文化

大阪 四天王寺の亀形の石造物 7世紀 飛鳥時代の作か

大阪 四天王寺の亀形の石造物 7世紀 飛鳥時代の作か

2019.04.26

大阪 天王寺区にある四天王寺の亀の形をした石造物が7世紀・飛鳥時代に作られたものとみられることが分かりました。同じ亀の形をした石造物は奈良県の酒船石遺跡でも見つかっていて、専門家は、四天王寺が飛鳥時代、重要な場所であったことを示す貴重な資料だとしています。

これは調査を行った四天王寺と元興寺文化財研究所のグループが発表したものです。

四天王寺の亀井堂には亀をかたどった石の水槽と、そこから出た水を受ける同じく亀の形をした石の水槽があり、古くから儀式などで使われてきました。

グループがこの2つの石造物を調査したところ、古墳時代から飛鳥時代に使われていた「竜山石」と呼ばれる石が使われていたことが分かりました。
また、2つの石の水槽のうち、水が流れ出す水槽にある亀をかたどった石造物は当初は単純なつくりで、後の時代に削るなどして亀の形にしていたこともわかりました。

こうした構造は奈良県明日香村にある斉明天皇ゆかりとされる酒船石遺跡の亀形石造物と同じで、作られたのも同じ7世紀ごろと考えられるということです。

元興寺文化財研究所の佐藤亜聖研究員は「四天王寺が当時の国家にとって重要な場所であったことを示す資料だ。酒船石遺跡と比較することで当時の祭しについて考える手がかりとなる」と話していました。

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