知っておきたい防災・気象用語【大雪・低温編】
さまざまな種類があって難しく感じることもある防災情報。気象庁や防災機関から発表される情報のうち、「大雪」と「低温」に関わる用語の基本を解説します。ことばの意味を知って早めの備えに役立てて下さい。
大雪関連ニュースや解説で放送された内容をまとめた記事です
目次
特別警報(大雪/暴風雪)
大雪特別警報(おおゆきとくべつけいほう)
数十年に一度の降雪量となる大雪が予想される場合に発表。重大な災害が発生、もしくはいつ発生してもおかしくないような状況です。立往生など大規模な交通障害、長期の孤立、雪の重みによる建物の倒壊などに最大級の警戒が必要。頑丈な建物などに避難が可能であれば早めの移動を。
暴風雪特別警報(ぼうふうせつとくべつけいほう)
数十年に一度の強度の台風と同程度の温帯低気圧により雪を伴う暴風が吹くと予想される場合に発表。重大な災害が発生、もしくはいつ発生してもおかしくないような状況です。建物の倒壊、危険な飛来物、立往生など大規模な交通障害、長期の孤立などに最大級の警戒が必要。
警報(大雪/暴風雪)
大雪警報(おおゆきけいほう)
雪による建物の被害や交通障害など、重大な災害が発生するおそれがあると予想した時に発表。
暴風雪警報(ぼうふうせつけいほう)
風速20m/s以上の「非常に強い風」が予想され、雪を伴う暴風により重大な災害が発生するおそれがあると予想した時に発表。暴風による災害に加え、暴風で雪が舞い視界が遮られることによる災害のおそれについても警戒を呼びかける。
顕著な大雪に関する気象情報
「短時間」の大雪によって平地でも大規模な交通障害が発生するおそれが高まったときに出される情報。 山形・福島・新潟・富山・石川・福井・滋賀・京都・兵庫・鳥取・島根・岡山・広島の気象台ごとの府県情報として発表されます。立ち往生などの交通障害のほかにも、歩行困難や転倒事故、落雪、倒木などにも警戒が必要。
注意報(大雪/風雪/なだれ/着雪/着氷/融雪/低温/霜)
大雪注意報(おおゆきちゅういほう)
雪による住家等の被害や交通障害など、災害が発生するおそれがあると予想した時に発表。
風雪注意報(ふうせつちゅういほう)
雪を伴う強風により災害が発生するおそれがあると予想した時に発表。強風による災害に加え、強風で雪が舞って視界が遮られることによる災害のおそれについても注意を呼びかける。
なだれ注意報(なだれちゅういほう)
雪崩による災害が発生するおそれがあると予想した時に発表。山などの斜面に積もった雪が崩落することによる人や建物の被害が発生するおそれがあると予想した時に注意を呼びかける。
着雪注意報(ちゃくせつちゅういほう)
著しい着雪により災害発生のおそれがあると予想した時に発表。雪が付着することによる電線等の断線や送電鉄塔等の倒壊等の被害に注意を呼びかける。
着氷注意報(ちゃくひょうちゅういほう)
著しい着氷により災害発生のおそれがあると予想した時に発表。水蒸気や水しぶきの付着・凍結による通信線・送電線の断線、船体着氷による転覆・沈没等の被害発生に注意を呼びかける。
融雪注意報(ゆうせつちゅういほう)
融雪により災害発生のおそれがあると予想した時に発表。積もった雪が融解することによる土砂災害や浸水害の発生に注意を呼びかける。
低温注意報(ていおんちゅういほう)
低温により災害発生のおそれがあると予想した時に発表。低温による農作物の被害(冷夏も含む)や水道管の凍結や破裂による著しい被害の発生に注意を呼びかける。
霜注意報(しもちゅういほう)
霜により災害発生のおそれがあると予想した時に発表。春・秋に気温が下がって霜が発生することによる農作物や果実の被害発生に注意を呼びかける。
猛吹雪・吹雪/積雪・降雪 違いは?
猛吹雪(もうふぶき)
風速15m/s程度以上の「強い風」が雪を伴って吹く状態。降雪がある場合と、降雪はないが積もった雪が風に舞上げられる場合(地ふぶき)とがある。
吹雪(ふぶき)
風速10m/s程度以上の「やや強い風」が雪を伴って吹く状態。降雪がある場合と、降雪はないが積もった雪が風に舞上げられる場合(地ふぶき)とがある。
積雪(せきせつ)
現在(観測した時点)積もっている雪の深さ(cm)。「○○時の積雪は○○センチ」などと表現される。
降雪(こうせつ)
時間ごとに降った雪の深さ(cm)。1、3、6、12、24、48、72時間に降った積算の「雪の量」で表現されるため、現時点で積もっている雪の深さを示す「積雪」とは異なる(重さで締め固まったり、溶けたりして減ることが多い)。「この○時間に降った雪の量は○○センチ」などと表現される。
ホワイトアウト・ブラックアイスバーン・JPCZ
ホワイトアウト
雪や吹雪によって視界が白一色になる現象であり、視界の近い距離において雪以外に識別できる物が無い状況。徒歩や車での移動が困難になり大変危険。
ブラックアイスバーン
道路や歩道の路面が黒く見えていても、実際は凍りついている状況。雪がとけて無くなったと思っても路面が凍りついてすべりやすくなっている。特に雪がとけてからでも低温の場合は危険な状態が続き、車のスリップや歩行の転倒事故につながる場合があり注意。
JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)
朝鮮半島の北側の山でいったん2つに分かれた風が日本海でぶつかって1つに収束することで形成され、発達した雪雲が帯状に連なるほか、小さな低気圧が発生することも。山沿いに限らず、都市部でも急激に雪が強まり、交通などへの影響が大きくなる。新潟県や北陸など日本海側で記録的な大雪をもたらしやすくなる。
大雪の備え(立往生・転倒事故・雪下ろし)
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