Q.これまでのウイルスと違いは?

A.
ウイルスは「細菌」とは違って単独では増えることができません。新型コロナウイルスもヒトや動物の生きた細胞の中に入り込み、細胞にある材料を使ってみずからの複製を作らせることで増えていきます。

このとき、ウイルスの遺伝子が大量にコピーされます。

ところが、何度もコピーを繰り返すうちに遺伝情報を受け持つRNAと呼ばれる物質の並びにごく小さなミスが起こります。

これが「変異」です。

新型コロナウイルスでは、感染を繰り返していくと2週間に1か所ほどのペースで小さな変異が起こることが、これまでの研究で分かっています。

ただ、こうした変異は非常に小さいため、ほとんどの場合は、ウイルスの性質が変化するほどの影響はありません。

ところが、小さな変異でも遺伝情報の重要な部分に起こってしまうと、ウイルスの性質が変わってしまうことがあります。

▽イギリスで確認された変異ウイルス
▽南アフリカで広がった変異ウイルス
▽ブラジルで広がった見つかった変異ウイルス
これらはいずれも変異によって性質が変化した新型コロナウイルスです。

この3つに共通しているのは、ウイルスの「スパイクたんぱく質」という部分の遺伝情報に変異が起こっていることです。

このスパイクたんぱく質は新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染する際の足場となる非常に重要な部分で、変異によって性質が変わったことでこれまでの新型コロナウイルスより感染しやすくなっていると考えられています。