科学と文化のいまがわかる
デジタル
2019.05.25
アメリカでロシア疑惑などをめぐって、トランプ大統領と対立する野党・民主党のペロシ下院議長がろれつが回っていないように加工された偽の動画がSNSで拡散し、200万回以上再生されています。動画は簡単な加工で作られたもので、多くの人が容易にだまされたとして驚きをもって受け止められています。
偽の動画は、今月22日に首都ワシントンで行われた集会でペロシ下院議長がトランプ大統領について話す様子を写しだしています。
動画では、ろれつが回っていないように加工されており、記事の真偽を確かめる「ファクトチェック」を行っている機関によりますと、元の動画の再生速度を遅くし、声の高さが補正されているということです。
動画は22日に保守的なグループのフェイスブックに載せられ、その後、トランプ大統領の弁護士が、「ペロシ下院議長に何があった?奇妙な話し方だ」とツイッターに書き込んでリツイートしたほか、多くの人がSNSでペロシ下院議長は病気であるとか、酔っ払っているなどとコメントをつけて拡散し、200万回以上再生されたということです。
最近では、AI=人工知能を使って本物と見分けがつかないほど巧妙な偽の動画を作る「ディープフェイク」の技術に警戒が強まっていますが、アメリカのメディアは、簡単な加工で作られた偽の動画でも多くの人が容易にだまされたとして驚きをもって伝えています。