文化

邪馬台国候補地の遺跡でカエルの骨見つかる 祭祀に使用か

邪馬台国候補地の遺跡でカエルの骨見つかる 祭祀に使用か

2019.04.25

邪馬台国の有力な候補地とされる奈良県桜井市の纒向遺跡で、祭祀(さいし)に使われたとみられるカエルの骨が見つかり、専門家はカエルが供えられたことを示す具体的な資料で、当時の祭しを知るうえで貴重な発見だとしています。

桜井市の纒向遺跡は、3世紀から4世紀にかけての大規模な集落跡で、女王、卑弥呼が治めた邪馬台国の有力な候補の一つとされています。

遺跡では9年前、3世紀前半の大型建物跡のそばに掘られた穴の跡から、古代中国で神聖な果物とされ、当時の祭しに使われたとされる2000個以上の桃の種とともに、動物の骨が見つかりました。

この動物の骨を奈良女子大学の宮路淳子教授と琉球大学博物館の中村泰之協力研究員が詳しく調べたところ、12匹分のカエルの骨、合わせて117点が含まれていることが分かりました。

カエルの骨には無数の傷があり、個体ごとではなくバラバラの状態で埋まっていたということで、宮路教授は「カエルが桃などと一緒に意図的に埋められていて、祭しに使われた可能性がある」と話しています。

また古代の祭しに詳しい同志社大学の辰巳和弘元教授は「地面をふんばって跳びはねるカエルは大地の主とされ、古代中国では霊力のある動物とされている。そのカエルが供えられたことを示す初めての具体的な資料で、当時の祭しを知るうえで貴重な発見だ」と話しています。

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