「北海道・三陸沖後発地震注意情報」 1000人アンケート
北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」「日本海溝」やその周辺で、マグニチュード7クラスの地震が起きた場合にその後の巨大地震の発生に注意を呼びかける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」。NHKがアンケート調査を行った結果、7割近くが「聞いたことがない」と回答するなど、情報の普及や理解が進んでいないことがわかりました。
2023年12月のニュースなどで紹介
目次
アンケート調査は、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」で防災対応が求められる北海道と青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県の対象地域に住む1000人を対象に、2023年11月、インターネットで行いました。
>>WEB特集『「聞いたことがない」約7割 リスクや情報の意味、各地の対策』はこちら【Q1】千島海溝・日本海溝沿いで想定される巨大地震を知っていた?
北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」「日本海溝」沿いでは、300~400年の間隔で大津波を伴う巨大地震が発生することが想定されています。国は、17世紀を最後に巨大地震が発生していないことから「次の巨大地震の発生が切迫している」としていますが、そのことを知っていましたか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q2】「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を聞いたことがある?
「千島海溝」「日本海溝」沿いでマグニチュード7クラスの地震が発生した場合、国はおおむね2時間後をめどに「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し、その後のマグニチュード8クラス程度の巨大地震への注意を呼びかけることにしています。この情報の名称(「北海道・三陸沖後発地震注意情報」)を聞いたことがありますか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q3】情報発表時に後発地震が発生する確率は?
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されたあと、マグニチュード8クラス程度の後発地震が発生する確率はどのくらいだと思いますか?
【Q4】情報発表時の行動を知っている?
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されたときに、どのように行動したらいいか知っていますか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q5】情報発表時にどのような行動を取る?
あなたの地域に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表され、その後の巨大地震への注意が呼びかけられた場合、あなたはどのような行動を取りますか?あてはまるものを全て選んで下さい。
【Q6】情報発表時に懸念されることは?
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表された場合に懸念されることはありますか?あてはまるものをすべて選んで下さい。
【Q7】国や自治体の周知は進んでいる?
今年の12月16日で、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用が始まってから1年になります。国や自治体による周知は進んでいると思いますか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q8】情報は防災対応にいかせる?
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、あなたの防災対応にいかせると思いますか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q9】東日本大震災の前に起きた地震での対応は?
2011年3月9日にマグニチュード7.3の地震が発生し、東北の太平洋沿岸に津波注意報が発表され、北海道から近畿にかけての広い範囲で揺れを観測しました。その2日後の3月11日にマグニチュード9クラスの巨大な後発地震(東北地方太平洋沖地震)が発生し、東日本大震災をもたらしました。3月9日の地震の際、揺れや津波への備えを再確認しましたか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q10】寒さをしのぐための備蓄は行っている?
巨大地震が冬に発生した場合、停電などで暖房器具が使えなくなるおそれがあります。食料や飲み水などの通常の備蓄だけでなく、防寒具や使い捨てカイロ、防寒シートなど自力で寒さをしのぐための備蓄は行っていますか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q11】冬の発生を想定した避難訓練は行われている?
お住まいの地域で巨大地震が冬に起きることを想定した避難訓練は行われていますか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q12】津波による浸水は想定されている?
お住まいの地域は、津波による浸水が想定されている地域ですか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q13】すぐに逃げられる津波からの避難場所はある?
Q12で「津波による浸水が想定されている」と答えた方に伺います。巨大地震が発生した場合、すぐに逃げられる安全な津波からの避難場所はありますか?あてはまるものを1つ選んで下さい。
【Q14】冬の発生を想定した場合に津波から避難できる?
Q12で「津波による浸水が想定されている」と答えた方に伺います。冬場は雪や路面の凍結により避難にかかる時間がふだんより長くなるおそれが指摘されています。冬の発災を想定した場合、津波が到達するまでにその場所に避難できると思いますか。
【Q15】巨大地震に備え、国や自治体に求めたいことは?
「千島海溝」「日本海溝」沿いの巨大地震の発生に備え、国や自治体に求めたいことはありますか。あてはまるものをすべて選んで下さい。
【Q16】自由記述
「千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震」や「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について思うことや対策状況など、自由に記載してください。(一部抜粋・原文ママ)
「函館市は南北に細長い町もし注意報が発表されたら函館山か、北の札幌方向に避難するしかないため道路は渋滞して、パニックになると思われる」
「みんながパニックになりそう」
「東日本大震災の記憶がだんだんと薄れてきているし、備蓄も物価高もあいまって日々の生活に精一杯でしなくなりつつあるので、準備はしておかなければならないと思った」
「まだまだ危機感を持ってる人は少ないと思う」
「自分も含めて現段階でこの事を知っている人が少ないと思うので、もっと分かりやすく積極的に国民に周知されるようにする必要がある」
「情報が発表された後に、社会活動をどの程度普段通りするのかが不明確。会社でも何かすべきだと思う」
「南海トラフ地震などとの違いなど、一般的に広く知られていないと思う。注意する内容をモデルケースを挙げて説明したものがあれば分かりやすさが増すかと思う」
「東日本大震災を福島で経験し、今は函館に住んでいます。当時、ガソリンは入れれない、地域によっては停電もありました。もし、真冬に大地震があったら。と思うと何をどう備えれば良いか心配です」
「自然災害なので、どうすることも出来ない」
「住んでいる地域が全域海抜が低く、津波時に避難するところがない」
「個人で考えるより各職場や学校などで周知しないと混乱すると思う」
「実際のところ、南海トラフも来てないので、これも来るかわからないです」
「いろいろ考えるが結局パニックになって何もできないんじゃないかと思う」
「東日本大震災を経験して、その深刻さを実感している。個人の心がけも必要だが、国の対策がとても重要だと思う」
「とにかく周知が足りていない」
「震災を経験したのに備えが最近はおろそかになっているので対策したい」
「寒い時期に巨大地震が起きた場合を想定した、避難所の対策が急務だ」
「こんな大事な情報なのに今まで全く聞いたことがなかった」
「概要はなんとなくわかるが、どういう性質の情報でどのくらいの必要性があるのかよくわからない」
「事前に出来る準備はしておきたいと思うが、いざ発生した場合、近所は高齢者ばかりだし避難場所までいける自信がないし、避難場所も被災すると思う。あきらめている部分もある」
「何となく準備をしてますが、やはり冬に起こることが恐ろしいです。灯油ストーブや携帯ガスコンロはあるが見直しが必要と感じました」
「どうしても地震の予測情報は、「どうせ当てにならないんでしょ」というように思ってしまう。どんなに注意喚起したところでほとんどの国民がそんな感じだろうと思う。注意喚起以外の対策が必要だろうと思う」
「相当意識が高い人にしか伝わらないと思う。みんな日々の生活の方が大事だから」
アンケート担当 社会部 記者 宮原豪一・徳田隼一
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