、
    ▽全身のけん怠感が22.5%、
    ▽頭痛が21.1%、
    ▽せき以外の呼吸器症状が12.9%、
    ▽吐き気やおう吐が2.7%、
    ▽下痢が2.3%などとなっています。
    これまで、新型コロナウイルスで特徴的にみられた嗅覚障害や味覚障害を訴えた人は0.8%でした。

    また、国立感染症研究所が122人について疫学調査で詳しく調べた結果でも、
    ▽せきが45.1%、
    ▽37度5分以上の発熱が32.8%、
    ▽のどの痛みが32.8%、
    ▽鼻汁が20.5%で、
    嗅覚障害や味覚障害はそれぞれ1%前後でした。

    のどの痛みを訴える人がこれまでより多く、においや味がしないと訴える人が少ないとされています。

    また、鼻水や鼻づまりの症状もあることから、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、毎年花粉症で悩まされている人は、症状が出る前に早めに医療機関を受診しておくよう呼びかけています。

    急拡大でも、減少スピードは緩やか

    オミクロン株では潜伏期間が短いほか、「世代時間」と呼ばれる「ある人が感染してからほかの人に感染させるまでの期間」もおよそ2日と短く、短時間のうちに次々と感染させるため、急速に感染が広がっているのではないかと考えられています。

    その分、感染が減少する局面では急速に減少するのではないかという観測もありました。しかし、必ずしもそうとは言えない状況になってきています。

    イギリスでは、1週間の新規感染者数が、1月10日前後には100万人を超えたあと、1月18日までの1週間はおよそ67万4000人と、前の週と比べておよそ40%減少しました。

    しかし、その後は、ほぼ横ばいが続き、2月1日までの1週間でも63万8000人余りとなっています。

    国内で先に感染が拡大した沖縄では、これまで一日の感染者数が最も多かったのは、1月15日の1829人で、そのとき人口10万人当たりは700人近くとなっていました。

    その後、やや減少していますが、2週間以上たっても人口10万人当たりでは400人以上で、デルタ株が広がった2021年夏のピークより多い状態が続いています。

    感染が急拡大したスピードと比べて、減少のスピードはゆるやかになっています。

    厚生労働省の専門家会合は1月26日「今後も少なくとも短期的には全国で感染拡大が継続すると考えられる」としています。

    重症化リスク↓も 医療ひっ迫現実に

    WHO=世界保健機関は、オミクロン株では、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、肺まで達して重症化するリスクはほかの変異ウイルスより低いとしています。

    ただ、感染者数が非常に多いため、多くの国で入院者数は急増していて、医療体制がひっ迫しているとして、警戒を呼びかけています。

    日本国内でも、あまりにも感染者の数が多いことから、重症化する人や亡くなる人も増え、医療のひっ迫も現実になりつつあります。

    国内で最も早い時期に感染が広がった沖縄県では、重症化リスクのある高齢者に感染が広がってきていて、感染者に占める60代以上の割合は、1月30日までの1週間で18.6%と徐々に上昇してきています。

    病床の使用率は日に日に上がってきていて、2月1日時点で、大阪府では69%、沖縄県では67%、東京都では50.7%などとなっています。

    沖縄県では、重症者用の病床使用率が33.6%となっています。

    アメリカのCDCは1月25日、従来の新型コロナウイルスが拡大した2021年1月ごろと、デルタ株が拡大した2021年8月ごろ、そしてオミクロン株が拡大した今回とで、大規模なデータベースをもとに医療の状況を比較した報告を公表しました。

    それによりますと、1週間平均の感染者数のピークは
    ▽従来株が拡大した時期ではおよそ25万人、
    ▽デルタ株の時期は16万4000人でしたが、
    ▽オミクロン株の時期、2022年1月中旬は80万人近くで数倍規模となっていました。

    一方、入院患者数のピークは、
    ▽オミクロン株の時期は1週間平均でおよそ2万1600人と、
    ▽従来株の時期のおよそ1万6500人、
    ▽デルタ株の時期のおよそ1万2300人より多くなっています。
    オミクロン株の時期では18歳未満が大幅に増えていて、従来株の時期の4.4倍、デルタ株の時期の2.87倍になっています。

    亡くなった人の数のピークは、
    ▽オミクロン株の時期は1週間平均で1854人で、
    ▽従来株の時期の3422人、
    ▽デルタ株の時期の1924人よりは少なくなっていました。

    CDCは、重症度は低いものの、入院患者などが多くなっていて、医療体制に負荷がかかり、死亡者数も相当な数になっているとしています。

    イギリスの保健当局によりますと、オミクロン株に感染して入院に至るリスクは、デルタ株の場合に比べて3分の1になっているとしています。

    ただ、イギリスでは3回目の追加接種を受けた人が2022年1月31日の時点で64.9%に上っていて(12歳以上)、2月2日時点で全人口の4.0%にとどまっている日本とは状況が異なるため、注意が必要です。

    死者の数も世界で増加

    イギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイト、「Our World In Data」によりますと、一日当たりの死亡者数は、2月1日までの1週間には、
    ▽アメリカで2500人余り、
    ▽フランスではおよそ260人、
    ▽日本では45人などとなっています。

    デルタ株の時期では、
    ▽アメリカでは2021年9月下旬のおよそ2000人、
    ▽フランスでは8月下旬のおよそ110人がピークで、現在は当時の水準を超えています。
    また、日本でもデルタ株の時期の2021年9月8日には89人が亡くなったと報告されましたが、2022年2月1日は70人の死亡が報告され、決して楽観できる状況ではありません。

    オミクロン株が派生?「BA.2」でわかってきたこと

    オミクロン株の系統の1つで「BA.2」と呼ばれる変異ウイルスの状況も気になるところです。

    現在、世界中で感染が広がっているオミクロン株「BA.1」では、ウイルスの表面にある突起部分「スパイクたんぱく質」の一部に欠けている部分がありますが「BA.2」ではこの欠けている部分がないことが分かっています。

    ヨーロッパでは、この部分を目印にしてオミクロン株を検出しているので、「BA.2」を見つけられないこともあるとされ「ステルス・オミクロン」などという呼び方をするメディアもあります。

    一方、日本では別の部分「L452R」という変異があるかどうかで調べています。

    この変異はデルタ株などに見られるもので、オミクロン株にはありません。

    現在、国内で見つかる新型コロナウイルスは、デルタ株かオミクロン株なので、この変異がないウイルスが見つかれば「オミクロン株疑い」として、詳しい遺伝子検査を行ってオミクロン株かどうか調べるという方法をとっています。

    このため、日本の検査では検出できるため、日本では「ステルス・オミクロン」という言い方は当たらないとされています。

    日本国内では、インドやフィリピンに渡航歴がある人から、このウイルスが検出されているということです。

    「BA.2」デンマークからの情報 ~より広がりやすい可能性~

    デンマークの保健当局のもとにある研究所によりますと、「BA.2」は2021年の年末の1週間ではデンマーク国内で検出される新型コロナウイルスの20%ほどだったのが、2022年1月中旬の1週間では45%ほどになったとしています。

    また、1月31日には、2021年1月中旬までのおよそ1か月間の、デンマークでの家庭での感染について分析した結果を公表。

    家庭内で二次感染する率は「BA.1」では29%、「BA.2」では39%だったとして、より広がりやすい可能性があるとしています。

    「BA.2」イギリスからの情報 ~ワクチン効果に違いなし~

    イギリスの保健当局は「BA.2」を「調査中の変異ウイルス」に位置づけています。

    1月28日に示したデータでは、24日までに1072件見つかっていて、初期の段階のデータで過大評価されている可能性はあるものの、「BA.1」より感染が広がるスピードは速いとみられるとしています。

    ワクチンによって発症を防ぐ効果は、
    ▽2回接種から25週以上、およそ半年以上たったあとでは「BA.1」では9%だったのが「BA.2」では13%、
    ▽3回目の追加接種から2週間たった後では「BA.1」の63%に対し「BA.2」では70%で、ワクチンの効果に違いはなかったとしています。
    さらに、感染した場合の重症度についてはデータがなく、さらに分析を進めるとしています。

    「BA.2」が感染の拡大にもたらす影響についても各国で調査・分析が続けられていて、これまでのところ結論は出ていません。

    ワクチン追加接種で入院リスク大幅↓

    オミクロン株でも、ワクチンの追加接種で効果があると考えられていますが、1月21日には、アメリカのCDC=疾病対策センターが、入院を防ぐ効果はオミクロン株に対しても90%に上昇するという分析結果を公表しました。

    ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」の2回目の接種から6か月以上たった場合、入院を防ぐ効果は、デルタ株が優勢だった時期に81%だった一方、オミクロン株が優勢になった時期には57%でした。

    しかし、3回目の接種のあとではデルタ株の時期は94%、オミクロン株の時期は90%に上昇したということです。

    また、ワクチンの追加接種を受けていない人では、追加接種を受けた人に比べて入院する割合は大幅に高く、50歳から64歳で44倍、65歳以上で49倍になるという分析も合わせて公表しています。

    CDCは、症状の悪化を防ぐためには3回目の接種が重要で、未接種者はできるだけ早くワクチンを接種する必要があるとしています。

    子どもの感染拡大 各国で懸念

    オミクロン株では、これまで少なかった子どもでの感染拡大も続いています。

    厚生労働省のウェブサイトによりますと、10歳未満の新規感染者数は、2021年12月28日までの1週間では149人でしたが、2022年1月4日まででは353人、1月11日まででは2238人、1月18日まででは1万2947人、1月25日まででは4万1863人と急増しています。

    アメリカでは、2022年1月の1か月間で350万人以上の子どもの感染が確認されました。

    1月27日までの1週間の子どもの新規感染者数は80万人余りで、その前の1週間のおよそ115万人よりも減少しましたが、それでもデルタ株の時期のピークのおよそ3倍となっています。

    アメリカ小児科学会は、子どもで症状が重くなり入院に至る率は0.1から1.5%、死亡率は0から0.02%だと報告しています。

    日本国内では、ワクチンの接種対象の年齢が5歳までに引き下げられました。

    ファイザーの臨床試験では、5歳から11歳での発症を防ぐ効果は90.7%で、接種後に出た症状もおおむね軽度から中程度だったとしています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    『アルファ株』(2020年12月 イギリスで最初に報告)
    『ベータ株』(2020年12月 南アフリカで最初に報告)
    『ガンマ株』(2021年1月報告 ブラジルで拡大)
    『デルタ株』(2020年10月 インドで同じ系統が最初に報告)
    『オミクロン株』(2021年11月 南アフリカが最初に報告)

    ▼感染力

    『アルファ株』↑
    『ベータ株』↑
    『ガンマ株』↑
    『デルタ株』↑↑
    『オミクロン株』↑↑↑

    WHOの週報では、家庭内での「2次感染率」はデルタ株の21%に対し、オミクロン株は31%だったとする、2021年12月のデンマークでの分析結果を紹介しています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターは、オミクロン株の感染力は最大でデルタ株の3倍とするデータがあるとしています。

    ▼病原性

    『アルファ株』入院・重症化・死亡のリスク高い可能性
    『ベータ株』入院のリスク・入院時の死亡率高い可能性
    『ガンマ株』入院・重症化のリスク高い可能性
    『デルタ株』入院のリスク高い可能性
    『オミクロン株』入院・重症化リスク低い

    オミクロン株では、入院に至るリスクや重症化リスクがデルタ株に比べて低いとされています。

    ただ、感染拡大の規模が大きく、入院者数や重症化する人も増えていて、医療機関への負荷は大きくなっています。

    ▼再感染のリスク

    『アルファ株』ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか
    『ベータ株』ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持
    『ガンマ株』ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る
    『デルタ株』ウイルスを抑える抗体の働きは減る
    『オミクロン株』再感染のリスク上がる

    WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクは、デルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

    ▼ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    『アルファ株』感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『ベータ株』発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『ガンマ株』感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『デルタ株』感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず(感染予防・発症予防は下がるという報告も)
    『オミクロン株』発症予防効果低下・重症化予防効果はあるという報告も 3回目接種で発症予防効果・重症化予防効果も上がる報告も

    イギリスの保健当局のデータでは、オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで、2回の接種から20週を超えると10%程度に下がっていましたが、ファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりました。

    重症化して入院するリスクを下げる効果は、発症を防ぐ効果より高くなっています。

    ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと、2週以降だと88%となっていました。

    ▼治療薬の効果

    重症化を防ぐために感染した初期に投与される「抗体カクテル療法」は、効果が低下するとされ、厚生労働省はオミクロン株では投与を推奨しないとしています。

    一方で、軽症患者用の飲み薬「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」や中等症以上の患者用の「レムデシビル」など、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないと考えられています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    専門家は

    海外の感染状況に詳しい、東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「感染者数が増え、その中で重症化して死亡する人も一定程度出ていて、いま、アメリカでは毎日2000人以上が亡くなっている。感染者数から考えると亡くなる人の割合は0.5%ほどになり、インフルエンザよりは明らかに高い。亡くなる人が増えるピークは感染者数のピークより遅くなるのはこれまでも経験していることで、日本でも今後、亡くなる人が増えるおそれがある。感染者数が少なくすめば、亡くなる方も少なく抑えられるので、感染の拡大で重症化する人も増えることを考えながら対策を取ることが大切だ」と話しています。

    対策は変わらない

    私たちができる対策はこれまでと変わりませんが、専門家は今の感染急拡大の状況の中で、対策をより徹底するよう呼びかけています。

    オミクロン株の感染経路もこれまでと変わらず、飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染もあります。

    国立感染症研究所が1月13日に出した疫学調査の結果では、オミクロン株でも、飲食店での職場同僚との忘年会や、自宅での親族との会食など、飲食を通じた感染が見られたほか、職場での密な環境での作業を通じて感染するケースも報告されています。

    政府分科会の尾身会長は、マスクを外した状況や「鼻マスク」など着用が不十分な状況での感染が思っていたよりもはるかに多いとして、不織布マスクで鼻までしっかり覆ってほしいと呼びかけています。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種に加えて、特に会話時などでのマスクの着用、消毒や手洗い、換気や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    オミクロン 濃厚接触者になったら 知っておきたいこと(1/31)

    2022年1月31日

    感染急拡大が続く新型コロナウイルスのオミクロン株。

    自分が濃厚接触者になった、家族や同居する人が濃厚接触者になったという人も多いのではないでしょうか。

    濃厚接触者の定義は?

    自宅待機などの日数は?

    最新の情報をまとめました。

    濃厚接触者の定義は?

    濃厚接触者は、感染した人と近距離で接触したり、長時間接触したりして、感染している可能性がある人です。

    厚生労働省などによりますと、濃厚接触者かどうかを判断する際の重要なポイントは次の通りです。

    接触の期間は、感染者がウイルスを排出しなくなる発症後10日間たつまでの間(感染者が無症状の場合は検査のための検体を採取してから7日間)。

    接触の目安は、マスクなどをつけずに感染者に手で触れたり、お互いに手を伸ばしたら届く距離で15分以上接触したりした場合。感染者の体液などがついたものに直接触れた可能性のある場合などです。

    家族に感染者がいる場合や感染者の介護をしている場合などはこの目安に当てはまることになると思われますが、医療機関や介護施設で行われているように、しっかりとした感染予防策がとられていた場合は濃厚接触者とはみなされません。

    また、15分以上の接触といっても、会話をしていたか、歌を歌ったり大声を出したりするうような環境だったか、換気が十分にできていたか、など、その場の具体的な状況によって、濃厚接触者と判断されるかどうかは変わってきます。

    いつまで自宅待機の必要が?

    厚生労働省では、オミクロン株の潜伏期間などの最新の科学的な知見を踏まえ、1月14日付けで濃厚接触者の自宅などでの待機期間をこれまでの14日から10日間に短縮しました。

    さらに1月28日付けで、この期間を7日間に短縮しています。

    このため、感染者と最後に接触した日を0日として、7日間は自宅などでの待機が求められることになります。

    東京都によりますと、同居している家族が感染した場合は、感染者が入院したり、個室に隔離された状態になった日を「最後に接触した日」とするとしています。

    ただ、感染したのが幼い子どもなどで別室に隔離できない場合は、感染者自身の療養が終わる日が「最後に接触した日」となるということで、そこから7日間、つまり最大で17日間(※感染者に症状がある場合)となります。

    医療従事者などのいわゆる「エッセンシャルワーカー」については、自治体の判断により、▽4日目と5日目に国内で承認されている抗原検査キットで陰性が確認された場合は、5日目から解除できるとしています。

    国立感染症研究所によりますと、オミクロン株に感染した場合、7日目までに発症する確率は94.5%、10日目までに発症する確率は99.2%となっています。

    つまり、7日間の待機期間では5%程度のリスクが残るとされています。

    このため、厚生労働省では、待機が解除されたあとも、10日間たつまでは、検温など自分で健康状態を確認することや、リスクの高い場所や会食などを避けたり、マスクを着用したりするなどの感染対策を徹底することを求めています。

    自宅待機の間はどう過ごせばいい?

    自宅待機の際には、不要不急の外出はできる限り控え、やむを得ず外出する場合には、マスクの着用や手洗いなどの感染対策を行って、人との接触を避けることとされています。

    通勤や通学も控える必要があるということです。

    オミクロン株の流行が主流となって期間は短縮されましたが、オミクロン株であっても感染が起こる仕組みや場面自体は変わらないとされているため、自宅待機中の対策の内容も基本的には変わりません。

    東京都の新型コロナ対策を担当する東京都の感染症対策部では次のようにしています。

    ▽不要不急の外出は控え、職場や学校には行かずに自宅で待機。
    ▽待機中は、毎日、朝と夕方の2回、体温を測って体調に異常がないか確認。
    ▽発熱やせきなどの症状が出たらかかりつけ医か、新型コロナの検査や診療が可能な医療機関を受診。
    ▽なるべく公共交通機関の利用を避ける。

    ただ、厚生労働省では、受験をする場合は、ガイドラインに基づいて必要な対策がとられた会場などで、試験を受けることができるとしていて、その場合は外出も認められるということです。

    濃厚接触者になった場合は、決められた期間が過ぎるまでは「もしかしたら感染しているかも」と考えて行動することが重要です。

    家族に濃厚接触者が出たら?

    家族に濃厚接触者が出た場合について、東京都の感染症対策部によりますと、「『濃厚接触者の濃厚接触者』という概念はないため、濃厚接触となった人を除いて家族全員が行動を制限されることはなく、行政としても行動は制限していない」ということです。

    ただ、勤務先や通学先などで個別にルールを定めている場合もあるため、会社や学校と話し合って、それぞれのルールに従ってほしいということです。

    もちろん、濃厚接触者が待機中に発症するなどして、実は感染していたことが分かる可能性もあります。

    万が一感染していた場合に備えて、濃厚接触者となった家族の待機期間中は、▽家庭内でのタオルの共用を避けたり、食事の時間をずらしたりするなど、できる限り空間を分けて生活する。

    ▽マスク着用などでせきエチケットを守る、手洗いやアルコール消毒などを心がける。

    ▽ドアノブやテレビのリモコンなど頻繁に触れるものの消毒▽定期的に換気をするなどの注意をしてほしいということです。

    オミクロン株は重症化する割合が低くなったと言われていることから、ついついこれまでよりも軽く考えてしまうこともあるかもしれませんが、それでも高齢者や基礎疾患がある人などを中心に、重症化する人が世界中で報告されています。

    油断せずに、特に、基礎疾患があったり、高齢だったりして、重症化のリスクが高い家族がいる場合は、注意が必要です。

    子どもや介護が必要な人が感染した場合、家族は?

    感染者がひとりで生活できる年齢であれば、家庭内で生活の空間を分けたり、対策をしっかりとったりすることで、濃厚接触を避けることができますが、幼い子どもや介護が必要な人が感染した場合などでは、世話をする人が濃厚接触者になるのを避けるのは難しくなります。

    1月31日現在、こうした場合、感染した人の10日間の療養期間が終わる日が「最後に接触した日」です。

    このため、濃厚接触者となった家族は、そこからさらに7日間の自宅などでの待機が必要となります。

    感染者自身は療養期間が終わっていますから外出などの制限はありません。

    感染者自身よりも濃厚接触者の方が長い待機期間となるため、不思議な気がしますが、濃厚接触者が感染している可能性を考えると必要なこととされています。

    家族の感染が確認 家庭での対応は?

    国立感染症研究所などの調査によりますと、初期の分析結果で、オミクロン株の家庭内での感染率は、30%~45%程度となっていて、デルタ株よりも高い可能性があるということです。

    ただ、この調査では、オミクロン株でも、感染経路は、これまでの新型コロナウイルスと変わらず、飛まつ感染や、換気の悪い場所でのいわゆる「マイクロ飛まつ」(エアロゾル)による感染が中心だったということで、従来からの感染対策を徹底することで防ぐことができると考えられています。

    厚生労働省が作成している注意の呼びかけイラストでは、家族に感染者が出た場合に次の注意点を挙げています。

    濃厚接触者 今後も増える? 必要な対応は?

    新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、今後、オミクロン株の特徴に合わせて対策を変更していくこともあり得るとしています。

    舘田教授は、オミクロン株は50歳未満で基礎疾患や肥満がない人では軽症で治ることが多いとしたうえで、次のように話していました。(1月27日取材)

    「ゼロリスクを求めて行動を強く抑制してしまうと、感染は減少するかもしれないが、逆に社会機能の方が麻痺し破綻をきたしてしまうおそれがある。ある程度のリスクを受け入れながら、社会機能も維持していくような、バランスの取れた対応が求められている」

    さらに、オミクロン株の感染者が増え、濃厚接触者もこれまでにないペースで急増している現状についてはー。

    「毎日、全国で感染者数の最多を更新しているような状況の中、1日も早く濃厚接触者に対する適切でより効果的な対応を考えていかなければいけない。例えば幼い子どもが感染して療養が終わる10日目に、別の家族が感染してしまうリスクはゼロではない。しかし、十分に感染対策をしているならば、濃厚接触者となった家族についても、症状がなく、検査で陰性が確認できる場合などでは、子どもの療養解除と同じタイミングで自宅待機を解除するというような検討も必要になるのではないか」

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    オミクロン株 肺炎症状“デルタ株より軽い” ハムスターで実験(1/31)

    2022年1月31日

    新型コロナウイルスのオミクロン株について、東京大学医科学研究所などのグループが感染したハムスターの肺を詳しく調べたところ、デルタ株に比べて肺炎の症状などが軽くなっていたとする実験結果を発表しました。

    この研究は、東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授らのグループが科学雑誌の「ネイチャー」に発表しました。

    グループでは、オミクロン株に感染したハムスターとデルタ株に感染したハムスターで、症状にどういった違いが出るのかを詳しく調べました。

    その結果、オミクロン株に感染したハムスターは、3日目の時点で肺で検出されるウイルスの量が、デルタ株に感染したハムスターに比べ大幅に少なくなっていたということです。

    また、CTを使ってハムスターの肺の画像を撮影したところ、デルタ株では、ヒトの新型コロナの患者と同じような肺炎を示す画像となりましたが、オミクロン株では軽い炎症にとどまっていました。

    一方、新型コロナに感染しやすくしたハムスターでの実験では、オミクロン株でも死ぬケースがあったということで、グループでは「ハムスターの実験では、オミクロン株の病原性や増殖能はデルタ株より低くなっている。ただ、ヒトでは、高齢者や免疫が低下している人などもいるため、軽症だから安心というわけではない」としています。

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    オミクロン株「BA.2」 英“ワクチンの発症予防効果 違いなし”【1/29】

    2022年1月29日

    イギリスの保健当局は、新型コロナの変異ウイルス、オミクロン株のうち「BA.2」と呼ばれる現在主流となっているものとは異なる系統のウイルスについて、ワクチンを接種した場合の発症を予防する効果は、2つのウイルスに大きな違いはないとする初期の分析を明らかにしました。

    オミクロン株のうち、現在、流行の主流となっている「BA.1」とは異なる系統の「BA.2」と呼ばれるウイルスは、デンマークなどで感染が拡大し、イギリスでも「調査中の変異ウイルス」と位置づけられています。

    イギリスの保健当局は、1月28日、ロンドンのあるイングランドでは、1月24日の時点で「BA.2」が1072件確認されていることを明らかにしました。

    現時点では「BA.2」が占める割合は少ないということですが、初期のデータでは「BA.1」よりも、感染力はわずかに高いとみられるということです。

    また、初期の分析では、ワクチンの追加接種を行ってから2週間後の時点で、発症を予防する効果は「BA.1」は63%「BA.2」は70%で大きな違いは確認できないとしています。

    重症化に関するデータは、今のところはないということですが、保健当局は、引き続き「BA.2」に関する分析を続けることにしています。

    オミクロン株 感染急拡大 新たにわかってきたこと オミクロン株が派生? BA.2とは【1/27】

    2022年1月27日

    オミクロン株の感染急拡大がとまりません。
    全国で1日に報告される感染者数は、デルタ株のときのピークのおよそ3倍になっています。
    重症化リスクは低いとはいえ、入院患者数も増加し、病床のひっ迫が各地から報告されています。

    その中で、オミクロン株でも異なる系統のウイルス「BA.2」が海外の一部で拡大しているという情報も出てきました。
    いま、この状況で感染を防ぐためにどうすればよいのか。
    分かってきたことをまとめました。
    (2022年1月27日現在)。

    経験ない感染拡大のペース

    新型コロナの全国での感染確認の発表は2022年1月27日に7万9000人近くとなり、デルタ株の時のピーク、2021年8月下旬のおよそ2万6000人のおよそ3倍になっています。

    全国各地で急激な拡大となっていて、まん延防止等重点措置は1月27日からは34の都道府県に拡大されました。

    「変異株PCR検査」の結果から見ると、2022年1月23日までの1週間の暫定値で、オミクロン株の疑いがあるウイルスは全国97%を占めるに至っています。

    オミクロン株が派生? BA.2とは

    さらに、オミクロン株の系統の1つで「BA.2」と呼ばれる変異ウイルスが注目され始めています。

    現在、世界中で感染が広がっているオミクロン株「BA.1」ではウイルスの表面にある突起部分「スパイクたんぱく質」の一部に欠けている部分がありますが、「BA.2」では、この欠けている部分がないことが分かっています。

    ヨーロッパでは、この部分を目印にしてオミクロン株を検出しているということで、見つけられないこともあると指摘されています。
    (日本で行われている検査では検出できるとされています)

    日本国内では、インドやフィリピンに渡航歴がある人から、このウイルスが検出されているということです。

    また、1月26日の厚生労働省の専門家会合では、このウイルスが広がっているデンマークのデータを分析した結果として、1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数が「BA.1」に比べて18%上昇している可能性があると報告されました。

    デンマークの保健当局のもとにある研究所によりますと、「BA.2」は2021年の年末の1週間ではデンマーク国内で検出される新型コロナウイルスの20%ほどだったのが、2022年1月中旬の1週間では45%ほどになったとしています。

    ただ、デンマーク政府のもとにある感染症の研究所は、1月20日に出した声明で、「BA.1」と「BA.2」で入院に至るリスクは差がなく、感染性の高さやワクチンの効きに違いがあるかどうかは調査中だとしています。

    イギリスの保健当局は1月21日、国内外で増加していることから、「調査中の変異ウイルス」に位置づけたことを公表しました。イギリスでは従来のオミクロン株「BA.1」が優勢で、「BA.2」が占める割合は少ないとしています。ただ、ウイルスの遺伝子の違いにどのような意味があるか分からないところもあり、さらに分析を続けるとしています。

    潜伏期間短く、感染広がるサイクルが短い

    オミクロン株は、感染してから発症するまでの潜伏期間が短いのが特徴です。

    国立感染症研究所の暫定報告によりますと、オミクロン株に感染し発症した113人について分析した結果、平均的な潜伏期間は3日余りでした。

    ウイルスにさらされたあと、3日後までに半数が発症。
    6日後までにはおよそ90%が発症し、9日後までだと98%を超える人が発症していました。

    そして、「ある人が感染してからほかの人に感染させるまでの期間」=「世代時間」も短くなっています。

    厚生労働省の専門家会合の資料によりますと、世代時間はデルタ株ではおよそ5日だったのに対し、オミクロン株ではおよそ2日だと考えられています。
    短い期間のうちに次々と感染させるため、急速に感染が広がっているのではないかと考えられています。

    一方で、オミクロン株が先に拡大した南アフリカやイギリスでは、感染者数が急速に減少し、アメリカでも減少し始めました。

    日本国内ではまだ急増が続いていますが、ピークをできるだけ低くして、少しでも影響を減らすことが大事だと専門家は指摘しています。

    飲食などで感染 “鼻マスク”避けて

    では、いま、どこでも感染する可能性がある状況で、どう対策すればよいのでしょうか?

    ポイントは、オミクロン株でも、感染経路はこれまでの新型コロナウイルスと変わらない点です。

    飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染もあります。

    国立感染症研究所が1月13日に出したオミクロン株に感染したケースの疫学調査の結果では、オミクロン株でも、飲食店での職場同僚との忘年会や、自宅での親族との会食など、飲食を通じた感染が見られていて、飛まつ感染が多くなっています。

    職場での密な環境での作業を通じて感染するケースも報告されています。

    これまでも続けてきた「マスクを着用する」、「換気を行う」といった対策を徹底することが重要になっています。

    政府分科会の尾身会長は、1月25日、分科会のあと報道陣の取材に対し「マスクを外した状況や、“鼻マスク”など着用が不十分な状況での感染が、思っていたよりはるかに多いことが分かっている。徹底してもらいたいのはマスクの適切な着用で、不織布マスクで鼻までしっかり覆ってほしい」と述べました。

    マスクをとった会話や飲食の場面で感染するリスクが高く、厚生労働省の専門家会合は、ワクチン接種者も含め、マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要で、「1つの密でもできるだけ避けた方がよい」としています。

    ワクチン追加接種で入院リスク大幅↓

    オミクロン株でも、ワクチンの追加接種で効果があると考えられていますが、1月21日には、アメリカのCDC=疾病対策センターも入院を防ぐ効果はオミクロン株に対しても90%に上昇するという分析結果を公表しました。

    ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」の2回目の接種から6か月以上たった場合、入院を防ぐ効果は、デルタ株が優勢だった時期に81%だった一方、オミクロン株が優勢になった時期には57%でした。

    しかし、3回目の接種のあとではデルタ株の時期は94%、オミクロン株の時期は90%に上昇したということです。

    また、ワクチンの追加接種を受けた人と比べ、受けていない人は入院する割合が大幅に高くなり、50歳から64歳で44倍、65歳以上で49倍になるという分析もあわせて公表しました。

    CDCは、症状の悪化を防ぐためには3回目の接種が重要で、未接種者はできるだけ早くワクチンを接種する必要があるとしています。

    重症化リスク↓も 病床使用率 ↑に

    オミクロン株は、感染力は強い一方で、感染したときに重症化する割合は低いという見方が強まっています。

    WHO=世界保健機関は1月25日の週報で、「オミクロン株は各国で感染者数が急増しているにもかかわらず、重症化や死亡のリスクは低いようだ」としています。

    また、オミクロン株では、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異ウイルスと比べて肺まで達して重症化するリスクは低いとしています。

    ただ、感染者数が非常に多いため、多くの国で入院者数は急増していて、医療体制がひっ迫しているとして、警戒を呼びかけています。

    イギリスの保健当局によりますと、オミクロン株に感染して入院に至るリスクは、デルタ株の場合に比べて3分の1になっているとしています。

    ただ、イギリスでは3回目の追加接種を受けた人が2022年1月25日の時点で64.4%に上っていて(12歳以上)、1月27日時点で全人口の2.5%にとどまっている日本とは状況が異なるため、注意が必要です。

    国内でも各地から軽症者が多いという報告が相次いでいますが、国内で最も早い時期に感染が広がった沖縄県では重症化リスクのある高齢者に感染が広がってきています。

    沖縄県で感染者に占める60代以上の割合は、1月23日までの1週間でおよそ16%と徐々に上昇してきています。

    病床の使用率は日に日に上がってきていて、1月26日時点で沖縄県では63.8%、大阪府では53.9%、東京都では42.8%などとなっています。

    国内では死者数が少ない状態が続いていますが、海外では感染者数が減っても死者数が増加したところがあります。

    イギリスでは、1月18日までの1週間での新規感染者数はおよそ67万4000人と、前の1週間と比べておよそ40%減少したあと、ほぼ横ばいとなっています。
    死者数は、感染者数がピークアウトしたとみられた1月18日までの1週間で1900人余りとおよそ15%増加、その後の1週間でも1800人余りと多い状態が続いています。

    日本でも、感染が広がり続けると、重症患者や亡くなる人の数が増えるおそれがあります。

    子どもの感染拡大 各国で懸念

    オミクロン株では、これまでは少なかった子どもでの感染拡大も続いています。

    厚生労働省のウェブサイトによりますと、10歳未満の新規感染者数は、2021年12月28日までの1週間では149人でしたが、2022年1月4日まででは353人、1月11日まででは2238人、1月18日まででは1万2947人と急増しています。

    アメリカでは、1月20日までの1週間で、子どもの新規感染者数は115万1000人となり、過去最多を更新し続けています。

    アメリカ小児科学会は、子どもで症状が重くなり入院に至る率は0.1から1.5%、死亡率は0から0.02%と報告しています。

    日本国内では、ワクチンの接種対象年齢が5歳までに引き下げられました。
    ファイザーの臨床試験では、5歳から11歳での発症を防ぐ効果は90.7%で、接種後に出た症状もおおむね軽度から中程度だったとしています。

    小児科医でワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は、
    「どの子が重症化するか事前に特定できず、ワクチン接種で備えるのは大切なことだ。オミクロン株は、上気道、鼻やのどで増えると言われていて、子どもはたんを出しにくかったり、気道が小さかったりして、激しくせきこんだり呼吸困難になったりすることも考えられる。子どもにとっての上気道の感染症は侮ってはいけない。あらかじめ親子でワクチンについて理解して、メリットとデメリット、副反応をよく考えて、子どもも親子も納得して進めなければいけない」
    と話しています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    『アルファ株』(2020年12月 イギリスで最初に報告)
    『ベータ株』(2020年12月 南アフリカで最初に報告)
    『ガンマ株』(2021年1月報告 ブラジルで拡大)
    『デルタ株』(2020年10月 インドで同じ系統が最初に報告)
    『オミクロン株』(2021年11月 南アフリカが最初に報告)

    ▼感染力

    『アルファ株』 ↑
    『ベータ株』 ↑
    『ガンマ株』 ↑
    『デルタ株』 ↑ ↑
    『オミクロン株』 ↑ ↑ ↑

    オミクロン株の感染スピードの速さを示すデータが、各国から報告されています。

    WHOの週報では、家庭内での「2次感染率」はデルタ株の21%に対し、オミクロン株は31%だったとする、2021年12月のデンマークでの分析結果を紹介しています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターは、オミクロン株の感染力は最大でデルタ株の3倍とするデータがあるとしています。

    ▼病原性

    『アルファ株』 入院・重症化・死亡のリスク高い可能性
    『ベータ株』 入院のリスク・入院時の死亡率高い可能性
    『ガンマ株』 入院・重症化のリスク高い可能性
    『デルタ株』 入院のリスク高い可能性
    『オミクロン株』 入院・重症化リスク低い

    オミクロン株では、入院に至るリスクや重症化リスクがデルタ株に比べて低いとされています。

    一方、イギリスの保健当局は、オミクロン株は重症化リスクが低いといっても、感染拡大のスピードの速さや免疫から逃れる性質があり、必ずしも医療機関への負荷が減ることを意味しない、と強調しています。

    ▼再感染のリスク

    『アルファ株』 ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか
    『ベータ株』 ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持
    『ガンマ株』 ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る
    『デルタ株』 ウイルスを抑える抗体の働きは減る
    『オミクロン株』 再感染のリスク上がる

    WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクは、デルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

    ▼ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    『アルファ株』 感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『ベータ株』 発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『ガンマ株』 感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『デルタ株』 感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず(感染予防・発症予防は下がるという報告も)
    『オミクロン株』 発症予防効果低下・重症化予防効果はあるという報告も 3回目接種で発症予防効果・重症化予防効果も上がる報告も

    オミクロン株は、2回のワクチン接種を完了した人でも感染するケースが報告されています。

    発症予防効果は接種から時間を経るごとに下がるものの、重症化を予防する効果は一定程度保たれるというデータが出てきています。

    また、3回目の追加接種で発症予防効果、重症化予防効果が上がるという報告も出てきています。

    イギリスの保健当局のデータでは、オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで、2回の接種から2週間から4週間後には発症を防ぐ効果が65~70%でしたが、20週を超えると10%程度に下がっていました。

    ファイザーのワクチンを2回接種した人が3回目にファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりました。

    ただ、5週間から9週間後では55~70%に、10週を超えると40~50%に下がりました。

    重症化して入院するリスクを下げる効果は、発症を防ぐ効果より高くなっています。

    ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと、2週以降だと88%となっていました。

    ▼治療薬の効果

    重症化を防ぐために感染した初期に投与される「抗体カクテル療法」は、効果が低下するとされています。

    厚生労働省はオミクロン株に感染した患者には、投与を推奨しないとしています。

    一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

    東京大学などの研究グループは、軽症患者用の飲み薬「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」を投与した時に体内に出る物質や、中等症以上の患者に投与される「レムデシビル」の作用を調べたところ、オミクロン株に対して、デルタ株と同じ程度の効果が得られたとする実験結果を紹介しています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    専門家は

    海外の感染状況に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、現状で求められる対策について、
    「オミクロン株は『BA.1』であっても『BA.2』であっても感染力が強いことは変わらず、一般の国民にとってとるべき対策は変わらない。オミクロン株が急速に拡大する現状でとっている対策を徹底し続けることが何より重要だ。
    一方で、感染のしかたや、症状に変化が無いかなどを監視することは最適な対策をとっていく上で大切なことなので、引き続き注視していく必要がある」と話しています。

    対策は変わらない

    私たちができる対策はこれまでと変わりませんが、専門家は今の感染急拡大の状況の中で、対策をより徹底するよう呼びかけています。

    不織布マスクで鼻まで覆い、“鼻マスク”を避けること、密にならないようにして、マスクを外すときにはより注意すること。

    とくに飲食の場面での対策が重要です。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種に加えて、特に会話時などでのマスクの着用、消毒や手洗い、換気や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    オミクロン株 軽症でも「持病悪化」で救急搬送のケースも (1/23)

    2022年1月23日

    急拡大するオミクロン株。首都圏の大学病院では、ほとんどの患者が軽症でとどまっていますが、なかにはコロナの症状は軽いものの感染によって持病が悪化し救急搬送されるなど、感染が間接的に影響を及ぼしているとみられるケースも相次いでいます。

    埼玉県川越市にある、埼玉医科大学総合医療センターは、これまで新型コロナの主に重症患者の治療にあたってきました。

    オミクロン株が急拡大している第6波では、これまでに重症患者への対応はなく、1月22日時点で合わせて40床余りが設けられたコロナ患者の病棟には、高齢者や基礎疾患のある7人が入院していますが、いずれも症状は軽いということです。

    ところが、治療にあたる医師は、コロナの症状とは別にある問題が起きていると指摘します。

    入院中の埼玉県内に住む50代の女性は、感染が確認された数日間は自宅で療養していましたが、療養している間に腹部の持病が悪化し、救急搬送されてきました。

    医師は、この女性のようにコロナの症状は軽いものの、感染が間接的に影響を及ぼし、持病が悪化したとみられるケースも相次いでいるということです。

    女性には肺炎などはみられず、持病の状態も改善してきたため、医師が代理で話を聞く形で取材に応じてくれました。

    女性は「熱が39度に上がったあと、翌日には熱は下がって、このまま治っていくのかと思っていたが、意外とそうではなく、感染によって体にダメージを受けていたようです」と話していました。

    感染症科の岡秀昭教授は「コロナは軽症で肺炎にならなくても、高熱やウイルスによるダメージがあると、持病が悪化することがある。腎臓が悪い人が腎臓が悪化したり、糖尿病の人は糖尿病が悪くなったり。オミクロン株で圧倒的に感染者数が増えると、それによって持病が悪化する、あるいはほかの病気が発症するというリスクにもなってくる」と指摘しています。

    オミクロン株「油断しないで」

    新型コロナウイルスに感染し、埼玉医科大学総合医療センターに入院している女性が取材に応じ、「“オミクロン株はただのかぜだ”と思う人もいるかもしれないが、持病の悪化など体へのダメージも大きいので、油断しないでほしい」と訴えていました。

    埼玉県内に住む50代の女性は、新型コロナウイルスに感染し、現在も入院していますが、症状が落ち着いてきたため、医師が病棟内で代理で話を聞く形で取材に応じてくれました。

    女性は1月上旬、発熱やのどの痛みを感じ、近くの医療機関で検査を受けたところ、新型コロナへの感染が確認されました。

    感染した際の状況について、女性は「飲食店で知人と集まって会話していたので、そこで感染したと思います。お店で換気もしていたし、それぞれマスクも着用していましたが、お酒を飲んだときに気が緩み、マスクをつけて話す、というのが緩くなってしまったと思います」と振り返りました。

    当初、女性は自宅で療養していましたが、数日後、腹部の持病の状態が悪化し、救急搬送されました。

    女性は「はじめに熱が39度くらいまで上がって翌日に医療機関で陽性が確認されたのですが、そのときは熱は下がっていたので、このままどんどん楽に治っていくのではないかと思っていました。しかし、意外とそうではなく、感染によって体はダメージを受けていたようです」と話していました。

    そして、病院で検査したところ、オミクロン株への感染の疑いがあることが分かりました。

    一方、家族への影響も大きく、夫は職場に行けず自宅待機となり、息子は大学受験でしたが、陰性の結果を受けて別室で受験する形になったということです。

    女性は「今まで感染していなかったし、ワクチンを2回接種していることもあり、気が緩んでいたと思います。いつどこで感染するのか分からず、体へのダメージも大きいので、“オミクロン株はただのかぜだ”という意見も見かけますが、やっぱり油断しないほうがいいと思います。これまで我慢してきて、人に会いたいという気持ちはあると思いますが、今はもう一息、我慢したほうがいいとつくづく思います」と話していました。

    感染で本来の治療受けられず

    急速に広がるオミクロン株。

    コロナの症状は軽症のケースが多いものの、その感染力の高さから本来受けたい治療が受けられないという、思わぬ影響も出ています。

    埼玉医科大学総合医療センターには、先週、「外科の手術をしようとしたところ、コロナの感染が判明したので手術ができない。コロナ病棟があるそちらで患者を引き受けて手術してもらえないか」といった相談が、埼玉県や東京都から相次いで寄せられたということです。

    感染症科の岡秀昭教授によりますと、具体的なケースとしては次のようなものでした。

    患者が、別の病院で腸の病気の緊急手術を受けるため、新型コロナの検査を行ったところ、感染が判明したということです。

    コロナの症状はほとんどありませんでしたが、この病院ではコロナの感染対策を行ったうえで手術を行う準備ができないなどとして、岡教授の病院で対応できないか依頼があったということです。

    岡教授は「コロナ自体はすでに“コモンディジーズ”(commondisease)よくある病気。これだけ感染者が増えると、いちばんありふれた病気になっている。盲腸で来たけれども実はコロナがあった、そういうことは十分あり得る。軽いコロナはインフルエンザ症状なので、どの病院でも診ることができるようにしないといけないと思うし、急いで手術をしなければ患者の命に関わることもある。感染対策を取りながらどの病院でも診れるようにしなければいけない」と指摘しています。

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    オミクロン株 “かつてない感染拡大” 今できることは(1/19)

    2022年1月19日

    「オミクロン株」によって全国各地で新型コロナの感染が始まって以来、最多となる感染者数が報告され、欧米などで見られた急激な感染拡大が今まさに日本国内で起きています。いまや、国内で検出される新型コロナウイルスのほとんどがオミクロン株に。感染力が強い一方、重症化するリスクはデルタ株などと比べると低いことも分かってきていますが、それでも感染の急拡大に伴って入院する人は急増し、病床の使用率は日に日に上がってきています。感染はどんなところで広がっているのか。これだけ広がっているいま、感染を防ぐためにはどうすればいいのか。分かってきたことをまとめました。(2022年1月19日現在)

    経験ない感染拡大のペース

    新型コロナの全国での感染確認の発表は、1月19日に初めて一日で4万人を超え、2022年1月1日の456人(検疫での確認除く)と比べ、実におよそ90倍となっています。

    オミクロン株によって、都市部だけでなく、これまでの感染の波では大きな拡大になっていなかった地域も含めて全国各地での急激な拡大となっています。

    新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合は2022年1月13日、オミクロン株への置き換わりによって都市部だけでなく各地で「これまでに経験したことのない速さで新規感染者数が増加している」と指摘しました。

    沖縄県・広島県・山口県に加えて、東京など首都圏、愛知県など東海、熊本県などの九州までの1都12県にも、1月21日からまん延防止等重点措置が適用されることが決まりました。

    デルタ株からオミクロン株への置き換わりは急速で、「変異株PCR検査」の結果から見ると2022年1月9日までの1週間で全国でもオミクロン株の疑いがあるウイルスは84%を占めるに至っています。

    日本国内では、2021年11月28日に入国した人から検疫所で検出されたのが初めてのケースで、初めて市中感染が報告されたのは2021年12月22日でした。

    検疫所での検出から1か月余り、市中感染の報告から半月ほどで、ほとんどを占めるに至っています。

    イギリスやアメリカでは、年末・年始の段階で、初めての感染確認から1か月ほどでオミクロン株にほぼ置き換わったことが報告されていました。

    いま、およそ半月遅れで日本で同じことが起きていると言えます。

    潜伏期間短く感染広がるサイクルが短い

    オミクロン株の感染拡大のペースが速い背景として、感染してから発症するまでの潜伏期間が短いことがあると考えられています。

    国立感染症研究所の暫定報告によりますと、オミクロン株に感染し発症した113人について分析した結果、平均的な潜伏期間は3日余りでした。

    ウイルスにさらされた翌日までに発症したのは9%弱、2日後までが30%余り、3日後までが53%余りと、半数が3日後までに発症していました。

    そして、6日後までにはおよそ90%が発症し、9日後までだと98%を超える人が発症していました。

    感染から発症までのスパンがこれまでの新型コロナウイルスよりも短いために、感染が速く広がりやすくなっているとみられています。

    飲食などで感染

    オミクロン株でも感染経路はこれまでの新型コロナウイルスと変わりません。

    飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染もあります。

    国立感染症研究所が1月13日に出したオミクロン株に感染したケースの疫学調査の結果では、オミクロン株でも飲食店での職場同僚との忘年会や自宅での親族との会食など飲食を通じた感染が見られていて、飛まつ感染が多くなっています。

    職場での密な環境での作業を通じて感染するケースも報告されています。

    政府分科会の尾身会長は1月19日、対策のキーワードは「人数制限」だとしたうえで「オミクロン株の感染経路の調査で分かってきたのは、多くの人が集まって、飲食して、大声を出し、換気が悪い環境で多くの感染が起きているということだ。感染リスクの高い状況に集中して対策を行うことが重要だ。家庭や職場でも人が集まって大声が出るパーティーなど、感染リスクの高い場面を避けることが重要だ」と述べました。

    マスクをとった会話や飲食の場面で感染するリスクが高く、厚生労働省の専門家会合は、ワクチン接種者も含めマスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要で「1つの密でもできるだけ避けたほうがよい」としています。

    重症化リスク↓も 病床使用率 ↑に

    オミクロン株は感染力は強い一方で、感染したときに重症化する割合は低いという見方が強まっています。

    WHOは1月11日の週報で、オミクロン株による入院と重症化のリスクは「下がっていると見られる」とまとめました。

    オミクロン株の症状について、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異ウイルスと比べて肺まで達して重症化するリスクは低いという見解がWHOなどから示されています。

    イギリスの保健当局によりますと、オミクロン株に感染して入院に至るリスクはデルタ株の場合に比べて3分の1になっているとしています。

    ただ、イギリスでは3回目の追加接種を受けた人が2022年1月17日の時点で63.6%に上っていて、1月19日時点で1.3%にとどまっている日本とは状況が異なるため注意が必要です。

    オミクロン株による重症化リスクについて、国内では沖縄県での初期段階のデータが示されています。

    1月4日の時点で無症状や軽症は92.3%、肺炎がみられる中等症1が4.0%、酸素投与が必要な中等症2が3.7%、人工呼吸器が必要な重症は0%でした。

    ただ専門家は、現時点で沖縄でのオミクロン株の感染者は若者が圧倒的に多く、今後高齢者にも感染が広がった場合、重症者数が増える可能性があるとしています。

    沖縄県では60代以上の高齢者の割合が1月18日の時点でおよそ15%と、ここ数日で徐々に上昇してきています。

    病床の使用率は日に日に上がってきていて、1月19日時点で沖縄県では60.5%、大阪府では31.3%、東京都では25.9%などとなっています。

    WHOは入院に至るリスクが下がっているにもかかわらず感染者数が非常に多いことから、入院や重症化、死亡例は大きく増加していて、医療体制に大きな負荷がかかっているとしています。

    国内では亡くなる人の数は少ない状態が続いていますが、日本より早くオミクロン株の感染が拡大した海外では死者数も増加しています。

    イギリスでは1月18日までの1週間での新規感染者数はおよそ67万4000人と、前の1週間と比べておよそ40%減少しピークアウトしたようにも見えますが、同じ直近1週間の死者の数は1900人余りとおよそ15%増加し増加傾向が続いています。

    日本でも感染が広がり続けると、重症患者や死者の数が増えるおそれがあります。

    子どもの感染拡大 各国で懸念

    オミクロン株では子どもの感染拡大にも注目が集まっています。

    国内では、厚生労働省のウェブサイトによりますと、1月11日までの1週間での10歳未満の新規感染者数は2238人でした。

    1月4日までの1週間では353人、2021年12月28日までの1週間では149人で、年明けに急増しています。

    アメリカでも1月13日までの1週間で子どもの新規感染者数は98万1000人と、前の週の1.69倍となり過去最多となっています。

    アメリカ小児科学会は、子どもが症状が重くなり入院に至る率は0.1から1.5%、死亡率は0から0.02%と報告しています。

    また、特にワクチン接種の対象年齢に達していない4歳以下の子どもの入院率が上昇していて、CDC=疾病対策センターによりますと、この年代で1月1日までの入院率が人口10万当たり4.3人と、その前の週の2.6人から大きく増えています。

    イギリスでも子どもの入院が増えています。

    保健当局の資料によると2021年12月下旬には0歳から17歳までの入院患者数は40人程度でしたが、2週間後の1月上旬には3倍のおよそ120人にまで増加しました。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    ▼感染力

    オミクロン株の感染力の強さを示すデータが、各国から報告されています。

    WHOの週報では家庭内での「2次感染率」はデルタ株の21%に対し、オミクロン株は31%だったとする2021年12月のデンマークでの分析結果を紹介しています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターは、オミクロン株の感染力は最大でデルタ株の3倍とするデータがあるとしています。

    ▼病原性

    『アルファ株』→入院・重症化・死亡のリスク高い可能性
    『ベータ株』→入院のリスク・入院時の死亡率高い可能性
    『ガンマ株』→入院・重症化のリスク高い可能性
    『デルタ株』→入院のリスク高い可能性
    『オミクロン株』→入院・重症化リスク低い

    オミクロン株では入院に至るリスクや重症化リスクがデルタ株に比べて低いという報告が相次いでいます。

    一方でイギリスの保健当局は、オミクロン株は重症化リスクが低いといっても感染拡大のスピードの速さや免疫から逃れる性質があるため、必ずしも医療機関への負荷が減ることを意味しないと強調しています。

    ▼再感染のリスク

    『アルファ株』→ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか
    『ベータ株』→ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持
    『ガンマ株』→ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る
    『デルタ株』→ウイルスを抑える抗体の働きは減る
    『オミクロン株』→再感染のリスク上がる

    WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクはデルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

    ▼ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    『アルファ株』→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『ベータ株』→発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『ガンマ株』→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『デルタ株』→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず(感染予防・発症予防は下がるという報告も)
    『オミクロン株』→発症予防効果低下・重症化予防効果はあるという報告も 3回目接種で発症予防効果・重症化予防効果も上がる報告も

    オミクロン株は2回のワクチン接種を完了した人でも感染するケースが報告されています。

    発症予防効果は接種から時間を経るごとに下がるものの、重症化を予防する効果は一定程度保たれるというデータが出てきています。

    また、3回目の追加接種で発症予防効果、重症化予防効果が上がるという報告も出てきています。

    イギリスの保健当局が示したデータでは、オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで2回の接種から2週間から4週間後には発症を防ぐ効果が65~70%でしたが、20週を超えると10%程度に下がっていました。

    ファイザーのワクチンを2回接種した人が3回目にファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりました。

    ただ、5週間から9週間後では55~70%に、10週を超えると40~50%に下がりました。

    その一方で、重症化して入院するリスクを下げる効果は発症を防ぐ効果より高くなっています。

    ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと2週以降だと88%となっていました。

    ▼治療薬の効果

    重症化を防ぐために感染した初期に投与される「抗体カクテル療法」は、効果が低下するとされています。

    厚生労働省はオミクロン株に感染した患者には、投与を推奨しないとしています。

    一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

    東京大学などの研究グループは、軽症患者用の飲み薬「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」を投与した時に体内に出る物質や、中等症以上の患者に投与される「レムデシビル」の作用を調べたところ、オミクロン株に対してデルタ株と同じ程度の効果が得られたとする実験結果を紹介しています。

    またWHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は引き続き効果が期待されるとしています。

    専門家は

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は「感染拡大はまだ途中で、今後さらに増えていくことを想定しないといけない。感染者が増えると多くの人が同時に感染して医療や物流、交通に、一時的に大きな影響が出る懸念もある。発熱などの症状のある人は、今はほかの人との接触を避けてもらって感染リスクの高い場面をできるかぎり減らし、感染のピークができるだけ高くならないようにすることが重要だ」と話しています。

    また、小児科医でワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は、感染が拡大する中、重症化しにくいとされる子どもでもワクチン接種のメリットはあるとしています。

    「子どもでも、どの子が感染して重症化するか事前に特定はできず、ワクチンを接種して備えるのは大切なことだ。オミクロン株は上気道、鼻やのどで増えると言われていて、子どもはたんを出しにくかったり気道が小さかったりして、激しくせきこんだり呼吸困難になったりすることも考えられる。塾や学童保育、お稽古事など、不特定多数が密に集まる場面での感染事例は実際に起きている。感染して隔離されると子どもにとって大きな負担なので、接種のメリットはある」と話しています。

    対策は変わらない

    私たちができる対策はこれまでと変わりません。

    ただ、感染力が強いため、密にならないようにしてマスクを外すときにはより注意した方がよさそうです。

    とくに飲食の場面の対策が重要です。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、特に会話時などでのマスクの着用、消毒や手洗い、換気や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    名古屋 コロナ自宅療養中に死亡の男性 オミクロン株感染を確認(1/18)

    2022年1月18日

    名古屋市は1月11日に新型コロナウイルスへの感染が確認され、自宅療養中に死亡した市内の70代の男性について、ゲノム解析の結果、オミクロン株に感染していたことが確認されたと発表しました。市によりますと詳しい死因はわかっていないということです。

    名古屋市では、1月11日に新型コロナウイルスへの感染が確認され、自宅で療養中だった70代の男性が、翌日の朝に死亡しているのが見つかりました。

    男性は発熱や全身の倦怠感などの症状が出ていましたが軽症で、市の保健センターが医療機関での受診中に男性に電話で連絡をとって緊急の連絡先を伝えていました。

    男性のケアマネージャーがその日の夜から翌朝にかけて電話をかけたもののつながらず、連絡を受けた救急隊員が自宅で死亡しているのを見つけたということです。

    この男性について、名古屋市は1月18日、ゲノム解析の結果、オミクロン株に感染していたがわかったと発表しました。

    市によりますと、男性は間質性肺炎や肺気腫などの基礎疾患があったということですが、詳しい死因はわかっていないということです。

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    新型コロナ オミクロン株 患者のゲノム解析で見えたものは…(1/17)

    2022年1月17日

    急速に感染が拡大する「オミクロン株」。

    ウイルス学が専門の東京医科歯科大学の医師が、オミクロン株の入院患者のゲノム解析を行ったところ、同じオミクロン株でも変異箇所が一部異なる複数の種類があったほか、デルタ株でみられた肺炎を起こしやすくするとされる変異と同じ箇所での変異が今回の患者でも確認されたということです。

    医師は、「オミクロン株が重症化しないと結論づけるのは時期尚早で、まだ慎重に見る必要がある」と指摘しています。

    ウイルス学が専門で、新型コロナの遺伝子解析を進める東京医科歯科大学の武内寛明准教授は、オミクロン株の入院患者4人のゲノム解析を行いました。

    その結果、いずれも南アフリカやヨーロッパ、アジアで広がっているものではなく、北米で広がっている系統だったということです。

    ただ、同じ北米の系統でも、変異箇所が一部異なる2種類にわかれたということで、武内准教授はオミクロン株は絶えず変異を続けていて、日本でどの系統が主流になるか分析していく必要があるとしています。

    武内准教授は、「どこで流行したものが流入し、主流となるのかわかれば、空港の検疫態勢でメリハリがつけられる。治療法も、基本的な情報を得ることが可能になり、治療薬や治療法の選択にもつながる情報になる」と話しています。

    オミクロン株の症状は…

    また、オミクロン株の症状はどこまで分かっているのか。

    武内准教授によりますと、デルタ株で、肺の炎症を起こしやすくするとされる、「P681R」の変異と同じ箇所での変異がオミクロン株の患者にもみられ、「P681H」という変異が確認されたということです。

    この変異箇所は、動物を用いた研究で肺炎を起こしやすいという結果が出ているということです。

    武内准教授は、「オミクロン株でも、肺の炎症度に関わるとされる部位に変異が入っている。オミクロン株でも基礎疾患があるなど、一定のリスクを持っている方たちには、同等に症状が出てくる可能性は十分考えられる。必ずしもオミクロン株が重症化しない、しにくいと結論づけるのは時期尚早で、まだ慎重に見る必要がある」と指摘しています。

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    オミクロン株 “ワクチン未接種の患者には肺炎症状も”(1/14)

    2022年1月14日

    オミクロン株の患者の対応にあたっている東京都内の大学病院では、多くが軽症でとどまる中、ワクチン接種ができていない患者には肺炎の症状がみられたケースもあり、医師は「大半は軽症かもしれないが、オミクロン株は分かっていないことがたくさんあり、まだ慎重に対応すべきフェーズだ」と指摘しています。

    東京 八王子市にある、東京医科大学八王子医療センターでは、2021年12月下旬から空港の検疫で感染が確認された人など、これまでに10人以上のオミクロン株の患者を受け入れています。

    感染症科の平井由児教授によりますと、多くの患者がせきやのどの痛みといった軽い症状でとどまる中、一部は中等症まで悪化するケースもみられたということです。

    このうち、2022年に入って入院した20代の男性患者は、ワクチン接種ができていないということで、医師が肺のCT画像を確認したところ、肺炎の症状がみられたということです。

    現在は回復傾向にあり、1月13日は、看護師が体温や血圧を測ったり、症状に変化がないか確認したりしていました。

    平井教授は「オミクロン株は軽症だと思われているかもしれないが、ワクチンを打っている方と打っていない方の差は少なくともあるかもしれない。ワクチンを打っておらず基礎疾患がある方や、高齢の方が感染した場合、どうなるのか分からない。感染者の分母が増えれば、高齢者などの層にウイルスが入り込む可能性も高い。やはり、まだ分からないことはたくさんあるので、慎重に対応すべきフェーズだ」と指摘しています。

    多くの診療科が当番制で担当

    東京医科大学八王子医療センターは、コロナ患者の診療において中心的な役割を担う感染症科や総合診療科などの医師が「新型コロナコンシェルジュ」として、指導を行いながら、院内に36ある診療科のうち、6割以上に上る科の医師が日替わりで、その日入院した患者の主治医となって受け持つ体制づくりを進めています。

    さらに、感染の拡大に備えて1月18日からは、一時、50床ほどにまで縮小していたコロナ専用病床を、80床余りまで広げるということです。

    感染症科の平井由児教授は「現在は、すべての診療科が当番制で診るという仕組みで、そこに私たちのような新型コロナコンシェルジュという役割を設け、主治医になった診療科とコンシェルジュが2つの目線で患者を診ていく。一緒に診療する形でバックアップしていく体制を取っている」と話しています。

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    【詳しく】“社会機能を維持” 濃厚接触者の待機期間短縮へ(1/14)

    2022年1月14日

    オミクロン株の感染が急速に拡大し医療や介護などの体制がひっ迫してきています。沖縄では1月12日時点で医療従事者の600人を超える欠勤が出て救急や診療が制限される事態となっています。

    さらなる感染の拡大が懸念される中、厚生労働省はオミクロン株の感染者の濃厚接触者について現在14日間としている待機期間を原則10日間に短縮する方針を明らかにしました。医療現場で起きていることや、欧米の対応などについてもまとめました。

    ■濃厚接触者の待機期間 14日間→10日間

    オミクロン株の感染拡大を受けて、厚生労働省は社会機能を維持できるよう濃厚接触者に求めている宿泊施設や自宅での待機期間を短縮する方針を固めました。

    オミクロン株感染者の濃厚接触者に対しては現在、宿泊施設や自宅で14日間待機するよう求めていますが、1月13日に開かれた厚生労働省の専門家会合では潜伏期間が従来のウイルスよりも短いことなどから待機期間を短縮するよう求める意見が出されていました。

    これを受けて岸田総理大臣は1月14日、濃厚接触者の待機期間をめぐって後藤厚生労働大臣と対応を協議。その後、後藤厚生労働大臣は記者団に対し待機期間を現在の14日間から10日間に短縮する方針を明らかにしました。

    さらに医療従事者に加え警察や消防、公共交通、それに介護や保育など社会や暮らしを支える「エッセンシャルワーカー」については、自治体の判断で感染者に最後に接触した日から6日目に実施するPCR検査や抗原定量検査、または6日目と7日目に実施する抗原定性検査で連続して陰性であれば待機を解除できるようにする方針です。

    このほかオミクロン株への置き換わりが進んだ自治体では現在デルタ株への感染者以外を対象に行っているゲノム解析などを省略し、すべての感染者をオミクロン株への感染者とみなして扱うことができるようにするといいうことです。

    後藤大臣は「引き続きオミクロン株の感染力や重症化リスクなどに関する科学的知見を収集しつつ、地域の医療体制をしっかりと稼働させて先手先手で国内の感染拡大に全力で対応していきたい」と述べました。

    ■エッセンシャルワーカーへの影響続く…

    後藤厚生労働大臣は待機期間を短縮する方針について社会機能を維持できるようにするためだとしていますが、感染が拡大している地域では「エッセンシャルワーカー」の機能維持がすでに難しくなっているケースもあります。

    <沖縄>働くことができない医療従事者相次ぐ

    沖縄県内では感染したり濃厚接触者になるなどして働くことができない医療従事者が1月12日現在で628人に上っています。

    このうち感染が確認されたのは180人で、濃厚接触者になるなどして働くことができない医療従事者は合わせて448人となっています。

    濃厚接触者になっても医療従事者は無症状の場合、毎日検査を行って陰性が確認されれば働けることになっていますが、県によりますと症状があって働けない人も多いということです。

    県によりますと1月12日現在、救急の受け入れ制限を行っている医療機関は8か所で一般診療を制限している医療機関は14か所となっています。

    <沖縄>「医療崩壊に近いと思う…」

    豊見城市にある新型コロナの重点医療機関の「友愛医療センター」では感染の急拡大に伴い1月4日ごろから医師や看護師、それに事務職員が出勤できないケースが相次いでいます。

    病院によりますと、新型コロナに感染したり濃厚接触者になったりしたほか、市内の小中学校が臨時休校して子どもの面倒を見るために1月13日現在で職員数十人が働くことができずにいるということです。

    職員が不足する中、1月13日時点で院内に20床あるコロナ患者用の病床のうち15床が埋まっているため、病院では職員の出勤状況などを把握したうえで病棟ごとに再配置する調整を進めています。

    友愛医療センターの西平守邦医師は「冬はコロナ以外の通常の医療もひっ迫する時期で本来であればもっと医療提供の幅を広げないといけないのに、職員が不足して縮小せざるを得ない状況です。医療崩壊に近いと思います」と話していました。

    <沖縄>消防 3交代制→2交代制に

    那覇市の消防では職員に感染者が出て濃厚接触者も出勤できず「3交代制」から「2交代制」に変更しての業務を余儀なくされています。

    那覇市与儀にある「中央消防署国場出張所」では職員が7人ごとに3班に分かれて24時間勤務し、2日間休むという「3交代制」で業務に当たっていました。

    しかし1月に入ってこのうち1つの班で職員1人の感染が確認され、残りのメンバーが濃厚接触者になって出勤できなくなっているということです。

    このためこの出張所では残りの2班で業務を維持するため、24時間勤務して1日休む「2交代制」に当番体制を変更しました。

    那覇市消防局総務課の屋嘉比勝課長は「職員に負担をかけることになってしまうが、消防力の低下は絶対にあってならないのでどうにか頑張ってほしい」と話していました。

    <広島>120人が出勤できず

    「エッセンシャルワーカー」への影響はほかの地域でも広がっていて、広島県内では医療機関や交通機関などで感染が相次ぎ、これまでに少なくとも120人が出勤できなくなっているということです。

    また教育や保育の現場でも感染が相次ぎ、県内の少なくとも68の小学校や中学校、それに保育園などで休校や学級閉鎖となり、保護者が仕事を休むなどの影響も広がっています。

    ■これまでにない増加ペース

    新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると全国の感染者数は1月に入って急激な増加が続いていて東京や大阪、沖縄など全国各地でこれまでにないペースでの感染拡大になっています。

    <全国>
    ▽12月16日までの1週間では前の週に比べて1.12倍
    ▽12月23日は1.45倍
    ▽12月30日は1.60倍と
    徐々に増加していたのが、オミクロン株の感染が広がるとともに
    ▽1月6日は4.86倍
    ▽1月13日まででは6.69倍と
    増加のペースが上がり続けています。

    <東京>
    ▽12月30日までの1週間は前の週の1.65倍
    ▽1月6日は4.48倍
    ▽1月13日まででは6.90倍

    <大阪>
    ▽12月30日までの1週間は前の週の1.96倍
    ▽1月6日は4.57倍
    ▽1月13日まででは6.67倍

    <沖縄>
    ▽12月30日までの1週間は前の週の3.59倍
    ▽1月6日は10.86倍
    ▽1月13日まででは4.62倍と

    急激な拡大が続いています。

    ■欧州各国 隔離期間を短縮

    ヨーロッパ各国でも隔離期間を短縮する措置が取られています。

    【イギリス】
    オミクロン株が拡大し一日の感染者が連日10万人を超えるイギリスでは、隔離によって外出できなくなる人が急増し、医療機関や学校それに交通機関などで働く人が不足する事態になっています。

    イギリス政府は2021年12月、ロンドンのあるイングランドで感染した人の隔離期間を10日間から最短で7日間に短縮しましたが、社会的な影響が深刻になる中、1月17日からはさらに短くし5日間とすると発表しました。発表によりますと、隔離を5日間で終えられるのは検査によって陰性が2回連続で確認され熱がなかった場合で、隔離を終えても周囲の人を感染させる可能性があるとしてマスクの着用や混雑した場所での接触を避けることなどを求めています。

    【フランス】
    フランスはワクチンを接種していれば隔離期間を7日間に短縮し、医療従事者などは症状がなければ隔離の免除も可能だとしています。またワクチンの接種を済ませた接触者は検査を受けることを条件に隔離を免除しています。

    【ドイツ】
    ドイツは感染者の隔離期間を検査で陰性となれば7日間に短縮し、接触者はワクチンの追加接種を受けていれば隔離を免除しています。

    【イタリア】
    イタリアもワクチンの追加接種を受けているなど一定の条件のもとで感染者の隔離期間を7日間に短縮し、接触者は隔離を免除しています。

    ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターは、社会や暮らしを支える「エッセンシャルワーカー」の隔離期間についてワクチンの追加接種など一定の条件を満たしていれば3日間に短縮できるとする指針を示しています。

    <アメリカ>カリフォルニア州 陽性でも無症状なら業務継続

    アメリカでも一定の条件のもとに隔離期間を5日間に短縮していて、感染拡大による社会への影響に対応する動きが広がっています。

    カリフォルニア州の保健当局は、新型コロナウイルスの感染拡大で医療従事者が不足していることから2月1日までの間、医療従事者自身が陽性と確認されても無症状であれば隔離を不要とし業務を継続できるとする方針を打ち出しました。

    勤務に当たっては高性能なマスクを着用するよう義務づけたうえで新型コロナの陽性患者の対応にあたることが望ましいとしていますが、すぐに検査ができない救急病棟や人手不足が深刻な職場ではこのかぎりではないとしています。

    ただこの方針に対し現地ではほかの患者に感染を広げるおそれがあり危険な対応だとして、反対の声が上がっています。

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    濃厚接触者の自宅など待機期間 14日間→10日間に短縮へ 厚労相(1/14)

    2022年1月14日

    オミクロン株の感染拡大を受けて、後藤厚生労働大臣は、社会機能を維持できるよう濃厚接触者に求めている宿泊施設や自宅での待機期間を、現在の14日間から10日間に短縮する方針を明らかにしました。

    さらに医療従事者や警察や消防など、いわゆる「エッセンシャルワーカー」については、自治体の判断で感染者に最後に接触した日から6日目に実施するPCR検査などで陰性であれば待機を解除できるようにする方針です。

    政府は、オミクロン株感染者の濃厚接触者に対し、現在宿泊施設や自宅で14日間待機するよう求めていますが、1月13日に開かれた厚生労働省の専門家会合では、潜伏期間が従来のウイルスよりも短いことなどから待機期間を短縮するよう求める意見が出されました。

    これを受けて岸田総理大臣は1月14日夜、総理大臣官邸で濃厚接触者の待機期間をめぐって、後藤厚生労働大臣と対応を協議しました。

    このあと後藤厚生労働大臣は、記者団に対し社会機能を維持できるよう待機期間を現在の14日間から10日間に短縮する方針を明らかにしました。

    さらに医療従事者に加え警察や消防、公共交通、それに介護や保育など、社会や暮らしを支える「エッセンシャルワーカー」については、自治体の判断で感染者に最後に接触した日から6日目に実施するPCR検査や抗原定量検査、または6日目と7日目に実施する抗原定性検査で連続して陰性であれば待機を解除できるようにする方針です。

    このほかオミクロン株への置き換わりが進んだ自治体では、現在デルタ株への感染者以外を対象に行っているゲノム解析などを省略し、すべての感染者をオミクロン株への感染者とみなして扱うことができるようにすることも明らかにしました。

    そして後藤大臣は「引き続きオミクロン株の感染力や重症化リスクなどに関する科学的知見を収集しつつ、地域の医療体制をしっかりと稼働させて先手先手で国内の感染拡大に全力で対応していきたい」と述べました。

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    「40度くらいの発熱 かなりつらい」オミクロン株感染者が語る(1/14)

    2022年1月14日

    感染力が強いとされるオミクロン株によって新型コロナウイルスの感染者数が急激に増加するなか、オミクロン株に感染したという男性が取材に応じ、「40度くらいの熱が出てかなりつらかった。妻や子どもも感染した」などと状況を語りました。

    首都圏に住む30代の会社員の男性は1月6日、発熱や喉の痛み、それにせきなどの症状が出て、翌日病院の検査で新型コロナウイルスへの感染が判明しその後、保健所からオミクロン株に感染していると連絡を受けたということです。

    発症前には、家族だけで近場を旅行しましたが、飲み会などに参加する機会はなかったということで、感染の経緯について「心あたりはないです。どこで感染したかは正直わかりません。旅行のどこかではないかと推測しています。特に感染者に会ったとか濃厚接触したとかもないので本当にどこでかかったかわからないという状況です」と話していました。

    男性は、処方されたせき止めや熱を下げる薬を飲みながら自宅で療養しています。

    発症当初は、40度ほどまで熱が上がりましたが、発熱は3日ほどで収まりました。

    ただ発症して1週間以上たった1月13日もせきや倦怠感などが残っているということで、「発熱、のどの痛み、せきがつらかったです。いちばんつらかったのは高熱で熱が高すぎて夜も寝られない状況でした。鼻水や下痢もありました」と話しています。

    妻と子ども2人の合わせて4人で暮らしていて、家庭内でもなるべく接触を避け、消毒を徹底するなどしましたが、その後、妻と3歳の子どもが新型コロナウイルスに感染したことが確認されたということです。

    男性は「感染力が強いとニュースで報じられていますがそれを実感しました。家族が重症化せず、早く治ってほしいです」と話していました。

    また今後について「もう1人の子どもに感染しないか気になります。また、後遺症といった部分でどう自分に影響してくるか分からず不安です」と話していました。

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    新型コロナ 全国感染者数 急激な増加続く 経験ない感染拡大に(1/14)

    2022年1月14日

    新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、1月に入って全国の感染者数の急激な増加が続いていて、まん延防止等重点措置が適用されている沖縄県など3県のほか、東京都、大阪府、愛知県といった大都市部だけでなく、全国各地でこれまでにないペースでの感染拡大になっています。

    NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

    全国 1月13日までで6.69倍 増加ペース上がり続ける

    ▽2021年12月16日までの1週間では前の週に比べて1.12倍、
    ▽2021年12月23日は1.45倍、
    ▽2021年12月30日は1.60倍と徐々に増加していたのが、オミクロン株の感染が広がるとともに
    ▽1月6日は4.86倍、
    ▽1月13日まででは6.69倍と、増加のペースが上がり続けています。

    1日当たりの新規感染者数はおよそ9525人と、2021年9月中旬とほぼ同じ水準になっていて、感染者数はすべての都道府県で急増しています。

    重点措置適用の地域

    まん延防止等重点措置が適用されている地域では、急激な感染拡大が続いています。

    【沖縄県】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の3.59倍、
    ▽1月6日は10.86倍、
    ▽1月13日まででは4.62倍と急激な拡大が続いています。
    1日当たりの新規感染者数はおよそ1389人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は全国で最も多い669.03人となっています。

    【広島県】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の3.60倍、
    ▽1月6日は36.67倍、
    ▽1月13日まででは6.53倍で、
    1日当たりの新規感染者数は616人、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は153.78人となっています。

    【山口県】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の5.50倍、
    ▽1月6日は14.30倍、
    ▽1月13日まででは2.39倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ161人、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は83.14人となっています。

    1都3県

    首都圏の1都3県ではいずれも1月に入ってから増加のペースが上がり、これまでにないスピードでの感染拡大となっています。

    【東京都】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の1.65倍、
    ▽1月6日は4.48倍、
    ▽1月13日まででは6.90倍と急激に拡大しています。
    1日当たりの新規感染者数はおよそ1503人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は75.60人となっています。

    【神奈川県】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の1.16倍、
    ▽1月6日は2.23倍、
    ▽1月13日まででは8.48倍となっていて、
    1日当たりの新規感染者数はおよそ477人となっています。

    【埼玉県】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の1.54倍、
    ▽1月6日は4.42倍、
    ▽1月13日まででは8.87倍となっていて、
    1日当たりの新規感染者数はおよそ414人となっています。

    【千葉県】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の0.91倍、
    ▽1月6日は6.00倍、
    ▽1月13日まででは7.88倍となっていて、
    1日当たりの新規感染者数は324人となっています。

    関西

    関西でも大阪府や兵庫県を中心に、感染の急拡大が続いています。

    【大阪府】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の1.96倍、
    ▽1月6日は4.57倍、
    ▽1月13日まででは6.67倍と急激な拡大が続いています。
    1日当たりの新規感染者数はおよそ1102人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は87.56人となっています。

    【京都府】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の2.57倍、
    ▽1月6日は2.79倍、
    ▽1月13日まででは5.64倍となっていて、
    1日当たりの新規感染者数は254人となっています。

    【兵庫県】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の1.78倍、
    ▽1月6日は2.89倍、
    ▽1月13日まででは9.88倍となっていて、
    1日当たりの新規感染者数はおよそ326人となっています。

    中部

    中部地方でも、急激に感染が拡大しています。

    【愛知県】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週の2.03倍、
    ▽1月6日は5.39倍、
    ▽1月13日まででは9.73倍となっていて、
    1日当たりの新規感染者数はおよそ457人となっています。

    【岐阜県】
    ▽1月6日までの1週間は前の週の30.00倍、
    ▽1月13日まででは6.77倍となっていて、
    1日当たりの新規感染者数は87人となっています。

    【三重県】
    ▽2021年12月30日まではほとんど感染者が確認されない状態が続いていましたが、その後、徐々に増え、
    ▽1月6日までの1週間は前の週の5.33倍、
    ▽1月13日まででは27.31倍となっていて、
    1日当たりの新規感染者数はおよそ62人となっています。

    その他

    【北海道】
    ▽2021年12月30日までの1週間は前の週に比べて1.28倍、
    ▽1月6日は1.41倍、
    ▽1月13日まででは5.35倍となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ156人となっています。

    また、1月6日までの1週間で感染者の確認が10人以下と、感染が広がっていなかった地域でも急激に増えていて、
    ▽秋田県では1月13日までの1週間では前の週に比べて32.5倍、
    ▽富山県では45.3倍、
    ▽徳島県では11.4倍、
    ▽宮崎県では21.5倍などとこれまでにない感染拡大となっています。

    東邦大学 舘田教授「第5波超の可能性考えて対策を」

    新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「さらに増加が加速している。アメリカやヨーロッパでは、日本でいうと1日の感染者数が10万人くらいになるようなことが起きている。日本でも感染拡大の第5波を超える大きな波が作られる可能性を考えて対策を取る必要がある」と話しています。

    そのうえで「沖縄だけでなく他の地域でも感染者と濃厚接触者の爆発的な増加で医療のひっ迫が起きてくる可能性があることを考えて対策を取る必要がある。一方で、南アフリカなどでは急激な感染の拡大の後、急激な減少も見られている。まずはこれからの1週間、2週間が大事で、できるだけ早い時期にピークを乗り越えて感染を収束する方向に向かわせることが非常に大事だ」と述べました。

    また、求められる対策について舘田教授は「オミクロン株でも飲食の場で感染が広がっていることが報告されている。オミクロン株は感染性は高いが、たとえば満員電車の中で黙っているような中や、換気をしている状況で広がっているものではない。今まで言われていたような基本的な感染対策をしっかりと取っていくこと、それに、医療など、エッセンシャルワーカーの現場で、濃厚接触者が非常に増え、仕事に戻れないことをできるだけ減らすために、安全を担保しながら待機期間を短縮し、新しい基準を示していくことが必要になる。また、接種券が届いた人は速やかに3回目の接種を受けることが大事だ」と話しています。

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    政府 コロナ濃厚接触者の待機期間を14日間から短縮する方針(1/14)

    2022年1月14日

    新型コロナの感染が急拡大する中、政府は、社会機能を維持できるよう、濃厚接触者が宿泊施設などで待機する期間を14日間から短縮する方針です。専門家からは原則として10日間に短縮し、必要な場合には7日間への短縮も検討すべきだという案が示されていて、これを踏まえ、1月14日にも岸田総理大臣が関係閣僚と具体策を決定することにしています。

    新型コロナの1日当たりの新規感染者数は1月13日、東京都内で3100人余り、大阪府内ではおよそ2400人に上るなど、全国的にこれまでにない急速な感染拡大が続いています。

    岸田総理大臣は「オミクロン株はまだ分からない部分も多く、柔軟な対応が必要だ」と指摘し、感染が急拡大した場合にも社会機能を維持できるよう、濃厚接触者が宿泊施設などで待機する期間の短縮を検討する考えを示しました。

    政府の分科会のメンバーなどは、濃厚接触者の待機期間を14日間から原則として10日間に短縮し、社会活動の継続が必要な場合には7日間への短縮も検討すべきだとする案をまとめていて、この案を踏まえ、1月14日にも岸田総理大臣が関係閣僚と具体策を決定することにしています。

    一方、政府は、「全国の新規感染者数は、来週にかけてさらに増える可能性がある」という指摘が出ていることから、自治体と連携して医療提供体制の確保に努めるとともに、経済社会活動を維持するため、企業などに対し、BCP=事業継続計画の準備を急ぐよう要請しています。

    政府は、今後の感染状況によっては、まん延防止等重点措置をすでに適用している3県以外にも、大都市部や一部の地域を対象に拡大することを検討せざるをえないとしていて、引き続き対策を強化し、状況の悪化に歯止めをかけたい考えです。

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    オミクロン株 感染拡大 これまでにない速さ 一定程度重症化も(1/13)

    2022年1月13日

    新たな変異ウイルス、オミクロン株によって新型コロナウイルスの感染拡大のスピードはこれまでより格段に速くなっています。

    一方、オミクロン株は重症化しにくいとも言われ、感染しても大丈夫なのではないかという声も出てきています。

    しかし高齢者などは一定程度重症化するとみられることや、重症化する割合が低くても感染者が大幅に増えると重症者の数が多くなり医療のひっ迫につながるおそれがあるとして、専門家は対策を怠らないよう訴えています。

    「重症者増」は高齢者への感染拡大後に

    新型コロナウイルスは人と人との接触が多いほど広がりやすく、重症化する割合が低く活動的な若い世代から感染が拡大するため、これまでも当初は軽症の人が多く、重症化する人が増えるのは高齢者や基礎疾患のある人に感染が広がってからでした。

    厚生労働省が示しているデータでは、重症化のしやすさは30代を1とした場合
    ▽10代は0.2倍
    ▽20代は0.3倍と低い一方で
    ▽40代は4倍
    ▽50代は10倍
    ▽60代は25倍
    ▽70代は47倍
    ▽80代は71倍
    ▽90代は78倍と年齢が上がるにつれて高くなっています。

    WHOの報告でもオミクロン株は重症化する割合がデルタ株などと比べて低いとされる一方、WHOは「年齢が上がる、基礎疾患がある、ワクチンを打っていない人ではオミクロン株でも重症化する割合は上がる」としています。

    日本国内ではオミクロン株による感染拡大が本格化したのはことしに入ってからで、厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、最も感染が拡大している沖縄県では1月11日までの1週間で感染者のおよそ75%が30代以下で、1月12日の時点では感染者の95%以上が無症状か軽症と報告されています。

    今回の感染拡大でもこれまでと同様、今後、高齢者に感染が広がり重症者が増えることが懸念されています。

    「感染者数」増から約2週間遅れで「重症者数」増か

    厚生労働省が作成した「診療の手引き」によりますと、これまで新型コロナウイルスに感染した患者は、発症した当初は多くの場合は軽症でも発症からおよそ1週間でおよそ20%は酸素投与が必要になり、およそ5%は人工呼吸器を使った治療が必要になるとされています。

    感染から重症化までには多くの場合一定の時間がかかることもあり、2021年夏の第5波では1日の感染者数のピークは8月20日の2万5992人でしたが、入院患者数のピークは厚生労働省のまとめで9月1日の2万4081人、重症者数のピークは感染者数のピークから2週間たった9月4日の2223人でした。

    今回のオミクロン株による感染拡大でも感染者数の増加から2週間ほど遅れて入院患者数や重症者数が増加するおそれがあり、厚生労働省の専門家会合ではオミクロン株でも慎重に見る必要があると指摘しています。

    入院患者数増で医療ひっ迫の可能性

    さらに問題となるのが、オミクロン株では感染力がこれまでの変異ウイルスより強いため、重症化する割合が低くても入院に至る患者の数が大きく増えて医療体制がひっ迫するおそれがあることです。

    イギリスのデータではオミクロン株で入院に至るリスクはデルタ株に比べて3分の1になっている一方、オミクロン株の感染力は最大でデルタ株の3倍とも報告されています。

    イギリスでは新規の感染者数はデルタ株の感染が広がった2021年夏以降のピークの3倍以上となる1日20万人を超える日もあり、保健当局によりますと連日2000人以上が新たに入院し、1月11日時点の入院患者数は2万人近くに上るなど医療体制がひっ迫してきています。

    また、アメリカでもCDC=疾病対策センターによりますと、感染者数は1月10日、1日あたり140万6500人を超え、入院患者数も14万人余りと過去最多の水準となり医療体制への負荷が高まっています。

    国内で最も感染が拡大している沖縄県では感染拡大が始まってから時間が経過し、1月12日の時点で確保病床の使用率は47.1%、重症患者向けの確保病床の使用率も51.4%と医療機関の負担が増加してきています。

    専門家「注意必要な状況に変わりない」

    専門家は、日本国内でも感染が爆発的に増加すれば重症化する割合が低くても入院が必要な人の数が増え、医療体制がひっ迫する可能性があると警戒しています。

    海外の感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎 特任教授は「今は感染した人は若者が多いが高齢者に広がるとより重症化しやすい可能性がある。重症化リスクが低いといっても注意が必要な状況であることに変わりはない」と話しています。

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    オミクロン株 濃厚接触者の待機 “原則10日間に” 専門家が案(1/13)

    2022年1月13日

    オミクロン株に感染した人の濃厚接触者が自宅や施設で待機する期間について、新型コロナウイルス対策にあたる専門家らは、現在の14日間から原則として10日間に短縮し、社会活動の継続が必要な場合には、7日間への短縮も検討すべきだとする案をまとめました。

    この案は、政府の分科会や厚生労働省の専門家会合のメンバーなどがまとめました。

    案では、オミクロン株による感染者や濃厚接触者の急激な増加で社会活動への負荷が増していて、医療従事者でも濃厚接触者となって業務に就けず医療体制をさらにひっ迫させる事態が起きているなどとしていて、現在14日間となっている濃厚接触者の健康観察を行う待機期間の短縮が重要だとしています。

    そのうえで、オミクロン株は潜伏期間が3日程度と従来のウイルスのおよそ5日より短く、感染しても7日から9日間でウイルスが排出されなくなることが報告されているとして、濃厚接触者の待機期間は原則として10日間に短縮すべきだとしました。

    一方で、感染拡大防止と社会活動の継続の両立が必要な場合には、ごくわずかなリスクを許容し、7日間に短縮することも検討すべきとしています。

    また、医療従事者の場合は、検査での陰性確認や、院内感染対策などができるときには、感染者に最後に接触した日から5日目に検査で陰性であれば待機期間を終えること、毎日、検査で陰性を確認することで業務に就けるようにするといった選択肢も検討するよう提案しました。

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    首相 オミクロン株の濃厚接触者 宿泊施設の待機期間 短縮検討(1/13)

    2022年1月13日

    オミクロン株への対応をめぐり岸田総理大臣は、感染が急拡大した場合にも社会機能を維持できるよう、濃厚接触者が宿泊施設などで待機する期間の短縮を検討する考えを示しました。

    オミクロン株に感染した人の濃厚接触者について政府は、宿泊施設などで14日間待機するよう求めていますが、医療関係者などからは、オミクロン株の特性に応じて、期間の短縮などを求める声が出ています。

    岸田総理大臣は東京都内で記者団に対し「オミクロン株はまだ分からない部分も多く、柔軟な対応が必要だ。専門家からも、感染が急拡大した場合に、社会機能の維持が困難にならないよう、工夫していかなければならないという指摘もいただいている」と述べました。

    そのうえで「濃厚接触者の隔離期間なども必要に応じて具体的にどうあるべきか、柔軟な対応を検討していく」と述べ、待機期間の短縮を検討する考えを示しました。

    一方、岸田総理大臣は、医療機関の負担を軽減するため、新型コロナの感染症法上の扱いを現在の「二類相当」から季節性のインフルエンザと同じ「五類」に引き下げる考えがあるか問われ「感染が急拡大している状況の中で、変更は現実的ではない」と述べ否定的な見解を示しました。

    松野官房長官「対応の検討急ぐ」

    松野官房長官は、午前の記者会見で「オミクロン株はデルタ株などと比較して、潜伏期間が短いとの報告が諸外国の研究でなされている。濃厚接触者の隔離期間などは、科学的知見の集約をするなど対応の検討を急いでいる」と述べました。

    また、オミクロン株の重症化リスクについては「国立感染症研究所などでリスク評価が行われており、こうした評価や国内外の科学的知見に基づき、今後も対策を検討していきたい」と述べました。

    公明 山口代表「早急に具体的な決定を」

    公明党の山口代表は党の中央幹事会で「濃厚接触者として活動できない医師や看護師が増え、この状況が広がるとエッセンシャルワーカーに影響が及び、社会活動が大きく制約を受けることになる。党として待機期間を短くするよう提案したので、政府は真摯(しんし)に受け止めて具体的な決定を早急に出してもらいたい」と述べました。

    また、3回目のワクチン接種について「集団接種や大規模接種を活用しながら加速したいという現場のニーズがあるが、いつ、どのぐらいの量のワクチンが配布されるかを確認しないと自治体も具体的な対応が取りにくい。効率的に接種を進めることが最も重要なことなので、政府・与党あげて取り組みをしっかり行っていきたい」と述べました。

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    新型コロナ感染1万人超 オミクロン株わかってきたこと(1/12)

    2022年1月12日

    これまでにないペースで感染が拡大する「オミクロン株」。

    感染力の強さを示す報告が世界中から相次ぎ、2回のワクチン接種では発症の予防は難しいことが分かってきた一方、重症化や入院に至るリスクは低いという報告が増えてきています。

    しかし、欧米では、入院に至るリスクが下がっている分を凌駕するように、感染者数が大幅に増加し、入院者数も急増。国内でも実際にオミクロン株による感染が急拡大し、沖縄では医療従事者への感染なども報告され、医療の担い手が足りなくなることが現実化しつつあります。感染や重症化のリスク、医療への負荷はどうなるのか。

    これまでに分かってきたことをまとめました。(2022年1月12日現在)

    オミクロン株で感染者急増 “第6波” 指摘も

    新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。

    沖縄県や東京都などで前の週の10倍以上になるというこれまでにない急増で、政府は、2022年1月9日から沖縄、山口、広島の3県にまん延防止等重点措置を適用しています。

    国内で初となる市中感染のケースが大阪府で報告されたのは2021年12月22日で、その時点で全国の感染者数は250人程度でした。

    それが、2022年1月4日に1265人とおよそ3か月ぶりに1000人を超え、その後、1週間あまり後の1月12日にはおよそ4か月ぶりに1万人を超えました。

    市中感染の初報告からまだ3週間ですが、沖縄県や大阪府などでは、すでにデルタ株からオミクロン株への置き換わりが進んできています。

    先週末からの3連休、成人式や関連した集まりで、感染がさらに急拡大するおそれがあり、専門家の中には、オミクロン株による感染拡大の第6波が始まったと指摘する人もいます。

    WHOは“感染力上がる”明記

    WHO=世界保健機関は、1月11日付けの週報で、オミクロン株の感染力について、「感染力が上がっている」と明記しました。

    WHOは、累積の感染者数が2倍になるまでにかかる「倍加時間」という数値が、オミクロン株の場合、これまでの変異ウイルスに比べて短いとしています。

    1月6日に開かれた日本の厚生労働省の専門家会合で、国立感染症研究所のグループが示したデータでは、1月5日時点の推定で、直近1週間の倍加時間は沖縄県で1.3日、大阪府で1.7日、東京都で1.9日だったということです。

    WHOの週報では、家庭内での「2次感染率」はデルタ株の21%に対し、オミクロン株は31%だったとする、2021年12月のデンマークでの分析結果を紹介しています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターは、オミクロン株の感染力は最大でデルタ株の3倍とするデータがあるとしています。

    欧米各国ではデルタ株からオミクロン株への置き換わりが急速に進みました。

    イギリスでは2021年12月30日までの時点で、イングランドのほとんどの地域で検出される新型コロナウイルスの95%ほどがオミクロン株だとみられています。

    CDCによりますと、アメリカではオミクロン株の占める割合は1月8日までの週で98.3%と、ほぼ置き換わったとみられています。

    日本国内でも、北海道大学と京都大学のグループの試算によりますと、1月15日ごろには大阪府でオミクロン株の割合が90%を超えると予想されるとしています。

    さらに、感染してから発症するまでの潜伏期間が短く、感染者が増えるペースもこれまでより速いという特徴も見えてきています。

    潜伏期間は、沖縄県での積極的疫学調査の暫定的なデータではおよそ3日と、オミクロン株以外の4.8日より短くなっています。

    韓国の保健施設での感染例の解析でも3.6日で、デルタ株の3から5日より短くなっています。

    重症化リスク↓も 慎重に見る必要

    感染した場合に重症化する割合について、低いという可能性が高まっています。

    WHOは1月11日の週報で、オミクロン株による入院と重症化のリスクは「下がっていると見られる」とまとめました。

    また、WHOの責任者は、1月4日、オミクロン株の症状について、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異ウイルスと比べて肺まで達して重症化するリスクは低いという見解を示しています。

    一方で「証明するためにはさらなる研究が必要だ」と慎重な姿勢を示しています。

    オミクロン株による重症化リスクについて、国内では、沖縄県での初期段階のデータが示されています。

    療養者の数が650人に達した時点での症状を分析したところ、▼従来株が流行していた2021年4月1日では、重症が0.6%、無症状や軽症が84.8%、▼主にアルファ株が流行していた2021年7月18日では、重症が0.9%、無症状や軽症が72.8%だったのに対し、▼オミクロン株が中心の2022年1月4日では、重症は0%、無症状や軽症が92.3%でした。

    ただ、専門家は、現時点で沖縄でのオミクロン株の感染者は若者が圧倒的に多く、今後、高齢者にも感染が広がった場合、重症者数が増える可能性があるとしています。

    また、イギリスの保健当局によりますと、オミクロン株に感染して入院に至るリスクは、デルタ株の場合に比べて3分の1になっているとしています。

    さらに、2回目のワクチン接種を終えてから14日以上の人では、ワクチンを接種していない人に比べて、入院するケースは65%低く、3回目の追加接種を受けてから14日以上の人では81%低くなっていました。

    ただし、このデータを見る際には注意が必要です。

    3回目の追加接種を行うと、オミクロン株に対しても重症化を防ぐ効果が上がるとされていますが、イギリスでは3回目の追加接種を済ませた人が2022年1月10日の時点で62.3%に上っています。

    日本では1月12日時点で0.8%にとどまっている点が大きく異なります。

    WHOは入院に至るリスクが下がっているにもかかわらず、感染者数が非常に多いことから、入院や重症化、死亡例は大きく増加していて、医療体制に大きな負荷がかかっているとしています。

    アメリカでは、1月3日、1日に報告される感染者数が100万人を超え、これまでで最も深刻な状況になっています。

    子どもの感染者数も急増し、1月6日までの1週間で、子どもの新規感染者数は58万人と過去最多を大きく越えました。

    特にワクチン接種の対象年齢に達していない4歳以下の子どもの入院率が上昇していて、CDCによりますと、この年代で、1月1日までの入院率が人口10万あたり4.3人と、その前の週の2.6人から大きく増えています。

    ワクチンの効果

    オミクロン株は、ワクチンを接種した人でも感染するケースが報告されています。

    WHOは1月11日付けの週報で、「再感染のリスクは上昇している」としました。

    また、2回接種の効果について「感染と発症を防ぐ効果は減少し、重症化を防ぐ効果も下がっている可能性があるとみられる」としています。

    イギリスの保健当局が示したデータでは、オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで、2回の接種から2週間から4週間後には発症を防ぐ効果が65~70%でしたが、20週を超えると10%程度に下がっていました。

    ファイザーのワクチンを2回接種した人が3回目にファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりました。

    ただ、5週間から9週間後では55~70%に、10週を超えると40~50%に下がりました。

    その一方で、重症化して入院するリスクを下げる効果は、発症を防ぐ効果より高くなっています。

    ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと、2週以降だと88%となっていました。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    ▼感染力
    オミクロン株の感染力の強さを示すデータが、各国から報告されていて、感染力の強さは確実になってきています。

    ▼病原性
    『アルファ株』→入院・重症化・死亡のリスク高い可能性
    『ベータ株』→入院のリスク・入院時の死亡率高い可能性
    『ガンマ株』→入院・重症化のリスク高い可能性
    『デルタ株』→入院のリスク高い可能性
    『オミクロン株』→入院・重症化リスク低い

    オミクロン株では、入院に至るリスクや重症化リスクがデルタ株に比べて低いという報告が相次いでいます。

    一方で、イギリスの保健当局は、オミクロン株は重症化リスクが低いといっても、感染拡大のスピードの速さや免疫から逃れる性質があるため、必ずしも医療機関への負荷が減ることを意味しない、と強調しています。

    欧米では、実際に感染者数が激増し、入院者数も急増しています。

    ▼再感染のリスク
    『アルファ株』ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか『ベータ株』 ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持『ガンマ株』 ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る『デルタ株』 ウイルスを抑える抗体の働きは減る『オミクロン株』 再感染のリスク上がるWHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクは、デルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

    ▼ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)
    『アルファ株』→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『ベータ株』→発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『ガンマ株』→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    『デルタ株』→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず(感染予防・発症予防は下がるという報告も)
    『オミクロン株』→発症予防効果低下・重症化予防効果はあるという報告も 3回目接種で発症予防効果・重症化予防効果も上がる報告も

    オミクロン株について、ワクチン接種を完了した人でも感染しているケースが報告されています。

    発症予防効果は接種から時間を経るごとに下がるものの、重症化を予防する効果は一定程度保たれるというデータが出てきています。

    また、3回目の追加接種で発症予防効果、重症化予防効果が上がるという報告も出てきています。

    ▼治療薬の効果
    重症化を防ぐために感染した初期に投与される「抗体カクテル療法」は、効果が低下するとされています。

    開発したアメリカの製薬会社「リジェネロン」は2021年12月16日、「オミクロン株に対して、効果が低下する」とする声明を出していて、日本の厚生労働省はオミクロン株に感染した患者には投与を推奨しないとしています。

    一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

    東京大学などの研究グループは、軽症患者用の飲み薬「モルヌピラビル」を投与した時に体内に出る物質や、中等症以上の患者に投与される「レムデシビル」の作用を調べたところ、オミクロン株に対して、デルタ株と同じ程度の効果が得られたとする実験結果を紹介しています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    ▼感染経路
    新型コロナウイルス感染経路は、飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染も報告されています。

    オミクロン株について、感染力が強まっているおそれはありますが、同様の感染経路だと考えられています。

    専門家「これまで以上に注意を」

    新型コロナウイルスのオミクロン株はこれまでと比べて重症化する割合が低いとされていることについて、海外での感染状況に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「オミクロン株の重症化リスクはデルタ株と比べて3分の1程度だというデータもあるが、感染者の数が増えれば重症化する人も増える。今は感染した人は若者が多いが高齢者に広がるとより重症化しやすい可能性がある。重症化リスクが低いといっても注意が必要な状況であることに変わりはない」と話していました。

    また、オミクロン株の感染力がデルタ株よりも強いとされることについては「オミクロン株は上気道という気道の上のほう、鼻やのどにくっつきやすく、そこで増えやすいといわれている。そのためウイルスがくしゃみやせきで周辺に飛び散りやすく、感染しやすいのではないかと考えられる。デルタ株のときも屋外でバーベキューをしていた人が感染した事例があったが、オミクロン株はより感染力が強いため、これまで以上に注意してもらいたい。マスクの着用や手洗い、密を避けるといった対策を続けて、ワクチンの追加接種が受けられる状況になれば、受けてほしい」と話していました。

    さらに、今後、注意が必要な点として濱田特任教授は「オミクロン株により、感染者数が非常に増えるおそれがある。感染者や濃厚接触者は一定の期間、仕事を休まなければならず、医療従事者の間で感染が広がると医療のひっ迫につながるし、エネルギー関連の企業や交通機関などで休む人が増えると社会機能にも影響が出る。感染力が強いことで、社会経済に大きな影響が出るおそれがある」と指摘しました。

    対策は変わらない

    オミクロン株は、現在、感染力や病原性などについて、世界中で研究が進められていて、WHOや国立感染症研究所などが情報を更新していく予定です。

    私たちができる対策はこれまでと変わりません。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、特に会話時などでのマスクの着用、消毒や手洗い、換気や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    新型コロナ オミクロン株感染急拡大 家庭内感染や自宅療養も(1/12)

    2022年1月12日

    1月12日に発表された新型コロナウイルスの新たな感染者は、全国で合わせて1万人を超えました。一日の新たな感染者が1万人を上回るのは、2021年9月9日以来です。

    感染が拡大する中で医療の現場では家庭内で感染が広がったケースや重症化リスクのある自宅療養者に対し、新たに承認された飲み薬を処方するといった対応にあたっています。

    東京・港区の小児科医院では2021年9月以降、感染者がいない状態が続いていましたが、ことしに入ってから患者が出始め1月12日も午前中、微熱とのどの痛みを訴えて訪れた11歳の小学生の感染が確認されました。

    これまでの感染者はいずれも軽症だということですが、中には家族5人の家庭内感染も発生しているということです。

    家庭内感染 家族5人が次々に…

    東京・港区の小児科医院で確認された家族5人の家庭内感染のケースです。

    まず、1月4日に小学生の子どもが38度台後半の発熱を訴え、検査で陽性になります。

    その日の夜から下のきょうだい2人が39度の発熱、母親も37度台の微熱が出始めました。

    翌日、症状がなかった祖母も含めて検査したところ、全員陽性となり、2日後にオミクロン株に感染していることが確認されました。

    感染経路は発症の2日前に家族で屋内の遊戯施設で遊んだ以外に心当たりはないということです。

    母親と60代の祖母は2回のワクチンを接種済みでしたが、祖母は基礎疾患があったため、医師が年末に承認された飲み薬を投与しました。

    子ども2人と母親は発熱以外の症状はなく、いちばん下の子どもは熱とせき、当初、症状がなかった祖母は鼻水とのどの痛みがでましたが、全員が軽症だったということです。

    発熱はいずれも1日から3日で下がり、発症5日目には全員すべての症状がなくなりましたが、6日目に検査したところ、ウイルス量が比較的多く、人に感染させる可能性がある結果となったということです。

    家族5人はいずれも1月14日まで自宅で療養を続けることになっています。

    一家を診察した医師「早めに発見することが必要」

    診察にあたった時田章史院長は「私が診た中では患者はいずれも症状が軽く、かぜと見分けがつきにくい。一方で家庭内で一気に広がるなど感染力が強いことが示唆されるため、高齢者や基礎疾患のある人がいる家庭では、かぜのような症状があったら市販の簡易キットなども活用して早めに感染を発見することが必要だ。症状が比較的軽いケースが多いため基本的な感染対策を徹底しながら子どもたちの学校生活や社会生活が維持できるように検討することも必要ではないか」と話していました。

    自宅療養者急増の都内では飲み薬の処方も

    東京都では自宅療養者が急増していて、往診を行う医師グループは重症化リスクのある自宅療養者に対し新たに承認された新型コロナの飲み薬を処方するなど対応にあたっています。

    新型コロナの感染急拡大で都内の自宅療養者は1月11日時点で2416人となり、この1週間でおよそ15倍に急増しています。自宅療養者への往診を行う医師グループ「コールドクター」は、重症化リスクのある人に対し、新たに承認された新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」の処方を始めています。

    この飲み薬は発症から5日以内の軽症から中等症の患者のうち、18歳以上で重症化リスクのある人が対象となります。

    1月7日に往診した糖尿病の疾患がある50代の男性は発熱やせきが続いていました。このとき発症から3日目で、持病の状態などから医師は重症化リスクがあると判断し、「入院や死亡のリスクを30%下げる効果が臨床研究で確認されている薬だ」と患者に説明し、1回4錠を1日2回、5日間で40錠を服用するよう伝えていました。

    また腎臓病の疾患がある都内の50代の男性は38度の発熱とせきがあり、「インフルエンザのような症状が続いていて体に痛みも感じる」と相談していました。この男性も発症から4日目で、重症化リスクがあると判断し、飲み薬を処方していました。いずれもワクチンを2回接種していたということです。

    往診した医師「基本的な感染対策の徹底を」

    往診を担当した丸山浩司医師は「5人家族、6人家族が全員陽性となるケースもあり、家族内感染や濃厚接触者で陽性になる割合が高い印象を受ける。飲み薬は新たな治療の選択肢になるが、在庫が少なく発症5日目を逃す可能性があることや、重症化リスクを30%減少させるものの、効果が少し弱いのが課題だと思う。会食の機会を減らし、基本的な感染対策の徹底が求められる」と話しています。

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    大阪府 半月でほとんどがオミクロン株に置き換わり(1/11)

    2022年1月11日

    大阪府が新型コロナの変異ウイルスの感染状況を調べたところ、1月初めまでのおよそ半月の間に、ほとんどがオミクロン株に置き換わっていたことが分かりました。府は今後もオミクロン株の感染拡大が続くとして、警戒を呼びかけています。

    大阪府はオミクロン株の市中での広がりを把握するため、2021年12月から1月にかけて、新型コロナに感染したすべての人を対象に、別の変異ウイルスのデルタ株の割合から状況を調べるスクリーニング検査を実施しました。

    デルタ株への感染が確認されなければ、オミクロン株の感染の疑いがあるとするもので、このほど、2021年12月1日から2022年1月5日までの検査結果がまとまりました。

    それによりますと、2021年12月13日に初めてオミクロン株への感染の疑いのある人が1人確認されました。

    これ以降、感染が疑われる人の割合が増え、府が初めて市中感染が確認されたと発表した2021年12月22日時点で感染が疑われる人は、50%に達していたことが分かりました。

    これは、検体を採取してからオミクロン株への感染を確定させて発表するまでに数日かかるためで、この時点で、すでに半数程度の割合で置き換わりが進んでいたことになります。

    その後も、オミクロン株への感染が疑われる人の割合は急増し、1月1日には87.3%、1月5日には100%に達していて、およそ半月の間に、ほとんどがオミクロン株に置き換わっていたことが分かります。

    府では、現在は感染者のほとんどがオミクロン株に感染しているとみていて、今後も感染拡大が続くとして警戒を呼びかけています。

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    オミクロン株 ワクチンで軽症でも10日ほどウイルス残る可能性(1/8)

    2022年1月8日

    新型コロナウイルスのオミクロン株に感染した人はワクチンを接種していても、10日間ほどは一般的に行われているPCR検査で陽性になる可能性があると国立国際医療研究センターなどのグループが報告しました。
    ワクチンによって症状が軽くても接種していない人と同じ程度の期間、ウイルスが残っている可能性があり、感染対策をとることが重要だとしています。

    国立国際医療研究センターなどのグループはオミクロン株に感染した1歳から64歳の患者11人について、連日PCR検査を行って調べました。

    PCR検査ではウイルスの遺伝子の一部を増幅させ、国内では増幅の回数が35回程度で遺伝子が十分検出されると新型コロナウイルスに感染しているとされます。

    患者11人のうち、子ども1人をのぞく10人が2回のワクチン接種を受けていて全員が軽症でしたが、35回増幅させても検出されなくなるまで、10.6日かかることが解析の結果分かりました。

    グループはワクチンを接種して症状が軽くても、接種していない人と同じ程度の期間、ウイルスが残っている可能性があり、引き続きマスクの着用や換気など感染対策を行うことが大事だとしています。

    研究をまとめた齋藤翔医師は「患者は軽症だったが、ある程度の期間ウイルスを排出してしまうので、家庭などで高齢者に感染させることは十分ありうる。リスクの高い人への感染を減らす行動が必要だ」と話しています。

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    “オミクロン株 爆発的な感染増加” いま必要な対策とは…(1/7)

    2022年1月7日

    「全国的に感染拡大の第6波に入った」

    専門家がこう指摘した1月7日、まん延防止等重点措置の適用が決まった沖縄県で1414人、広島県で429人の感染確認が発表され、いずれも過去最多となったほか、山口県でも180人と過去2番目に多くなりました。さらに東京都でも1週間前の金曜日のおよそ12倍にまで感染者が急増しています。

    あす・1月8日からの3連休、さらなる感染拡大を避けるために専門家は対策の徹底を改めて訴えています。今、必要な対策とはどんなことでしょうか…。

    ■1月に入って感染急拡大

    新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国の感染者数は1月に入って増加のペースが大幅に上がっていて、特にまん延防止等重点措置の適用が決まった3県で急激に拡大しています。

    <全国>
    ▽2021年12月9日までの1週間では前の週に比べて1.10倍
    ▽2021年12月16日は1.12倍
    ▽2021年12月23日は1.45倍
    ▽2021年12月30日は1.60倍と徐々に増加していたのが
    ▽1月6日まででは4.86倍と
    増加のペースが大幅に上がっています。

    <沖縄>
    ▽2021年12月23日までの1週間は前の週の1.80倍
    ▽2021年12月30日は3.59倍
    ▽1月6日まででは10.86倍と
    1月に入って急激に拡大しています。

    <山口>
    ▽2021年12月23日までの1週間は前の週の3.00倍
    ▽2021年12月30日は5.50倍
    ▽1月6日まででは14.30倍と
    急激に拡大しています。

    <広島>
    ▽2021年12月21日までは感染者が確認されない状態が続いていましたが徐々に増え
    ▽2021年12月30日は前の週の3.60倍
    ▽1月6日まででは36.67倍と
    急激に拡大しています。

    ■「倍加時間」2日未満か “東京 大阪府も1週間で急増の可能性”

    オミクロン株の感染が拡大する中、沖縄県や東京都、大阪府では累積の感染者数が2倍になるまでにかかる期間が2日未満と推定されています。

    1月6日に開かれた厚生労働省の専門家会合で、国立感染症研究所のグループが新型コロナウイルスの感染が広がる速さを示す指標の1つとして感染者数の累計が2倍になるまでにかかる期間「倍加時間」の推定結果を示しました。

    それによりますと、1月5日時点のデータをもとにした推定では直近1週間の「倍加時間」は沖縄県で1.3日、大阪府で1.7日、東京都で1.9日になったということです。沖縄県では東京都や大阪府よりも早い段階でオミクロン株への置き換わりが進んだ影響で、倍加時間が短くなっているとみられるということです。

    倍加時間は感染状況によって変化しますが、イギリスなどからの報告でもデルタ株中心の流行に比べてオミクロン株では短くなっているということです。

    国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は「沖縄県の感染者数の急増が注目されているが東京都、大阪府でもこれから1週間で急増する可能性が高い。オミクロン株はデルタ株よりも重症化リスクが低いとされるが、感染者が増えれば医療のひっ迫や社会活動への影響が大きくなる。速やかに対策を講じる必要がある」としています。

    ■「感染拡大の第6波に入った」

    東邦大学 舘田一博教授(政府分科会のメンバー)
    ・現在の感染状況について
    「一日、二日で一日の感染者数が倍になり、増幅していく感染が広島、山口、沖縄で見られている。それが全国のレベルでも見られていて全国的に感染拡大の第6波に入ったということだと思う。これがオミクロン株による感染の広がりの速さで、欧米で見られているような爆発的な感染の増加が日本でも見られている状況だ」

    ・今後の見通しについて
    「これまでで最も厳しい状況となったのが感染拡大の第5波で東京では一日に5000人を超える感染者数を経験した。感染力の強いオミクロン株が急激に広がっていることを考えると、東京で5000人の倍となる感染者が出てもおかしくない。そういった危機意識を共有することで感染のピークを下げる対策、行動を取っていくことが大事になる。今までの経験をしっかり生かし予防や治療の手段を効果的に使うことでパニックにならないようにしながら、この波を乗り越えていかなければいけない」

    ■“社会機能の維持が難しくなる”

    「オミクロン株の感染が急拡大すると重症化する割合が低くても重症者数が一定程度増え、医療従事者を含めた社会や暮らしを支える『エッセンシャルワーカー』で出勤できない人々が増え、社会機能の維持が難しくなる…」

    政府分科会の尾身茂会長や厚生労働省の専門家会合の脇田隆字座長など専門家は7日、こうした見通しを示し、必要な対策を早急に実施するよう訴えました。

    1. 急速な感染拡大が続くと…

    急速な感染拡大が続くと
    ▽若者では重症化率が低くても早い段階で高齢者に感染が広がって重症の患者が生じる可能性があり
    ▽軽症者が急増して地域の医療や濃厚接触者を調査する保健所への負荷が増加し
    ▽医療従事者を含めた社会や暮らしを支える「エッセンシャルワーカー」で出勤できない人が急激に増え
    社会機能を維持することが難しくなると指摘しています。

    2. 成人式・今週末からの連休に向けて

    成人式や今週末からの連休でさらなる感染拡大がありえるとして、次のようなことを求めています。
    ▽成人式などのイベントにはできるだけ検査を受けて陰性を確認してから参加する
    ▽感染が拡大している地域では飲み会や食事会について慎重に判断し、もし行う場合は認証を受けた店で短時間、少人数で大声を避ける
    ▽少しでも具合が悪い場合は外出を控えて速やかに検査を受け医療機関を受診する
    ▽マスクの着用や換気、密を避けるなどの対策を続ける

    3. 高齢者を守るために

    感染から高齢者を守るためには、以下のことを求めました。
    ▽ワクチンの追加接種を前倒しすること
    ▽医療機関や高齢者施設の従業員について追加接種を行い定期的な検査を再開する

    4. 医療体制ひっ迫を防ぐために

    医療体制のひっ迫を防ぐために、次のように指摘しています。
    ▽診療所や医師会などが自宅や宿泊施設で療養する患者への対応に協力する
    ▽新たに承認された新型コロナの飲み薬を処方する際に必要な医療機関の登録を加速させるなど、軽症者などへの対応を弾力的に行う

    5. 企業などに対して

    感染が広がった場合に備え
    ▽「事業継続計画」の準備
    ▽感染拡大で欠勤者が増える事態を想定し業務の優先順位をつける
    ▽テレワークの推進が必要

    ■「追加接種 経口薬の流通など進むまで対策の徹底を」

    基本的対処方針分科会の尾身茂会長は「オミクロン株の重症化率は高くない一方で感染拡大のスピードは速く、病院だけで患者のケアができず自宅療養のニーズが高まることが想定される。このまま行けば病院だけにかぎらず地域のクリニックなど地域全体の医療体制がひっ迫するおそれがある状況だ。また感染者数が膨れ上がれば医療機関を含めた多くの業種で欠勤者の数がかなり増えるという問題が生じる。沖縄では実際に医療機関でこうした問題が起きていて社会機能の維持に支障が出る可能性がある。さらに感染が高齢者に行き着いた時、一定の人が重症化するおそれは残っており、高齢者に対するワクチンの追加接種を早急に進めることを最優先課題として取り組む必要がある」と述べました。

    また今後の見通しなどについて「きょうの分科会では緊急事態宣言についても状況に応じて出すことを考えるべきだという意見もあった」としたうえで「感染拡大が止まらないアメリカやイギリスのような状況が当たり前のように日本で起こるかというとそうではない。とるべき道はしっかりとした対策や重点措置などで乗り切るというところにあるのではないか」と述べました。

    そして「これまでの国内での調査ではオミクロン株の感染の広がりは今までと同じように密や換気が悪い、近くで話してしまったなどの状況で起きていると報告されている。個人レベルでは今までどおりマスクの着用、距離を取ること、換気などの対策が必要だということだ。高齢者へのワクチンの追加接種や経口薬の流通などが進む2月中旬ごろには状況が変わって明るい兆しが見えてくる可能性がある。それまでの間、対策の徹底を行うことが必要だ」と指摘しました。

    ■沖縄 山口 広島 「まん延防止措置」適用

    政府は沖縄、山口、広島の3県に1月9日から1月末まで、まん延防止等重点措置を適用することを決めました。3県では感染の急激な拡大によってさまざまな影響が出ています。

    <沖縄>初の1000人超 “社会の機能維持 難しい”事態も…

    沖縄県では1月7日、新たに1414人の感染確認が発表され、初めて1000人の大台を突破し過去最多を2日連続で更新しました。

    専門家は沖縄県での感染急増の背景として
    ▽オミクロン株の感染力が強いこと
    ▽ワクチンの感染予防効果が明確に減少していること
    ▽クリスマスから年末にかけてふだん会わない人と接触する機会が増加したことを
    指摘し、今後さらに増加する可能性があるともしています。

    そして「社会機能を維持することが難しくなる」という専門家の指摘は、沖縄の医療現場で実際に起きつつあります。

    1. 働くことができない医療従事者300人超

    沖縄県内では新型コロナに感染したり濃厚接触者になったりするなどして働くことができない医療従事者が300人を超え、一般の救急診療がひっ迫しているということです。

    沖縄県の新型コロナ対策本部で医療コーディネーターを務めている沖縄赤十字病院の佐々木秀章医師は、1月7日午後3時現在、県内で新型コロナの感染者を受け入れている21の病院で医療従事者合わせて313人が感染したり、濃厚接触者になったりするなどして働くことができていないことを明らかにしました。

    佐々木医師によりますと、このうち新型コロナへの感染が確認されたのは88人で▽医師が5人▽看護師が54人▽その他の医療従事者が29人だということです。

    佐々木医師は、多くは病院ではなく家庭内などで感染したり家族が感染したりするケースだとしていて「デルタ株の時とは明らかに違い驚くスピードで増えている。こんなに早く医療従事者の感染者が増えるとはまったく予想外だった」と述べました。

    そのうえで「新型コロナは先んじて病床を確保してきたので何とかなっているが、一般の救急の受け入れがひっ迫している状況だ。救急車も通常より遠い病院で受け入れてもらっている。救急の受け入れ制限が続き制限をかける病院が増えると一般の救急の受け入れがより困難になる」と強い懸念を示しています。

    また感染状況はピークに達しておらず医療従事者の感染がさらに進むことを想定し、職員の3割から4割が働けない場合に病院をどう運営するのか考えておくべきだと指摘しています。

    そして「医療従事者だけでなくエッセンシャルワーカーと呼ばれている方々が働けなくなったら社会をどうしていくのかというところまで沖縄では考えなければいけない状況だ」と訴えています。

    2. 病院で一部の診療制限

    また沖縄県内の病院では急激な感染拡大に伴う病床のひっ迫などに対応するため救急診療や一般診療の受け入れを制限する動きが相次いでいます。

    ▽うるま市「中部病院」
    1月6日から産科と小児科以外で救急診療を制限しています

    ▽南風原町「南部医療センター・こども医療センター」
    一般診療や入院を1月7日から当面、制限するとしています

    ▽名護市「北部病院」と宮古島市の「宮古病院」
    1月11日以降、緊急性の低い手術や検査を延期することを決めています

    ▽那覇市「沖縄赤十字病院」(※県立病院以外)
    1月6日から1月11日まで救急診療をすべて停止しているということです

    沖縄県によりますと、急激な感染拡大に伴う新型コロナ病床の確保や医療従事者に感染者や濃厚接触者が出ていて人手が足りなくなっていることから、患者の受け入れを制限しているところが増えてきているということです。

    厚生労働省は災害派遣医療チーム「DMAT」の医師の派遣を決めるなど支援の動きを始めました。

    <沖縄>成人式 13市町村で中止・延期

    沖縄県内では1月8日と9日、24の市町村が式典の実施を予定していましたが、新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受けてこのうち13の市町村が中止や延期を決めました。

    <中止決定>
    ▽渡嘉敷村▽渡名喜村▽粟国村▽久米島町▽八重瀬町▽座間味村▽与那原町
    このうち八重瀬町などは式典で使う予定だった会場をオープンにして新成人の記念撮影に使ってもらうということです。

    <延期>
    ▽浦添市▽糸満市▽うるま市▽宜野湾市▽北谷町
    浦添市は「山の日」で旧盆の中日になる8月11日に実施する予定です。

    那覇市は中学校の17の校区ごとに開催の判断を委ねていますが、午後6時までに14の校区が延期を、残る3つの校区が中止か延期を決めています。

    <予定どおり実施>
    ▽名護市▽豊見城市▽南城市▽南風原町▽嘉手納町▽北中城村▽中城村▽西原町▽本部町▽沖縄市▽読谷村
    名護市は式典の様子を屋外に用意された大画面で車の中から見てもらうドライブインシアター方式と、インターネットで配信する方法を併用するほか、北中城村は青年会のメンバー30人の協力を得て出席者全員に抗原検査を行うことにしています。

    新成人向けに着物の販売や着付けを行っている着物店にはキャンセルや延期の連絡が相次いでいます。

    このうち沖縄本島中部にある西原町の着物店では新成人合わせて12人から着付けの予約を受け付けていましたが、1月7日昼すぎまでに半数からキャンセルや延期の連絡を受けたということです。

    「ら・たんす西原店」の内間太一店長は「中には成人式が中止になっても写真だけでも残したいという人や、振り袖姿をおばあちゃんたちに見せたいという人もいます。着物を着られる機会は少ないので式が中止になったのはかわいそうですが、着物を着たいという新成人をしっかりサポートしたい」と話していました。

    <山口>岩国 “米軍と感染対策協力を確認”

    山口県では180人の感染確認が発表され、1月6日の181人に続いて過去2番目に多くなりました。岩国市は対策本部会議を開き、福田市長が大規模な感染が起きているアメリカ軍岩国基地のルイス司令官と会談し感染対策での協力を確認したことを明らかにしました。

    福田市長はアメリカ軍岩国基地を訪れてルイス司令官と会談したことを明らかにし
    ▽基地の感染者はほとんどが軽症であることや
    ▽基地の外に住む関係者が感染した場合は軍の医療担当者が健康観察を行っていることなどの説明を受けたとしたうえで
    「まん延防止等重点措置について伝え、マスク着用の徹底を求め今後も感染対策で協力していくことを確認した」と述べました。

    会議のあと福田市長は、基地関係者から感染が広がったのではないかという記者団からの質問に対して直接は答えず「アメリカ軍も同じ方向を見て収束に結び付けていくことが大切だ。重点措置の適用で市民の皆さんに不安や不便をかけることになるがご理解とご協力をお願いしたい」と話しました。

    <広島>観光に影響も…

    広島県では429人の感染確認が発表され、一日に発表された新規の感染者数としては2021年8月21日の381人を超えてこれまでで最も多くなりました。多くの観光客が訪れる宮島の宿泊施設には予約のキャンセルが相次いでいます。

    宮島にある「ホテル菊乃家」では緊急事態宣言が解除された2021年10月以降、県内や近隣の県からの家族連れを中心に宿泊客が増えて年末年始は満室が続き、予約は回復傾向にありました。しかし1月6日からキャンセルの連絡が相次ぎ1月7日の昼時点で1月末までの宿泊予約のおよそ4分の1がキャンセルになったということです。

    「ホテル菊乃家」の松本浩志専務は「ようやく客が戻ってきたのにまたかという感じで非常に残念です。収束したあとに政府にはできるだけ長い期間観光キャンペーンを打ち出してもらい業界を救ってもらいたいです」と話していました。

    宮島観光協会によりますと、1月6日以降、土産物店や飲食店がたち並ぶ通りを訪れる観光客は少なくなっているということで、中村靖富満会長は「島ににぎわいが戻り収束に向かえばと思っていましたが、またしばらく我慢が続きそうです。事業者どうし協力しながら何とか乗り越えたい」と話していました。

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    “オミクロン疑い46% 12月27日~1月2日の暫定値”官房副長官(1/7)

    2022年1月7日

    磯崎官房副長官は、記者会見で「大阪府や沖縄県などでは、海外渡航に関連のない事案が継続して発生しており、デルタ株からオミクロン株への置き換わりが進みつつある。全国の変異株のPCR検査の結果をもとに機械的に試算したところ、オミクロン株の疑いがあるとの結果が出た割合は、12月27日から1月2日までの暫定値で46%であり、かなりの比率に上っている」と述べました。

    また、医療従事者の確保について「医療ひっ迫時に、およそ2000の医療機関から医師およそ3000名、看護師およそ3000名を派遣する体制を組んでいる。国と地方、そして医療界が一体となって感染拡大に先手先手で対応していきたい」と述べました。

    一方、磯崎副長官は、感染対策と経済社会活動の両立を図るための「ワクチン・検査パッケージ」について、オミクロン株の特性を踏まえ、見直す考えはないかと質問されたのに対し「現時点では、オミクロン株の性状が必ずしも明らかになっていないことから、今後判明してくるウイルスの性状や3回目のワクチン接種の進捗(しんちょく)状況、感染状況などを踏まえながら、専門家や自治体、経済団体などとも、よく相談していく」と述べました。

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    オミクロン株“発症10日以降ウイルス出る可能性低いか”国立感染研(1/6)

    2022年1月6日

    新型コロナウイルスのオミクロン株について、国立感染症研究所は国内の感染者21人を調べたところ、発症や診断から10日目以降では感染力のあるウイルスは検出されなかったとする暫定的な調査結果をまとめました。

    国立感染症研究所などのグループは、国内にいるオミクロン株に感染した軽症17人、無症状4人の合わせて21人を対象に、感染力のあるウイルスがいつまで検出されるかを調べました。

    その結果、
    ▽軽症の人では、発症日から10日目以降はウイルスは検出されず、
    ▽無症状の人でも、診断されてから6日目以降は検出されなかったということです。

    一方、ウイルスの遺伝子の一部が残っていれば検出できるPCR検査では、2週間目以降も陽性になる人がいました。

    国立感染症研究所は、今回の調査は暫定的な報告だとしたうえで、オミクロン株についてワクチンを接種済みで、軽症や無症状の人では、発症や診断から10日目以降に感染力のあるウイルスが出ている可能性は低いとみられるとしています。

    オミクロン株をめぐっては、入院した感染者が退院する際に、これまでは検査で2回連続陰性となる必要があり、入院の長期化が懸念されていましたが、国は1月5日からワクチン接種済みであれば、従来の新型コロナウイルスと同様に、発症や診断から10日間経過した場合などに退院を認めています。

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    オミクロン株 20道府県が原則入院から自宅療養などへ(1/6)

    2022年1月6日

    厚生労働省は1月5日、原則入院としていたオミクロン株の感染者について、一定の条件を満たせば自宅での療養を認める方針を示しましたが、1月6日現在で、北海道から沖縄県までの20の道府県が、入院から自宅療養などに対応を切り替える方針を示していることがわかりました。

    新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、厚生労働省は、原則入院としていたオミクロン株の感染者について、3週間後に病床の使用率が50%を超えることが想定されるなど、感染が急拡大している自治体では、健康観察などの体制が整っていれば、自宅などでの療養に切り替えることを認める方針を示しました。

    対応の切り替えを行う自治体は、事前に厚生労働省に報告することになっていて、1月6日午後3時までに、全国の20の道府県が切り替える方針を示しているということです。

    具体的には、北海道、宮城県、神奈川県、新潟県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、大阪府、京都府、滋賀県、兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、愛媛県、福岡県、長崎県、熊本県、沖縄県の合わせて20の道府県です。

    オミクロン株の感染は全国で拡大しつつあり、今後、切り替えの動きが広がることも予想されます。

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    大阪府 “オミクロン株感染の5割余がワクチン2回接種”(1/6)

    2022年1月6日

    大阪府は1月初旬までにオミクロン株への感染が確認された府民のうち、5割余りがワクチンを2回接種していたことを明らかにしました。

    大阪府はオミクロン株への感染が確認された府民について、年代やワクチンの接種歴などを調べています。

    それによりますと2021年12月14日から1月4日までにオミクロン株への感染が確認された府民145人のうちワクチンを2回接種していたのは56.6%、1回接種していたのは2.1%、未接種が40.7%でした。

    年代別にみると30代以下が67.6%を占め、特に10代以下は32.4%で、第4波の12%、第5波の22.2%と比べて高くなっています。

    感染経路については、感染経路がわからない人が33.1%に上る一方で、学校関連が20.7%、濃厚接触者が20%、家庭内感染が18.6%、施設関連が5.5%、飲食店が2.1%となっていて、府は学校関連や施設関連の集団感染に注意が必要だとしています。

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    オミクロン株 自宅療養する際の注意点は?ポイントまとめ(1/6)

    2022年1月6日

    新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株の感染が急拡大した場合、自宅で療養する人が増えるおそれがあります。

    オミクロン株は軽症者の割合が多いとされていますが、海外では亡くなったケースも報告されていて、感染者が増えると重症化する人も増えるとみられています。

    国は、自宅療養の際には治療薬の投与や健康観察などができる体制を確保することにしていますが、重症化の兆候を見逃さず、適切な医療につなげることが重要になります。

    新型コロナウイルスの対策に携わる医療や公衆衛生の専門家でつくる「有志の会」は、2021年8月、自宅療養中に注意すべきポイントをまとめました。

    有志の会のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は「過去の流行時にまとめたものだが、重症化の兆しを捉えるためのポイントで、オミクロン株にも当てはまる」としています。

    注意すべきポイントの中では、療養中に救急車を呼ぶ目安となる「緊急性の高い症状」として13項目が挙げられています。

    まず、患者自身でチェックする症状として、
    ▽唇が紫色になっている
    ▽息が荒くなった
    ▽急に息苦しくなった
    ▽生活をしていて少し動くと息苦しい
    ▽胸の痛みがある
    ▽横になれない座らないと息ができない
    ▽肩で息をしている
    ▽突然ゼーゼーし始めた
    ▽脈のリズムが乱れる感じがする
    の9項目が挙げられています。

    また、家族や同居者が注意する症状として、
    ▽顔色が明らかに悪い
    ▽いつもと違う、様子がおかしい
    ▽反応が弱く、ぼんやりしている
    ▽返事がなく、もうろうとしている
    の4項目が挙げられています。

    そのうえで、体調の変化が不安なときには、かかりつけ医や診断した医師、保健所や自治体の相談窓口に相談するよう呼びかけています。

    和田教授は「療養中に重症化の兆しがあればすぐに必要な医療につなげることが重要だ。特に夜間や週末になると相談が難しくなるケースも考えられるので、かかりつけの医師や保健所の医師など、だれが主治医として健康観察やケアに当たるのかや相談できる窓口、それに医療機関ごとの役割を明確にしておくことが求められる」としています。

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    オミクロン株 “感染拡大 目の前に” わかってきたこと(1/5)

    2022年1月5日

    新型コロナウイルスの新たな変異ウイルス「オミクロン株」。各地で市中感染が確認され、沖縄ではこれまでにないペースで感染が拡大しつつあります。欧米各国では過去最多の感染者数になるなど、感染力の強さが明らかになってきました。重症化リスクは低いという報告が出てきていますが、感染が急激に拡大すると、医療機関に大きな負荷がかかるおそれがあります。国内でも感染拡大が目の前に迫っているいま、わかってきたことをまとめました。
    (2022年1月5日現在)

    オミクロン株、市中感染 確認相次ぐ

    オミクロン株の市中感染と見られるケースが初めて見つかったのは、2021年12月22日。大阪府でのことでした。

    その後も東京都や愛知県、沖縄県などでも確認され、市中感染の可能性があるところは、1月4日の時点で18都府県となっています。

    市中感染とは、市中で「経路がたどれない感染」が起きていることを意味していて、今後、感染が地域に広がるおそれがあります。

    沖縄県では感染者が日々倍増するような急速な拡大が起きていて、オミクロン株が影響している可能性が指摘されています。

    年末年始に人出が増え、帰省で移動が多くなる中で、感染そのものが増加傾向になってきていますが、ここにオミクロン株の影響が加わることで、感染拡大の第6波につながるのではないかと懸念されています。

    オミクロン株“感染力強い”

    オミクロン株は、これまでに報告されてきたデルタ株などの変異ウイルスより、感染力が強いのは間違いないという評価になってきました。

    デルタ株がほぼすべてを占めていた欧米各国でも1か月ほどで急速に置き換わり、オミクロン株がほとんどになってきています。

    イギリスでは、2021年12月30日までにオミクロン株への感染が確認された人が累計でおよそ24万7000人となっていて、イングランドのほとんどの地域で検出される新型コロナウイルスの95%ほどがオミクロン株だとみられています。

    そして、1月4日には、1日の感染者数が20万人を超えて過去最多を更新しました。

    フランスでも、1日の感染者数が27万人を超え、過去最多を更新しています。

    アメリカでは、1月3日、1日に報告される新型コロナウイルスの感染者の数がおよそ108万人と、100万人を超え、これまでで最も多くなりました。

    背景にはオミクロン株の拡大があるとみられ、バイデン大統領は「オミクロン株はこれまで見たことがないほど非常に感染力が強く、感染者の数は引き続き増加するとみられる。これからの数週間は厳しいものになるだろう」と話しています。

    CDC=疾病対策センターによりますと、アメリカでオミクロン株が占める割合は、2021年12月4日までの週では0.6%ほどとみられていましたが、2021年12月25日までの週では77.0%、1月1日までの週では95.4%と、ほぼ置き換わったとみられるとしています。

    一方で、感染してから発症するまでの潜伏期間は、日本国内の積極的疫学調査の暫定的なデータでは3日前後、韓国の保健施設での感染例の解析でも3.6日となっていて、デルタ株より潜伏期間が短いとされています。

    “感染しても軽症”か

    オミクロン株は感染しても重症化する割合が低いという報告が相次いでいます。

    WHO=世界保健機関の責任者は、1月4日、オミクロン株の症状について、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異ウイルスと比べて肺まで達して重症化するリスクは低いという見解を示しました。

    一方で「証明するためにはさらなる研究が必要だ」と慎重な姿勢を示しています。

    イギリスでは、2021年12月30日までにイングランドでオミクロン株への感染が確認されたのは21万2000人余りで、入院は981人、そして75人が亡くなったとしています。

    イギリスの保健当局によりますと、オミクロン株に感染して入院に至るリスクは、デルタ株の場合に比べて3分の1になっているとしています。

    2回目のワクチン接種を終えてから14日以上の人では、ワクチンを接種していない人に比べて、入院するケースは65%低く、3回目の追加接種を受けてから14日以上の人では81%低くなっていました。

    一方で、イギリスの保健当局は、オミクロン株は感染拡大のスピードの速さや免疫から逃れる性質があるため、重症化リスクが低いといっても、必ずしも医療機関への負荷が減ることは意味しない、と強調しています。

    また、感染者が増加してから、重症化する人や亡くなる人が増加するまでは一定の時間がかかります。

    WHOは2021年12月28日に出した週報の中で「イギリスや南アフリカ、それにデンマークからの初期のデータでは、オミクロン株では、入院に至るリスクはデルタ株に比べて低いとみられるものの、酸素吸入や人工呼吸器の使用、死亡といった重症度を見るデータがさらに必要だ」としています。

    ワクチンの効果

    オミクロン株は、ワクチンを接種した人でも感染するケースが報告されています。

    イギリスの保健当局が示したデータでは、オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで2回の接種から2週間から4週間後には発症を防ぐ効果が65~70%でしたが、20週を超えると10%程度に下がっていました。

    一方、ファイザーのワクチンを2回接種した人が3回目にファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりました。

    ただ、5週間から9週間後では55~70%に、10週を超えると40~50%に下がりました。

    その一方で、重症化して入院するリスクを下げる効果は高くなっています。

    ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと、2週以降だと88%となっていました。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いまわかっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    感染力

    オミクロン株は、スパイクたんぱく質の変異の数から見て、感染力が強まっている可能性が指摘されていましたが、実際に各国でこれまでにないペースで拡大しています。

    病原性

    ▽『アルファ株』
    →入院・重症化・死亡のリスク高い可能性

    ▽『ベータ株』
    →入院のリスク・入院時の死亡率高い可能性

    ▽『ガンマ株』
    →入院・重症化のリスク高い可能性

    ▽『デルタ株』
    →入院のリスク高い可能性

    ▽『オミクロン株』
    →入院のリスク低いか

    各国からオミクロン株では重症化するリスクがデルタ株に比べて低いという報告が相次いでいます。

    ただ、WHOは感染したあと重症化するまでの間には一定の時間があるほか、ワクチンを接種済みの人やこれまでに感染したことのある人にオミクロン株が感染することで軽症となっている可能性もあるとして、慎重に見る必要があるという考えを示しています。

    再感染のリスク

    ▽『アルファ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか

    ▽『ベータ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持

    ▽『ガンマ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る

    ▽『デルタ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る

    ▽『オミクロン株』
    →再感染のリスク上がる

    WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株の再感染のリスクは、デルタ株に比べて5.41倍と高くなっているとする報告を出しています。

    ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    ▽『アルファ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ベータ株』
    →発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ガンマ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『デルタ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    (感染予防・発症予防は下がるという報告も)

    ▽『オミクロン株』
    →発症予防効果低下・重症化予防効果はあるという報告も3回目接種で発症予防効果・重症化予防効果も上がる報告も

    オミクロン株について、ワクチン接種を完了した人でも感染しているケースが報告されています。

    発症予防効果は接種から時間を経るごとに下がるものの、重症化を予防する効果は一定程度保たれるというデータが出てきています。

    また、3回目の追加接種で発症予防効果、重症化予防効果が上がるという報告も出てきています。

    治療薬の効果

    重症化を防ぐために感染した初期に投与される『抗体カクテル療法』は、効果が低下するとされています。

    開発したアメリカの製薬会社「リジェネロン」は2021年12月16日、「オミクロン株に対して、効果が低下する」とする声明を出しています。

    一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    感染経路

    新型コロナウイルス感染経路は、飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染も報告されています。

    オミクロン株について、感染力が強まっているおそれはありますが、同様の感染経路だと考えられています。

    舘田一博教授「国内でも2月には置き換わる可能性」

    新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「各地でもオミクロン株の市中感染が起きていて、2月には国内のウイルスがすべてオミクロン株に置き換わる可能性もある。オミクロン株はデルタ株に比べ重症化する人が少ないという指摘もあるが、感染力は3倍から4倍高いという報告がある。感染者が爆発的に増えると、一定の割合で入院する人や重症化する人が出てくるので、医療のひっ迫につながることに注意しなければならない。オミクロン株に対しても、変わらず基本的な感染対策を徹底することに尽きる。密を避けるとともに、マスクを適切に使うこと、冬であっても換気を心がけることが重要だ。飲食の場での感染の広がりも注意すべきで、大人数や長時間での会食は避けるべきだ」と話しています。

    対策は変わらない

    オミクロン株は、現在、感染力や病原性などについて、世界中で研究が進められていて、WHOや国立感染症研究所などが情報を更新していく予定です。

    私たちができる対策はこれまでと変わりません。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、特に会話時などでのマスクの着用、消毒や手洗い、換気や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    東京都 オミクロン株感染者 約7割はワクチン2回接種済み(1/5)

    2022年1月5日

    東京都内で1月4日までに、オミクロン株の感染が確認された55人のうち、およそ7割は、ワクチンを2回以上接種していた人で、都は「接種を済ませていても油断せず、対策を徹底してほしい」と呼びかけています。

    東京都内では1月4日までに合わせて55人が、新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが確認されています。

    都が、この55人について、ワクチンの接種状況を調べたところ、67%にあたる37人は、2回の接種を済ませていたことがわかりました。

    また、3回接種していた人も1人いたということです。

    一方、1度も接種したことがない人は15人、1回接種していた人は2人でした。

    都は「ワクチンを接種していてもオミクロン株に感染するリスクがあることが明らかになっている。接種を済ませている人も油断せず、感染防止対策を徹底してほしい」と呼びかけています。

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    WHO責任者 オミクロン株 “炎症が鼻やのどにとどまるケース多い”(1/5)

    2022年1月5日

    WHO=世界保健機関の責任者は新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株の症状について、鼻やのど、いわゆる上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異ウイルスと比べて肺まで達して重症化するリスクは低いという見解を示しました。

    WHOで新型コロナウイルスの分析を担当するマフムード氏は1月4日の会見で、オミクロン株の症状について「肺まで達して深刻な肺炎を引き起こすほかの複数の変異ウイルスと異なり、上気道の炎症を引き起こしやすいとする研究結果が増えている」と述べ、炎症の場所が鼻やのどにとどまるケースが多く、重症化するリスクは低いという見解を示しました。

    マフムード氏は「とてもよいニュースになりえる」と述べる一方で「証明するためにはさらなる研究が必要だ」と慎重な姿勢を示しました。

    WHOは、オミクロン株は著しく速いスピードで感染が拡大するため、ワクチンを接種した人や過去に新型コロナウイルスに感染して回復した人が再び感染するおそれがあると指摘し、各国に警戒を呼びかけています。

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    年末年始 オミクロン株感染者の入院相次ぐ 大半が50代以下軽症(1/4)

    2022年1月4日

    年末年始の期間中、新型コロナウイルスの患者を受け入れている千葉県内の医療機関ではオミクロン株の感染者の入院が相次ぎました。

    1月4日は都内の新型コロナウイルスの感染確認が150人を上回るなど増加傾向となっていて、オミクロン株の市中感染が疑われるケースも全国で相次いで報告されています。

    このうち成田空港の検疫で確認された感染者を中心に対応している国際医療福祉大学成田病院では12月中旬ごろまで入院患者は15人ほどでしたが、12月下旬から連日6人から7人を受け入れるようになったということです。

    1月3日の時点で入院患者は33人まで増えていて、このうちオミクロン株の入院患者は疑いのある人を含め31人にのぼっています。

    その大半が50代以下で、症状があっても発熱やせきなどで、全員が軽症だということです。

    また、ほぼ全員が2回のワクチン接種を済ませていたということです。

    国際医療福祉大学成田病院の津島健司副院長は「いまのところ患者は軽症の人ばかりだが、若い人が多い。今後、高齢者に感染が広がった場合、重症の人が出てくるおそれもあるのでオミクロン株の性質が十分に分かっていないうちは油断せず、引き続き警戒が必要だ」と話しています。

    そのうえで「年末年始に日本で過ごそうと海外から帰国した人が多くなった影響もあり、入院の受け入れが急増したが、今後も患者の増加が予想される。オミクロン株の感染者全員を入院させることは難しいので、誰を入院させ、誰を入院させないかの選別が重要だ。リスクの高い人をどう選ぶかなど国や自治体には指針を示してほしい」と話していました。

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    東京都 年末年始に感染者増加 オミクロン株市中感染も(2022/1/4)

    2022年1月4日

    東京都内では、この年末年始に新型コロナウイルスの感染確認が増加し、1月3日は100人を上回るなど増加のスピードがあがっています。また、オミクロン株の市中感染とみられるケースも増えていて、都は基本的な対策の徹底を重ねて呼びかけています。

    仕事納めとなった12月28日、東京都の小池知事は、この年末年始について「人の動きを介して面的に、かつ加速度的に感染の爆発につながることを懸念しなければならない」と述べ、強い危機感を示していました。

    年末年始の都内の感染状況はどうだったのか。

    12月29日から、1月3日までの推移を見てみます。

    増加のスピード上昇

    ▽12月29日の感染確認は76人。1日の感染確認が50人を下回る日が、73日連続で止まりました。

    ▽30日は64人、▽31日の大みそかは先月・12月では最も多い78人。
    いずれも50人を上回り、前の週の同じ曜日の2倍近くになりました。

    年明けはさらに増加し、▽1月1日は79人、▽1月2日は84人、そして▽1月3日は103人で、2021年10月8日以来、100人を上回りました。

    1月3日は1週間前の月曜日の3倍近くで、都の担当者は「年末年始で増加のスピードが上がっていて、危機感を強めている」と話しています。

    感染経路

    感染経路では家庭内が目立ちました。

    1月3日までの年末年始の6日間に感染が確認された484人のうち、感染経路が分かっている人は36.2%に当たる175人でした。

    このうち▽家庭内が最も多く101人で、57.7%を占めています。

    次いで▽職場内が12.0%、▽会食が9.1%、▽施設内が7.4%などとなっています。

    オミクロン株確認相次ぐ

    新型コロナの変異ウイルス、オミクロン株の感染確認も増えています。

    都内では12月16日に初めてオミクロン株の感染が確認されました。

    その後12月28日までのおよそ2週間で13人だったのに対し、年末年始は▽12月30日に9人、▽1月3日は25人の感染がわかりました。

    また、このうち感染経路がわからず、市中感染とみられる人は、▽12月28日までは1人だったのに対し、▽年末年始は12月30日と1月3日で合わせて12人と、一気に増えました。

    都の担当者は「クリスマスが終わったころから、オミクロン株の疑いのある人が増えている。年末年始で急激にオミクロン株が拡大している可能性がある」と分析しています。

    医療提供体制

    医療提供体制です。

    最大で6919床を確保できる都内の病床の使用率は、1月3日時点で3.5%です。

    病床がひっ迫していた第3波の2021年1月は、今とは計算方法が違いますが、使用率が80%台で推移していました。

    重症の患者は、2021年の年明けには100人を超えていたのに対し、ことしは1月3日時点で1人です。

    都の専門家は、今は、通常の医療との両立が安定的に可能な状況だと分析していますが、オミクロン株の感染拡大の状況によっては病床がひっ迫するおそれがあるとしています。

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    オミクロン株 症状引き起こす力弱い可能性も “感染拡大なら重症化も”(2021/12/30)

    2021年12月30日

    新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株の症状の重さについて東京大学などのグループが動物などで実験した結果、これまでのウイルスに比べて症状を引き起こす力が弱い可能性があると発表しました。

    この実験結果は、東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授と北海道大学大学院医学研究院の福原崇介教授らのグループがインターネット上で発表しました。

    グループではオミクロン株とデルタ株、それに従来の新型コロナウイルスをそれぞれ培養細胞に感染させたところ、デルタ株や従来のウイルスでは感染した細胞が壊れて塊になりましたが、オミクロン株ではこうした塊はできなかったということです。

    また、それぞれのウイルスをハムスターに感染させると、デルタ株や従来のウイルスでは体重の減少や肺炎の悪化、それに肺での出血などがみられましたが、オミクロン株では体重に大きな変化はなく、肺炎になっても悪化することはなかったということです。

    グループではあくまで動物などでの実験結果だとしたうえで、オミクロン株が症状を引き起こす力はデルタ株などに比べると弱い可能性があるとしています。

    専門家「警戒解いていいわけではない」

    福原教授は「ハムスターでの実験ではあるがオミクロン株の症状を探ることができた。オミクロン株でも、肺炎が無くなるわけではなく、感染が広がれば重症化する人も出てくると考えられるので警戒を解いていいわけではない」と話しています。

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    オミクロン株“急速な感染拡大想定すべき”年の瀬も各地で備え(12/28)

    2021年12月28日

    これまでに18都府県で感染が確認された新型コロナの変異ウイルス、オミクロン株。人の移動が活発になり1年で感染が最も広がりやすいとされる年末年始を迎え、各地で備えが進められています。

    “市中感染” 計7都府県に

    12月28日は新たに
    ▽東北で初めて岩手県で1人
    ▽神奈川県で1人
    ▽千葉県で1人
    ▽愛知県で2人
    ▽大阪府で4人
    ▽京都府で4人
    ▽沖縄県で2人の
    感染が確認されました。

    このうち愛知県の2人、京都府の3人、それに沖縄県の1人は市中感染の可能性が高いとされていて、市中感染の可能性があるところは合わせて7都府県となりました。また大阪府は、4人のうち3人が高齢者施設の利用者で、府で初めてオミクロン株によるクラスターが発生したとしています。

    東京都 小池知事「緊張状態の中での年末年始」

    東京都の小池知事は「オミクロン株の市中感染が確認され緊張状態の中で年末年始を迎える。年末年始の人の動きを介して面的にかつ加速度的に感染の爆発につながることを懸念しなければならない」と述べ、強い危機感を示しました。

    そのうえで「市中感染の拡大も視野に入れて先手先手で医療提供体制の強化に取り組んでいる。感染に不安を持つ人への無料検査や感染状況の日々の分析、陽性者や濃厚接触者の入院、入所調整など危機感をもって切れ目のない対策を講じていく」と述べました。

    大阪 吉村知事「基本的な対策徹底を」

    大阪府内では12月28日までの調査で23人のオミクロン株への感染が確認され、市中感染とみられるケースも相次いでいます。

    吉村知事は記者団に対し「感染力が強いオミクロン株の市中感染があることを前提に基本的な対策をお願いしたい」と述べ、帰省や旅行で人との接触が増える年末年始も手洗いやマスクの着用、少人数での会食といった対策を徹底するよう呼びかけました。そのうえで少しでも症状のある人は速やかに受診し、症状がなくても不安のある人は府内各地に設けている検査場で無料の検査を積極的に受けるよう呼びかけました。

    オミクロン株 “地域で一定規模の感染か” 各地では…

    このオミクロン株、厚生労働省の専門家会合は地域で一定規模の感染が起きている可能性があり、今後、急速な感染拡大を想定すべき状況だと分析しました。こうした中で迎えた年末年始ですが、各地の病院などでは備えの動きが続いています。

    1.<東京 墨田中央病院>年末年始も発熱外来

    12月29日から2022年1月3日までの年末年始の期間中、毎日発熱外来で検査などを行う墨田中央病院ではスタッフの3回目のワクチン接種を行い、シフトに入る医師や看護師の調整を進めました。

    新型コロナが広がる前の年末年始は一般の診療を休診し救急患者だけに対応していましたが、2年続けて発熱外来を開くことになり例年のおよそ2倍の医師や看護師を確保したということです。

    院内では年末年始の発熱外来の対応時間を知らせる貼り紙を職員が掲示したり、発熱患者とほかの患者で通路をどう分けるか確認したりしていました。

    墨田中央病院の小嶋邦昭院長は「オミクロン株が感染力は強いものの症状が比較的軽いということであれば私たちにとっては非常に不利で、かぜだろうと見逃され感染が広がることを危惧している。感染を広げないためにも体調の変化を感じたらすぐに受診してほしい」と話していました。

    2.<東京 三宿病院>ワクチン3回目接種急ぎ対応

    新型コロナの中等症の患者を受け入れてきた東京 目黒区の「三宿病院」はオミクロン株の感染拡大に備えようと医師や看護師、事務職員などを対象にした3回目のワクチン接種を急いでいます。12月28日は病院での年内最後の接種の日で60人が医師の問診のあと接種を受けました。

    これで病院の医療従事者の9割近くに当たる420人が3回目の接種を受けたことになり、2回目との間隔は1か月程度早めたということです。

    12月28日に接種を受けた20代の理学療法士の女性は「ワクチンを打つことができて年始から安心して対応に当たることができる」と話していました。

    近藤壽郎院長は「オミクロン株による第6波も迫りつつあるので接種をできるだけ年内に済ませるというスケジュールで進めてきた。万全の体制で責務を果たしたい」と話しています。

    3.<東京 墨田区の薬局>抗原検査キットの在庫集約

    一方、自宅で新型コロナウイルスの検査を行うことができる抗原検査キットの需要が高まることを見込んで、都内の薬局では大みそかまで営業する店舗に在庫を集約するなどして準備を進めています。

    医療用の抗原検査キットは2021年9月から薬局での販売が特例的に認められ、自宅などでみずから検査を行って陽性の結果が出たら医療機関を受診するという使い方が想定されています。

    東京 墨田区にある薬局では感染状況が比較的落ち着いている地域の店舗から検査キットを取り寄せました。11月は購入者はいませんでしたが12月に入ってから徐々に買い求める人が増えているということで、大みそかまで営業する首都圏の店舗などに在庫を集約して備えているということです。

    薬剤師の武田早織さんは「オミクロン株の影響もあって需要の高まりを感じています。抗原検査キットは無症状の人には適さず体調がすぐれない時、ウイルスの量が増えている時に対応するものなので事前に購入しておくことが基本です。年末年始で医療機関が休診していることもあるのでセルフチェックに利用してもらえればと思いますが、すでに発熱などの症状が出ている場合は検査キットを買いに薬局を訪れるのではなく医療機関の受診をお願いします」と話しています。

    新規感染者数“非常に低い水準も都市部中心に増加傾向”

    厚生労働省の専門家会合は現在の新型コロナウイルスの感染状況について、新規感染者数は依然として非常に低い水準が続いているものの都市部を中心に感染者数の増加傾向がみられ、一部の地域では医療機関などでのクラスターや感染経路不明の事例の発生による一時的な増加がみられるとしました。

    オミクロン株“今後急速な感染拡大を想定すべき”

    オミクロン株については国内の複数の地域で感染が確認され、感染経路が分からないケースも出ているとして、国内でも地域で一定規模の感染が起きている可能性があり、今後急速な感染拡大を想定すべき状況だという認識を示しました。

    オミクロン株に感染した際の症状については、これまで国内で経過観察となっている感染者は全員が軽症か無症状で、海外の研究でもデルタ株と比べ重症化しにくい可能性が示されているとしましたが、今後、感染者数が急速に増加すると入院が必要な人も急増し、医療提供体制がひっ迫する可能性があることに注意が必要だと指摘しました。

    また、今後の対応について、オミクロン株の水際対策を重点的に行うことに加え、国内のすべての感染者に対しオミクロン株かどうかを調べるゲノム解析などの検査を続け、国内での早期探知や迅速な感染ルートの調査などが必要だとしました。

    年末年始“感染リスク高い行動控え 少人数で活動を”

    年末年始に向けては、ふだん合わない人との交流や帰省などによる人の移動が増え感染が急拡大するおそれがあるとして、感染リスクの高い行動を控えできるだけ少人数での活動に抑えることが必要だとしました。

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    オミクロン株感染者への対応 重症度で入院判断を 専門家提案(12/28)

    2021年12月28日

    新型コロナウイルスのオミクロン株に感染した人は現状、全員入院し、濃厚接触者もホテルなどで健康観察を求められますが、感染者や濃厚接触者の増加に伴い、施設や対応するスタッフの確保が課題になってきています。
    対策にあたってきた専門家は、従来のウイルスと同様、感染者の重症度によって入院かどうか判断し、濃厚接触者の自宅での健康観察も可能とするなど、年末年始に感染が急拡大した場合にも地域に応じた柔軟な対応ができるよう求める提案をまとめました。

    提案は、コロナ対策にあたってきた専門家会合のメンバーなどがまとめ、国に対して示しました。

    この中では、オミクロン株に感染した人について、全員入院としている対応を、従来のウイルスと同様、重症度に応じて入院かどうか判断し、自宅療養者に対してきめ細かく健康観察することや、退院の基準について、PCR検査で2回陰性を確認するとしているのを、発症後10日間たった場合でも退院できるようにするよう、提案しています。

    また、オミクロン株に感染した人の濃厚接触者の自宅での健康観察も可能にすることや、抗原定性検査や郵送でのPCR検査を活用するなど、効率的な検査体制の確保を提案しています。

    提案では、短期間で感染が拡大し、感染者が急増する可能性が強く懸念されるため、知事の判断で柔軟な対応ができるようにする必要があるとしていて、体制の変更が難しい年末年始の期間の前に、国が自治体に向けて方針を伝えるよう求めています。

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    オミクロン株感染者と同じ飛行機の乗客 濃厚接触は“前後2列”(12/27)

    2021年12月27日

    オミクロン株の水際対策として、感染者と同じ飛行機に乗っていた乗客全員を濃厚接触者としてきた扱いについて、後藤厚生労働大臣は記者団に対し、12月28日以降は、ほかのウイルスと同様に、感染者の同じ列と前後2列の乗客だけを濃厚接触者とする方針を示しました。

    この中で後藤厚生労働大臣は、オミクロン株の水際対策をめぐって「飛行機の同乗者が陽性となる割合は極めて低く、空港検疫後に感染が判明する割合と、ほぼ同水準であるとの知見が得られた」と指摘しました。

    そのうえで、感染者と同じ飛行機に乗っていた乗客全員を濃厚接触者としてきた扱いを改め、12月28日以降は、ほかのウイルスと同様に、感染者の同じ列と前後2列に座っていた乗客だけを濃厚接触者とする方針を示しました。

    さらに後藤大臣は、検疫では、オミクロン株の感染者がおよそ8割を占めていることから、ゲノム解析などを省略し、感染が判明した場合は、オミクロン株の感染者と見なして扱うことや、すべての入国者に抗原検査キットを配布し、3日目に検査してもらうことなどを明らかにしました。

    そして「年末年始は、ふだん会わない方との接触機会が増えるので、基本的な感染防止対策の徹底をお願いしたい。帰省や旅行については、オミクロン株の動向を踏まえ慎重に対応していただきたい」と呼びかけました。

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    オミクロン株 国内接種者でもワクチン効果大幅低下か 北里大(12/27)

    2021年12月27日

    新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」について、北里大学のグループが、国内でワクチンを接種した人の抗体がどれだけ効果があるか培養細胞を使って実験したところ、デルタ株に比べワクチンの効果が大幅に下がっていることが分かりました。

    オミクロン株は、海外のこれまでの報告でワクチンの効果が大幅に下がっている可能性が指摘されています。

    これについて、北里大学の片山和彦教授らのグループが、実際のオミクロン株を使って、国内でファイザーかモデルナのワクチンを2回接種した人それぞれ6人の血液に含まれる抗体にどれだけ効果があるかを培養細胞を使った実験で調べました。

    その結果、ファイザーのワクチンを2回接種して3か月たった人ではオミクロン株に対する中和抗体の値は、デルタ株の場合と比べて平均で72%下がっていました。

    また、モデルナのワクチンでは接種後3か月たった人のオミクロン株に対する中和抗体の値は、デルタ株の場合と比べて平均で82%下がっていたということです。

    片山教授は「あくまで実験なので、実際にワクチンの効果が全くなくなる訳ではないと思うが、国内でもオミクロン株に対する効果が低下していることが確認された。オミクロン株に対しては、ワクチンを接種した人も基本的な感染対策を改めて徹底する必要がある」と話しています。

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    オミクロン株【12月24日まとめ】国内で10人確認 空港検疫でも16人(12/24)

    2021年12月24日

    新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に東京都、京都府、大阪府、それに山口県で合わせて10人の感染が確認されました。

    また12月18日から12月21日にかけて日本に入国した16人が、新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが新たに確認されました。

    12月24日の全国の状況についてまとめました。

    厚生労働省によりますと、オミクロン株への感染が確認されたのは12月18日から12月21日にかけて成田空港と関西空港から入国した10代から50代までの男女合わせて16人です。

    アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、ケニアなどに滞在歴があり、空港の検疫や待機中の宿泊施設で受けた検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたということです。

    これで国内でオミクロン株への感染が確認された人は合わせて226人となりました。

    東京都 初の“市中感染”1人確認 ほかに海外から帰国の3人も

    東京都内で、海外への渡航歴がなく感染経路がわかっていない医師1人が、オミクロン株に感染していることが確認され、都は都内で初めての市中感染になるとしています。
    都は医師が診察の際、感染防止策を講じていたため、患者は濃厚接触者に該当しないとしていますが、オミクロン株の感染力を考慮して勤務先のクリニックの従業員と受診した患者に対し、検査を受けるよう呼びかけています。

    オミクロン株の感染が確認された人と同じ航空機に乗って入国し、濃厚接触者とされた人は、都内で2000人を超えました。このうち、宿泊療養施設に入っているのはおよそ3分の1で、都は、万が一感染していても気がつかないまま自宅で待機するとウイルスを広げるおそれがあるとして、宿泊療養施設に入るよう呼びかけています。

    京都府では新たに3人 いずれも市中感染か

    感染が確認されたのは、30代の女性2人と、50代の男性1人の合わせて3人です。いずれも海外への渡航歴はなく今のところ感染経路も分からないということで、京都府はいわゆる市中感染の可能性が高いとみています。また3人のうち女性2人は同じ職場だということです。

    大阪府 新たに2人感染確認

    大阪府の吉村知事は記者団に対し、府内在住の2人の感染が新たに確認され、1人は12月22日に感染が確認された3人の家族で、もう1人は海外からの帰国者であることを明らかにしました。

    大阪では「無料検査」が始まる

    大阪府は、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の市中感染が広がっている可能性があるとして、感染への不安を感じる府民を対象にした無料の検査を12月24日から始めました。

    無料の検査は大阪府内の薬局や民間の検査機関など100か所以上で行われ、症状はないものの感染への不安を感じる府民が対象です。このうち大阪 西区の薬局では、12月24日夕方までに100件ほどの問い合わせがあり、およそ30人が検査を受けました。

    数日後に結果がわかるPCR検査と、20分ほどでわかる簡易的な抗原検査が行われていて、このうちPCR検査はキットが品切れとなり12月25日以降の入荷を待っているということです。

    山口県でも1人の感染確認 中国地方では初

    山口県はアメリカ軍岩国基地に勤務する30代の日本人の男性1人が新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが確認されたと発表しました。中国地方でオミクロン株の感染確認は初めてです。

    岸田首相 “東京でも無料検査受けられるようにする”

    大阪、京都に続いて東京でもオミクロン株の市中感染が確認されたことを受け岸田総理大臣は記者団に「オミクロン株の早期探知の徹底と、濃厚接触者の宿泊施設での待機要請を柱とする封じ込め対策を実行していく」と述べました。そのうえで、東京でも感染に不安を感じて希望する人は無料で検査を受けられるようにする考えを示しました。

    山際新型コロナ対策相 “感染拡大なら行動制限強化も”

    オミクロン株の市中感染とみられるケースが相次いでいることについて、山際新型コロナ対策担当大臣は、現段階で行動制限を行う考えはないとする一方、今後、感染が広がった場合は、行動制限の強化も検討する必要があるという認識を示しました。

    急増する「オミクロン株の濃厚接触者」

    「オミクロン株」の感染が海外からの入国者を中心に相次ぐなか、厚生労働省によりますと感染がわかった人と同じ飛行機に乗っていて濃厚接触者とされた人は、12月23日午前0時時点で全国で合わせて7819人で、12月20日と比べて2倍以上に増えています。

    オミクロン株の濃厚接触者は

    「オミクロン株」の感染者の濃厚接触者について、国は都道府県が用意した宿泊施設で14日間待機するよう要請していて、対象となった人の中からは、事情は理解できるものの精神的な負担が大きいといった声も出ています。

    このうち都内の30代の男性はケニアから12月14日に帰国しました。

    当時ケニアは、帰国後に施設での待機が必要な国ではなかったため、はじめは自宅で待機していましたが、保健所から、同じ飛行機の乗客にオミクロン株の感染者が出たという連絡を受けて、12月19日にホテルへ移ったということです。

    男性は、連絡を受けたときの心境について「自宅にちゃんといてアプリでの居場所や健康状態の確認も行い、検査でも何の問題もないのに、えーという感じでした。あすから施設に行ってもらうと言われ、準備するにも何を持って行けばよいのかどんな感じなのか説明もなく、自宅隔離で済むのであれば、済ませて頂きたいという風には思いました」と話していました。

    男性は、ホテル内でオンラインで仕事をするなどして過ごしているということです。

    また毎日2回、体温や酸素飽和度を計測して備え付けられたスマホに入力し、体調に異常がないか看護師から電話で確認を受けているほか、数日おきにPCR検査を受けているということです。

    食事は弁当が出され、種類は選べないものの飽きないようなメニューにする工夫も感じるということです。

    男性はホテルでの生活について「弁当を取りに部屋の外に出る時に配っている方がいたら、まだ出ないでくださいと言われたりします。しかたないとは思いますが、ずっと監視されているような環境にいるのは結構、精神的につらいです。体調に何も問題もないのにずっと隔離されるのはやり過ぎなんじゃないかと感情的に納得いかない部分はありますが、ちゃんと言われたことを守って生活するしかないと思います」と話しています。

    一方、男性は「自宅待機のままでも済んだという話をあとから聞きました。特例を認めるのであれば、透明性のあるルールの決め方をしてほしいです」と話していました。

    専門家「体調悪い人は帰省しないで 帰省の場合も検査を」

    新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は、オミクロン株について「いまはまだ、市中感染が点として見えている状況だが、油断すると点が線となり、面となって広がってしまう。この年末年始はオミクロン株が広がりつつあるという状況をしっかりと認識して、一人ひとりが感染対策を徹底することが重要になる。イギリスなどから病原性が少し低下しているのではないかという報告も出ているが、感染力が非常に高いことを考えると、感染者数が急激に増加したときには一定の割合で重症者が出る。自宅療養の人も増えるので受け入れ体制や重症化した場合に速やかに入院できる仕組みを整えることが大事だ」と話しています。

    さらに年末年始の帰省について「体調が悪い人は帰省しないことが大事だ。ワクチンを打っていてもブレイクスルー感染が起きる可能性があるため、帰省の際は認証された簡易の抗原検査でたとえば3日に1回など、繰り返し陰性を確認することも重要だ」と述べワクチンに加え、検査を生かして感染リスクを下げることが重要だという認識を示しました。

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    オミクロン株 東京で4人感染確認 1人は“都内初の市中感染”(12/24)

    2021年12月24日

    東京都内で、海外への渡航歴がなく感染経路がわかっていない医師1人が、オミクロン株に感染していることが確認され、都は、都内で初めての市中感染になるとしています。都は、医師が診察の際、感染防止策を講じていたため、患者は濃厚接触者に該当しないとしていますが、オミクロン株の感染力を考慮して勤務先のクリニックの従業員と受診した患者に対し、検査を受けるよう呼びかけています。

    東京都によりますと、都内のクリニックに勤める50代の男性の医師1人が12月24日、新型コロナの変異ウイルスオミクロン株に感染していることが確認されました。

    この医師は海外への渡航歴がなく、感染経路がわかっていないということです。

    また、海外に渡航歴のある人の濃厚接触者でもないということです。

    海外への渡航歴がなく、感染経路がわかっていないオミクロン株の感染者が都内で確認されるのは初めてです。

    小池知事は記者会見で「いわゆる市中感染になる」と述べました。

    都によりますと、医師は12月16日、発熱の症状があったため、翌日に検査を受けて陽性が判明しそのまま医療機関に入院したということです。

    現在、症状はないということです。

    また、都によりますと、この医師の勤務先と家族に合わせて5人の濃厚接触者がいて、検査の結果、今のところ全員陰性だということです。

    さらに、医師は診察の際、マスクに加えてフェースガードも着用するなど、感染防止策を講じていたということで、患者は濃厚接触者には該当しないということです。

    ただ、オミクロン株の感染力を考慮して、都は、勤務先のクリニックの従業員およそ20人と、受診した患者およそ80人の合わせておよそ100人に対し、検査を受けるよう呼びかけています。

    また、都によりますと、このほか3人がオミクロン株に感染していることが新たに確認されました。

    この3人はいずれも海外から帰国した人で、このうち2人は、すでに感染が確認された人と同じ飛行機に乗っていた濃厚接触者だということです。

    小池知事は記者会見で「検査体制を強化して早期の診療、隔離につなげることが改めて重要だと認識しなければならない。せきや発熱などの症状がある人は積極的に受診をお願いしたい」と述べました。

    そして「改めて、対策の基本を徹底していただきたい。『こういう年末年始は最後にする』という覚悟で、みんなで取り組んでいく意識を共有したい」と述べ、手洗いやマスクの着用、それに換気といった基本的な対策を徹底し、感染拡大を防ぐよう重ねて呼びかけました。

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    “オミクロン株感染拡大なら行動制限強化も”新型コロナ対策相(12/24)

    2021年12月24日

    オミクロン株の市中感染とみられるケースが相次いでいることについて、山際新型コロナ対策担当大臣は、現段階で行動制限を行う考えはないとする一方、今後、感染が広がった場合は、行動制限の強化も検討する必要があるという認識を示しました。

    新型コロナの新たな変異ウイルス、オミクロン株をめぐっては、12月23日も大阪や京都で感染者が確認されるなど、市中感染とみられるケースが相次いでいます。

    これに関連して、山際新型コロナ対策担当大臣は記者会見で「大阪や京都で市中感染が確認されているので、残念だがこれからオミクロン株は広がる可能性が十分ある。われわれ一人一人ができることは、基本的な感染対策を怠らないということだ」と指摘しました。

    そのうえで「現段階で行動制限は考えていないが、オミクロン株の感染が面的に広がるようなことがあれば、当然、政府として対応しなければならない。国民の理解をしっかり得られるよう説明責任を果たしながら、行動制限の強化を含めて機動的に対応していく必要がある」と述べました。

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    首都圏1都3県 オミクロン対応 国に感染状況に応じた判断求める(12/23)

    2021年12月23日

    首都圏の1都3県は、オミクロン株の感染者が入院・退院する際の対応について、国が示す個室での隔離を原則とするなどとした考え方では感染が拡大した場合に病床のひっ迫を招くおそれがあるとして、感染状況に応じて判断するよう求めました。

    東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事は12月23日、オンラインで会議を開いてオミクロン株への対応について協議しました。

    これまで国は、
    ▽オミクロン株の感染者の入院は、個室での隔離を原則とすることや、
    ▽退院は、症状の回復後、2回の陰性の確認を基準とするなどとした考え方を示しています。

    会議では、こうした対応では感染が拡大した場合に病床のひっ迫を招くおそれがあるとして、国に対し感染状況に応じて判断するとともに、感染拡大した際の考え方を明確にするよう求めることで一致しました。

    また、国が濃厚接触者に対し、宿泊施設に入るよう要請していることについて、保健所に過度の負担が生じないよう、必要な対策を講じるよう求めました。

    このほか、会議では、都民や県民に向けた共同メッセージが出され、年末年始の感染拡大を抑え込むため、
    ▽外出は混雑する時間や場所を避け、
    ▽感染防止のルールを守っている飲食店を利用するなど、
    基本的な対策をさらに徹底するよう呼びかけました。

    千葉県 オミクロン株初確認 成田到着の濃厚接触者

    千葉県の熊谷知事はテレビ会議で、新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」への感染者が成田空港に到着した濃厚接触者の中から県内で初めて確認されたことを明らかにしました。

    千葉県内で初めてオミクロン株への感染が確認されたのは、県外に住む30代の女性です。

    この女性は12月15日にアフリカのチュニジアから成田空港に到着し、同じ飛行機のなかにオミクロン株に感染した疑いのある陽性者がいたため、12月17日に濃厚接触者として県内の宿泊施設に入り、健康観察が行われていました。

    12月18日には、のどや頭の痛みがあったため県内の医療機関に入院し、ゲノム解析の結果、12月23日にオミクロン株への感染が確認されたということです。

    女性は現在、発熱などの症状がありますが、軽症だということです。

    入国後、ホテルでの自主隔離を経て宿泊施設に入所していることから、千葉県は、この女性からの感染の広がりはないとみていて、感染経路が特定されているため、市中感染ではないと考えられるとしています。

    熊谷知事は「国内では市中感染も確認されていて予断を許さない状況だ。次の感染拡大を見据えて、速やかに診療・検査体制、入院体制および保健所体制を維持・確保していく」とコメントしています。

    埼玉県 大野知事 “感染落ち着いている今こそ備えを”

    埼玉県の大野知事はテレビ会議の中で「県内では10月下旬から新規の感染者数がおおむね1桁となっているが、おととい県内でもオミクロン株の感染者が確認されるなど、市中感染は避けられないと認識している。感染が比較的落ち着いている今だからこそ、オミクロン株の脅威に備えていくべきだ」と述べました。

    その後、記者団の取材に応じた大野知事は「オミクロン株の濃厚接触者が数多く出ていて、今は宿泊療養施設に入ってもらっているが、さらに増加すれば、それも困難になる。また、国からはオミクロン株の感染者は個室での管理が原則と言われているが、対応できる医療機関は限られていて医療がひっ迫する可能性があるため、しっかりとした基準を示してほしい」と話していました。

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    オミクロン株“市中感染” 京都でも… 年末年始どう過ごす?(12/23)

    2021年12月23日

    新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に市中感染したとみられる感染者が12月22日の大阪府に続いて12月23日も隣の京都府で確認されました。京都府内に住む20代の女性で、海外への渡航歴はなく感染経路もわからないということです。

    こうした状況について政府分科会の尾身会長は、市中感染が始まると急速に感染が拡大する可能性があると指摘し“感染拡大を防ぐためのポイント”を発表しました。まもなく迎える年末年始、1年のうちで最も感染が拡大しやすいというこの期間をどう過ごせばよいのか、詳しくみていきます。

    ■京都 20代女性“市中感染” ワクチンは接種済み

    オミクロン株への感染が確認されたのは京都府内に住む20代の女性で、発熱やせきの症状を訴え詳しく調べたところオミクロン株への感染がわかったということです。

    海外への渡航歴がなく感染経路もわからないということで、京都府はいわゆる市中感染が確認されたとしています。

    女性はワクチンを2回接種していたということで現在は医療機関に入院していて、せきの症状がありますが軽症だということです。

    また女性の濃厚接触者とされた7人のうち2人はPCR検査で陰性が確認され、5人は検査中だとしていて、府はこの7人に対して専用の宿泊療養施設に入所するよう要請しているということです。

    西脇知事は「府内で市中感染が確認されたことを重く受け止めている。オミクロン株が存在することを前提としてマスクの着用や換気の徹底など感染対策に協力をお願いしたい」と述べました。

    ■大阪 12月22日国内初の“市中感染”

    市中感染とみられるオミクロン株の感染者は12月22日、国内で初めて大阪府で確認されました。30代の男女2人と10歳未満の女の子の家族3人で、男女2人はワクチンを2回接種していたということです。またこの家族は5人家族で、ほかの子ども2人もデルタ株以外の新型コロナへの感染が確認され、府はオミクロン株感染の可能性があるとしてゲノム解析を進めています。

    小学男児 12月23日も“市中感染”

    大阪府の吉村知事は12月23日、オミクロン株に市中感染したとみられる府内在住の感染者が新たに1人確認されたことを明らかにしました。

    小学生の男子児童で海外への渡航歴やほかの感染者とのつながりはなく、感染経路はわかっていないということです。

    3回目接種迅速化へ会場を追加設置

    一方、吉村知事は3回目のワクチン接種を迅速に進める必要があるとして独自の接種会場を大阪 中央区の心斎橋など3か所に追加で設け、合わせて6会場とする方針を明らかにしました。

    追加される会場は
    ▽大阪 中央区の商業ビル「心斎橋SC」と
    ▽堺市堺区の「法務省矯正研修所 大阪支所体育館」
    ▽高槻市の「関西大学高槻ミューズキャンパス」で
    2022年2月中旬から接種を始める方針です。

    すでに接種会場となることが決まっている大阪府庁新別館南館など3か所の庁舎と合わせて府独自の接種会場は6か所となり、高齢者の3回目接種がおおむねピークとなる2月中旬から3月にかけて最大で1日に5800人ほどの接種を行えるとしています。

    ■尾身会長「感染者増加を止めるのは難しい」

    新型コロナウイルス対策に当たる政府分科会の尾身茂会長は12月23日、オミクロン株の市中感染が確認されたことなどを受けて記者会見を開きました。

    この中で尾身会長は「過去に変異ウイルスが広がった経過などから考えるとオミクロン株は複数の場所で感染が起きていることはほぼ間違いない。これから1年のうち最も感染が広がりやすい年末年始の時期になることを考えれば、感染者数が増えてくるのを止めるのは難しいと思っている」と述べました。

    そのうえで「オミクロン株は海外では過去に例がないくらいのスピードで拡大していて、日本でもいったん広がり始めると急速に拡大する懸念がある。状況によってはこれまでよりもさらに早く強い対策を打つことが必要になると思う。これからクリスマスや忘年会などで人と人との接触機会が急激に増えたあと、多くの人が帰省すると地域に感染が広がる事態が懸念される。現在の感染状況を踏まえると今すぐ一般の人たちにステイホームや帰省の取りやめを求めるわけではないが、この年末年始の過ごし方が今後の感染状況を左右することになるので、ぜひ協力をお願いしたい」と話していました。

    ■“1年のうちで最も感染拡大しやすい” 年末年始どう過ごす?

    さらに尾身会長は年末年始の感染拡大を防ぐためのポイントをまとめた談話を出しました。今のところ日本国内でオミクロン株の面的な広がりは考えにくいとしながらも年末年始の帰省や旅行、忘年会などは慎重に検討し、飲み会などを行う際は第三者の認証を受けた店でできるだけ少人数で行うよう呼びかけました。

    1. 国内でのオミクロン株の状況

    今のところ面的な広がりは考えにくいものの、複数の「スポット」ですでに感染が始まっていると考えられるとしたうえで「スポット」の感染がさらなる感染拡大につながると短期間で多数の患者が出ることが予想され、中には重症者も出ることから「強化されてきた医療提供体制すらひっ迫してしまう可能性がある」としています。

    2. オミクロン株の特徴

    ▽イギリスや南アフリカなどでは感染者数が2倍になるまでの時間が2日から3日と極めて短いという報告があり、市中感染が始まると急速に感染が拡大する可能性がある

    ▽ワクチンの発症予防効果がデルタ株ではおよそ70%なのに対し、オミクロン株ではおよそ20%と低い可能性がある

    ▽特に高齢者はワクチンによる重症化予防効果が下がり、接種した人でも感染すれば重症化する可能性がある

    3. 年末年始について

    年末年始は1年のうちで最も感染が拡大しやすい時期だとして、次のように呼びかけました。
    ▽帰省や旅行については慎重に検討する
    ▽帰省や旅行を行う場合
    ・事前の生活に気をつけ密を避けるなど基本的な感染対策を徹底する
    ・ワクチンを接種していない人は帰省や旅行の前に検査を受ける
    ・接種した人でも感染する場合があるため、接種していない人や高齢者など重症化リスクの高い人に会う場合には検査を受ける
    ▽渡航中止勧告が出ている国には渡航せず、それ以外の国へも観光などの不要不急の渡航は控える

    4. 具合が悪くなった場合

    少しでも具合が悪い場合は外出を控えて医療機関を受診して検査を受けるよう強く勧めています。

    5. 忘年会や新年会

    忘年会や新年会については次のように注意を呼びかけました。
    ▽慎重にするよう求める
    ▽換気などが行われている第三者の認証を受けた店を選ぶ
    ▽できるだけ少人数で大声を出すことや長時間に渡るのを避ける
    ▽食事中に会話をするときはマスクを着用する

    6. イベント

    初詣や成人式などのイベントでは可能なかぎり混雑を避けるべきだとしています。

    7. ワクチン 3回目の追加接種

    高齢者は発症や重症化を予防するため、接種の順番がくればファイザー製やモデルナ製かにかかわらず、なるべく早い時期に追加接種を受けるよう呼びかけました。

    ■東京 オミクロン株への警戒強める

    東京都もオミクロン株への警戒を強めています。都のモニタリング会議で専門家は、感染拡大に備えて入院や宿泊療養などのさらなる体制強化が求められると指摘しました。

    夜間の人出 “コロナ流行以降 最高水準に到達”

    またモニタリング会議で、東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は、都内の繁華街の夜間の人出について「ここ2週間ほどで新型コロナウイルスの流行が始まって以降、最高水準にほぼ到達し、かなり高いところで推移し続けている。今後オミクロン株への置き換えが急速に進んでいった場合には感染状況に再び大きく影響する可能性は十分にある」と述べ、警戒感を示しました。

    そのうえで「長時間の飲酒によってマスクの着用など基本的な感染対策がおろそかになる可能性がある。オミクロン株に備えて長時間、大人数、マスクなしの会食をできるかぎり回避することが重要だ」と呼びかけました。

    「いつ市中感染が発生してもおかしくない」

    東京都の小池知事は記者団に対し「東京でもいつオミクロン株の市中感染が発生してもおかしくないという危機管理の体制で取り組んでいく。都民の皆様には原点に立ち戻ってあらゆる場面での基本的な感染防止対策の徹底をお願いする」と述べました。

    またオミクロン株に感染した人の濃厚接触者で、勧められている宿泊療養施設に入らず自宅で待機している人がいることについて「法律の限界でこういったことこそ国会は議論すべきではないか。『文書通信交通滞在費』100万円を議論するのも結構だがそれは永田町の話だ。国民にとって必要なことで国会は動いていただかないと『何のために選んでいるのか』と疑問を抱く方がいるのではないか」と述べました。

    そのうえで「個人の事情もあるだろうが、ぜひ宿泊療養などにしばらく身を置くことでみずからを守り、家族を守り、社会を守ることにつながるとご理解をいただきたい」と述べ、宿泊療養施設に入るよう重ねて呼びかけました。

    ■濃厚接触者 全国計7819人に

    「オミクロン株」の感染が海外からの入国者を中心に相次ぐ中、厚生労働省によりますと、同じ飛行機に乗っていて濃厚接触者とされた人は12月23日午前0時時点で全国で合わせて7819人となっています。12月22日の午前0時から3510人増えています。

    濃厚接触者とされた人は、検疫で指定されている待機施設や都道府県が用意する宿泊施設、それに自宅で待機して健康観察を受けているということです。

    また厚生労働省は12月23日までに市中感染したとみられる大阪府と京都府の合わせて4人についても、濃厚接触に該当する人の特定を進めています。

    ■岸田首相 “無症状でも無料で検査”

    岸田総理大臣は大阪、京都、沖縄の3府県を念頭に、希望者は無症状でも無料で検査を受けられるようにする方針を示しました。

    岸田総理大臣は都内で講演し「市中感染が確認された大阪と京都、アメリカ軍基地で集団感染が発生した沖縄では不安が広がっている。こうした封じ込め対策が必要な地域では不安のあるすべての方を対象に無料検査を実施できるようにする」と述べ、大阪、京都、沖縄の3府県を念頭に感染対策が特に必要な地域では、希望者は無症状でも無料で検査を受けられるようにする方針を示しました。

    ■官房長官「行動制限緩和の変更 考えていない」

    松野官房長官は記者会見で「現時点で直ちに行動制限の緩和を変更することは考えていないが、感染状況などを踏まえ自治体や専門家とも連携し機動的かつスピード感をもって対応していく」と述べました。

    さらに「仮に感染が急拡大した場合、次の感染拡大に備えて整備した体制が即座に実際に稼働できるよう、厚生労働省より各都道府県に対して保健・医療提供体制の点検や強化を求める事務連絡を発出しており、引き続き万全を期していきたい」と述べました。

    ■オミクロン株 世界で感染拡大

    オミクロン株の感染は世界でも拡大していて、WHO=世界保健機関は12月21日、オミクロン株の感染者が106の国と地域で確認されたと発表し「デルタ株よりも速く感染が拡大している」と警戒を呼びかけました。

    <アメリカ>一日の感染者数 約15万人

    アメリカではオミクロン株の感染が拡大していて、一日に報告される感染者の数は12月20日時点での1週間平均でおよそ15万人と急速な増加が続いています。

    <英 ロンドン>感染者の約9割がオミクロン株か

    イギリスでは12月22日、一日の新たな感染者が10万人を超えこれまでで最も多くなりました。またオミクロン株の感染が確認された人は累計でおよそ7万4000人となり、ロンドンでは感染者全体のおよそ9割を占めているとみられます。

    死者や重症者は大きくは増えていませんが政府は危機感を強めていて、軍なども投入して追加接種を急いでいます。

    ■“重症化リスク デルタ株より低いようだが警戒緩めず対策を”

    アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士はオミクロン株について「感染力が極めて強い」と述べたうえで、南アフリカやイギリスのスコットランドからの報告を分析した結果「デルタ株と比べて重症化するリスクが低くなっているようだ」と述べました。

    しかし感染者が大きく増加すれば重症化する人も増え医療機関の負担が増すとして、重症化のリスクが低いとしても警戒を緩めずに対策を続ける必要があると強調しました。

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    オミクロン株 沖縄県で4人感染 米軍基地の日本人従業員など(12/23)

    2021年12月23日

    沖縄県は12月23日、アメリカ軍キャンプハンセンに勤める日本人の従業員など4人が、新たに新型コロナのオミクロン株に感染したことが確認されたと発表しました。

    県によりますと、オミクロン株の感染が確認されたのは、アメリカ軍キャンプハンセンに勤める30代から50代までの日本人従業員の男女3人と、10歳未満の日本人の男性1人です。

    10歳未満の男性は、これまでに確認されたオミクロン株の感染者の家族です。

    4人はいずれも症状は重くないということです。

    これで沖縄県内でオミクロン株に感染した人は10人となりました。

    このほか12月23日は、アメリカ軍から県に対し27人の感染が確認されたと連絡がありました。

    内訳は、
    ▽キャンプハンセンが9人、
    ▽キャンプコートニーが9人、
    ▽キャンプ瑞慶覧が2人、
    ▽嘉手納基地、キャンプシュワブ、トリイ通信施設がそれぞれ1人、
    ▽確認中が4人で、
    キャンプハンセンの大規模クラスターは232人に増えました。

    キャンプハンセンがある金武町では、沖縄県が12月22日から無料のPCR検査場を設けていますが、12月22日に検査を受けた77人はすべて陰性だったということです。

    検査は12月24日も行われます。

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    米ファウチ博士 オミクロン株重症化リスク デルタ株より低いか(12/23)

    2021年12月23日

    アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士は新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株の重症化リスクについて「デルタ株と比べて低いようだ」と述べました。一方、感染者が大きく増加すれば医療機関の負担が増すとして、警戒を緩めずに対策を続ける必要があると強調しました。

    アメリカでは、新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染が拡大していて、一日に報告される感染者の数は12月20日時点での1週間平均でおよそ15万人と、急速な増加が続いています。

    アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士は12月22日の記者会見で、オミクロン株について「感染力が極めて強い」と述べたうえで、南アフリカやイギリスのスコットランドからの報告を分析した結果「デルタ株と比べて重症化するリスクが低くなっているようだ」と述べました。

    しかし、感染者が大きく増加すれば重症化する人も増え、医療機関の負担が増すとして、重症化のリスクが低いとしても、警戒を緩めずに対策を続ける必要があると強調しました。

    また、ファウチ博士は感染が急速に拡大する中、クリスマスや年末年始の休暇中に旅行や会食をする人に対し、ワクチンの接種に加えて、ウイルスの検査を受けるといった追加の感染対策をしてほしいと呼びかけています。

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    オミクロン株 感染力は?重症化は?分かってきたこと(12/22)

    2021年12月22日

    新たな変異ウイルスの「オミクロン株」、大阪府内で市中感染とみられるケースが確認されました。

    欧米など市中感染が報告されている国では、デルタ株よりも優勢になってきていて、感染力が強いということが見えてきました。

    専門家は、日本でもオミクロン株の市中感染が起き、感染が拡大することを想定しておかないといけないとしています。

    これまでに分かってきたことをまとめました。

    (2021年12月22日現在)

    オミクロン株、初の国内“市中感染”

    12月22日、大阪府でオミクロン株への感染が確認されたうちの3人が海外渡航歴がなく、感染経路がわからない「市中感染」とみられると発表されました。

    3人は30代の男性と女性、それに10歳未満の女の子の家族で、軽症ですでに入院しているということです。

    市中感染とは、市中で「経路がたどれない感染」が起きたことを意味していて、今後、感染が地域に広がるおそれがあるとみられます。

    日本で初めてオミクロン株への感染が検疫で確認されたのは11月28日に入国した人のケースだったので、3週間あまりで市中感染が確認されたことになります。

    これまでも、アルファ株やデルタ株など、変異ウイルスは海外から入ってきていますが、いずれも、検疫で見つかってから3週間から1か月ほどで市中感染が起きています。

    市中で見つかるのは時間の問題で、今行われている水際対策はその間に医療や検査などの態勢を整えることを主眼にしていました。

    今後、国内で広がるのは間違いないと、対策に当たってきた専門家は見ていて、国内で感染拡大のスピードをどれだけ抑えられるかというフェーズに入ってきました。

    オミクロン株“感染力強い”報告相次ぐ

    オミクロン株は、これまでに報告されてきた変異ウイルスより、感染力が強いとみられるとする報告が相次いでいます。

    これまでデルタ株がほぼすべてを占めていたイギリスやアメリカでもオミクロン株が優勢になってきています。

    イギリスでは、12月21日までにオミクロン株に感染した人が累計で6万人を超えていて、首都のロンドンでは現在、検出される新型コロナウイルスのおよそ90%がオミクロン株だとみられているほか、アメリカでもCDC=疾病対策センターが先週、12月18日までの1週間で全米でオミクロン株が占める割合は73.2%と、前の週の12.6%から6倍に増加したとしています。

    またWHO=世界保健機関は、オミクロン株の市中感染が確認されている国では感染者数が倍増するまでの時間が1.5日から3日と速くなっているとしていて、テドロス事務局長は12月20日の記者会見で「デルタ株よりも著しく速いスピードで広がっているという一貫した証拠がある。ワクチンを接種した人や感染して回復した人が感染することもあるようだ」と述べ、警戒を呼びかけています。

    年末年始 オミクロン株で“第6波”拡大を警戒

    日本では、新型コロナウイルスの感染者数が2020年夏以降で最も少ない状態が続いています。

    しかし、厚生労働省の専門家会合は各地で夜間の人出が増えていて、気温の低下で屋内での活動が増えるほか、忘年会やクリスマス、正月休みなどで、飲食やふだん会わない人との接触の機会が増えると想定されるとして、今後の感染の動向に注意が必要だと指摘しています。

    ここにオミクロン株が入り込み、感染の“第6波”が大きな感染拡大になり、医療への負荷が大きくなることを警戒しています。

    “感染しても軽症?” 慎重に見る必要

    一方、オミクロン株は感染しても重症化する割合が低いのではないかという見方も出ていますが、WHOなどはまだ慎重に見る必要があるとしています。

    ヨーロッパ、アメリカ、それに韓国からはほとんどの人が軽症か無症状だと報告されています。

    イギリスでは、12月21日までにイングランドでオミクロン株への感染が確認されたのは5万6000人余りで、入院しているのは129人、そして14人が亡くなったとしています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターは「初期のデータからはオミクロン株に感染した場合、これまでの変異ウイルスに比べて重症化しにくいことが示唆されているが、データはまだ限られている。たとえ重症化する人の割合がこれまでの変異ウイルスより少なくなったとしても、感染者の増加を考えると重症化する人は相当な数になる」としています。

    また、感染者が増加してから重症化する人や亡くなる人が増加するまでは一定の時間がかかることもあり、WHOも12月21日に出した週報の中で重症化しやすいかどうかを示すデータはまだ限られているとしたうえで「イギリスや南アフリカでは入院する人が増え続けている。感染者数の急激な増加から医療のシステムがひっ迫する可能性がある」としています。

    ワクチン接種後に感染するケースも

    日本国内でも3回目のワクチン接種が医療従事者を対象に始まっていて、今後、高齢者や重症化リスクが高い人を対象にした接種も始まります。

    今、日本国内ではワクチン接種を終えた人は80%近くと高くなっていて、これまでの感染拡大の際とは状況が異なりますが、ワクチンを接種した人でも感染するケースもオミクロン株で報告されています。

    一方で、日本でも多く使われているmRNAワクチンを開発したファイザーやモデルナは、3回目の接種を行うことで、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値は上がり、オミクロン株に対しても十分な効果が期待できるとする実験の結果を発表しています。

    感染力や感染した場合の重症になりやすさ(病原性)を見極められるまでは、最大限、警戒をするという対応が取られています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、今、分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    感染力

    オミクロン株は、スパイクたんぱく質の変異の数から見ると、感染力が強まっている可能性が指摘されています。

    WHOは、オミクロン株はデルタ株より速く感染が拡大しているとしています。

    病原性

    アメリカのCDC=疾病対策センターは12月10日に出した報告で、アメリカ国内でのオミクロン株の症例は多くが軽症だとしています。

    感染したあと重症化するまでの間には一定の時間があるほか、ワクチンを接種済みの人やこれまでに感染したことのある人にオミクロン株が感染することで軽症となっている可能性もあるとして、病原性は、今後さらに症例が増えることで明らかになってくるという考えを示しています。

    再感染のリスク

    ▽『アルファ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか

    ▽『ベータ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持

    ▽『ガンマ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る

    ▽『デルタ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る

    ▽『オミクロン株』
    →再感染のリスク上がるとみられる

    WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    南アフリカでは、再感染のリスクが11月にはそれ以前と比べて2.39倍になっているとする研究報告があるということです。

    WHOは、データがさらに必要だとしていますが、初期段階のデータでは再感染のリスクは上がっているとみられるとしています。

    ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    ▽『アルファ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ベータ株』
    →発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ガンマ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『デルタ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず(感染予防・発症予防は下がるという報告も)

    ▽『オミクロン株』

    →中和抗体低下・発症予防効果低下の報告も、3回目接種で“中和抗体上がる”実験の報告も

    オミクロン株について、ワクチン接種を完了した人でも感染しているケースが報告されています。

    WHOは、初期段階のデータからはワクチンの効果は下がっている可能性があるとしています。

    モデルナは12月20日、研究室で行った初期的な実験の結果を発表し、オミクロン株の場合、2回接種を受けた人の血液中ではウイルスの働きを抑える中和抗体の効果が従来のウイルスに比べて低下していたとしています。

    その一方、3回目の追加接種を受けた後では、中和抗体の値は最初の接種の半分の量でもおよそ37倍、同じ量だとおよそ83倍になったとしていて、「オミクロン株に対して、十分な効果が期待できる」としています。

    ファイザーも12月8日に、オミクロン株に対するワクチンの効果について、3回目の接種を行うことで中和抗体の値が2回接種の場合の25倍になり、従来のウイルスに対する場合と同じ程度に高まったとする初期の実験結果を示しています。

    治療薬の効果

    オミクロン株の変異のため、重症化を防ぐために感染した初期に投与される『抗体カクテル療法』に影響が出ないか懸念されています。

    一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    感染経路

    新型コロナウイルス感染経路は、飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染も報告されています。

    オミクロン株について、感染力が強まっているおそれはありますが、同様の感染経路だと考えられています。

    和田耕治 教授「周囲に広がっているおそれ 対応検討を」

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授は「オミクロン株の感染力がこれまでよりも強いことを考えると、検疫を突破されることは十分に想定されていた。今回は、たまたま大阪だったが、市中感染が見つかるケースは、日本のどこであってもおかしくない。市中感染が確認された地域では、周囲に感染が広がっていると思われるので、さらに広がるのをどう防ぐのかがポイントだ。海外で急速に拡大している状況を考えれば、今後、国内でも広がることを前提にどう対応するのか検討しておく必要がある。オミクロン株の感染スピードは極めて早いことが分かってきている。もし病院などで感染が広がれば医療スタッフが仕事に出られず、医療がひっ迫するという事態も想定され、インフラなど社会機能の維持に必要な業種も注意が必要だ」と話しています。

    和田教授は、症状がある人は外に出ず早めに医療機関を受診して検査を受けること、鼻水など体調の変化が少しでもあれば会合などの出席を控えること、会食などは少人数で短時間で行うことなど、感染リスクを抑える行動を取ることが重要だとしています。

    賀来満夫 特任教授「もう一度危機意識を強く持って」

    また、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「海外では格段に感染が拡大していることを考えると、国内でも市中感染が起こりうる状況にあった。これまでも第6波に備えた医療体制の構築が進められてきたが、重症化した際の対応、軽症、中等症への対応などきめこまやかな対応が求められる。これから年末年始に向けて、忘年会や帰省などを計画している人も多いと思うが、オミクロン株が出てきたことで、もう一度しっかりと危機意識を強く持ってもらいたい。マスクの着用や手洗い、換気、3密を避ける、距離を保つといった基本的な感染対策をより一層徹底してほしい。それが第6波をできるだけ防ぐことにつながるはずだ」と話しています。

    これまでと同様の対策を

    オミクロン株は、現在、感染力や病原性などについて、世界中で研究が進められていて、WHOや国立感染症研究所などが情報を更新していく予定です。

    私たちができる対策は、これまでと変わりません。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、マスクの着用、消毒や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    オミクロン株 “市中感染” 大阪府の家族3人 感染経路不明(12/22)

    2021年12月22日

    大阪府の吉村知事は、12月22日開かれた新型コロナの対策本部会議で、府内に住む4人が新たな変異ウイルス、「オミクロン株」に感染し、このうち3人の感染経路がわかっていないことを明らかにしました。

    吉村知事は「市中感染にあたる」と述べ、対策を強化する考えを示しました。

    大阪府の対策本部会議は12月22日午後2時すぎから開かれ、冒頭、吉村知事は、府内に住む4人が新たな変異ウイルス、「オミクロン株」に感染していることが確認されたことを明らかにしました。

    このうち3人は同じ家族で海外への渡航歴はなく、感染経路がわかっていないということです。

    3人の症状は軽症ですでに入院しているということです。

    厚生労働省によりますと、今回、感染が確認されたのは、大阪府に住む30代の男女と10歳未満の女の子の合わせて3人です。

    3人は家族で、厚生労働省によりますと、直近に海外への渡航歴がなく、現時点でオミクロン株の感染者などとの接触は確認されていないということです。

    3人は発熱などを訴えていて、現在、医療機関に入院しているということです。

    厚生労働省は、感染経路が分からない、いわゆる市中感染が確認された初めてのケースと見て、国立感染症研究所から専門家を大阪府に派遣して、濃厚接触をした人の特定を進めています。

    また「この夏に比べて感染拡大のスピードが非常に速い可能性がある」として、都道府県に対し、オミクロン株の流行を想定して、2022年1月上旬までに、病床の確保や検査、自宅での健康観察の体制などを強化するよう通知しました。

    このほか、大阪府では、12月18日に関西空港から入国したトルコに滞在歴がある30代の男性1人の感染が新たに確認されています。

    吉村知事「府内のほかの場所でも可能性十分ある」

    吉村知事は「市中感染にあたる」としたうえで「大阪府内のほかの場所でもオミクロン株の市中感染が発生している可能性は十分あるので、それを前提にした対策をお願いしたい」と述べました。

    市中感染の疑いがある3人の濃厚接触者については、保健所が調査を進めていて、わかり次第、検査を行うとしています。

    一方、今回、感染が確認された別のもう1人は、海外への渡航歴があり、入国時の検疫の検査では感染は確認されなかったということですが、濃厚接触者としてホテルに滞在中に感染がわかったということです。

    後藤厚労相「市中感染に該当する」

    現時点で感染経路が分からない「オミクロン株」の感染者が大阪府内で確認されたことを受け、後藤厚生労働大臣は、記者団に対し「大阪府が国立感染症研究所の専門家チームと連携して調査しているが、現時点で感染経路は不明であり、いわゆる市中感染に該当する事例として受け止めて、必要な対策を講じていきたい」と述べました。

    そのうえで、現在行われている、外国人の新規入国を原則停止している水際措置や、すべての国内感染者を対象に「オミクロン株」の検査を行っている監視体制を継続する考えを示しました。

    また、後藤大臣は、国内での感染拡大に備え、自宅療養者が増えても健康観察や診療を適切に行えるようにすること、検査体制を確保すること、承認後、速やかに飲み薬を提供できるようにすることを都道府県に対し、12月22日付けで通知したことを明らかにしました。

    さらに、この中では、病床の早期確保に向け、感染状況を示す「フェーズ」の引き上げを早めに判断するよう求めています。

    そして「国立感染症研究所は、基本的な感染予防策として、変異株であっても従来と同様、3密の回避とマスクの着用や手洗いなどの徹底が推奨されるという見解を示している。国民の皆さんには感染予防策への協力をお願いしたい」と呼びかけました。

    専門家 “市中感染 日本のどこでも起きえる”

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授は「オミクロン株の感染力が、これまでよりも強いことを考えると、検疫を突破されることは十分に想定されていた。今回は、たまたま大阪だったが、市中感染が見つかるケースは、日本のどこであってもおかしくない」と指摘しました。

    そのうえで「市中感染が確認された地域では、周囲に感染が広がっていると思われるので、さらに広がるのを、どう防ぐのかがポイントだ。症状がある人は外に出ず、早めに医療機関を受診して検査を受けること、鼻水など体調の変化が少しでもあれば、会合などの出席を控えること、会食などは少人数で短時間で行うことなど、感染リスクを抑える行動を取ることが重要になってくる。また、年末年始にかけては、医療機関を受診しにくくなるので、各自治体は受診体制をどう整えていくか早急に考える必要がある」と話していました。

    専門家 “もう一度しっかり危機意識を強く持って”

    東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「オミクロン株の市中感染が出てきたことについては、非常に厳しく見ていかなければならない。海外では格段に感染が拡大していることを考えると、国内でも市中感染が起こりうる状況にあった。新型コロナウイルスの市中感染は、まず人口密度の高いところ、大都市などから起こる可能性が高いが、大阪だけでなく、東京都や、そのほかの都市でもすでに広がっているという考えで対応していく必要がある。これまでも第6波に備えた医療体制の構築が進められてきたが、重症化した際の対応、軽症、中等症への対応など、きめこまやかな対応が求められる」と話していました。

    そのうえで「これから年末年始に向けて忘年会や帰省などを計画している人も多いと思うが、オミクロン株が出てきたことで、もう一度しっかりと危機意識を強く持ってもらいたい。マスクの着用や手洗い、換気、3密を避ける、距離を保つといった基本的な感染対策を、より一層徹底してほしい。それが第6波を、できるだけ防ぐことにつながるはずだ」と話しています。

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    米CDC 1週間の感染者73.2%がオミクロン株と推定 前週の約6倍(12/21)

    2021年12月21日

    CDC=疾病対策センターは12月20日、12月18日までの1週間にアメリカで新型コロナウイルスに感染した人の7割以上が、新たな変異ウイルス、オミクロン株によるものだと推定されるという、最新の分析結果を発表しました。

    CDCは12月20日、アメリカで広がっている変異した新型コロナウイルスの割合を推定した最新の分析結果を発表しました。

    それによりますと、12月18日までの1週間に、新型コロナウイルスに感染した人のうち、新たな変異ウイルス、オミクロン株が占める割合は73.2%と推定され、前の週の12.6%からおよそ6倍に増えました。

    地域別に見てもオミクロン株は、これまで優勢だったデルタ株を各地で上回り、東部ニューヨーク州とニュージャージー州では92%、中西部イリノイ州やオハイオ州などの地域では92.3%など、感染者が急増している地域でオミクロン株がほとんどを占めていると推定されています。

    アメリカでは、1日に報告される感染者の数は、12月18日の時点での1週間平均で12万7000人余り、入院する人の数はおよそ7500人と、それぞれ、この1か月で30%以上増加しています。

    感染者の増加にともない、医療機関の病床や職員が不足し、感染が拡大している東部や中西部では、緊急を要しない手術を延期する病院も出るなど、十分な医療を提供できなくなる事態への懸念が強まっています。

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    WHO事務局長 オミクロン株「ワクチン接種者にも広がっている」(12/21)

    2021年12月21日

    WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株は、デルタ株よりも著しく速いスピードで感染が広がり、ワクチンを接種した人や、感染後 回復した人にも広がっているという見方を示し、警戒を呼びかけました。

    WHOは12月20日、スイスのジュネーブの本部で、およそ1年5か月ぶりに対面で記者会見を開きました。

    この中で、テドロス事務局長は変異ウイルスのオミクロン株について「デルタ株よりも著しく速いスピードで広がっているという一貫した証拠がある。ワクチンを接種した人や、感染して回復した人が感染することもあるようだ」と述べ、警戒を呼びかけました。

    オミクロン株については、いわゆる「mRNAワクチン」を製造しているファイザーやモデルナが、3回目の接種を行うことでオミクロン株に対する効果が期待できるなどと発表していますが、主任科学者のスワミナサン氏は「それ以外のワクチンがオミクロン株への効果がないと結論づけるのは早すぎる」と述べ、ほかのワクチンについても注意深く分析していく必要があるという考えを示しました。

    このほか、WHOの調査チームが中国の湖北省武漢で調査を行ったものの、発生源が今も特定できていないことについてテドロス事務局長は「透明性やデータの共有がなければ発生源の調査は成功しない」と述べ、中国政府の協力が不十分だったとする認識を改めて示したうえで、改善を求めました。

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    新型コロナ 入国した14人 オミクロン株感染確認 計82人に(12/20)

    2021年12月20日

    12月12日から16日にかけて日本に入国した14人が新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが新たに確認されました。

    厚生労働省によりますと、オミクロン株への感染が確認されたのは12月12日から16日にかけて羽田空港と成田空港、それに関西空港から入国した10歳未満から60代までの男女合わせて14人です。

    アメリカ、イギリス、コンゴ民主共和国、南スーダンに滞在歴があり、空港の検疫や待機中の宿泊施設で受けた検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたということです。

    入国した当時は2人が発熱やせきなどの症状を訴え、12人は無症状でした。

    また12人がワクチンを接種していて、10歳未満の2人は接種していなかったということです。

    このほか東京、沖縄、群馬でそれぞれ1人ずつ感染が発表されました。

    これで国内でオミクロン株への感染が確認されたのは82人となりました。

    沖縄 東京 群馬の感染事例

    沖縄県と東京都、それに群馬県では、それぞれ1人のオミクロン株への感染が新たに発表されました。

    ▽沖縄県では40代の女性の感染が確認されました。
    直近に海外の滞在歴はなく、すでにオミクロン株の感染者が確認されているアメリカ海兵隊基地の「キャンプ・ハンセン」で勤務していたということです。

    ▽東京都と群馬県でもケニアに滞在歴がある40代と50代の男性の感染がそれぞれ確認されました。
    2人は12月12日と15日に成田空港から入国し、自宅や宿泊施設にいたということで、現在は医療機関に入院しているということです。

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    AIが予測 オミクロン株拡大で東京感染者数1日3000人超のおそれ(12/17)

    2021年12月17日

    新型コロナウイルスの東京都内の今後の感染状況を名古屋工業大学のグループがAI=人工知能を使って予測したところ、仮に変異ウイルスのオミクロン株の感染拡大と年末年始が重なるなどした場合、2022年1月末には1日当たりの感染者数が3000人を超えるおそれがあるという計算結果となりました。専門家は「いま感染者数が少ないからと油断せず、対策を続けることが大切だ」と話しています。

    予測を行ったのは名古屋工業大学の平田晃正教授のグループです。

    グループでは人流のデータや過去の感染状況、それに現時点で報告されているオミクロン株の感染力やワクチンの効果に対する影響などのデータをAIに入力し、今後の東京都内での新型コロナウイルスの感染の広がりを予測しました。

    その結果、仮にオミクロン株で感染経路の分からないいわゆる「市中感染」が12月16日に始まったとした場合は、東京都内の1日の感染者数は2022年1月末には3000人を超え、2月中旬にはおよそ3700人という計算結果になったということです。

    一方、オミクロン株の「市中感染」が1か月後の2022年1月16日に始まると仮定した場合は、2月下旬に2000人を超えるものの、その後は最大でも1日2200人余りという結果でした。

    グループによりますと、オミクロン株の感染拡大と人の移動や飲み会などが増える年末年始の時期が重なると、その後の感染が大きくなるおそれがあるということです。

    平田教授は「いまは検疫をかなり厳しくしているが、オミクロン株が入ってくるのを完全に防ぐのは難しいと考えられる。いま感染者数が少ないからと油断せず、対策を続けることが大切だ」と話しています。

    オミクロン株 都内で2人感染 沖縄でも

    東京都によりますと、12月17日は都内で新たに2人がオミクロン株に感染していることが確認されました。

    このうち1人は、12月16日にオミクロン株の感染が確認された女性の濃厚接触者で、12月12日に川崎市で行われたサッカー天皇杯の準決勝を見に行っていて、都は近くにいた観客に地元の保健所を通じて検査を受けるよう呼びかけています。

    また、沖縄本島北部にあるアメリカ海兵隊基地のキャンプハンセンに勤める基地従業員の50代の日本人男性が、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが関係者への取材でわかりました。

    沖縄県が濃厚接触者についても検体を分析しています。

    感染者数 下げ止まりの状況

    新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国の感染者数は2020年の夏以降で、最も少ない水準が続いていますが、東京都など、感染者数は少ないもののやや増加したところもあり、全国でも前の週の1.12倍と下げ止まりの状況となっています。

    NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

    全国

    全国では、2021年8月末から新規感染者数が減少し、
    ▽11月18日までの1週間は前の週に比べて0.84倍、
    ▽11月25日は0.67倍と11月下旬まで13週連続で減少していました。

    その後、
    ▽12月2日は0.99倍、
    ▽12月9日は1.10倍、
    ▽12月16日まででは1.12倍と下げ止まりの状況となっています。

    また、1日当たりの新規感染者数はおよそ127人と2020年の夏以降で最も少ない水準が続いています。

    1都3県

    東京都は、
    ▽12月2日までの1週間は前の週に比べて0.98倍、
    ▽12月9日は1.11倍、
    ▽12月16日まででは1.26倍で、感染者数は少ない状態ですがやや増加しています。

    1日当たりの新規感染者数はおよそ21人、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は1.06人となっています。

    神奈川県は
    ▽12月2日までの1週間は前の週に比べて0.82倍、
    ▽12月9日は1.04倍、
    ▽12月16日まででは1.47倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ16人となっています。

    埼玉県は
    ▽12月2日までの1週間は前の週に比べて1.20倍、
    ▽12月9日は1.04倍、
    ▽12月16日まででは0.85倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ7人となっています。

    千葉県は
    ▽12月2日までの1週間は前の週の1.32倍、
    ▽12月9日は1.28倍、
    ▽12月16日まででは1.38倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ7人となっています。

    沖縄県・北海道

    沖縄県は11月中旬までは13週連続で減少していましたが、
    ▽12月2日までの1週間は前の週の1.44倍、
    ▽12月9日は1.77倍、
    ▽12月16日まででは1.30倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ4人となっています。

    北海道は
    ▽12月2日までの1週間は前の週の0.61倍、
    ▽12月9日は0.53倍と3週連続で減少していましたが、
    ▽12月16日まででは1.10倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ5人となっています。

    関西

    大阪府は
    ▽12月2日までの1週間は前の週の0.97倍、
    ▽12月9日は0.90倍と
    ▽12月16日まででは0.88倍とほぼ横ばいの状態が続いていて、1日当たりの新規感染者数は11人となっています。

    京都府は
    ▽12月2日までの1週間は前の週の0.24倍、
    ▽12月9日は2.25倍、
    ▽12月16日まででは2.00倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ3人となっています。

    兵庫県は
    ▽12月2日までの1週間は前の週の0.97倍、
    ▽12月9日は1.32倍、
    ▽12月16日まででは0.78倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ4人となっています。

    中部

    愛知県は
    ▽12月2日までの1週間は前の週の1.00倍、
    ▽12月9日も1.00倍、
    ▽12月16日まででも1.02倍と横ばいの状態が続いていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ6人となっています。

    専門家「年末年始は1人ひとりが注意を」

    新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「まだ低いレベルが続いているが、下げ止まりから少し増加の傾向が見えている状況なのかもしれない。年末年始で人出が増加し、忘年会や新年会の機会も増え、ワクチンを打ってから6か月以上たって効果が下がってくることを考えると、感染が下がる要因はほとんどない。非常に注意しなければならないと思う」と話しています。

    また、オミクロン株について、「水際対策でかなり防いでいることは間違いないが、完全なものではない。いつ市中感染のケースが見つかってきてもおかしくない状況だと思う。オミクロン株は感染性が非常に高いことに加えて、ワクチンを接種して6か月以上たつ人では免疫を回避して感染することも報告されているので、いったん国内に入ってしまえば急激に広がってしまうリスクを考えておかないといけない。接種後6か月がすぎた高齢者や免疫の働きが弱い人は早めにブースター接種を行うことが大事になる。また、自宅療養の体制を整え、異常が見られた場合に速やかに医療機関に移す体制を地域全体で作り上げていくことが大事だ」と指摘しました。

    さらに年末年始の注意点について、「ワクチンを打って検査で陰性であったとしても、もしかしたら感染しているかもしれない。ウイルスが市中にいることを意識して一人ひとりが基本的な感染対策を取っていくことが大事になる。一人ひとりが注意しながら、帰省する、日頃会えない人と会うということを十分に注意したうえで行うことが大事だ」と話しています。

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    オミクロン株 東京都内で新たに2人感染確認 1人は濃厚接触者(12/17)

    2021年12月17日

    東京都によりますと、都内で新たに2人がオミクロン株に感染していることが確認されました。このうち1人は、12月16日にオミクロン株の感染が確認された女性の濃厚接触者で、12月12日に川崎市で行われたサッカー天皇杯の準決勝を見に行っていて、都は、近くにいた観客に地元の保健所を通じて検査を受けるよう呼びかけています。

    東京都によりますと12月17日、都内で新たに2人がオミクロン株に感染していることが確認されました。

    このうち1人は、都内に住む20代の男性で、アメリカから帰国してオミクロン株の感染が12月16日に確認された、都内の20代の女性の濃厚接触者です。

    男性は、12月12日に川崎市の等々力陸上競技場で行われたサッカー天皇杯の準決勝の試合を見に行っていて、都は、近くにいたおよそ80人の観客に、地元の保健所を通じて連絡をとり、検査を受けるよう呼びかけています。

    また、男性の家族や同僚、合わせて10人が濃厚接触者にあたるとして、宿泊療養施設に入るよう協力を求めています。

    そのほか、男性が勤める会社で、男性の近くで働いていた人や、同じフロアの同僚など、およそ170人について健康観察や検査を行う予定だということです。

    12月17日にオミクロン株の感染が確認されたもう1人は、都内に住む50代の男性です。

    この男性は、12月11日にアメリカから帰国し、羽田空港の検疫で行った検査では陰性だったため自宅待機中でした。

    帰国翌日の12月12日に症状が出て、その後、新型コロナへの感染が確認されたため解析したところ、12月17日にオミクロン株に感染していることがわかったということです。

    この男性の濃厚接触者となっている家族3人は、今のところ感染は確認されていないということですが、宿泊療養施設で健康観察を行う方向で調整しているということです。

    小池知事 “水際対策徹底が安心安全につながる”

    東京都内で、新たに2人のオミクロン株への感染が確認されたことについて、小池知事は記者会見で「現時点で、どこで何をして誰と会っているか、疫学調査で追いきれていて『市中感染』の定義には入らないのではないか」と述べ、現時点では市中感染にはあたらないという認識を示しました。

    また、国内への流入を防ぐため、すべての入国者について、オミクロン株の検査結果が確認できるまでは検疫施設に待機させるべきだという考えを示しました。

    そのうえで、小池知事は「水際対策を徹底してやることが、世の中を安心かつ安全に守る方向につながるのではないか。危機管理は、できるだけ広くとっておくことに尽きる」と述べ、水際対策を徹底すべきだと強調しました。

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    オミクロン株 自宅待機中の20代女性1人感染確認 東京都が発表(12/16)

    2021年12月16日

    東京都は、海外から帰国して自宅待機中だった20代の女性1人が、12月16日、オミクロン株に感染していることが確認されたと発表しました。

    この女性の濃厚接触者1人も新型コロナの感染が確認されていて、オミクロン株かどうか、都が解析を進めています。

    都によりますと、オミクロン株に感染していることが確認されたのは、都内に住む20代の女性です。

    この女性は、12月8日にアメリカから帰国して、入国時の検査では陰性でしたが、自宅で待機していた9日に発熱の症状が出たということです。

    その後、12月13日に新型コロナの感染が判明し、都の健康安全研究センターでゲノム解析を行った結果、12月16日、オミクロン株の感染が確認されたということです。

    都は、この女性と同じ航空機に乗っていた乗客が濃厚接触者にあたるとして、確認を進めています。

    一方、この女性が12月8日と9日に会っていた都内に住む20代の男性1人が濃厚接触者にあたるということです。

    都によりますと、男性は12月15日に新型コロナの感染が確認され、オミクロン株かどうか解析を進めているということです。

    この男性の家族3人と職場の同僚7人の合わせて10人が濃厚接触者にあたるということです。

    また、男性は、12月12日に川崎市の等々力陸上競技場で行われたサッカー天皇杯の準決勝の試合を見に行っていたということで、都は近くで観戦していたおよそ80人の観客に地元の保健所を通じて連絡をとり、検査を受けるよう呼びかけています。

    東京都 小池知事「何としてでも抑え込んでいく」

    東京都の小池知事は、記者団に対し「水際対策を徹底することが、新しい変異株を抑えることに、直接つながってくるので、国やほかの自治体とも連携しながら、何としてでも抑え込んでいきたい。濃厚接触者などはしっかりと検査していく」と述べました。

    そのうえで「指定された国以外から入国する場合は、すぐ自宅に帰ることができるが、実際に感染者が出てしまっている。国として、検疫の考え方をより確実にしてもらいたい。また、自宅に戻った方は、次の濃厚接触者を作ってしまうかもしれないことも念頭に行動してもらいたい」と述べました。

    松野官房長官「市中感染が発生したものとは考えていない」

    松野官房長官は午後の記者会見で「現在までのところ、日本で確認された『オミクロン株』の感染者は基本的に水際で把握し、適切な措置につなげられていると考えている。今回確認された感染者は14日間の自宅待機の間に陽性が確認され、濃厚接触者の特定がされており、いわゆる市中感染が発生したものとは考えていない」と述べました。

    そのうえで、濃厚接触者1人が12月12日に川崎市の等々力陸上競技場でサッカー天皇杯を観戦したことが確認されているとして「感染管理を徹底する観点から、当日スタジアムにいた人で体調がすぐれない人は、できるだけ外出を避け医療機関を受診いただくようお願いする」と呼びかけました。

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    オミクロン株 感染力は?重症化は?分かってきたこと(12/15)

    2021年12月15日

    日本を含め、多くの国や地域で確認されるようになってきた新たな変異ウイルス「オミクロン株」。

    感染力が強そうだということが徐々に見えてきた一方、感染しても軽症だという報告が多く出てくるようになっています。

    本当にそうなのか、重症化しやすいかどうか分かるまでには時間がかかることもあり、慎重に見るべきだとしています。

    これまでに分かってきたことをまとめました。
    (2021年12月15日現在)

    オミクロン株 デルタ株より感染力が強い?

    オミクロン株について、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、12月14日の記者会見で「これまでに77か国が感染者を確認した」としたうえで「実際に検出されていなくても、すでにほとんどの国に広がっているだろう」と述べました。

    南アフリカなどではオミクロン株に置き換わってきているとされています。

    南アフリカでは、デルタ株の感染が収まってきていたために、デルタ株より速いスピードで広がったと見られていました。

    その後、デルタ株の感染が多くあったイギリスなどでも、今ではデルタ株より速いスピードで広がっています。

    こうしたことから、WHOは、証拠はまだ限られているとしながらも、デルタ株より速く感染が拡大しているとしています。

    世界中の研究機関から、ウイルスの遺伝子配列が登録されるサイト「GISAID」では、デルタ株は2021年4月に「VOC=懸念される変異ウイルス」に指定されて以降、一貫してすべての新型コロナウイルスのうちで占める割合が増加してきました。
    最も最近の2か月間でも99.2%がデルタ株ですが、オミクロン株の増加に伴って、今週に入って初めてその割合が減少しました。

    また、京都大学の西浦博教授らのグループは、特にオミクロン株が広がっている南アフリカのハウテン州では、1人が何人に感染を広げるかを示す「実効再生産数」はデルタ株の4.2倍で、データの偏りを補正しても少なくとも2倍以上になったとしています。

    減少傾向にあるデルタ株と急増しているオミクロン株を比べた結果で、オミクロン株そのものが持つ感染力はまだ分かっていないとしていますが、南アフリカでワクチンを接種した人や過去に感染した人の割合を踏まえて解析すると、免疫によるオミクロン株に対する感染予防効果は20%程度にとどまっていて、免疫をすり抜ける再感染によって急拡大しているとみています。

    現在報告されている以上の広がりか

    ヨーロッパではオミクロン株が報告されていない国から入国した人からもウイルスが検出されているほか、遺伝子解析が十分に行われていない国もあります。

    このため国立感染症研究所は、アフリカ地域を中心にオミクロン株の感染がすでに拡大している可能性があると指摘しています。

    専門家は、アルファ株やデルタ株が大きく広がったときと同じように、いま見えている数以上に世界各地で感染が広がっているのではないかと懸念しています。

    “第6波で広がるおそれ”指摘も

    日本では、新型コロナウイルスの感染者数が2020年夏以降で最も少ない状態が続いています。

    しかし、厚生労働省の専門家会合などはワクチンの接種から時間がたって効果が弱まることや、気温が下がり感染が拡大しやすい室内の閉めきった環境での活動が多くなることで感染拡大の“第6波”が起きるおそれを指摘しています。

    専門家は、オミクロン株の感染力が高かった場合、ただでさえ感染拡大しやすい季節に“第6波”として広がってしまい、大きな感染拡大になることを警戒しています。

    重症化しにくい? 慎重に見る必要

    12月13日、イギリスのジョンソン首相はオミクロン株に感染して少なくとも1人が死亡したと明らかにしました。

    南アフリカでは、オミクロン株への感染者が占める割合は明らかになっていないとしていますが、11月末からの1週間で新型コロナの入院患者は82%増加しました。

    そのうえで、感染者数が増えれば入院患者の数は増えるとして、全体像を把握するにはより多くの情報が必要だとしています。

    その一方で、ヨーロッパ、アメリカ、それに韓国からはほとんどの人が軽症か無症状だという報告されています。

    WHOでは「ヨーロッパで報告された範囲では軽症か無症状だ」とデルタ株よりも低い可能性があるとしたものの、判断には追加のデータが必要だとして慎重な姿勢を示しています。

    感染者が増加してから、重症化する人や亡くなる人が増加するまでは一定の時間がかかることがその理由です。

    さらに、WHOのテドロス事務局長は12月14日の記者会見で、オミクロン株について人々の間で危険性を過小評価する動きが広がっていると懸念を示したうえで「たとえ症状が軽かったとしても、多くの感染者が出れば医療制度が再び成り立たなくなる」と述べ、引き続きワクチンの接種や、マスクの着用などの感染対策を怠らないよう呼びかけました。

    多くの人が感染すると、重症化しやすい人にも感染が広がります。

    このため、日本国内でこの夏の“第5波”などで経験したような医療が危機的な状態になるおそれがあるとしていて、こうしたことからも感染対策を続けるよう呼びかけています。

    いまワクチン接種を終えた人は80%近くと高くなっていて、これまでの感染拡大の際とは状況が異なりますが、ワクチンを接種した人でも感染するケースもオミクロン株で報告されています。

    感染力や感染した場合の重症になりやすさ(病原性)を見極められるまでは、最大限の警戒をするという対応が取られています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    感染力

    オミクロン株はスパイクたんぱく質の変異の数から見ると、感染力が強まっている可能性が指摘されています。

    WHOは証拠は限られているとしながらも、オミクロン株はデルタ株より速く感染が拡大しているとしています。

    病原性

    アメリカ政府の主席医療顧問を務めるファウチ博士は12月5日、アメリカメディアのインタビューで「重症化の度合いはそれほど高くないようだ」と述べる一方で、断定するには時期尚早でさらなる研究が必要だとする考えを示しました。

    アメリカのCDC=疾病対策センターは、12月10日に出した報告で、アメリカ国内でのオミクロン株の症例は多くが軽症だとしています。

    感染したあと重症化するまでの間には一定の時間があるほか、ワクチンを接種済みの人やこれまでに感染したことのある人にオミクロン株が感染することで軽症となっている可能性もあるとして、病原性は今後さらに症例が増えることで明らかになってくるという考えを示しています。

    再感染のリスク

    ▽『アルファ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか

    ▽『ベータ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持

    ▽『ガンマ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る

    ▽『デルタ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る

    ▽『オミクロン株』
    →再感染のリスクが上がっている可能性があるという報告も

    WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    南アフリカでは、再感染のリスクが11月にはそれ以前と比べて2.39倍になっているとする研究報告があるということです。

    WHOはデータがさらに必要だとしていますが、初期段階のデータでは再感染のリスクは上がっているとみられるとしています。

    ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    ▽『アルファ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ベータ株』
    →発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ガンマ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『デルタ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    (感染予防・発症予防は下がるという報告も)

    ▽『オミクロン株』
    →中和抗体低下・発症予防効果低下の報告も
    (※重症化予防効果あるとの見方も)

    オミクロン株について、ワクチン接種を完了した人でも感染しているケースが報告されています。
    WHOは初期段階のデータからはワクチンの効果は下がっている可能性があるとしています。

    ワクチンの効果に関する研究結果が徐々に公表され始めています。

    南アフリカのアフリカ健康研究所は、オミクロン株に対するワクチンの効果について、ファイザーのワクチン接種を受けた12人の血液を使って分析した結果、中和抗体の値が従来のウイルスに対する場合と比べておよそ40分の1になったと発表しました。

    第三者の専門家からの査読を受けていない段階の発表ですが、発症予防効果は、従来のウイルスに対する場合と比べて22.5%にとどまるとする試算も示しました。

    この中で、新型コロナウイルスに感染したあとワクチン接種を受けた6人のうち5人は中和抗体の効果が比較的高かったということで「3回目の追加接種を受けることなどで中和抗体の働きを高めたり、重症化を防ぐことができたりする可能性が高い」としています。

    ファイザーとともにワクチンを開発したビオンテックのCEOは、アメリカメディアのインタビューで、オミクロン株に対しても重症化を防ぐ効果がある可能性が高いという見解を示しています。

    アメリカの製薬大手ファイザーなどは12月8日、オミクロン株に対するワクチンの効果について、3回目の接種を行うことで中和抗体の値が2回接種の場合の25倍になり、従来のウイルスに対する場合と同じ程度に高まったとする初期の実験結果を示しました。

    また、南アフリカの医療保険会社は12月14日、ファイザーのワクチンを2回接種したことで入院を防ぐ効果は、デルタ株の流行中には93%だったのに対し、オミクロン株の流行中でも70%を維持していたとする分析結果を発表しています。

    治療薬の効果

    オミクロン株の変異のため、重症化を防ぐために感染した初期に投与される『抗体カクテル療法』に影響が出ないか懸念されています。

    一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

    またWHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    感染経路

    新型コロナウイルス感染経路は、飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染も報告されています。

    オミクロン株について感染力が強まっているおそれはありますが、同様の感染経路だと考えられています。

    専門家「市中感染が起きることを前提に対策を」

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授は「過去の変異ウイルスを見ると検疫で初めて確認されてから1か月くらいで、国内での市中感染例が見つかっている。オミクロン株についても、例えばきょう国内での感染が見つかっても全く不思議ではない。国内で市中感染が起きることを前提に、感染者が見つかった場合、濃厚接触者の調査をどの範囲まで広げるのかや現在の厳しい水際対策をどうするのかなど、対策を切り替える方法を検討しておく必要がある」と指摘しました。

    そのうえで「年末年始にかけて忘年会などで人との接触が増えたり、帰省などで人の移動が増えたりすると見込まれていて、こうした中でオミクロン株が入ってくると、急激な拡大につながるおそれもあると考えている」と話しています。

    専門家 3回目接種「重症化を抑える働きあるのでは」

    また、ウイルスやワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「オミクロン株は細胞の表面にある突起のスパイクたんぱく質に変異が30あっても、スパイクたんぱく質全体からすると3%に限られ、ワクチンが全く効かなくなるというほどではない。感染を抑える効果は多少落ちる可能性が高いが、重症化を予防する効果はそれほど落ちないと思う。3回目の接種をすることで、抗体のレベルを上げるだけではなくて、ウイルスを攻撃する細胞による免疫の能力も高いレベルにすることができる。ウイルスに変異があり、抗体が逃れるかもしれないが、広い範囲の変異に対しても対応できる細胞による免疫が誘導されて、それが高いレベルで維持できることによって、重症化を抑える働きがあると考えられる」と話しています。

    これまでと同様の対策を

    オミクロン株は、
    ▽デルタ株より感染力が強く、病原性も高い変異ウイルスなのか、
    ▽感染力は強いものの、重症化の割合は低い変異ウイルスなのか、
    2021年12月中旬の段階でも見極められていません。

    オミクロン株の起源は分かっておらず、国際的なウイルスの監視網が届いていないところで発生したと考えられています。

    現在、感染力や病原性について世界中で研究が進められていて、WHOや国立感染症研究所などが情報を更新していく予定です。

    私たちができる対策はこれまでと変わりません。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、マスクの着用、消毒や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    オミクロン株 第6波のリスクは? 過去の感染拡大どうだった?(12/14)

    2021年12月14日

    世界各地で感染が拡大しているオミクロン株。
    日本国内での感染について、専門家は「現時点で“オミクロン株は軽症化しているのでは”というのは楽観的すぎる」としたうえで、「市中感染が起きる前提で対策を検討しておく必要がある」と指摘しています。

    国内ではこれまで、イギリスで最初に見つかった「アルファ株」、そしてインドで見つかった「デルタ株」が検疫で確認されたあと市中感染が起き、数か月後には大きな感染の波を引き起こしてきました。

    それぞれ、国内で初めて確認されてからどれくらいのスピードで感染が広がったのでしょうか。

    関西で拡大し始めた「アルファ株」

    まずは第4波を引き起こした「アルファ株」です。

    アルファ株が日本の空港検疫で初めて確認されたのは、2020年12月25日。

    数日前にイギリスから入国していた男女5人の感染が判明したケースでした。

    それからおよそ1か月たった2021年1月18日に、渡航歴のない静岡県の男女3人がアルファ株に感染していることが明らかになり、国内で初めて市中感染を確認したケースとされました。

    国立感染症研究所が国内のPCR検査の結果などをもとにした推計では、アルファ株はまず関西で、それまでのウイルスを押しのけるように広がったと見られています。

    関西では2021年2月下旬には25%が置き換わり、3月中旬には50%が、そして初めて検疫で確認されてから4か月余りたった5月上旬には、ほぼ完全に置き換わっていたとされています。

    アルファ株は、それまでのウイルスより感染力が強く、大阪府などで感染者が急増し、医療が危機的な状況になりました。

    また首都圏の1都3県でも、2021年4月上旬には25%が置き換わり、4月中旬には50%が、そして関西から1か月ほど遅れて、6月上旬にはほぼ完全に置き換わったとされています。

    「アルファ株」しのぐ「デルタ株」

    次に、これまでで最大の感染拡大となった第5波を引き起こした「デルタ株」です。

    デルタ株が空港検疫で初めて確認されたのは、2021年3月28日にインドから入国した男性のケースでした。

    国立感染症研究所は、およそ3週間余りたった4月20日には、国内の患者から初めてデルタ株が検出されたとしています。

    デルタ株はアルファ株よりも感染力が強く、国立感染症研究所の推計では、首都圏の1都3県では、2021年7月上旬には25%が置き換わり、7月中旬には50%に達したとされています。

    その後も急速な拡大が続き、初めて検疫で確認されてから4か月余りたった8月上旬にはほぼ完全に置き換わっていたと見られています。

    関西でも7月下旬には50%が置き換わり、8月下旬にはほぼ完全に置き換わったとされています。

    デルタ株が中心の2021年夏の感染の「第5波」では感染者が急激に増加し、首都圏を中心に各地で医療が危機的な状況になりました。

    そして、そのデルタ株をも上回る感染力があるのではないかと警戒されている「オミクロン株」。

    世界でもこの夏以降、検出される新型コロナウイルスは、ほぼすべてがデルタ株に置き換わっていますが、南アフリカではデルタ株をしのぐ勢いでオミクロン株の感染の報告が相次いでいます。

    11月に行われた遺伝子解析の結果によると、4分の3がオミクロン株に置き換わっているとみられています。

    一方、WHOは12月7日の時点で「データが限られていて、重症化しやすいか評価するのは難しい」としています。

    WHOによりますと、12月6日の時点で、ヨーロッパの18か国で確認された212の感染例すべてが軽症か無症状だったということです。

    一方で、南アフリカでは11月末からの1週間で新型コロナの入院患者は82%増加しましたが、オミクロン株への感染者が占める割合は明らかになっていないとしています。

    専門家「市中感染を前提に対策を」

    オミクロン株の今後の感染の広がりについて、国際医療福祉大学の和田耕治教授に聞きました。

    和田教授は、「過去の変異ウイルスを見ると検疫で初めて確認されてから1か月くらいで国内での市中感染例が見つかっている。オミクロン株についても、例えばきょう国内での感染が見つかっても全く不思議ではない」と指摘しました。

    そのうえで「国内で市中感染が起きることを前提に感染者が見つかった場合、濃厚接触者の調査をどの範囲まで広げるのかや現在の厳しい水際対策をどうするのかなど対策を切り替える方法を検討しておく必要がある。また、これまで最初の感染例では感染した人の個人情報がさらされたり、誹謗中傷が寄せられたりという事態になってしまったので、どのように情報を伝え、どう受け止めてもらうのか整理をしておくことも重要だ」と話していました。

    「忘年会や帰省 急激な拡大につながるおそれも」

    そして、オミクロン株の感染が広がるスピードについては「オミクロン株は感染力が高いとされる一方で、今回は早い段階で強い水際対策をとったことで国内での流行を遅らせる効果がうまく現れる可能性もある。過去の変異ウイルスと同じようなスピードで広がるかどうかは分からない。ただ、年末年始にかけて忘年会などで人との接触が増えたり、帰省などで人の移動が増えたりすると見込まれていて、こうした中でオミクロン株が入ってくると急激な拡大につながるおそれもあると考えている」と話しました。

    また、オミクロン株の重症化のしやすさについて、和田教授は「“オミクロン株は軽症化しているのでは”という見立ては現時点では少し楽観的すぎる。南アフリカでも入院患者が増加していて、現在は感染は若い世代が中心だが、感染がさらに広がり、高齢者などに達したとき、どのような状況になるのか見ていく必要がある」と話していました。

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    イギリス首相「オミクロン株に感染して少なくとも1人が死亡」(12/14)

    2021年12月14日

    イギリスのジョンソン首相は、国内で新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株に感染して、少なくとも1人が死亡したと明らかにしました。感染して入院する人も出る中、政府は、追加接種を進めるとともに、マスク着用の義務化などで感染拡大のスピードを遅らせたい考えです。

    イギリスでは変異ウイルスのオミクロン株の感染が拡大していて、12月13日までに累計で4713人の感染が確認されています。

    ジョンソン首相は12月13日、地元メディアに対し、国内でオミクロン株に感染して少なくとも1人が死亡したことを明らかにしたうえで「感染拡大のペースが速いことを認識すべきだ」と述べ、追加接種の重要性を強調しました。

    “ロンドン 感染者の約40%がオミクロン株”

    さらにロンドンでは、感染者のおよそ40%をオミクロン株が占め、まもなく半数を超えるという見方を示しました。

    保健当局によりますと、人口の大半を占めるイングランドでは、重症化して入院している人が10人に上り、多くは2回のワクチン接種を済ませていたということです。

    入院する人の数がさらに増えることが予想される中、政府は、オミクロン株には、2回の接種では不十分で、追加接種が必要だとしていて、12月末までに18歳以上のすべての対象者に対し接種を行う方針です。

    政府は、屋内の多くの施設でのマスク着用の義務化など規制も強めていて、こうした対策によって感染拡大のスピードを遅らせたい考えです。

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    オミクロン株 中国本土で初の感染確認 国営メディア(12/13)

    2021年12月13日

    中国の国営メディアは、中国の天津に12月9日、海外から到着した人から、新たな変異ウイルス、オミクロン株への感染が確認されたと伝えました。中国本土でオミクロン株への感染が確認されたのは、初めてだということです。

    国営の中国中央テレビが12月13日に伝えたところによりますと、12月9日、天津に海外から到着した人に対して、新型コロナウイルスの検査を行ったところ、陽性が判明し、詳しい検査でオミクロン株に感染していることがわかったということです。

    この感染者は無症状で、現在、病院で隔離されているということです。

    中国ではこれまで、香港ではオミクロン株への感染が確認されていましたが、中国本土で確認されたのは、初めてだということです。

    中国は、2022年2月に北京オリンピックの開催を控え、新型コロナウイルスの感染拡大に警戒を強めています。

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    WHO「オミクロン株感染拡大 デルタ株上回るペースか」(12/13)

    2021年12月13日

    WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスのオミクロン株について「市中感染が起きている地域では、デルタ株を上回るペースで感染が拡大するとみられる」という見通しを示しました。一方、オミクロン株の重症化リスクについては、デルタ株よりも低い可能性があるとしたものの、判断には追加のデータが必要だと慎重な姿勢を示しています。

    WHOは12月12日、公表した資料で「デルタ株の感染が拡大している例えばイギリスで、オミクロン株はデルタ株よりも速く、感染が拡大しているようだ」という見解を示しました。

    その上で「デルタ株の市中感染が起きている地域で、オミクロン株の感染拡大のペースは、デルタ株を上回るとみられる」と分析し、今後、デルタ株がオミクロン株に置き換わる可能性を指摘しました。

    一方、オミクロン株の重症化リスクについては、「ヨーロッパで報告された範囲では軽症か無症状だ」と指摘し、デルタ株よりも低い可能性があるとしたものの、判断には追加のデータが必要だと慎重な姿勢を示しています。

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    オミクロンにワクチンは効く? 専門家・最新の研究は(12/13)

    2021年12月13日

    新型コロナウイルスワクチンの3回目の職域接種の申請が12月13日から始まりました。
    オミクロン株はこれまでの変異ウイルスよりも感染力が強いことが懸念されていますが、3回目の接種でも使われるのはこれまで接種してきた従来の新型コロナウイルスに対応して作られたワクチンです。
    効果についてどう考えればよいのでしょうか?

    オミクロン株で下がる懸念も 一定の効果

    オミクロン株はウイルスの表面にある突起「スパイクたんぱく質」に多くの変異があるため、ワクチンで作られた中和抗体が結合しにくくなり、効果が下がることが懸念されています。

    それでも同じワクチンで3回目の接種を行うことについて政府の基本的対処方針分科会のメンバーで、国立病院機構三重病院の谷口清州院長はオミクロン株にも一定の効果はあると考えられ、意義は大きいとしています。

    谷口院長は「たとえば、ウイルスが変異して中和抗体の効果が4分の1になったとしても、ワクチンを追加接種することで免疫の機能を高めて、全体の抗体の量が4倍になればウイルスに結合する中和抗体も増える。全体の抗体レベルが高くなるのは、追加接種のメリットだ」と話し追加接種によって中和抗体の量を増やせば、中にはオミクロン株に結合するものも現れ、効果が期待できるとしています。

    免疫の“記憶”長続きがポイント

    また3回目の接種によって「ウイルスが攻撃対象である」という、免疫の“記憶”を強固にして長続きさせることが重要なポイントだとしています。
    谷口院長は「変異が重なって新たな変異ウイルスが出現しても、ワクチンを接種して免疫をきちんとつけておけば重症化は避けられるのではないかということは、オミクロン株にも当てはまることだと思う。ワクチンの追加接種は進めていくことが大切だ」と話しています。

    抗体だけでなく ウイルス攻撃する免疫細胞で重症化防ぐ効果

    またウイルスやワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「オミクロン株は細胞の表面にある突起のスパイクたんぱく質に変異が30あっても、スパイクたんぱく質全体からすると3%に限られ、ワクチンが全然効かなくなるというほどではない。感染を抑える効果は多少落ちる可能性が高いが、重症化を予防する効果はそれほど落ちないと思う」と話しています。

    そのうえで3回目の接種について「抗体のレベルを上げるだけではなくて、ウイルスを攻撃する細胞による免疫の能力も高いレベルにすることができる。ウイルスに変異があり、抗体から逃れるかもしれないが、広い範囲の変異に対しても対応できる細胞による免疫が誘導されて、それが高いレベルで維持できることによって、重症化を抑える働きがあると考えられる」と述べました。

    “3回目接種で効果上がる”発表・研究も

    アメリカの製薬大手ファイザーなどは12月8日、オミクロン株に対するワクチンの効果について、3回目の接種を行うことで中和抗体の値が2回接種の場合の25倍になり、従来のウイルスに対する場合と同じ程度に高まったとする初期の実験結果を発表しました。

    ファイザーなどが3回目の接種から1か月たった人の血清を使ってオミクロン株に対する中和抗体の値を実験で調べたところ、ワクチンを2回接種したあと3週間たった人の従来のウイルスに対する中和抗体の値と同じ程度で、オミクロン株に対する高い効果が期待できるとしています。

    またオミクロン株でも免疫細胞が攻撃対象だと認識するスパイクたんぱく質の部分の80%は変化しておらず、2回の接種でも重症化を予防できる可能性があるとしているほか、3回目の接種を行うと免疫細胞のレベルが上がり重症化の予防につながると考えられるとしています。

    一方、南アフリカのアフリカ健康研究所は、オミクロン株に対する効果についてファイザーのワクチン接種を受けた12人の血液を使って分析した結果、中和抗体の値が従来のウイルスに対する場合と比べておよそ40分の1になったと発表しました。

    また発症を予防する効果は従来のウイルスに対する場合と比べて22.5%にとどまるとする試算も示しました。

    この中で新型コロナウイルスに感染したあとワクチン接種を受けた6人のうち5人は中和抗体の効果が比較的高かったということで「3回目の追加接種を受けることなどで、中和抗体の働きを高めたり、重症化を防ぐことができたりする可能性が高い」としています。

    アメリカのCDC=疾病対策センターは12月10日、週報の中で、ワクチンを2回接種した人や3回目の接種を終えた人でもオミクロン株に感染したケースがあることを報告したうえで「これまでの新型コロナウイルスと同様、ワクチンを接種した人では症状が軽度であると考えられる」としています。

    ワクチンのオミクロン株への効果についてはいま世界各国で研究が進められています。今後、オミクロン株に適合したワクチンが必要になってくる可能性はありますが、現時点ではこれまでと同じワクチンを接種することで効果が期待できると考えられています。

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    オミクロン株 入国した4人の感染を新たに確認 国内17人に(12/13)

    2021年12月13日

    12月6日から9日にかけてアメリカなどから日本に入国した男女4人が新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが新たに確認されました。これで国内でオミクロン株への感染が確認されたのは17人となりました。

    厚生労働省によりますと、オミクロン株への感染が確認されたのは、
    ▽12月6日に成田空港に到着したナイジェリアに滞在歴がある40代の男性、▽12月8日に関西空港に到着したアメリカに滞在歴がある20代の女性と、成田空港に到着したケニアに滞在歴がある30代の男性、
    ▽12月9日に羽田空港に到着したアメリカに滞在歴がある20代の男性の、

    合わせて4人です。

    4人は検疫で受けた新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たため、国立感染症研究所で検体の遺伝子を解析していました。

    現在は全員、医療機関などにいるということです。

    4人のうち3人はファイザーのワクチンを2回接種していたということで、今のところ症状はないということです。残る1人については確認中だとしています。

    厚生労働省は同じ飛行機に乗っていた合わせておよそ350人の乗客全員を濃厚接触者とみなし、入国後14日間は宿泊施設での待機を求めることにしています。

    これで国内でオミクロン株への感染が確認されたのは合わせて17人となりました。

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    オミクロン株 新たに8人の感染確認 空港の検疫所検査で陽性(12/10)

    2021年12月10日

    政府関係者によりますと、日本に順次入国した8人が、空港の検疫所の検査で新型コロナウイルスの陽性となり、その後新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたことが確認されました。これにより日本国内で感染が確認されたのは12人となります。

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    オミクロン株“重症化 入院リスクはデルタ株より低い傾向”WHO(12/10)

    2021年12月10日

    新型コロナウイルスのオミクロン株についてWHO=世界保健機関は、南アフリカでの初期のデータからは重症化や入院のリスクはデルタ株より低い傾向が見られるとしたうえで今後2、3週間かけて慎重に分析を進める考えを示しました。

    WHOアフリカ地域事務局の12月9日の記者会見で、ワクチン担当の責任者のミヒゴ氏はオミクロン株について「南アフリカでの初期のデータを見るかぎり重症化をあまりもたらしていない」と述べました。

    そして集中治療室で入院するケースがデルタ株の感染が広がった2021年7月ごろに比べて少ないとして、南アフリカではオミクロン株による重症化や入院のリスクはデルタ株よりも低い傾向が見られると指摘しました。

    ただミヒゴ氏は「オミクロン株の影響を解明するには今後、少なくとも2、3週間必要だ」とも述べ、引き続き慎重に分析を進めるとしています。

    またミヒゴ氏はアフリカでのワクチン接種の遅れに強い懸念を示したうえで「アフリカ各国の政府は届いたワクチンを行き渡らせるために全力で取り組まなければならない」と述べ、接種の計画づくりやワクチンへの不信感をなくすための情報提供などの支援を続ける考えを強調しました。

    世界55の国と地域で確認

    NHKが12月10日午前3時時点でまとめたところ、新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染は日本を含め世界の55の国と地域で確認されています。

    ▽アジアは日本のほか香港、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、スリランカ、タイ、モルディブ、ネパール
    ▽オセアニアはオーストラリア、フィジー
    ▽北米はアメリカ、カナダ
    ▽中南米はメキシコ、ブラジル、チリ、アルゼンチン
    ▽ヨーロッパはイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、スイス、アイルランド、ギリシャ、アイスランド、ルーマニア、ロシア、クロアチア、エストニア、ラトビア
    それに
    ▽中東のイスラエル、サウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦、クウェート
    ▽アフリカの南アフリカ、ボツワナ、ナイジェリア、ガーナ、ジンバブエ、チュニジア、ザンビア、ウガンダ、セネガル、ナミビアで
    それぞれ感染が確認されています。

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    オミクロン株 軽症の可能性も「結論を出すには早すぎる」WHO(12/9)

    2021年12月9日

    WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスのオミクロン株について、過去に新型コロナウイルスに感染したことのある人が再感染するリスクが高まっている可能性や、症状がデルタ株に比べて軽症である可能性を指摘したうえで「まだ結論を出すには早すぎる」として、引き続き、警戒を怠らないよう呼びかけました。

    WHOのテドロス事務局長は12月8日、スイスで開いた記者会見で、新型コロナウイルスのオミクロン株について「南アフリカで得られたデータは再感染するリスクの増大を示唆している」と述べ、過去に新型コロナウイルスに感染したことのある人がオミクロン株に感染するリスクが高まっている可能性を指摘しました。

    また、オミクロン株によって引き起こされる症状が、デルタ株に比べて軽症である可能性にも言及しました。

    そのうえで、テドロス事務局長は、オミクロン株によって重症化した場合の深刻さなどを明確に把握するためにはより多くのデータが必要だと指摘し「まだ結論を出すには早すぎる」として、引き続き、警戒を怠らないよう呼びかけました。

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    オミクロン株 “ワクチン後も感染しやすい” 西浦教授ら分析(12/9)

    2021年12月9日

    新たな変異ウイルスのオミクロン株は、ワクチンを接種した人や過去に感染した人でも再感染しやすく、南アフリカで急拡大しているとする分析結果を京都大学の西浦博教授らのグループがまとめました。

    西浦教授らのグループは、新型コロナウイルスの遺伝情報を登録するウェブサイトに、2021年9月半ばから11月末までに南アフリカから報告された200件余りのデータをもとにオミクロン株の拡大の勢いを分析しました。

    12月8日、厚生労働省の専門家会合に出された報告によりますと、特にオミクロン株が広がっているハウテン州では、1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数はデルタ株の4.2倍で、データの偏りを補正しても少なくとも2倍以上になったということです。

    この値は、減少傾向にあるデルタ株と急増しているオミクロン株を比べた結果で、オミクロン株そのものが持つ感染力はまだ分かっていないとしていますが、南アフリカでワクチンを接種した人や過去に感染した人の割合を踏まえて解析すると、免疫によるオミクロン株に対する感染予防効果は20%程度にとどまっていて、免疫をすり抜ける再感染によって急拡大しているとみています。

    西浦教授は「ワクチン接種が進んだ国でもオミクロン株が流行するリスクは高そうだ。今後出される重症度やワクチンの効果など、かぎになる情報を注視している」と話しています。

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    オミクロン株へのワクチンの効果「3回目で向上」ファイザー(12/9)

    2021年12月9日

    アメリカの製薬大手ファイザーなどは12月8日、新型コロナウイルスワクチンのオミクロン株に対する効果について、接種を3回行うことによって、ウイルスの働きを抑える中和抗体の効果が従来のウイルスに対する場合と同じ程度に高まったとする初期的な実験結果を発表しました。
    ワクチンを3回接種すれば、オミクロン株に対する高い効果が期待できるとしています。

    アメリカの製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックは12月8日、共同開発した新型コロナウイルスワクチンのオミクロン株に対する効果について、研究室で行った初期的な実験結果を発表しました。

    それによりますと、ワクチン接種を受けた人の血液中にあるウイルスの働きを抑える中和抗体の効果は、2回の接種を受けた人では、従来のウイルスに対する場合と比べ大幅に減少していました。
    しかし、3回目の追加接種を受けた人では、中和抗体の効果は2回接種の場合の25倍になり、従来のウイルスに対する効果と同じ程度に高まっていたということです。

    ビオンテックのシャヒンCEOは、12月8日の会見で「実験結果から考えると、3回目の接種を受けた人ではオミクロン株に対する高い効果が期待できる」と述べました。

    今回の実験結果は初期的な段階のもので、ファイザーなどは今後、3回のワクチン接種を受けた人を対象に感染や重症化を防ぐ効果が実際にどの程度得られているか、詳しく調べるとしています。

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    オミクロン株 感染力は?重症化は?分かってきたこと(12/8)

    2021年12月8日

    日本を含め、多くの国や地域で確認されるようになってきている新たな変異ウイルス「オミクロン株」。これまでデルタ株より感染力が強い変異ウイルスはありませんでしたが、南アフリカではオミクロン株に置き換わってきているとされています。

    感染力は強いのか、感染した場合に重症化するのか?そして、オミクロン株で“第6波”が起きる可能性はあるのか?
    いま分かっている情報をまとめました。
    (2021年12月8日現在)

    オミクロン株 デルタ株より感染力強い?

    新型コロナウイルスは変異を繰り返していて、これまでにも感染力が強かったり、病原性が高く、感染した場合に重症になりやすくなったりする変異ウイルスはありました。

    2021年夏以降、デルタ株が世界の新型コロナウイルス感染のほぼすべてを占めるようになっています。

    世界中の研究機関から、ウイルスの遺伝子配列が登録されるサイト「GISAID」に報告されているのは、この2か月間でも99.8%がデルタ株。

    感染力でデルタ株を凌駕する変異ウイルスはこれまでありませんでした。

    それが、オミクロン株を初めて報告した南アフリカでは、デルタ株をしのぐ勢いでオミクロン株の感染の報告が相次いでいます。

    11月に行われた遺伝子解析の結果でみると、4分の3がオミクロン株に置き換わっているとみられています。

    デルタ株よりも感染力が強いのではないかと警戒が高まっているのです。

    遺伝情報を調べてみると、新型コロナウイルスの表面にある突起「スパイクたんぱく質」の変異が30ほどと、これまでの変異ウイルスより多いことが分かりました。

    ウイルスが細胞に感染する際の足がかりとなる部分で、細胞により結び付きやすい変異があり、感染しやすくなっていると考えられています。

    また、抗体の攻撃から逃れる変異もあります。

    こうしたことから、WHO=世界保健機関は、オミクロン株を最も警戒度が高い「懸念される変異株=VOC」に位置づけました。

    現在報告されている以上の広がりか

    ヨーロッパではオミクロン株が報告されていない国から入国した人からもウイルスが検出されているほか、遺伝子解析が十分に行われていない国もあります。

    このため、国立感染症研究所は、アフリカ地域を中心にオミクロン株の感染がすでに拡大している可能性があると指摘しています。

    専門家は、アルファ株やデルタ株が大きく広がったときと同じように、いま見えている数以上に世界各地で感染が広がっているのではないかと懸念しています。

    “第6波で広がるおそれ”指摘も

    いま、日本は、新型コロナウイルスの感染者数が2020年夏以降で最も少ない状態です。

    しかし、厚生労働省の専門家会合などは、ワクチンの接種から時間がたって効果が弱まることや、気温が下がり感染が拡大しやすい室内の閉めきった環境での活動が多くなることで、感染拡大の“第6波”が起きるおそれを指摘しています。

    専門家は、オミクロン株が感染力が高かった場合、ただでさえ感染拡大しやすい季節に“第6波”として広がってしまい、大きな感染拡大になることを警戒しています。

    多くの人が感染すると、重症化しやすい人にも感染が広がります。

    このため、2021年夏の“第5波”などで経験したような医療が危機的な状態になるおそれがあるとしていて、こうしたことからも感染対策を続けるよう呼びかけています。

    いま、ワクチン接種を終えた人は80%近くと高くなっていて、これまでの感染拡大の際とは状況が異なりますが、ワクチンを接種した人でも感染するケースもオミクロン株で報告されています。

    感染力や感染した場合の重症になりやすさ(病原性)を見極められるまでは、最大限の警戒をするという対応が取られています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    感染力

    オミクロン株は、スパイクたんぱく質の変異の数から見ると、感染力が強まっている可能性が指摘されています。

    WHOは2021年12月7日現在、「これまでの変異ウイルスと比べて増殖しやすいとみられるが、これで感染が広がりやすくなるかはまだ分からない」としています。

    WHOによりますと、オミクロン株を最初に報告した南アフリカでは、11月第2週から感染者数が増加していて、11月末の1週間では前の週に比べて2倍以上になったとしています。

    病原性

    WHOによると、12月6日の時点で、ヨーロッパの18か国で確認された212の感染例すべてが軽症か無症状だったということです。

    一方で、南アフリカでは11月末からの1週間で新型コロナの入院患者は82%増加しましたが、オミクロン株の感染者が占める割合は明らかになっていないとしています。

    そのうえで、感染者数が増えれば入院患者の数は増えるとして、全体像を把握するにはより多くの情報が必要だとしています。

    厚生労働省専門家会合の脇田隆字座長は12月1日の記者会見で、「去年2月の武漢からのチャーター便でも死亡例はありませんでした。病原性はまだ分かっておらず、市中感染しているところの状況を見るなど、慎重に考えるべきだ」と話しています。

    また、アメリカ政府の主席医療顧問を務めるファウチ博士は12月5日、アメリカメディアのインタビューで、「重症化の度合いはそれほど高くないようだ」と述べる一方で、断定するには時期尚早でさらなる研究が必要だとする考えを示しました。

    国立感染症研究所 感染症危機管理研究センターの齋藤智也 センター長は、12月7日、NHKの「クローズアップ現代+」で、重症化しやすい人たちに感染していない段階かもしれないことや、感染から重症化までは一定の時間がかかることもあり、重症化しやすいかどうか見分けるには少なくともあと2ー3週間かかるとする見方を示しています。

    再感染のリスク

    ▽『アルファ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか

    ▽『ベータ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持

    ▽『ガンマ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る

    ▽『デルタ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る

    ▽『オミクロン株』

    →再感染のリスクが上がっている可能性があるという報告も

    WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

    南アフリカでは、再感染のリスクが11月にはそれ以前と比べて2.39倍になっているとする研究報告があるということです。

    しかし、WHOは再感染のリスクや、ブレイクスルー感染がどの程度起きるか見極めるためには、さらに研究が必要だとしています。

    ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    ▽『アルファ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ベータ株』
    →発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ガンマ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『デルタ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    (感染予防・発症予防は下がるという報告も)

    ▽『オミクロン株』
    →不明(※重症化予防効果あるとの見方も)

    オミクロン株について、ワクチン接種を完了した人でも感染しているケースが報告されています。

    症状は軽症だとされています。

    ファイザーとともにワクチンを開発したビオンテックのCEOは、アメリカメディアのインタビューで、オミクロン株に対しても重症化を防ぐ効果がある可能性が高いという見解を示しています。

    治療薬の効果

    オミクロン株の変異のため、重症化を防ぐために感染した初期に投与される『抗体カクテル療法』に影響が出ないか懸念されています。

    一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

    また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。

    感染経路

    新型コロナウイルス感染経路は、飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染も報告されています。

    オミクロン株について、感染力が強まっているおそれはありますが、同様の感染経路だと考えられています。

    専門家「第6波の元になっていく可能性も 油断してはいけない」

    ワクチンやウイルスに詳しい北里大学の中山哲夫 特任教授は「国内に入っているという前提で考えないといけない。検査体制を充実させる必要があり、濃厚接触者を追跡できないと、第6波の元になっていく可能性もある。病原性については、感染しても重症化しにくいかどうかはまだはっきりわからない。それなりに感染力が強いと、重症化する人が一定数出てくると考えられるので油断してはいけない」と話しています。

    また、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博 教授は「感染性に関してはかなり高いことが推定されているが、重症化しやすいかどうかはまだはっきりと結論が得られていない。まだ、オミクロン株で重症化したという報告はほとんどないが、高齢者や免疫不全の人などがどれだけ重症化するのか注意して見ていく必要がある。ワクチンの効果については、弱まったとしても全く効果が無くなるとは考えにくいのではないか。追加接種を粛々と進めていくことが重要になる。また、治療薬について、抗体カクテル療法は効果が下がる可能性はあるので、これからのデータを待たないといけない。開発中の飲み薬は、ウイルスの遺伝子を増幅する酵素や合成に関わる酵素を阻害するもので、オミクロン株でもその部分には変異が入っていないので、効果は維持されるのではないか」と話しています。

    これまでと同様の対策を

    オミクロン株は、▽デルタ株より感染力が強く、病原性も高い変異ウイルスなのか、▽感染力は強いものの、重症化の割合は低い変異ウイルスなのか、2021年12月初めの段階ではまだ見極められません。

    オミクロン株の起源は分かっておらず、国際的なウイルスの監視網が届いていないところで発生したと考えられています。

    現在、感染力や病原性について、世界中で研究が進められていて、WHOや国立感染症研究所などが情報を更新していく予定です。

    私たちができる対策はこれまでと変わりません。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、マスクの着用、消毒や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    米ファウチ博士 オミクロン株 “重症化あまり見られない”(12/8)

    2021年12月8日

    アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士は、新たな変異ウイルスのオミクロン株について、南アフリカから得られた初期の情報をもとに「重症化する様子はあまり見られていない」と述べる一方、今後、数週間で、より詳しいことが分かるとして、最終的な判断には時間が必要だという考えを示しました。

    ファウチ博士は12月7日、ホワイトハウスで行った記者会見で、新たな変異ウイルスのオミクロン株について、南アフリカで得られた初期の情報によれば、感染力は強いとみられるものの「今のところ重症化する様子はあまり見られていない。感染者の多くを若者が占めていることが影響しているかもしれないが、入院や酸素吸入の必要も少ないようだ」と述べました。

    そのうえで「これらのことは、まだ初期的な段階のものだ」と注意を呼びかけ「今後、数週間のうちに、より詳しいことが分かるようになる」と述べて、最終的な判断には時間が必要だという考えを示しました。

    このほか、ワクチンの効果に影響があるかどうかについては「来週には分析の結果が得られ、判断できるとみられる」としています。

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    米ファウチ博士 オミクロン株 “重症化の度合い高くないか”(12/6)

    2021年12月6日

    アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士は、新たな変異ウイルス、オミクロン株についてCNNテレビのインタビューで、南アフリカからの情報をもとに「これまでのところ重症化の度合いは、それほど高くないようだ」と述べる一方、断定するのは時期尚早だとしてさらなる研究が必要だとする考えを示しました。

    ファウチ博士は12月5日、CNNテレビのインタビューに応じ、新たな変異ウイルス、オミクロン株について、南アフリカからの情報をもとに「これまでのところ、重症化の度合いはそれほど高くないようだ。これは勇気づけられる兆候だ」などと述べました。

    一方で「デルタ株ほど、重症化しないと判断するのは相当慎重にならねばならない。決定的なことを言うのは時期尚早だ」と強調し、最終的な判断にはさらなる研究が必要だとする考えを示しました。

    このほか、アメリカ政府が国民向けに出している、アフリカ南部の国々への「渡航中止の勧告」については「現在、オミクロン株に関する多くの情報を入手し、注意深く見ている。できるなら妥当な期間内に解除できるようにしたい」と述べました。

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    オミクロン株 国内3例目感染確認 イタリア滞在歴ある30代男性(12/6)

    2021年12月6日

    12月1日に日本に入国した、イタリアに滞在歴のある男性が、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが、新たに確認されました。

    国内で感染者が確認されたのは3人目です。

    感染が確認されたのは、イタリアに滞在歴のある30代の男性です。

    厚生労働省は国籍を明らかにしていません。

    12月1日に入国した際、羽田空港の検疫所で新型コロナウイルスの検査を受けて陽性反応が出たため、国立感染症研究所で検体の遺伝子を解析していました。

    その結果、オミクロン株への感染が確認されたということです。

    男性は入国後、検疫が指定する宿泊施設にいましたが、現在、症状はなく、近く医療機関に入院する予定だということです。

    また、2021年7月と8月にはモデルナのワクチンの接種を受けていたということです。

    厚生労働省は、同じ飛行機に乗っていた41人の乗客全員を濃厚接触者とみなして、入国後14日間は宿泊施設での待機を求めることにしています。

    これまでに国内で感染者が確認されたのは、11月末にナミビアから入国した外交官と、ペルーから入国した男性に続いて、3人目です。

    松野官房長官「引き続き 適切な感染防止対策を徹底」

    松野官房長官は午後の記者会見で「入国時の検査で陽性が確認されたイタリアに滞在歴のある入国者について、国立感染症研究所で陽性検体のゲノム検査を行ったところ、オミクロン株であると確認されたとの1報が厚生労働省からあった。30代の男性との報告を受けている」と述べました。

    松野官房長官は、この男性の同行者や飛行機の機内で近くの席にいた人については把握済みだとしたうえで、男性の国籍は「感染拡大防止に資する情報に限って公表することにしている」として、明らかにしませんでした。

    そして「引き続き、水際措置の強化とゲノム解析の実施強化によるモニタリングを進め、適切な感染防止対策を徹底していきたい」と述べました。

    後藤厚労相「飛行機同乗の41人が濃厚接触者」

    後藤厚生労働大臣は臨時に記者会見し「入国時の検査でコロナの陽性が確認されたため、検疫の宿泊療養施設に入所し、現在医療機関に搬送中だ。陽性者が搭乗していた航空機には、残り41人が同乗していたが、いずれも濃厚接触者として取り扱い、これまでと同様、地方自治体と連携しながら厚生労働省において健康観察をしっかり行っていく」と述べました。

    また後藤大臣は「オミクロン株」に対する水際対策に加え、国内の検査体制も強化していることを重ねて説明したうえで「感染が確認された場合には、積極的な疫学的調査をしっかり行い、国内における封じ込めに最大限の努力をしていきたい」と述べました。

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    オミクロン株 デルタ株などと別系統ウイルスに変異重なったか(12/5)

    2021年12月5日

    新型コロナウイルスのオミクロン株について、専門家は遺伝子解析が十分行われていない地域でデルタ株などとは別の系統のウイルスに多くの変異が重なることで現れたと考えられるとしています。ウイルスの増殖に関わる遺伝子も変異していて、感染した場合に重症化しやすいかどうか詳しく調べる必要があるとしています。

    「スパイクたんぱく質」の変異 デルタ株などの3倍ほど

    慶応大学医学部の小崎健次郎教授のグループは世界中の研究機関から登録されたウイルスの遺伝情報のデータをもとに変異ウイルスの起源や変化、影響などを分析する研究を行っています。

    小崎教授がウイルスの変化を分析したところ、オミクロン株は遺伝子解析が十分行われていない地域でアルファ株やデルタ株とは別の系統のウイルスに多くの変異が重なることで現れたと考えられ、最近まで検出されておらず、どこで生まれたのか分からないとしています。

    またオミクロン株では感染するときの足がかりになる表面にある突起部分「スパイクたんぱく質」にある変異がおよそ30と、デルタ株などの3倍ほどあるほか、ウイルスが増殖する際に必要な酵素に関わる遺伝子の変異も起きていて、感染した場合に重症化するのかそれとも軽症でとどまるのか詳しく調べる必要があるとしています。

    小崎教授は「オミクロン株は南アフリカの研究所が最初に報告したが、先行してヨーロッパで市中感染があったと示すデータもあり由来ははっきり分かっていない。ほかの変異ウイルスとの違いが多く病原性にどのような影響があるか解析が必要だ」と話しています。

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    オミクロン株 感染力やワクチン効果は?いま分かっていること(12/3)

    2021年12月3日

    この夏以降、世界で検出される新型コロナウイルスはほぼすべてが感染力が強い「デルタ株」になっています。日本でも“第5波”以降、ほぼ完全にデルタ株に置き換わりました。そこに突然現れた「オミクロン株」。これまでデルタ株より感染力が強い変異ウイルスはありませんでしたが、南アフリカではオミクロン株に置き換わってきているとされています。これまでで最も感染力の強い変異ウイルスなのか、オミクロン株で“第6波”が起きる可能性はあるのか?いま分かっている情報をまとめました。

    オミクロン株 デルタ株より感染力強い?

    新型コロナウイルスは変異を繰り返していて、これまでにも感染力が強かったり、病原性が高く、感染した場合に重症になりやすくなったりする変異ウイルスはありました。

    その中でこの夏以降、世界の新型コロナウイルス感染のほぼすべてを占めるようになったのがデルタ株。

    世界中の研究機関から、ウイルスの遺伝子配列が登録されるサイト「GISAID」に報告されたのは、この2か月間では99.8%がデルタ株となっていました。

    一時は、南米などから報告されたラムダ株やミュー株の感染が広がるのではないかとされましたが、結局、南米でもデルタ株が優勢のままです。

    感染力でデルタ株をりょうがする変異ウイルスはこれまでありませんでした。

    それが、オミクロン株を初めて報告した南アフリカでは、デルタ株をしのぐ勢いでオミクロン株の感染の報告が相次いでいます。

    デルタ株よりも感染力が強いのではないかと警戒が高まっているのです。

    さらに、遺伝情報を調べてみると、新型コロナウイルスの表面にある突起「スパイクたんぱく質」の変異が30ほどと、これまでの変異ウイルスより多いことが分かりました。

    ウイルスが細胞に感染する際の足がかりとなる部分で、より感染しやすくなっているおそれがあるとされています。

    また、抗体の攻撃から逃れる変異もあります。

    こうしたことから、WHO=世界保健機関は、オミクロン株を最も警戒度が高い「懸念される変異株=VOC」に位置づけました。

    現在報告されている以上の広がりか

    ヨーロッパではオミクロン株が報告されていない国から入国した人からもウイルスが検出されているほか、遺伝子解析が十分に行われていない国もあります。

    このため国立感染症研究所は、アフリカ地域を中心にオミクロン株の感染がすでに拡大している可能性があると指摘しています。

    専門家は、アルファ株やデルタ株が大きく広がったときと同じように、いま見えている数以上に世界各地で感染が広がっているのではないかと懸念しています。

    “第6波で広がるおそれ”指摘も

    いま、日本は、新型コロナウイルスの感染者数が2020年の夏以降で最も少ない状態です。

    しかし、厚生労働省の専門家会合などは、ワクチンの接種から時間がたって効果が弱まることや、気温が下がり感染が拡大しやすい室内の閉めきった環境での活動が多くなることで、感染拡大の“第6波”が起きるおそれを指摘しています。

    専門家は、オミクロン株が感染力が高かった場合、ただでさえ感染拡大しやすい季節に“第6波”として広がってしまい、大きな感染拡大になることを警戒しています。

    多くの人が感染すると、重症化しやすい人にも感染が広がります。

    このため、この夏の“第5波”などで経験したような医療が危機的な状態になるおそれがあるとしていて、こうしたことからも感染対策を続けるよう呼びかけています。

    いま、ワクチン接種を終えた人は77%と高くなっているので、これまでの感染拡大の際とは状況が異なりますが、ワクチンを接種した人でも感染するケースもオミクロン株で報告されています。

    感染力や感染した場合の重症になりやすさを見極められるまでは、最大限の警戒をするという対応が取られています。

    これまでの変異ウイルスとの比較

    感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。

    感染力

    オミクロン株は、スパイクたんぱく質の変異の数から見ると、感染力が強まっている可能性が指摘されています。

    ただ、WHOは2021年11月30日現在「感染力が強まっているという直接的な科学的証拠はない」としています。

    病原性

    オミクロン株について、各国からは死亡例がなく、軽症が多いという報告が次々に出されていますが、WHOは11月30日現在、「まだわからず、臨床結果のデータを精査している」としています。

    厚生労働省専門家会合の脇田隆字座長は「去年2月の武漢からのチャーター便でも死亡例はありませんでした。病原性はまだ分かっておらず、市中感染しているところの状況を見るなど、慎重に考えるべきだ」と話しています。

    再感染のリスク

    ▽『アルファ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか

    ▽『ベータ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る。ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持

    ▽『ガンマ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る

    ▽『デルタ株』
    →ウイルスを抑える抗体の働きは減る

    ▽『オミクロン株』
    →再感染のリスクが上がっている可能性があるという報告がある

    ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)

    ▽『アルファ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ベータ株』
    →発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『ガンマ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

    ▽『デルタ株』
    →感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
    (感染予防・発症予防は下がるという報告も)

    ▽『オミクロン株』
    →不明

    オミクロン株について、ワクチン接種を完了した人でも感染しているケースが報告されています。症状は軽症だとされています。

    治療薬の効果

    オミクロン株の変異のため、重症化を防ぐために感染した初期に投与される『抗体カクテル療法』に影響が出ないか懸念されています。

    一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

    感染経路

    新型コロナウイルス感染経路は、飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染も報告されています。

    オミクロン株について、感染力が強まっているおそれはありますが、同様の感染経路だと考えられています。

    専門家「第6波の元になっていく可能性も 油断してはいけない」

    ワクチンやウイルスに詳しい北里大学の中山哲夫 特任教授は「感染力が強い『アルファ株』の変異に加え、抗体の攻撃から逃れる『ベータ株』の変異もあり、基本的にはワクチンで誘導された抗体から逃れるような傾向を持っていると思う。実際に感染が広がってきていることも考えると、感染拡大が懸念されるウイルスだと思う。オミクロン株も国内に入っているという前提で考えないといけない。検査体制を充実させる必要があり、濃厚接触者を追跡できないと、第6波の元になっていく可能性もある。病原性については、感染しても重症化しにくいかどうかはまだはっきりわからない。それなりに感染力が強いと、重症化する人が一定数出てくると考えられるので油断してはいけない」と話しています。

    また、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博 教授は「感染性に関してはかなり高いことが推定されているが、重症化しやすいかどうかはまだはっきりと結論が得られていない。まだ、オミクロン株で重症化したという報告はほとんどないが、高齢者や免疫不全の人などがどれだけ重症化するのか注意して見ていく必要がある。ワクチンの効果については、弱まったとしても全く効果が無くなるとは考えにくいのではないか。追加接種を粛々と進めていくことが重要になる。また、治療薬について、抗体カクテル療法は効果が下がる可能性はあるので、これからのデータを待たないといけない。開発中の飲み薬は、ウイルスの遺伝子を増幅する酵素や合成に関わる酵素を阻害するもので、オミクロン株でもその部分には変異が入っていないので、効果は維持されるのではないか」と話しています。

    これまでと同様の対策を

    オミクロン株は、▽デルタ株より感染力が強く、病原性も高い変異ウイルスなのか、▽感染力は強いものの、重症化の割合は低い変異ウイルスなのか、2021年12月初めの段階ではまだ見極められません。

    オミクロン株の感染力や病原性について、世界中で研究が進められていて、WHOや国立感染症研究所などが情報を更新していく予定です。

    私たちができる対策はこれまでと変わりません。

    厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、マスクの着用、消毒や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

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    オミクロン株を判別 都独自のPCR検査で監視徹底へ(12/3)

    2021年12月3日

    新しい変異ウイルス、オミクロン株の感染が国内でも確認されたことを受けて、東京都は緊急対応策をまとめ、都独自に確立した、オミクロン株を判別するPCR検査を行うなどして、監視を徹底するとしています。

    東京都は12月3日午後、危機管理対策会議を開き、新しい変異ウイルス、オミクロン株の感染が国内でも確認されたことを受けて、都としての緊急対応策をまとめました。

    それによりますと、オミクロン株の特徴である主要な変異があるかないかを判別する、都独自のPCR検査の手法を確立し、12月3日から都の健康安全研究センターで検査を始めるとしています。

    この検査では一日かからずに結果が判明するということで、遺伝子解析も並行して行うことで市中での感染が広がらないか監視を徹底していくとしています。

    また会議では、これまで国内で感染が確認された2人の濃厚接触者が都内に85人いて、このうち61人が12月2日時点で宿泊療養施設に入ったことが報告されました。

    都は、宿泊療養施設に入らず自宅などで待機している濃厚接触者も含めて、全員2日に1回、PCR検査を行い、健康観察を続けるということです。

    また、新たな感染者の濃厚接触者が出た場合も、宿泊療養施設に入るよう要請する方針で、施設を今の2倍程度のおよそ3400室に増やすとしています。

    さらに、オミクロン株に関する不安に対応するため、12月3日から都民向けの相談窓口を設置します。

    電話番号は0570-550-571で、毎日、午前9時から午後10時まで受け付けます。

    「スパイクたんぱく質」遺伝子の変異を調べる

    東京都が独自に確立した、オミクロン株を判別するPCR検査は、ウイルスの表面の突起にあたる「スパイクたんぱく質」の遺伝子に、オミクロン株特有の変異があるかないかを調べる手法です。

    新型コロナウイルスの検査などを行う都の研究機関「東京都健康安全研究センター」によりますと、オミクロン株は「スパイクたんぱく質」におよそ30か所の変異があります。

    今回、独自に確立した検査方法では、このうち「E484A」など主要な変異があるかどうかを調べ、オミクロン株なのかを判別するということです。

    都は、都内で新型コロナの陽性となった検体のうち、なるべく多くの検体でこのPCR検査を行いたいということです。

    専門家「急拡大みられる場合 行動制限強化など迅速に」

    新型コロナウイルス対策で東京都に提言や助言を行う「専門家ボード」で座長を務める、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、12月3日の会議の中で、今後、感染の急拡大の兆候がみられる場合には、医療提供体制の強化や行動制限の強化などに迅速に取り組む必要があるという考えを示しました。

    この中で賀来特任教授は「オミクロン株はワクチン効果が減弱する可能性が指摘されているが、効果が全くなくなるというわけではない。現時点では、ワクチンによる重症化予防などの効果は見込めると考えられている」と述べました。

    また「オミクロン株であっても、基本的な感染予防対策を徹底しワクチン接種や早期の抗体薬投与を着実に進め、今後出てくる経口薬を活用していくことが大変重要だ」と指摘しました。

    そして、都に対しては「感染急拡大の兆候がみられる場合には、医療提供体制の強化や行動制限の強化など、迅速かつ機動的に取り組むことが望まれる。オミクロン株の登場で、国内や東京都でも緊張が高まっているが、今こそ落ち着いて、慌てることなく、やるべきことをしっかりと行い、総合的な対応をとっていくことが重要だ」と述べました。

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    オミクロン株 どう備える? 今できることは?(12/2)

    2021年12月2日

    世界各地で感染報告が相次ぐオミクロン株。
    NHKが12月2日午後8時半時点でまとめたところ、日本を含め世界の28の国と地域で確認されています。

    水際対策は、そして感染拡大の懸念は。
    主な動きや専門家の分析をまとめました。

    1.きょうの動き 水際対策で方針転換も

    フィギュアスケート グランプリファイナル開催中止へ

    日本スケート連盟は12月2日、12月9日から大阪府で開催される予定だったフィギュアスケートの国際大会、グランプリファイナルを中止すると発表しました。

    大会をめぐっては、オミクロン株の影響で日本政府が外国人の新規入国を原則停止するなど水際対策を強化したため、海外選手の受け入れなどについて日本スケート連盟やスポーツ庁など関係機関で対応を協議してきました。

    その結果、日本スケート連盟は12月9日から12日の日程で行われる予定だったフィギュアスケートのグランプリファイナルを中止すると発表しました。

    グランプリファイナルはグランプリシリーズの成績上位の選手が出場する国際大会で、2022年の北京オリンピックの日本代表の選考などにも関わる大会です。

    2020年の大会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となり、ことしは2年ぶりに大阪府門真市で男子シングルに世界選手権3連覇中のアメリカのネイサン・チェン選手、女子シングルに今シーズン世界最高得点をマークしたロシアのカミラ・ワリエワ選手など海外のトップ選手が参加して開催される予定でした。

    国際線新規予約停止要請を取り下げ

    一方で、水際対策を強化するとして国際線で新たな予約の停止を航空会社に要請していた国土交通省は、12月2日、一部で混乱を招いたとしてこの要請を取り下げ、日本人の帰国需要に十分配慮するよう航空会社に改めて通知しました。

    国土交通省は、オミクロン株の感染拡大に対する水際対策を強化するとして、航空各社に対し12月末までの1か月間、日本に到着するすべての国際線の新たな予約を停止するよう11月29日に要請しました。

    新規予約の停止要請の対象には海外にいる日本人も含まれ、予約を取っていない日本人が事実上、帰国できなくなることについて国土交通省は「緊急避難的な予防措置だ」と説明していましたが、航空会社の関係者からは「対応が厳しすぎる」と反発の声が上がっていたほか、海外からの帰国を予定していた日本人などの間で困惑が広がっていました。

    これについて岸田総理大臣は「一部の方に混乱を招いてしまった」などとして日本人の帰国需要に十分に配慮するよう指示したことを明らかにし、国土交通省はこうした指示を受け、12月2日、予約停止の要請を取り下げて日本人の帰国需要に十分配慮するよう航空会社に改めて通知しました。

    国土交通省は、今後、航空各社と具体的な対応について調整することにしていて、水際対策を強化するとして打ち出した要請は、3日間で方針転換を迫られる形となりました。

    ワクチン3回目接種の間隔 見直し検討へ

    対策の鍵になる3回目のワクチン接種について、松野官房長官は午前の記者会見で「接種間隔は原則8か月以上としているが、感染拡大防止の観点から医療機関などでクラスターが発生した場合の例外的取り扱いについて、先日、厚生労働省から示した」と述べました。

    そのうえで「今後の感染状況の変化や自治体の準備状況、ワクチンの供給力などを踏まえ、必要があれば改めて8か月を待たずして接種を行う範囲についてさらに検討を行う。まずは、オミクロン株のウイルスの特徴やワクチンの効果などの情報収集をしていきたい」と述べました。

    2.専門家「油断してはいけない」「感染対策の継続が大事」

    中山特任教授 さらに接種を進める必要性指摘

    オミクロン株について、専門家はどう見ているのか。

    ワクチンやウイルスに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「遺伝情報のデータが公開されているが、感染力が強い『アルファ株』の変異に加え、抗体の攻撃から逃れる『ベータ株』の変異もあり、基本的にはワクチンで誘導された抗体から逃れるような傾向を持っていると思う。実際に感染が広がってきていることも考えると、感染の拡大が懸念されるウイルスだと思う」と述べました。

    また、ワクチンについて「今のワクチンは重症化を抑える効果が多少落ちるかもしれない。ただ、ワクチンは抗体だけでなく、ウイルスを攻撃する細胞の活性化も促すので、必ずしも重症化を抑えることができないものではない」と述べ、3回目の接種を含めてさらに接種を進める必要性を指摘しました。

    一方、各国から軽症のケースが多いという報告が続いていることについては「どんな変異が病原性の変化に関わるか、今後の実験結果を見ないと分からない。オミクロン株についてはデータがまだ十分集まっていないので、病原性が低く感染しても重症化しにくいかどうかはまだはっきりわからない。ただ、それなりに感染力が強いと感染者の中で重症化する人が一定数出てくると考えられるので、油断してはいけない」と話しています。

    いま求められる対策について、中山特任教授は「アルファ株もデルタ株も、検疫で見つかった時点ですでに国内に入っていたため、オミクロン株も入っているという前提で考えないといけない。検査体制を整え、積極的疫学調査で感染者と周辺を徹底的に調べて感染を広げないことが大事だ。また、マスクの着用や3つの密を避けるなど、基本的な感染対策を常日頃から徹底する必要がある」と指摘しました。

    和田教授「インパクト 約2週間で見えてくる」

    厚生労働省の専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は「オミクロン株がデルタ株と比較してどういうインパクトが私たちの生活にあるのか、そういうところが今後おそらく2週間くらいで見えてくると思う。特にどれくらい重症化するのか、感染力はどれくらいあるのか、そしてワクチンは効くのか、そういうところを見ながら、場合によっては入国の水際対策をどういうふうにするのかということを示していく必要がある」と述べました。

    そのうえで、現在の水際対策について「水際対策は『時間稼ぎ』と捉えて、その間にこの変異ウイルスへの備えを進めておくという考え方が重要だ」と指摘しています。

    私たちがオミクロン株にどう備えればいいかについて、和田耕治教授は「今、国内では比較的に感染が収まっているので、これまでに引き続き、基本的な感染対策を行いながら冷静に情報収集していくことになると思う。引き続き、体調が悪ければなるべく外に出ないようにして検査を受けることや、ワクチンをまだ2回接種していない人はぜひともこの機会に接種することも大切だ」と話していました。

    さらに、日々の対策については「今の段階では過度に不安に思っていただく必要はないが、感染対策の継続が大事で、特に話をするときにはマスクをすることや、寒くなってきているができるだけ換気をすること、人と人とが集まるような場面でも気をつけながらなるべく小規模で行うことを心がけてこの12月の初旬を過ごしていくことが大切だ」と話していました。

    3.医療現場の備えは

    新型コロナ患者の治療を続ける大学病院の医師は、感染がいったん減少している今のうちに、これまでコロナ対応をしていない地域の医療機関にも診療方法を学んでもらおうと指導を行っています。

    ただ、感染の減少もあって参加する医療機関が思うように広がらない現状に危機感を募らせています。

    取り組みを進めているのは、川越市にある埼玉医科大学総合医療センターの感染症科の岡秀昭教授です。

    第5波では40床余りある病床が埋まり、入院を断らざるをえないケースも相次ぎ、岡教授は感染がいったん減少している今のうちに、コロナ診療にあたる医療機関を増やそうと、地域の診療所などに指導を行っています。

    この日、指導を受けた診療所は、発熱患者の検査などは行ってきましたが、コロナ患者の診療には参加していませんでした。

    今後は自宅療養者などにも対応する予定で、岡教授が重症化のリスクが高い患者かどうか見極める方法を伝えていました。

    ワクチン接種の有無を確認し、がんの治療を行っている場合や別の病気の治療で免疫を抑える薬を使用しているケースは、ワクチン接種後も重症化のリスクがあると注意を呼びかけました。

    そして、発症から1週間ほどたっても熱が下がらなければ「肺炎」を疑い、息苦しさといった自覚症状がなくても入院できるよう調整してほしいと話していました。

    参加した看護師は「正しくおそれつつ有事の備えを今のから進めたい」と話していました。

    コロナ診療に参加する医療機関を広げようという取り組み。
    感染が減少してきてからは依頼が減っていて、岡教授は、参加する医療機関が思うように広がらない現状に危機感を募らせています。

    「拡大してからでは間に合わない 今から準備を」

    岡教授は「オミクロン株の出現で分かったことは『コロナは簡単には終わらない』ということで、残念ながら新しい波は起きてしまうと思う。『のどもと過ぎれば熱さを忘れる』というように、研修が思うように進んでいないが、感染が拡大してからでは間に合わないので今から準備を進めてほしい」と話していました。

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    「オミクロン株」国内2人目感染確認 ペルーから入国の20代男性(12/1)

    2021年12月1日

    南米のペルーから入国した男性が、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたことが確認されました。
    日本国内でオミクロン株の感染者が確認されたのは2人目です。

    感染が確認されたのは20代の男性です。

    厚生労働省は国籍については感染対策をとるうえで必要のない情報だとして明らかにしていません。

    厚生労働省によりますと、男性はペルーから中東カタールの首都ドーハを経由して11月27日に成田空港に到着し、空港の検疫所で受けた検査で陽性反応が出たため、国立感染症研究所で検体の遺伝子を解析していました。

    その結果、南アフリカで確認された新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたことが確認されたということです。

    日本国内でオミクロン株の感染者が確認されたのは2人目です。

    男性は当初、症状がありませんでしたが、その後、発熱やのどの痛みなどを訴えて、現在は医療機関に入院しているということです。

    男性は2021年10月にファイザーのワクチンの2回目の接種を受けていたということです。

    同じ飛行機には、ほかに114人の乗客がいましたが、検疫所の検査では全員、陰性だったということです。

    厚生労働省は、114人全員を濃厚接触者と見なして入国後14日間は宿泊施設などで待機するよう求めたうえで、健康状態や所在の確認を続けています。

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    「オミクロン株」 外国人の新規入国、原則停止 受け入れ現場は(11/30)

    2021年11月30日

    新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が各国に広がっているのを受けて、政府は11月30日から世界のすべての国や地域を対象に、外国人の新規入国を原則停止しました。11月8日から入国制限が一時、緩和されたことを受けて、受け入れ準備を進めてきた国内各地の現場では、対応に追われています。

    “日本の玄関口” 国際空港ターミナル 閑散

    羽田空港の国際線が発着する第3ターミナルでは、11月29日までは仕事で来日する外国人の姿がみられましたが、11月30日は日本に家族がいたり、日本で働いたりしている外国人が行き来する程度で、閑散としています。

    軍で働いているアメリカ人の男性は「空港や機内ではマスクをつけるなどふだんと変わらない様子でした。観光などで少しの期間、日本に入れないのは知っていましたが、新しい変異ウイルスの状況はよく分かりません。日本に住んでいる人たちの安全のために政府が行うのは仕方がないと思います」と話していました。

    アメリカに在住し、一時的に帰国した日本人の男性は「機内には日本人が多く、外国人はほとんどいなかったです。コロナの影響でアメリカに戻れない時があったので、そういった状況にならなければ良いなと思います」と話していました。

    また、成田空港では対象の最初の便となるマニラからの便が午前11時半ごろ到着しましたが、新規に入国する外国人の姿は見られませんでした。

    空港の検疫では帰国する日本人などに「オミクロン株」が確認された南アフリカやイギリスなどの滞在歴がないか聞き取りを行っていました。

    “貴重な戦力” 技能実習生 入国できず派遣会社に相談

    茨城県稲敷市にある農業機械の部品メーカーは、8年ほど前からベトナムからの技能実習生を受け入れています。

    11月、外国人の新規入国が一部、再開されたことから、会社では技能実習生のためのビザなどの手続きを進め、12月下旬に新たに12人が入国する予定でしたが、入国する時期が見通せなくなったということです。

    会社によりますと、技能実習生は現場での貴重な戦力にもなっていて、入国予定の12人の担当業務もすでに決めていたことから、派遣会社に相談するなど代わりの人材の確保に追われています。

    農業機械の部品メーカーSTNで人事を担当をしている佐藤力崇 部長は「新たな変異ウイルスを持ち込ませないという政府の方針は理解できるので従うしかありません。人の往来が可能になる時が来ることを願っています」と話していました。

    人手不足の介護施設 「待ちながら頑張るしか…」

    さいたま市の介護施設では12月、受け入れる予定となっていた「特定技能」の在留資格のある外国人の来日の見通しが立たなくなり、対応に追われています。

    さいたま市岩槻区にある特別養護老人ホームでは、11月8日から入国制限が一時、緩和されたことを受けて、「特定技能」の在留資格のあるモンゴル人女性1人を12月下旬に受け入れる予定で、準備を進めていました。

    施設では飛行機のチケットを確保したり、ビザを申請したりしたほか、施設内に入国後の待機期間中に過ごす部屋を用意していましたが、来日の見通しが立たなくなったということです。

    女性は12月の来日にあわせて、すでに現地での仕事を退職していたということで、施設の担当者は、女性にSNS上でメッセージを送り、来日ができなくなったことなどを伝えていました。

    この施設では来年春までに、この女性と技能実習生の合わせて4人を受け入れる計画で、外国人の入国停止による影響を懸念しています。

    「特別養護老人ホームしらさぎ」の新井浩二 統括事務長は「振り出しに戻ったので残念な気持ちです。人手不足の業界ですが、待ちながら頑張るしかない。来日する予定だった女性の生活面と精神面のサポートも考えたい」と話していました。

    留学生「やる気がなくなる」 各地の大学では…

    横浜市立大学ではことし、学部や大学院に入学するなどした中国や韓国などからの留学生8人が、入国できないまま、いまもオンラインで授業を受けているということです。

    11月8日に条件付きで留学生の新規入国が認められたことを受けて、大学は先週、8人を対象にオンラインでオリエンテーションを開き、来年以降の受け入れに向けたスケジュールなどについて説明したばかりでした。

    大学は今後の留学生の受け入れの見通しが立たず、戸惑っています。

    また、交換留学の協定を結ぶ海外の大学に2021年8月以降、22人の学生が留学しましたが、留学生を受け入れられない状態が続いているため、協定への影響も懸念しています。

    横浜市立大学グローバル推進室の森谷章子 課長は「受け入れを再開できると思ったやさきの入国停止で残念だが、水際対策のためにはしかたない。できる範囲で準備を進め、協定先の大学との関係維持にも努めたい」と話していました。

    また東洋大学も、留学生の受け入れが再開されたことを受け、日本に入国出来ないまま過ごしてきた留学生およそ80人の申請を進めていました。

    外国人の新規入国が原則として停止になったことから大学は11月30日、2022年1月から3月にかけて入国を予定しているロシアやインドネシアなどからの留学生とオンラインでつなぎ、今後の方針はわかりしだい連絡するとして改めて支援の継続を約束していました。

    これに対し留学生からは「受け入れ再開を進めている国もあり、非常に不利に感じています。毎日PCR検査も受けるし、望む書類はすべて出すので、日本で勉強させてほしい。私たちの人生は日本政府にかかっています」とか、「3回フライトを予約して3回ともキャンセルした。やる気がなくなってしまう」などと訴えていました。

    国内外のスポーツ大会は

    JOCの山下会長は11月30日、都内で開いた定例会見の中で、12月9日に大阪府で開幕するフィギュアスケートのグランプリファイナルなど今後、国内で予定されている国際大会の対応については「大会自体がどうなるのか。現段階で選手がどう対応するのかなどについての情報を持ち合わせていない」と述べるにとどまりました。

    さらに、2022年2月の北京オリンピック・パラリンピックへの影響についても「選手や競技団体と情報を共有しながら連携していく」と述べて情報収集を急いだうえで、JOCとして得た情報を共有しながら対応する考えを示しました。

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    オミクロン株の感染者 日本初確認 ナミビアから入国の30代男性(11/30)

    2021年11月30日

    松野官房長官は、11月30日午後の記者会見で、アフリカ南部のナミビアから入国した30代の男性が、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたことが確認されたことを明らかにしました。

    日本国内で、オミクロン株の感染者が確認されたのは初めてです。

    “当該入国者は医療機関で隔離”

    この中で松野官房長官は「ナミビアからの入国者について、国立感染症研究所で陽性検体のゲノム解析を行ったところ、オミクロン株であると確認されたとの1報が、厚生労働省からあった」と述べ、アフリカ南部のナミビアから入国した30代の男性が、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたことが確認されたことを明らかにしました。

    そのうえで「わが国でオミクロン株が確認されたのは初めてだ。現在、当該入国者は医療機関で隔離を実施していると厚生労働省から報告を受けている。感染者の同行者、または飛行機の隣席などの濃厚接触の疑いがある方はすでに把握し、保健所などに連絡している」と述べました。

    そして松野官房長官は、11月30日午後5時から総理大臣官邸で、関係閣僚で対応を協議することを明らかにしました。

    さらに「今回の方は日本への入国前に空港での検疫で新型コロナ陽性であることを把握し、速やかに隔離した。わが国の水際措置が有効に機能していたものと考えている。引き続き水際措置の強化とゲノム解析の強化によるモニタリングを進め、感染防止対策を徹底したい」と述べました。

    オミクロン株とは

    国立感染症研究所などによりますとオミクロン株はウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」という突起のような部分にこれまでの変異ウイルスの中で最も多い、およそ30か所の変異が見つかっていて、このほかにも遺伝子の一部が欠損するなどしているということです。

    「スパイクたんぱく質」はヒトの細胞に入り込む際に最初に結合する部分で、ワクチンによる抗体が目印としています。

    こうしたことから国立感染症研究所では、これまでよりも感染力が高まることやワクチンの効果の著しい低下、それに再感染のリスクの増加などが強く懸念されるとしています。

    ただ、今のところ実験データなどがなく、疫学的な情報も十分ではないため、年代別の感染性への影響や症状の重篤度、実際の社会でのワクチンの効果への影響などについて注視していく必要があるとしています。

    オミクロン株 解析には数日

    新型コロナウイルスのうち、オミクロン株など、新たな変異ウイルスに感染しているか調べる際には、特殊な装置を使ってウイルスの遺伝情報を詳細に解析する必要があり、結果が出るまでに数日程度の時間がかかるとされています。

    アルファ株やデルタ株などが出てきた当初も、どの変異ウイルスに感染しているか調べるのには、遺伝情報の解析が必要で時間がかかっていましたが、その後、国立感染症研究所がPCR検査にかけるだけでその変異ウイルスに特徴的な変異を検出するための試薬を開発し、数時間で検出できるようにしてきました。

    試薬は全国の地方衛生研究所に配られ、これまでに知られている変異ウイルスは各地で迅速に検出できるようになっていますが、オミクロン株に対応した試薬はまだ開発されていません。

    オミクロン株 世界17の国と地域で確認(11月30日16:00時点)

    NHKが11月30日午後4時時点でまとめたところ、新しい変異ウイルス、オミクロン株の感染は、世界の17の国と地域で確認されています。

    日本以外では、
    ▽アフリカが南アフリカ、ボツワナ、
    ▽ヨーロッパがイギリス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、スペイン、
    ▽中東のイスラエル、
    ▽アジアでは香港、
    ▽オセアニアでは、オーストラリア、
    ▽北米では、カナダで、それぞれ感染が確認されています。

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    オミクロン株 世界16の国と地域で感染確認(11/30)

    2021年11月30日

    NHKが11月30日午前3時半の時点でまとめたところ、新しい変異ウイルス「オミクロン株」の感染は、世界の16の国と地域で確認されています。

    ▽アフリカでは、南アフリカ、ボツワナ。
    ▽ヨーロッパでは、イギリス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、スペイン。
    ▽中東では、イスラエル。
    ▽アジアでは、香港。
    ▽オセアニアでは、オーストラリア。
    ▽北米ではカナダで、
    それぞれ感染が確認されています。

    イギリス 追加のワクチン接種は18歳以上すべてを対象

    イギリス政府は、国内で「オミクロン株」の感染が確認されたことを受け、11月29日、これまで40歳以上としていた追加のワクチン接種について、18歳以上すべてを対象とする方針を明らかにしました。

    また、これまで追加の接種は2回目の接種から、6か月は間隔をあけるとしていましたが、間隔を3か月に短縮するとしています。

    イギリスでは、一日の新規感染者が4万人を超える日が続いていますが、人口の大半を占めるイングランドでは、ほとんどの規制は撤廃されてきました。

    政府はこれまで、ワクチンの効果で重症化は抑えられているとして、マスクの着用義務など追加の対策には消極的でしたが、新たな変異株を前に戦略の見直しを迫られかねず、水際対策の強化などを次々に打ち出しています。

    ニューヨーク市長 屋内でマスクの着用呼びかけ

    新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染の広がりを受けて、アメリカ ニューヨーク市のデブラシオ市長らは、11月29日、記者会見を開き、市民に対して飲食店や小売店などを含む屋内でマスクを着用するよう改めて強く呼びかけました。

    それによりますと、マスクの着用が呼びかけられたのは食料品店、ビルの中のオフィスやロビー、小売店など屋内の公共の場所です。

    また、ワクチンを接種した人にも着用を呼びかけています。

    ニューヨーク市は2021年8月に、変異ウイルスのデルタ株の感染拡大を受けて、屋内でのマスク着用を推奨していますが「オミクロン株」の感染の広がりを受けて、改めて呼びかけた形です。

    一方、デブラシオ市長は記者会見で「対策強化のためにマスクの着用の義務化をしないのか」と問われましたが「それが正しい方法か決めるには、もっと多くのデータが必要だ」と述べ、変異ウイルスに関するより詳しい情報を見定めて、対応を検討していきたいという考えを示しました。

    スイス 冬のユニバーシアードが中止に

    新たに確認された変異ウイルス「オミクロン株」の影響で、12月にスイスで開かれる予定だった、学生のオリンピックとも言われる冬のユニバーシアードが中止になりました。

    2021年の冬のユニバーシアードは、12月11日から21日までスイス中部のルツェルンで開かれる予定でしたが、国際大学スポーツ連盟は11月29日、開催を中止すると発表しました。

    中止の理由について新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染拡大を防ぐためのスイスの当局による入国規制などを挙げています。

    大会は当初、2021年1月に行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で12月に延期され、日本からも6つの競技に70人余りの選手が参加する予定でした。

    主催者は「すばらしい大会を開くことができないのは非常に残念だ」としています。

    国連事務総長「アフリカ南部の国々の孤立を深く懸念」

    「オミクロン株」をめぐって、複数の国がアフリカ南部からの入国を制限する措置を始めたことについて、国連のグテーレス事務総長は11月29日、声明で「アフリカ南部の国々の孤立を深く懸念する」と表明しました。

    グテーレス事務総長は、ワクチンの接種率が低い地域が変異ウイルスの温床となるおそれは、これまで長い間にわたって指摘されてきたとして「ワクチンの供給が足りないアフリカの人たちを責めることはできない」としています。

    そのうえで、これらの国との渡航を可能にするため、渡航者に繰り返し検査を行うなど、適切で効果的な措置を検討するよう、各国に呼びかけました。

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    オミクロン株 G7が緊急の保健相会合 連携し対応などの共同声明(11/30)

    2021年11月30日

    南アフリカで確認された新型コロナの新たな変異ウイルスの感染がヨーロッパなどで広がる中、G7=主要7か国は日本時間の11月29日夜、緊急の保健相会合を開きました。そして、今後も連携して対応にあたることなどを盛り込んだ共同声明を取りまとめました。

    南アフリカで確認された新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が、アフリカ南部に限らず、世界各地で広がる中、G7=主要7か国は、日本時間の11月29日午後9時半から緊急の保健相会合をオンラインで開催しました。

    後藤厚生労働大臣は、これまでに日本国内ではオミクロン株の感染は確認されていないものの、水際対策とともにウイルスのゲノム解析の実施を強化しながら、監視を行っていることを説明しました。

    そして会合では、WHO=世界保健機関などの国際機関とも協力して今後もG7各国で連携して対応にあたることや、研究開発を促進していくこと、それに、12月に再び保健相会合を開催することなどを盛り込んだ共同声明を取りまとめました。

    このあと後藤大臣は記者団に「新しい変異株の強度や感染力、ワクチンや治療薬の効果も含めてまだまだ分からないことが多いが、G7各国が情報を共有しながら対応していくことは大きな意味がある」と述べました。

    G7議長国イギリスが共同声明

    G7が11月29日にオンラインで開催した緊急の保健相会合で、議長国イギリスが共同声明を発表しました。

    それによりますと、G7は今後数週間、WHO=世界保健機関などの国際機関や各国と緊密に連携し、情報を共有しながら対応にあたるとしています。

    また、引き続きワクチンへのアクセスを確保することが重要だとしたうえで、各国のワクチン接種体制や研究開発を支援するとしています。

    そして12月、再び保健相会合を開催し、改めて対応を協議する方針です。

    イギリスのジャビド保健相は「南アフリカは新たな変異ウイルスを特定し、迅速に情報を共有した」などと称賛し、変異ウイルスへの対応では、各国が調査結果を迅速に国際社会と共有することが重要だと強調しました。

    南アフリカ保健相「渡航制限に失望している」

    南アフリカのパーラ保健相は11月29日、WHO=世界保健機関の年次総会の特別会合にオンラインで出席し、オミクロン株について「まだ多くのことがわかっていない」としたうえで、複数の国がアフリカ南部からの入国を制限する措置を始めたことについて「失望している」と述べ、いらだちをあらわにしました。

    そして「オミクロン株が確認されたほかの国からの渡航は制限しないのに、アフリカ南部からの渡航だけを制限するのは差別的だ」と述べ、各国に対して直ちに渡航制限を解除するよう求めました。

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    オミクロン株「世界中の科学者が調査続けている」WHO事務局長(11/29)

    2021年11月29日

    新型コロナウイルスの新たな変異ウイルス「オミクロン株」について、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、感染力やワクチンの効果に及ぼす影響などはまだ分からないとしたうえで、世界中の科学者が調査を続けているとしました。

    WHOでは、11月29日から始まった年次総会の特別会合で、今後の感染症の世界的大流行に備えた議論が行われています。

    この中でテドロス事務局長は、WHOが11月26日に「懸念される変異株」に指定した「オミクロン株」について「より感染しやすいのか、重症化や再感染しやすいのか、それにワクチンが効かなくなるのか、まだ分からない」と述べ、これらの問いに答えるために世界中の科学者が調査を続けていると説明しました。

    そのうえで「多くの人は、新型コロナウイルスはすでに終わったと思っているかもしれないが、オミクロン株の出現は、闘いがまだ終わっていないことを私たちに伝えている」と述べ、ワクチン接種などの感染対策の徹底や、ワクチンの世界への公平な分配を改めて呼びかけました。

    特別会合では最終日の12月1日、今後の世界的大流行に備え、各国政府間の枠組みの立ち上げに向けた決議案を採択する予定です。

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    「オミクロン株」警戒で水際対策強化 感染力やワクチン効果は(11/29)

    2021年11月29日

    南アフリカで確認された新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」。11月29日午後4時の時点で12の国と地域で確認されています。

    世界的な感染の広がりを見せる中、岸田総理大臣は11月30日午前0時から、世界のすべての国や地域を対象に、ビジネス目的などの外国人の新規入国を原則停止することを明らかにしました。

    羽田空港 アフリカからの入国者の姿も…

    外国人の新規入国について、政府はビジネス目的の短期滞在者や留学生、技能実習生などを対象に11月8日から緩和。入国を再開していましたが、わずか3週間で再び停止することになりました。

    11月29日、羽田空港で西アフリカのコートジボワールから帰国した会社員の男性に話を聞くと「あすから外国人の入国が停止されることは知らなかったです。あすだったら入れなくなるかもしれないので、きょう日本に来られてよかったです」と話していました。

    ナミビアからの入国者が陽性 オミクロン株か解析進める

    こうした中、後藤厚生労働大臣は11月29日昼すぎ、水際対策を強化しているアフリカ南部のナミビアから11月28日夕方に入国し成田空港の検疫で検査を受けた30代の男性が新型コロナウイルスに感染していたことを明らかにしました。ウイルスがオミクロン株かどうか、国立感染症研究所で速やかにゲノム解析を進めることにしています。 また、この男性と同行した家族2人の合わせて3人は、いずれも国が指定する施設にとどまっていて、男性には発熱の症状が見られる一方、家族2人は検査の結果、陰性だったということです。

    後藤大臣は「引き続き検疫で陽性になったすべての検体のゲノム解析を実施するとともに、自治体主体のゲノム解析についても、現時点の検査能力を最大限発揮して実施してもらうようお願いするなど、国内の検査体制を強化していく」と述べました。

    11月30日午前0時から 外国人の新規入国原則停止

    オミクロン株の感染が広がりを見せていることを踏まえ、政府は11月29日午後、総理大臣官邸で関係閣僚による会議を開き、対応を協議しました。

    このあと岸田総理大臣は記者団に対し「オミクロン株の病毒性や感染力など、いまだ世界的に専門家の分析が行われている途上の状況にあるが、WHO=世界保健機関は懸念される変異株に指定した」と指摘しました。

    そのうえで「わが国として最悪の事態を避けるため、緊急避難的な予防措置として、まずは外国人の入国は11月30日午前0時より、全世界を対象に禁止する」と述べ、11月30日午前0時から世界のすべての国や地域を対象にビジネス目的などの外国人の新規入国を原則停止する方針を明らかにしました。

    さらに「日本人などについても、南アフリカなど9か国に加えて感染が確認された14か国・地域から帰国する場合にはリスクに応じて、指定施設で厳格な隔離措置を実施する」としたうえで「これらの措置は、オミクロン株についての情報がある程度明らかになるまでの、念のための臨時異例の措置だ」と説明しました。

    一方で、岸田総理大臣は「わが国はG7の中でも最高のワクチン接種率かつ2回目の接種から最も日が浅い状況だ。マスク着用をはじめ、行動自粛への国民の協力なども世界が称賛している。オミクロン株のリスクへの耐性は各国以上に強いと認識している。国民は落ち着いて対応するよう呼びかけたい」と強調しました。

    そして「未知のリスクには慎重の上にも慎重に対応すべきと考えて政権運営を行っている。まだ状況が分からないのに慎重すぎるという批判は、私がすべてを負う覚悟でやっていく。国民の皆さんにはご理解をお願いしたい」と述べました。

    【詳細】政府による水際対策

    ▽外国人の新規入国については、これまで認められていたビジネス目的なども含め、世界のすべての国や地域を対象に11月30日午前0時から「当面1か月」の間、原則、停止されます。 これにより、今後、日本に新規入国できる外国人は、人道上の配慮が必要な人などに限定され、政府関係者は「最悪の事態を想定した、事実上の全面的な入国の禁止措置だ」と話しています。

    ▽また、日本人の帰国者などに対しても、12月1日以降入国する人から対策が強化されます。 具体的には、日本人の帰国者などは、11月上旬からワクチン接種などを条件に、入国後、自宅などで待機が必要な期間が最短で3日間に短縮されていましたが、再び、14日間に延長されます。

    さらに、感染状況を踏まえ、一部の国や地域からの帰国者などは、入国後、一定期間、検疫所が指定する空港周辺の宿泊施設などにとどまる「停留」という、より強い措置がとられます。

    このうちオミクロン株が最初に確認された南アフリカや、その周辺のジンバブエやアンゴラなどアフリカ南部の10か国は10日間の「停留」が求められます。

    このほか、イスラエル、イギリス、オランダなど7か国は6日間、オーストラリアやドイツ、デンマークや香港など、27の国や地域は3日間、それぞれ「停留」が求められます。

    これらの措置に伴い、11月26日から1日あたり5000人に緩和されてきた入国者数の上限についても、12月1日から再び3500人程度に引き下げられることになりました。

    政府は、こうした水際対策のほかにも帰国者の健康状態のフォローアップをはじめ、オミクロン株の監視体制の拡充を図るなどして、国内での感染拡大の防止に全力をあげることにしています。

    オミクロン株は “懸念される変異株” WHOも 感染研も

    WHOは南アフリカで確認された新たな変異ウイルスについて、11月26日「VOC=懸念される変異株」に指定し「オミクロン株」と名付けました。

    日本では11月27日現在、感染者は見つかっていませんが、国立感染症研究所では、ウイルスについての海外の情報などから国内でも「VOC」に位置づけたということです。

    これまでにWHOが「VOC」に指定したのは、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株の4つの変異株。

    このうちアルファ株とデルタ株は日本でも大きく流行しましたが、ベータ株とガンマ株はほとんど流行しませんでした。

    オミクロン株とは…

    オミクロン株、その正体はどこまでわかっているのでしょうか。

    国立感染症研究所によりますとオミクロン株はウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」という突起のような部分にこれまでの変異ウイルスの中で最も多い30か所の変異が見つかっていて、このほかにも遺伝子の一部が欠損するなどしているということです。

    「スパイクたんぱく質」はヒトの細胞に入り込む際に最初に結合する部分で、ワクチンによる抗体が目印としています。

    専門家「デルタ株よりも感染力が強い可能性」

    オミクロン株について、感染症対策に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉教授に現時点での見解を聞きました。

    松本教授は「従来の変異株と比べてだいぶ構造や性質が変わっている可能性がある。これまでに感染した人がまた感染したり、ワクチンの有効性が低下したりすることが懸念される」と指摘しました。

    そのうえで、「南アフリカでの感染の広がりを見ると、デルタ株を押しのけるように広がっていて、場合によってはデルタ株よりも感染力が強い可能性がある」という見方を示しました。

    また松本教授は重症化のリスクについて「感染した人がどのぐらい重症化しているかなど、データがまだはっきりと出てきていないため、現時点ではわからない」としています。

    ワクチン3回目接種 専門家「接種進めることが大事になる」

    また、11月30日午前0時から世界のすべての国や地域を対象にビジネス目的などの外国人の新規入国を原則停止するという政府の方針について、松本教授は「水際対策としては有効だ。タイミングは早ければ早いほどいい。まずは状況を把握し、もしそこまで心配しなくてもよいとなれば緩和すればいい。最初は厳しく対応すべきだ」と述べました。

    さらに、12月1日から国内で始まる予定の医療従事者などを対象とした3回目のワクチン接種について「オミクロン株にどこまで有効か不透明だと思われるかもしれないが、現時点でやれることは今ある手段を使って抵抗力を高めることだ。予定されている接種を進めることが大事になる」と述べました。

    そして、松本教授は「ずっと緊張し続けていては次の波の時にもたなくなるので冷静に対応する必要がある。今の状況を保てるようマスクの着用や換気など基本的な感染対策を継続していくことが大事だ」呼びかけました。

    感染研「基本的な感染予防策の徹底が推奨される」

    オミクロン株について国立感染症研究所では、これまでよりも感染力が高まることやワクチンの効果の著しい低下、それに再感染のリスクの増加などが強く懸念されるとしています。

    ただ、今のところ実験データなどがなく、疫学的な情報も十分ではないため、年代別の感染性への影響や症状の重篤度、実際の社会でのワクチンの効果への影響などについて注視していく必要があるとしました。

    そのうえで、個人の基本的な感染予防策として従来と同様に3密を避けることや特に会話の際にマスクを着用すること、それに手洗いなどの徹底が推奨されるとしています。

    オミクロン株の感染確認 12の国と地域で

    オミクロン株はNHKが11月29日午後4時の時点でまとめたところ、12の国と地域で確認されています。
    ▽アフリカでは、南アフリカ、ボツワナ
    ▽ヨーロッパでは、イギリス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク
    ▽中東では、イスラエル
    ▽アジアでは、香港
    ▽オセアニアでは、オーストラリア
    ▽北米ではカナダで確認されています。

    南ア大統領 「これまでのどの変異株より変異が著しい」

    南アフリカのラマポーザ大統領はオミクロン株の感染が国内で広がっていることを受けて11月28日、対策会議を開いたあとテレビで演説しました。

    この中でラマポーザ大統領は、オミクロン株についてまだ分からないことが多いとしながらも「これまでのどの変異株より変異が著しい」と指摘したうえでこの1週間の1日あたりの新規感染者数が前の週に比べて3倍以上に急増しているとして危機感を示しました。

    国民に対しては、パニックにならないよう呼びかけたうえで、少なくとも1回のワクチン接種を終えた人は、成人の41%にとどまっているとして接種を促すとともに、公共の場でのマスクの着用や、多くの人が集まる催しを控えることなど感染対策を徹底するよう呼びかけました。

    アメリカ バイデン大統領が専門家チームと協議

    アメリカでは感染確認の発表はありませんが、ホワイトハウスは28日、バイデン大統領がオミクロン株への対応を巡り、首席医療顧問をつとめるファウチ博士など専門家のチームと協議したと明らかにしました。

    バイデン大統領は、詳細な分析結果を得るまでには2週間かかるものの、既存のワクチンによって重症化を一定程度予防できる可能性があるなどと報告を受けたということです。

    アメリカ政府は、南アフリカを含むアフリカ南部の8か国からの渡航を制限することを発表しています。

    また、バイデン大統領は11月29日に最新の状況と対応を公表する予定だとしていて警戒が強まっています。

    韓国・北朝鮮・シンガポール・インドでも対策強化

    オミクロン株への警戒は、各国で強まっています。

    ▽韓国政府は11月29日、対策会議を開き、ワクチンの接種をさらに進める方針を確認しました。具体的には12月上旬から追加接種の対象を、接種完了から5か月たった18歳以上に拡大するほか、追加の接種を促すため、いわゆる「ワクチンパスポート」に接種完了から6か月間の有効期限を設けるとしています。会議に出席したムン・ジェイン大統領(文在寅)は「今までとは次元が違う重大な局面を迎えている」と危機感を示し、5歳から11歳の接種や軽症者用飲み薬の年内の供給開始についても検討するよう指示しました。

    ▽北朝鮮国営の朝鮮中央通信は11月29日、オミクロン株について「深刻な憂慮を引き起こしている。より危険で致命的なウイルスだ」と伝え、強い警戒感をあらわにしました。 北朝鮮では、2020年の1月末から続く国境の封鎖措置や、経済制裁によって物資が不足しているとされ、韓国の情報機関は、輸入の再開に向けて、中国とを結ぶ貨物列車の運行が11月再開される可能性があるという見方を示していました。 しかし、新たな変異ウイルスの影響で、韓国メディアは北朝鮮が封鎖措置の緩和を遅らせる可能性があると伝えていて、韓国統一省のイ・ジョンジュ報道官は11月29日の会見で「措置の緩和は、国境地域の防疫施設の整備状況や感染拡大の動向などを総合的に考慮して決まるものだ。今後の動向を綿密に注視していく」と述べています。

    ▽シンガポール政府は11月26日、南アフリカなど7か国からの入国を禁止しました。さらに11月28日、ワクチンの接種を終えている人を対象に隔離なしの入国を認める措置について、12月6日から予定されていた中東のサウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦、それにカタールとの運用開始を延期すると発表しました。 また、新型コロナの感染拡大前には1日30万人以上が行き交っていた隣国マレーシアとの間の陸路で、11月29日からワクチンの接種を終えた人を対象に、およそ1年8か月ぶりに往来を再開しましたが、シンガポール政府は急きょ、入国者全員への抗原検査を行うことを決めました。

    ▽インド政府は11月28日、国外から入国する渡航者を対象にした指針を改定。 それによりますと、検疫強化の対象となるのは11月26日時点で、イギリスなどヨーロッパの国々や南アフリカ、ブラジル、それに中国など12の国や地域から渡航する人たちです。 こうした人たちには出発前だけでなく、到着後にもPCR検査を受け、陰性が確認されるまでは空港にとどまることや、その後も7日間自宅などで隔離を行うことなどを求めています。この指針は12月1日から導入されます。

    オーストラリア 日本人の入国再開延期へ

    オーストラリアは、2020年3月から外国人の入国を原則禁止してきましたが、12月1日から、日本と韓国からの入国者について、ワクチンの接種証明やPCR検査の陰性証明、それに有効なビザを保有していれば、入国が許可されることになり、観光や留学業界から歓迎の声が上がっていました。 しかし11月29日、オーストラリア政府は、この規制緩和の開始を12月15日まで延期すると発表しました。 これについて政府は声明で「ワクチンの効果や症状など、オミクロン株についての情報を収集するため」だとしています。

    オミクロン株 封じ込めへ G7保健相会合開催へ

    こうした中、G7=主要7か国は11月29日、緊急の保健相会合を開き、議長国イギリスを中心に「オミクロン株」の感染封じ込めに向けた対応などについて話し合うことにしています。

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    「オミクロン株」水際対策強化で国内大手企業の反応は(11/29)

    2021年11月29日

    南アフリカで確認された新たな変異ウイルス「オミクロン株」をめぐり、水際対策が強化されることについて、NHKが国内の大手企業に取材したところ「ビジネスへの影響は限定的だ」などと冷静に受け止めるところが多くなっています。

    このうちソニーグループは「2020年2月から海外出張を原則禁止にしていて対応は変わらない」と話しているほか、東芝も「2020年3月から海外出張は原則禁止で対応は緩めていないので、今回の方針を受けても特に変わることはない」としています。

    また三菱商事は「ビジネスへの影響は限定的だが変異株に関する情報を精査し現地の社員の安全を第一に対応を検討する」と話しているほか、伊藤忠商事は「海外との往来は厳選して実施していて、オンラインも活用している。ビジネスへの影響は限定的だ」としています。

    トヨタ自動車は「まだ何も決まっていないが、今後海外に赴任する予定の社員については状況を注視して対応したい」としているほか、ホンダは「海外出張の扱いは緊急事態宣言の解除後、少し緩和されたが、隔離などがあるので現実的には出張はほとんど行っていない。海外から帰国した際の対応や出国の制限がこれからどうなるのかまだ分からないので、今後対応を検討したい」としています。

    また出光興産は「現地の医療事情も異なるため、11月に入ってからも海外の事業所などと連携し、各国の状況に応じた感染症対策を実施するとともに駐在員・家族の安全を優先した対応を継続している」と話しています。

    外国人が参加するモニターツアー事業の実施見合わせ 観光庁

    11月30日から外国人の新規入国が原則、停止されることを受けて観光庁は、外国人観光客などの受け入れ再開に向けた課題を検証するため、年内に行うとしていた外国人が参加するモニターツアー事業の実施を当面、見合わせるということです。

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    「オミクロン株」日本でも “懸念される変異株” に位置づけ(11/29)

    2021年11月29日

    WHO=世界保健機関が「VOC=懸念される変異株」に指定した新型コロナウイルスの新しい変異ウイルス「オミクロン株」について、国立感染症研究所は、国内でも「VOC」に位置づけ、監視体制を強化しています。

    南アフリカで確認された新たな変異ウイルスについて、WHOは11月26日、「VOC」に指定し「オミクロン株」と名付けました。

    日本では、これまでのところ感染者は見つかっていませんが、国立感染症研究所では、ウイルスについての海外の情報などから国内でも「VOC」に位置づけたということです。

    国立感染症研究所によりますと、オミクロン株はウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」という突起のような部分に、これまでの変異ウイルスの中で最も多い30か所の変異が見つかっていて、このほかにも遺伝子の一部が欠損するなどしているということです。

    「スパイクたんぱく質」は、ヒトの細胞に入り込む際に最初に結合する部分で、ワクチンによる抗体が目印としています。

    このため国立感染症研究所では、これまでよりも感染力が高まることや、ワクチンの効果の著しい低下、それに再感染のリスクの増加などが強く懸念されるとしています。

    ただ、今のところ実験データなどがなく、疫学的な情報も十分ではないため、年代別の感染性への影響や症状の重篤度、実際の社会でのワクチンの効果への影響などについて注視していく必要があるとしました。

    そのうえで、個人の基本的な感染予防策として、従来と同様に3密を避けることや特に会話の際にマスクを着用すること、それに手洗いなどの徹底が推奨されるとしています。

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    「オミクロン株」カナダで感染確認 アメリカでも警戒強まる(11/29)

    2021年11月29日

    南アフリカで確認された新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が広がりを見せる中、カナダでも感染者が2人確認されました。
    アメリカでは、感染確認の発表はありませんが、バイデン大統領が専門家のチームと協議を行うなど北米でも警戒が強まっています。

    カナダ政府は、WHO=世界保健機関が「懸念される変異株」に指定した「オミクロン株」の感染者が首都オタワで2人確認されたと11月28日発表しました。

    2人は、いずれもアフリカのナイジェリアへの渡航歴があるということです。

    カナダのメディアは、北米で「オミクロン株」の感染確認が発表されたのはこれが初めてだとしています。

    また、アメリカでは、感染確認の発表はありませんが、ホワイトハウスは11月28日、バイデン大統領が「オミクロン株」への対応をめぐり、首席医療顧問を務めるファウチ博士など専門家のチームと協議したと明らかにしました。

    バイデン大統領は、詳細な分析結果を得るまでには2週間かかるものの、既存のワクチンによって重症化を一定程度予防できる可能性があるなどと報告を受けたということです。

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    南アフリカ大統領「オミクロン株 変異著しく感染者急増」(11/29)

    2021年11月29日

    新たな変異ウイルスが確認された南アフリカのラマポーザ大統領はテレビ演説で「オミクロン株はこれまでのどの変異株より変異が著しく、国内で確認後、感染者が急増している」として危機感を示したうえで、国民に対して、ワクチン接種を含めた感染対策の徹底を呼びかけました。

    南アフリカのラマポーザ大統領は、WHO=世界保健機関が「懸念される変異株」に指定した「オミクロン株」の感染が国内で広がっていることを受けて、11月28日、対策会議を開いたあと、テレビで演説しました。

    この中で、ラマポーザ大統領は、オミクロン株についてまだ分からないことが多いとしながらも「これまでのどの変異株より変異が著しい」と指摘したうえで、この1週間の1日あたりの新規感染者数が、前の週に比べて3倍以上に急増しているとして危機感を示しました。

    国民に対しては、パニックにならないよう呼びかけたうえで、少なくとも1回のワクチン接種を終えた人は、成人の41%にとどまっているとして接種を促すとともに、公共の場でのマスクの着用や、多くの人が集まる催しを控えることなど感染対策を徹底するよう呼びかけました。

    一方、ラマポーザ大統領は南アフリカからの入国を制限する動きなどが各国に広がっていることについて「差別的だ」と非難したうえで、世界がパンデミックを防ぐためには、先進国と途上国などで広がるワクチン格差を是正すべきだと訴えました。

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    「オミクロン株」感染広がる 各国が入国制限強化(11/29)

    2021年11月29日

    南アフリカで確認された新たな変異ウイルスの感染が広がりを見せる中、オランダでは、旅客機で到着した乗客のうち13人の感染がこれまでに確認されました。

    このほか、イギリスやドイツなどヨーロッパに加え、オーストラリアでも感染が確認されていて、各国はアフリカ南部からの入国を制限するなど対策を強化しています。

    南アフリカで確認された新たな変異ウイルスはWHO=世界保健機関が11月26日、現在、広まっているデルタ株などと同じ「懸念される変異株」に指定し、「オミクロン株」と名付けました。

    これまでに、南アフリカの隣国のボツワナや香港、それにイスラエルで感染が確認されたほか、ヨーロッパではイギリス、ドイツ、ベルギーに続いてイタリアなどでも確認されました。

    オランダ これまでに13人「オミクロン株」感染確認

    さらに、オランダでは11月26日に南アフリカから旅客機で到着した乗客のうち61人の陽性が確認され、保健当局は、これまでに13人が新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたことが確認されたと発表しました。

    61人全員の結果はまだ出ていないということで、当局は今後「オミクロン株」の感染者が増える可能性もあるとしています。

    デンマークでも感染確認

    また、北欧のデンマークの保健当局は11月28日、南アフリカから入国した2人が、「オミクロン株」に感染していたことを確認したと発表しました。

    デンマークで、「オミクロン株」の感染が確認されたのは初めてです。

    フランス 感染疑いのある症例

    また、フランス保健省は「オミクロン株」に感染していた疑いのある症例が8件見つかったと発表しました。

    感染が確定すれば、フランスでは初めてとなります。

    各国で入国制限の動き

    このほか、11月28日に新たにオーストラリアでもアフリカ南部から入国した2人の感染が確認されました。

    「オミクロン株」については、感染力や重症化のリスク、ワクチンの効果への影響などは明らかになっていませんが、各国の間では、アフリカ南部からの入国を制限する動きが広がっています。

    オーストラリア政府は、南アフリカを含むアフリカの9か国からの外国人の入国を禁止すると発表したほか、フィリピン政府は、南アフリカなどのアフリカの国に加え、オランダなどのヨーロッパの国々、合わせて14か国から原則として入国を認めない方針を明らかにしました。

    またイスラエルは、すべての外国人の入国を14日間、禁止することを決めたほか、モロッコは、海外からのすべての直行便の乗り入れを11月29日深夜から2週間、停止することを発表しました。

    さらに、イギリスの人口の大半を占めるイングランドで公共の交通機関でのマスクの着用を再び義務づけるなど、国内での規制強化に乗り出すところもあり、感染が広がりを見せる中、各国が対策を強化しています。

    G7 保健相会合を開催へ

    G7=主要7か国の議長国イギリスは、新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染の広がりを受けて、11月29日に緊急の保健相会合を開催すると発表しました。

    「オミクロン株」への対応などについて、話し合われるということです。

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    「オミクロン株」欧州に加え豪でも感染確認 入国制限広がる(11/28)

    2021年11月28日

    南アフリカで確認された新たな変異ウイルスはイギリスやドイツなどヨーロッパで感染が確認されたのに加え、11月28日、新たにオーストラリアでも2人の感染が確認されました。
    各国で、アフリカ南部からの入国を制限する動きが広がっています。

    南アフリカで確認された新たな変異ウイルスはWHO=世界保健機関が11月26日、現在、広まっているデルタ株などと同じ「懸念される変異株」に指定し、「オミクロン株」と名付けました。

    これまでに南アフリカの隣国のボツワナや香港、それにイスラエルで感染が確認されたほか、ヨーロッパではイギリス、ドイツ、ベルギーに続いてイタリアでも確認されました。

    さらに、11月28日、新たにオーストラリアでもアフリカ南部から入国した2人の感染が確認されました。

    オーストラリア当局によりますと感染した2人はワクチン接種を終えていたということです。

    一方、オランダでは、南アフリカから飛行機で到着した乗客のうち61人の陽性が確認され、複数の人が「オミクロン株」の感染が疑われるとして当局が確認を急いでいます。

    「オミクロン株」については、感染力や重症化のリスク、ワクチンの効果への影響などはまだ明らかになっていませんが、各国の間でアフリカ南部からの入国を制限する動きが広がっています。

    オーストラリア政府は▽南アフリカを含めアフリカの9か国からの外国人の入国を禁止するとともに▽オーストラリア人の入国についても入国後14日間の隔離を義務づけると発表しました。

    またイスラエルは、水際対策を強化し、ヨーロッパを含むほかの地域からも含めてすべての外国人の入国を14日間、禁止することを決めました。

    さらにイギリスが人口の大半を占めるイングランドで公共の交通機関や小売店でのマスクの着用を再び、義務づけるなど国内での規制強化に乗り出すところもあり、対策を一段と強める動きが出ています。

    「オミクロン株」オーストラリアで初の感染確認

    オーストラリアの最大都市シドニーがあるニューサウスウェールズ州は11月28日、アフリカ南部から入国した2人が新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたと発表しました。

    オーストラリアでの感染確認は初めてです。

    州政府の発表によりますと感染が確認されたのは11月27日、アフリカ南部からオーストラリアに入国した2人だということで、いずれも新型コロナウイルスワクチンの接種を終えていたということです。

    オミクロン株の各国での感染確認を受けてオーストラリア政府は11月27日、▼南アフリカを含めアフリカの9か国からの外国人の入国を禁止するとともに▼オーストラリア人の入国についても入国後14日間の隔離を義務づけると発表しました。

    また、ニューサウスウェールズ州など一部の州では11月からワクチン接種を条件に海外からの入国者の14日間の隔離義務を撤廃していましたが、11月28日からアフリカの9か国以外からの入国者について、国籍にかかわらず、入国後3日間の隔離を新たに義務づけました。

    航空各社 アフリカ南部の便 取りやめなど発表

    新たな変異ウイルスの確認を受けて各国で水際対策が強化されていることにともなって、航空各社はアフリカ南部とを結ぶ便を取りやめるなど対応を余儀なくされています。

    このうちUAE=アラブ首長国連邦に拠点を置くエミレーツ航空は、南アフリカとジンバブエ、それにザンビアとの間を行き来する便の運航を一時的に取りやめると発表しました。

    また▼カタール航空がアフリカ南部の5か国からの乗客を受け入れないことを決めたほか、▼シンガポール航空は南アフリカとを結ぶ旅客便を貨物便に変更するとしています。

    世界の航空会社は新型コロナウイルスの感染拡大によって経営に大きな打撃を受けていて、さらなる影響が広がることへの警戒感を強めています。

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    新変異ウイルス「オミクロン株」 懸念される変異株に指定 WHO(11/27)

    2021年11月27日

    WHO=世界保健機関は11月26日、専門家などによる緊急の会合を開き、南アフリカで確認された新たな変異ウイルスについて「懸念される変異株」に指定したと発表しました。

    指定の理由について、WHOは、現時点で得られている科学的な根拠からほかの「懸念される変異株」に比べ、再感染のリスクが高まることが示されているなどとしています。

    呼称は「オミクロン株」としました。

    この変異ウイルスについて南アフリカの保健当局は、11月25日、最大都市ヨハネスブルクのあるハウテン州で、77例の感染例が確認されたと発表していてこれまでに南アフリカに隣接するボツワナのほか、香港やイスラエル、ベルギーでも見つかっています。

    今回、WHOが南アフリカで確認された新たな変異ウイルスを現在、広まっているデルタ株などと同じ「懸念される変異株」に指定したことで世界的な監視態勢が強化されることになります。

    WHOで新型コロナウイルス対策の技術責任者を務めるバンケルコフ氏は、オミクロン株について「数多くの変異が生じており、中には懸念される特性を持つものもある」と述べたうえで感染力や重症化のリスク、診断やワクチンの効果への影響などについて各国で研究を進めていることを明らかにしました。

    新たな変異ウイルスへの感染確認 アジアや欧州でも

    南アフリカで確認された新たな変異ウイルスの感染者は、これまでに、隣接するボツワナのほか、香港、イスラエル、それにベルギーで確認されています。

    香港で感染が確認されたのは、11月11日に南アフリカから到着したあとホテルで隔離中の男性と、その向かい側の部屋で隔離中のカナダから到着した男性の2人です。

    2人はいずれも2回のワクチン接種を終えていたということで、カナダからの男性は、食事の受け渡しのため部屋のドアを開けた際に感染した可能性が高いとみられています。

    イスラエルで感染が確認された1人はアフリカ南部のマラウイから戻った人だということです。

    ベルギーの感染者はエジプトからトルコを経由して11月11日に到着した人で、ワクチンは接種しておらず、地元の公共メディアは南アフリカやその周辺には滞在していなかったと伝えています。

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    南アフリカでワクチンの効果低下させる新たな変異ウイルス発見(11/26)

    2021年11月26日

    南アフリカの保健当局は11月25日、新型コロナウイルスのワクチンの効果を低下させる可能性がある新たな変異ウイルスが見つかったと発表しました。WHO=世界保健機関はこのウイルスを「懸念される変異株」などに指定するかどうか、検討することにしています。

    南アフリカの保健当局は11月25日、首都プレトリアや、最大都市ヨハネスブルクのあるハウテン州で、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスが検出されたと発表しました。

    保健当局によりますと、これまでに国内で確認されたこの変異ウイルスの感染例は77例ですが、検出される割合は急速に増えていて、ハウテン州以外にも広がっている可能性があるということです。

    またこの変異ウイルスには、ワクチンの効果を低下させる可能性のある変異があるということで、南アフリカ以外にも隣接するボツワナで検出されているほか、香港でも、南アフリカからの旅行者から検出されたということです。

    これについて、WHOで新型コロナウイルス対策の技術責任者を務めるバンケルコフ氏は11月25日「この変異ウイルスについてわかっていることは少ないが、現在、専門家が治療薬やワクチンの効果にどのような影響があるか、調べている」と述べました。

    WHOは、このウイルスを「懸念される変異株」や「注目すべき変異株」に指定するかどうか検討することにしています。

    イギリス政府 南アフリカなど周辺の計6か国を渡航禁止に

    イギリス政府は、南アフリカで新たな変異ウイルスが確認されたことを受けて、南アフリカやその周辺のボツワナなど合わせて6か国を対象に、現地時間の11月26日正午、日本時間の11月26日午後9時から、渡航制限を強化する措置を発表しました。

    これらの国々からは直行便が停止され、入国が禁止されます。

    また、イギリスに住んでいる人については政府指定のホテルでの隔離が義務づけられることになります。

    11月25日夜、ジャビド保健相はメディアの取材に応じ「この変異ウイルスは、デルタ株よりも感染力が強い可能性があり、ワクチンの効果を弱めるおそれがある」と述べ、対策の必要性を強調しました。

    イギリス政府によりますと、新たな変異ウイルスはイギリス国内では今のところ確認されておらず、今回の措置は予防的なものだとしています。

    官房長官「緊張感を持って対応」

    松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「新型コロナウイルスの新たな変異株について、南アフリカを中心に感染が広がっているとの報道は承知している。新たに変異株が確認された場合は、その感染性や重篤度、ワクチン効果に与える影響などを評価していくことが重要だと考えており、緊張感を持って対応しているところだ」と述べました。

    そのうえで「現時点では空港検疫を含めて日本国内では確認されていないが、引き続きWHO=世界保健機関や諸外国の動向などの情報を収集しているところだ。また、検疫で陽性が判明した検体はすべて国立感染症研究所でゲノム解析を行うとともに、国内におけるゲノムサーベイランスにより変異株の動向を監視している」と述べました。

    そして「危機管理の要諦は最悪の事態を想定することだ。水際対策についても、新たな変異株の感染が拡大するなど、状況が悪化する場合には機動的に対処していくことにしており、本件についても迅速かつ適切に対応していく考えだ」と述べました。

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    変異ウイルス「ミュー株」 ワクチンによる抗体の効果が低いか(11/4)

    2021年11月4日

    南米などで広がった新型コロナウイルスの変異ウイルスの1つ「ミュー株」について、東京大学などのグループが、ワクチンを接種した人の血液を使って実験したところ、「ミュー株」に対しては抗体の効果が大きく低下していることが分かりました。

    この研究は東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授らのグループがアメリカの医学雑誌、「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表しました。

    グループでは、新型コロナウイルスの変異ウイルス「ミュー株」の特徴を人工的に再現し、ファイザー製のワクチンを接種した人の血液に含まれる抗体とどれだけ反応するかを実験しました。

    その結果、「ミュー株」に対しては、ウイルスの働きを抑えるのに必要な抗体の量は、従来のウイルスに比べ9.1倍多くなっていて、抗体の働きが低下していることが分かったということです。

    グループによりますと今のワクチンは抗体以外にもさまざまな免疫の反応が期待できるため、今回の実験だけではワクチンの効果への影響は分からないということで、今後さらに研究が必要だということです。

    佐藤准教授は「新型コロナウイルスの変異は今後も続くと考えられる。今回の研究のようにウイルスの特徴を明らかにして、国際的に情報共有する仕組みを確立することが大切だ」と話しています。

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    新型コロナ デルタ株“空気感染”する?! いま分かっていること(9/13)

    2021年9月13日

    過去最大の感染拡大となった新型コロナウイルスの第5波。ようやくピークをすぎたとみられますが、感染力が強い「デルタ株」が主流になるにつれ「新型コロナは空気感染する」と考える人も出てくるようになりました。

    新型コロナは「飛まつ感染」と「接触感染」ではないの?
    空気感染するように変異しているのでしょうか?

    今、わかっていることをまとめました。

    日本の専門家が気付いた「マイクロ飛まつ」感染

    新型コロナの感染が国内で始まった時期の2020年2月、対策にあたっていた日本の専門家は感染の特徴に気付きました。

    当時WHO=世界保健機関などは、新型コロナはせきなどをした際に出される飛まつに含まれるウイルスを通じた「飛まつ感染」、それにウイルスのついた手で鼻や口を触ることで広がる「接触感染」としてきましたが…。

    札幌の雪祭りで暖を取っていた休憩所で感染したケースなど、室内で感染したケースをよく調べてみるとそれにとどまらない感染経路がある。密閉された空間で一定の時間、ウイルスが含まれたごく小さな飛まつがしばらく漂い、それを吸い込むことで感染することが分かりました。

    すぐに落ちてしまう「飛まつ」とは異なり、空間を漂う「マイクロ飛まつ」による感染があることに気付いたのです。

    この発見をもとに、手洗いや消毒、マスク無しでの会話を避けることに加え、「密閉・密集・密接」の3密を避けるという対策が生まれ、WHOなどでも紹介されるようになりました。

    デルタ株が主流になった今、さらに感染しやすくなって「空気感染」のようなことが起きているのでしょうか?

    「空気感染」とは どのような感染か?

    その前に、空気感染とはどのような感染なのでしょうか?

    感染者から出た唾液などの飛まつが乾燥し、その中の病原体が感染力を保持したまま空気に漂って広がります。これを吸い込むことで起きるのが「空気感染」。

    直径5マイクロメートル、1000分の5ミリ以下の「飛まつ核」が数時間漂い、同じ空間にいる人が吸い込んで感染するため、対策は最も難しいとされています。同じ部屋の離れた場所、たとえば教室の最前列でせきをしたら、最後部でも感染することがあるとされています。

    ただ、アメリカのCDC=疾病対策センターによりますと、空気感染するのは結核菌やはしか、水ぼうそう、帯状ほう疹のウイルスに限られています。

    はしかは対策を取らない場合、1人から12人~18人に感染するとしています。

    新型コロナでは「飛まつ」よりは小さいものの「飛まつ核」ほど小さくはなく、一定の時間空間を漂う「マイクロ飛まつ」での感染があるとされてきました。

    デルタ株の感染力「水ぼうそうと同程度」の可能性

    では、デルタ株ではどうなのでしょうか?

    CDCがデルタ株の感染力や広がり方について記したウェブサイトでは、これまでの2倍以上の感染力があり、ワクチン接種なしではより重症化する可能性があることなどが書かれていますが、「空気感染」についての記載はありません。

    また、政府の分科会が8月中旬にまとめた提言でも「感染力の強いデルタ株で感染拡大が起きやすくなっている」としながらも、「主な感染様式はこれまでと変わらず、飛まつ、もしくはマイクロ飛まつと考えられ、これまでの対策を徹底する必要がある」としています。

    一方、CDCの内部資料では、従来のウイルスでは、1人の患者は平均1.5人~3.5人程度に感染させていたのに比べ、デルタ株では平均5人~9.5人程度に感染させる可能性があるとしていて、最も高い場合には「水ぼうそうと同程度の感染力」がある可能性があると推定しています。

    専門家 “ウイルスの量の多さ影響”の可能性指摘

    新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、デルタ株の感染力が強いことは確かだとしながらも、現在のところ空気感染するという証明はされていないといいます。

    舘田教授
    「『空気感染』することを証明するには、感染した人から出た飛まつの中の水分が蒸発し、『飛まつ核』にウイルスが残って空気中を浮遊して感染を起こすような状態が観察される必要がある。新型コロナではまだそこまでは証明されていない」

    舘田教授は、デルタ株で感染力が強いのは患者が排出するウイルスの量が多いことが影響している可能性を指摘します。

    「臨床でも証明されつつあるが、ウイルス量が非常に多くなっていることが考えられる。そのために、あたかも空気感染するように見えるのか、注意して分析していかなければならない」

    ウイルス量 従来の4倍以上と推定 民間検査会社

    空気感染するとは証明されていないものの、デルタ株にはそう思わせるほどの感染力があります。さらに取材を進めるとこれを裏付けるデータがあることがわかりました。

    デルタ株では、患者から検出されるウイルスの量が従来の新型コロナウイルスの少なくとも4倍以上になると推定されることが民間の検査会社のまとめで分かったのです。

    データはPCR検査を1日最大で2万件余り行っている大手検査会社「ビー・エム・エル」がまとめました。

    PCR検査では検体に含まれる遺伝子を増幅させてウイルスの有無を調べます。増幅する回数は「Ct値」と呼ばれ、一般にこの値が40以内の場合には「陽性」とされています。「Ct値」が少ないのに検出されればウイルスの量が多いことを示します。

    「Ct値」が陽性とされる40回の半分、20回未満だった割合を調べたところ、
    ▽1月には全体の38.0%
    ▽イギリスで最初に確認されたアルファ株が広がった4月でも41.4%でした。

    それが、
    ▽デルタ株が主流となった7月には65.9%
    ▽8月には63.7%と高くなっていました。

    今回、それぞれの時期に最も頻度が高かったCt値をもとに推定すると、検体に含まれるウイルスの量は、デルタ株では従来型やアルファ株と比べて少なくとも4倍~64倍になると考えられるということです。

    「ビー・エム・エル」の山口敏和執行役員は「7月から明らかにCt値が小さくウイルスを多く含む検体を頻繁に目にするようになってきました。従来のウイルスと比べ、ここまで差があるとは想像していませんでした。ウイルス量に決定的な違いがあると言える」と話していました。

    ウイルス量多いこと前提に対策を

    このデータについて舘田教授は、患者から検出されるウイルスの量がデルタ株で多いことが国内のデータで示されたのは初めてだとしています。

    そして、ウイルスの量が多いことを前提に、
    ▽不織布マスクの着用
    ▽人と人との距離を保つこと
    ▽飲食時には斜め向かいに座ること
    ▽飲食時の会話ではマスクを着けること
    ▽換気を徹底することなどの対策を取ることが重要だとしています。

    特に換気がポイントで、1時間に1回~2回、1度に5分~10分程度行うことが重要だとしています。

    そのうえで「気温が低いと、ウイルスは飛まつの中で感染力を保ちやすいことが報告されている。秋冬にかけて気温が下がってくると、感染リスクが高まることも考えておかなければならない。今から徹底して対策を取ることが重要だ。ワクチンを打ったとしても、知らず知らずのうちに感染を広げている可能性があると考えて、油断せず対策を取ってほしい」

    「空気感染」明確な証拠には行き当たらずも 対策徹底を

    現在のところ、デルタ株で空気感染するという明確な証拠には行き当たりませんでした。

    しかし感染力が強いのは事実で、それを裏付けるデータは報告されてきています。

    ワクチン接種が進んだ国でもデルタ株によって感染が再拡大していることもあり、これまでの対策に加え、換気の徹底が必要なのは間違いありません。

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    「デルタ株」患者から検出のウイルス量 従来型の4倍以上か(9/13)

    2021年9月13日

    感染力の強いデルタ株では、患者から検出されるウイルスの量が、従来の新型コロナウイルスの少なくとも4倍以上になると推定されることが、民間の検査会社のまとめで分かりました。患者から検出されるウイルスの量がデルタ株で多いことが国内のデータで示されるのは初めてとみられ、専門家は、不織布マスクを着用し、換気を徹底する対策が必要だと話しています。

    データは、PCR検査を一日最大で2万件余り行っている、大手検査会社「ビー・エム・エル」がまとめました。

    PCR検査では、検体に含まれる遺伝子を増幅させてウイルスの有無を調べていて、増幅の回数が少ないのに検出されれば、ウイルスの量が多いことを示します。

    会社で、何回増幅させた段階で検出されたか調べたところ、20回未満だった割合が、
    ▽1月には全体の38.0%、
    ▽イギリスで最初に確認されたアルファ株が広がった4月でも41.4%でしたが、
    ▽デルタ株が主流となった7月には65.9%、
    ▽8月には63.7%と、高くなっていました。

    増幅する回数は「Ct値」と呼ばれ、一般にこの値が40以内の場合には「陽性」とされており、今回、それぞれの時期に最も頻度が高かったCt値をもとに推定すると、検体に含まれるウイルスの量は、デルタ株では、従来型やアルファ株と比べて少なくとも4倍から64倍になると考えられるということです。

    患者から検出されるウイルスの量がデルタ株で多いことが国内のデータで示されるのは初めてとみられ、会社の山口敏和執行役員は「7月から、明らかにCt値が小さくウイルスを多く含む検体を頻繁に目にするようになってきた。ウイルス量に決定的な違いがあると言える」と話しています。

    また、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「デルタ株は非常にウイルス量が多く、のどや唾液の中に多く存在する。ちょっとした会話でも出てくるマイクロ飛まつの中に相当量のウイルスがあると考え、不織布マスクを使うことに加え、換気を徹底するなどが必要だ」と話しています。

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    新型コロナ 国内で「イータ株」18人感染 国内で感染判明は初(9/10)

    2021年9月10日

    厚生労働省は、2020年12月以降、国内の検疫所で新型コロナウイルスの検査を受けて陽性となった18人が、WHO=世界保健機関が「注目すべき変異株」に指定する「イータ株」に感染していたと明らかにしました。国内で感染が判明したのは初めてです。

    「イータ株」は2020年12月にイギリスで最初に確認され、WHOは、2021年3月、感染力やワクチンの効果に影響を与える可能性などがある「VOI=注目すべき変異株」に指定しました。

    厚生労働省は、2020年12月から2021年9月3日までに国内に到着した人のうち、検疫の検査で陽性となった人の検体を国立感染症研究所で遺伝子解析した結果、合わせて18人がイータ株に感染していたと公表しました。

    国内でイータ株への感染が判明したのは初めてです。

    新型コロナウイルスの遺伝子配列を登録するウェブサイトによりますと、イータ株は、欧米を中心に70か国以上で感染が報告されています。

    注目すべき変異株には、南米を中心に感染が広がっている「ラムダ株」や、南米やヨーロッパで報告されている「ミュー株」、インドで見つかった「カッパ株」など合わせて5種類が指定されていて厚生労働省が監視を続けています。

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    【詳しく】“ミュー株”とは コロナ変異株 最新情報まとめ(9/2)

    2021年9月2日

    新型コロナウイルスの変異ウイルス「ミュー株」に国内で初めて、2人が感染していたことが分かりました。

    次々に現れる変異ウイルス。これまでにどのような種類が報告され、どのような特徴があるのかまとめました。

    「ミュー株」とは

    WHO=世界保健機関は、2021年8月30日付けで新型コロナウイルスの変異ウイルス「ミュー株」を「VOI=注目すべき変異株」に位置づけました。

    ギリシャ文字で「ラムダ」に続く文字として今回、「ミュー株」とされました。

    WHOによりますとミュー株は、2021年1月に南米のコロンビアで初めて確認されて以降、南米やヨーロッパで感染が確認されていて、特にコロンビアとエクアドルで増加傾向にあるということです。

    新型コロナウイルスの遺伝子配列を登録するウェブサイト「GISAID」によりますと9月2日の時点で42の国や地域で報告されいます。

    また、変異ウイルスの情報を集約している研究機関のウェブサイトによりますとミュー株は、ウイルスの「スパイクたんぱく質」の遺伝子に「N501Y」という変異や抗体の攻撃から逃れる「E484K」という変異などが含まれていて、この2つの変異は南アフリカで確認され、WHOが「VOC=懸念される変異株」に位置づけている「ベータ株」にもみられるということです。

    WHOによりますと予備的なデータでは「ベータ株」と同様にワクチンなどで得られた免疫の働きが下がるという報告があるということですが、詳しい性質を確定するにはさらに研究が必要だということです。

    このためWHOでは特に「デルタ株」と同時に流行する場合などミュー株の状況を注視していくとしています。

    WHO=世界保健機関は
    ▽感染力が強まる
    ▽感染した際の重症度が上がる
    それに
    ▽ワクチンの効果が下がる
    などの性質の変化が起こったとみられる変異ウイルスを「懸念される変異株=VOC」として国際的に警戒するよう呼びかけています。

    また、
    ▽感染力やワクチンの効果などに影響を与える可能性がある変異ウイルスや
    ▽国や地域を越えて見つかっている変異ウイルスなどを
    「注意すべき変異株=VOI」としていてます。

    WHOは特定の国への差別的な扱いを防ぐため変異ウイルスをギリシャ文字で呼ぶよう提唱していてます。

    2021年9月2日現在、「VOC」と「VOI」として合わせて9種類の変異ウイルスを挙げています。

    「懸念される変異株=VOC」は4種類

    WHOが「VOC」としている変異ウイルスは4種類あります。

    「アルファ株」

    イギリスで見つかった変異ウイルスの「アルファ株」は2020年12月上旬に初めて報告され、その後、世界中に広がりました。

    このウイルスには「スパイクたんぱく質」に「N501Y」と呼ばれる変異があることが分かっています。

    これは「スパイクたんぱく質」の501番目のアミノ酸がアスパラギン(略号N)からチロシン(略号Y)に置き換わっているという意味です。

    WHOがまとめた情報によりますと、この変異ウイルスは従来のウイルスに比べて感染力が強く、入院や重症それに亡くなるリスクも高くなっているということです。

    一方で、ワクチンの効果についてファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンでは大きな影響はないとしています。

    「ベータ株」

    南アフリカで最初に見つかった変異ウイルスは「ベータ株」と呼ばれています。

    2020年5月には発生していたとされ、11月中旬に南アフリカで行われた解析ではほとんどがこの変異ウイルスだったとみられています。

    「N501Y」の変異に加えて抗体の攻撃から逃れる「E484K」という変異もあることから、ワクチンの効果への影響が懸念されています。

    WHOのまとめによりますと、ファイザーのワクチンとモデルナのワクチンについては影響は「最小限にとどまる」とする研究から、「相当程度低下する」とした研究まで幅があるとしています。

    「ガンマ株」

    ブラジルで広がった変異ウイルスは「ガンマ株」と呼ばれています。2021年1月6日、ブラジルから日本に到着した人で最初に検出されました。

    ブラジルでは2020年11月のサンプルで確認されていて、WHOによりますと2021年3月・4月の時点ではブラジルで遺伝子を詳しく調べた検体のうち83%に上ったとしています。

    南アフリカで確認された「ベータ株」と同様に「N501Y」に加えて抗体の攻撃から逃れる「E484K」の変異もあることが分かっています。

    WHOのまとめによりますと、ファイザーとモデルナ、アストラゼネカそれぞれのワクチンについては、影響は「少なかった」とする研究から「中程度あった」とする研究まで報告されているとしています。

    「デルタ株」

    WHOはインドで見つかった「L452R」という変異が入った3種類の変異ウイルスのうち、最も感染が拡大したタイプを「デルタ株」と呼んでVOCとしています。

    感染力は強まっているとされ、感染した場合に入院に至るリスクも高まっている可能性が指摘されています。

    ワクチンの効果について、WHOのまとめではファイザーのワクチンではウイルスを中和する効果への影響は、無いかもしくは最小限だったという研究結果が示されています。

    「注意すべき変異株=VOI」は5種類

    WHOが「VOI」に位置づけている変異ウイルスは「ミュー株」を含めて5種類あります。

    「イータ株」

    ▽「イータ株」
    2020年12月にイギリスで最初に確認された変異ウイルスです。

    「イオタ株」

    ▽「イオタ株」
    アメリカ ニューヨークで見つかった変異ウイルスです。

    「カッパ株」

    ▽「カッパ株」
    インドで見つかった変異ウイルスで「デルタ株」と同様に「L452R」の変異が起こっています。

    「ラムダ株」

    ▽「ラムダ株」
    ペルーで最初に報告された変異ウイルスで、WHOによりますと、2021年6月15日時点で29の国や地域から報告されていて、特にペルーやチリなど南米で多く報告されているということです。感染力やワクチンの効果への影響などについてはまだよく分かっていないということです。

    その他の変異ウイルス

    それぞれの国では各地の実情に合わせて独自に「VOC」や「VOI」となる変異ウイルスを決めています。

    日本でも国立感染症研究所が2021年9月2日時点でWHOの「VOC」となっている4種類の変異ウイルスをすべて「VOC」に指定しているほか「VOI」として「カッパ株」を指定しています。

    いずれも海外から入ってきたとみられていますが、詳しい起源は不明で、感染力は変わらないと考えられています。

    また、これらの変異ウイルスがワクチンの効果を完全に無効化するとは考えにくいものの、効果を低下させる可能性を考えると、感染状況を注視する必要があるとしています。

    世界では新型コロナウイルスの遺伝子配列がデータベースに公開されていて新たな変異ウイルスが次々と報告されています。

    WHOは各国に対し、ウイルスの広がりを見る調査や戦略的な検査、ゲノム解析などを通じて、対策を強化し続けてほしいとしています。

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    変異ウイルス「ミュー株」国内初確認 “ワクチンに影響も”WHO(9/2)

    2021年9月2日

    2021年7月にかけて空港の検疫所で新型コロナウイルスの検査を受けて陽性と確認された2人が、WHO=世界保健機関が「注目すべき変異株」に指定した変異ウイルスの「ミュー株」に感染していたことが分かりました。国内で確認されたのは初めてです。

    変異ウイルスの「ミュー株」は南米やヨーロッパで報告され、WHOは8月30日、ワクチンの効果や感染力に影響を与える可能性などがある「VOI=注目すべき変異株」に位置づけました。

    厚生労働省が、検疫の検査で採取された検体について遺伝子解析の結果をさかのぼって調べたところ
    ▽2021年6月26日にUAE=アラブ首長国連邦から成田空港に到着した40代の女性と
    ▽7月5日にイギリスから羽田空港に到着した50代の女性の2人が
    ミュー株に感染していたことが分かったということです。

    国内でミュー株への感染が判明したのは初めてで、国立感染症研究所の脇田隆字所長は「さまざまな変異ウイルスが出てくるが従来のウイルスを押しのけて拡大する状況があれば注意が必要で、情報を集めていく必要がある」としています。

    WHOによりますと、ミュー株はワクチンの効果に影響を与える可能性があると指摘されていて、ことし1月にコロンビアで初めて確認されて以降、30か国以上で感染が報告されています。

    加藤官房長官「変異株の動向を監視」

    加藤官房長官は、9月2日午前の記者会見で「WHO=世界保健機関によると『ミュー株』の変異には、ワクチンへの影響がある可能性が示唆されているが、さらなる調査が必要とされているところだ」と述べました。

    そのうえで「引き続き情報収集をしっかり行い、検疫で陽性が判明した検体全例について、国立感染症研究所でゲノム解析を実施する。また、国内におけるゲノムサーベイランスにより変異株の動向を監視し、海外における感染動向も踏まえながら、水際対策においても不断の見直しを行っていきたい」と述べました。

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    新たな変異ある「デルタ株」検出 感染力への影響分からず(8/31)

    2021年8月31日

    新型コロナウイルスの流行の主流となっている感染力の強い変異ウイルス、「デルタ株」について、新たな変異があるウイルスが国内で初めて検出されたと、東京医科歯科大学のグループが発表しました。感染力などに影響があるかどうかは分かっていないということで、グループはさらに解析を進めるとしています。

    これは東京医科歯科大学の武内寛明 准教授らのグループが発表しました。

    グループでは、8月中旬に大学の附属病院を受診した患者から「デルタ株」の変異ウイルスを採取し、遺伝子を詳しく調べたところ、「N501S」という変異があることが分かりました。

    この変異があるデルタ株の報告は世界で8例しかなく、国内では初めてだということで、遺伝子の特徴などから国内で変異したとみられるということです。

    この変異はイギリスで最初に見つかった「アルファ株」にある「N501Y」の変異に似ていますが、感染力などに影響があるかどうかは分かっていないということです。

    グループでは引き続き解析を進めるとしていて、武内准教授は「感染が広がると国内でも次々と新たな変異株が出る可能性があるので、なんとか感染を抑える必要がある。遺伝子を解析するウイルスの監視体制もさらに拡充しないといけない」と話していました。

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    気になるワクチン副反応は? デルタ株とラムダ株の特徴は?(8/16)

    2021年8月16日

    いま国内のほとんどの地域で、新型コロナウイルスは変異ウイルスの”デルタ株”に置き換わったと推定されています。そのうえ、新たに”ラムダ株”という変異ウイルスも検疫で見つかっています。
    次々に現れる変異ウイルス。中でもデルタ株とラムダ株についてどのようなウイルスなのか、まとめました。

    気になるワクチンの副反応は

    まずは気になるコロナワクチンの副反応ですが、どれくらい報告されているでしょうか。

    2021年8月4日にワクチンの副反応の専門部会で示された厚生労働省の研究班の資料によりますと、ファイザーのワクチンの主な副反応は▽うずくような痛み、とう痛が出た人が1回目の接種後は92.6%、2回目の接種後は89.5%、▽けん怠感が出た人が1回目の接種後は23.2%、2回目の接種後は68.9%、▽頭痛が1回目の接種後は21.4%、2回目の接種後は53.1%、▽かゆみが1回目の接種後は8.0%、2回目の接種後は11.9%、▽38度以上の発熱が1回目の接種後は0.9%、2回目の接種後は21.3%などとなっています。

    また、モデルナのワクチンでは、2回目の接種後に副反応が出る割合が多く、▽うずくような痛み、とう痛が出た人が1回目の接種後は86.5%、2回目の接種後は88.2%、▽けん怠感が出た人は1回目の接種後は26.8%、2回目の接種後は83.9%、▽頭痛が1回目の接種後は17.4%、2回目の接種後は67.6%、▽かゆみが1回目の接種後は5.3%、2回目の接種後は13.7