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サモアとは

世界ランキングとW杯過去成績
世界ランキング11位のサモアは、ワールドカップには、9大会連続9回目の出場で過去最高成績は、1991年と1995年のベスト8です。(※2023年9月11日現在)
W杯出場までの道のり
サモアは、前回の日本大会で1次リーグ4位となり、各組3位までに与えられるフランス大会への出場権を得られませんでした。2021年に行われたオセアニア予選で、トンガと2試合対戦し、合計得点79対28で勝ってフランス大会への出場権を手にしました。
ラグビースタイル
サモア代表は、サモアの獣を意味する「マヌ・サモア」の愛称で呼ばれ、試合前には戦いの舞「シバタウ」を披露することでも知られています。
世界ランキング | 11位 ※2023年9月11日現在 |
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W杯出場回数 | 9大会連続9回目 |
戦歴 | ベスト8(1991,1995年) |
日本との対戦
日本は7月22日に今シーズン初のテストマッチでサモアと対戦しました。試合途中、リーチ マイケル選手が危険なタックルで退場し、1人少ない状況での戦いを強いられ、22対24で敗れ、通算の対戦成績は5勝12敗となりました。しかし、ワールドカップでは2大会連続で対戦し、2015年は26対5、2019年は38対19でいずれも日本が勝っています。ワールドカップ本番で3大会連続の勝利を挙げることができるか。日本とサモアの対戦は現地時間の9月28日、日本時間29日早朝に行われる1次リーグ第3戦です。
注目選手は

サモアは2022年にラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」が採用した選手がプレーする代表チームを1回だけ変更できるというルールを適用し、元ニュージーランド代表のスタンドオフ、リマ・ソポアンガ選手や、プロップのチャーリー・ファウムイナ選手を代表に選出するなどチームを強化していて、スピードと激しいパワープレーが持ち味の攻撃的なチームです。

セイララ・マプスアヘッドコーチは、大会前のNHKの取材に対し「ゲームのフィジカルな側面を楽しむ。衝突も楽しむ。それがわれわれの本当の強さだと思う。ゲームプランのことをあまり気にしたり、考えすぎたりすることはない」と話していて、本大会でも攻撃的なプレーが見られそうです。
サモア代表メンバー
ラグビーのワールドカップフランス大会に臨むサモア代表のメンバーです。
ポジション | 代表メンバー |
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FW(PR) | マイケル・アラアラトア(191cm/128kg)共同キャプテン |
FW(PR) | ポール・アロ エミール(180cm/132kg) |
FW(PR) | チャーリー・ファウムイナ(185cm/130kg) |
FW(PR) | ヨルダン・レイ(184cm/115kg) |
FW(HO) | セイララ・ラム(183cm/110kg) |
FW(HO) | サマ・マロロ(183cm/109kg) |
FW(HO) | ルテル・トライ(179cm/119kg) |
FW(LO) | クリス・ブイ(201cm/120kg)共同キャプテン |
FW(LO) | ブライアン・アライヌウエセ(202cm/135kg) |
FW(LO) | ミラクル・ファイランギ(193cm/108kg) |
FW(LO) | セオドア・マクファーランド(198cm/115kg) |
FW(FL/NO.8) | ソオタラ・ファアソオ(195cm/130kg) |
FW(FL/NO.8) | アラマンダ・モトゥガ(180cm/110kg) |
FW(NO.8) | フリッツ・リー(195cm/118kg) |
FW(NO.8) | スティーブン・ルアトゥア(194cm/114kg) |
BK(SH) | エレアタラ ソティアカ・エナリ(178cm/84kg) |
BK(SH) | メラニー・マタバオ選手(171cm/73kg) |
BK(SH) | ジョナサン・タウマテイネ(181cm/87kg) |
BK(SO/CTB) | クリスチャン・リアリーファノ(179cm/92kg) |
BK(SO) | アライ ダンジェロ・レウイラ(175cm/85kg) |
BK(SO) | リマ・ソポアンガ(175cm/91kg) |
BK(CTB) | ナイジェル・アー ウォン(193cm/102kg) |
BK(CTB) | トゥムア・マヌ(183cm/97kg) |
BK(CTB) | ダンカン・パイアアウア(180cm/91kg) |
BK(CTB) | ウルパノ・セウテニ(185cm/100kg) |
BK(CTB) | ダニー・トアラ(176cm/95kg) |
BK(WTB) | エド・フィドウ(188cm/100kg) |
BK(WTB) | ネリア・フォマイ(178cm/98kg) |
BK(WTB) | ベン・ラム(194cm/105kg) |
元日本代表 五郎丸歩さんに聞く~サモア戦のポイントは?

五郎丸歩さんは福岡市出身の37歳。現役時代は日本を代表するフルバック。正確なキックが持ち味で、テストマッチ通算711得点は最多記録。2015年のワールドカップで、強豪・南アフリカからの歴史的勝利に貢献し、大会のベストフィフティーンに選ばれる。プレースキックの際、両手を体の前に合わせる独特な「五郎丸ポーズ」で大きな注目を集めました。
前回のベスト8を上回るベスト4以上を目指す日本代表にとって、第3戦をどのような状況で迎えているか。相手は世界ランキングが日本の14位に対して、11位のサモア代表です。試合の見どころについて、元日本代表の五郎丸歩さんが解説します。
(※ランキングは2023年9月11日現在)
(聞き手:スポーツニュース部 記者 小林達記)
サモア戦のポイントは?

サモアとは、ことし7月に札幌でテストマッチを行い、22対24で敗れました。
この試合、日本は前半30分にリーチ マイケル選手が危険なタックルで退場となり14人での戦いを強いられ、本当の実力をはかるのが難しい試合となりました。
Q.サモアの印象は?
五郎丸さん
2015年、2019年のワールドカップと大きく代表資格のフォーマットが変わって、他チームの代表として試合に出ていた選手でも、一定期間試合に出ていなければ、自分の血縁関係の近いところなどの代表としてワールドカップに出場できるようになりました。オールブラックス(ニュージーランド代表)やワラビーズ(オーストラリア代表)で世界のトップでやっていた選手がサモアに帰ってきてプレーしますし、計算がなかなか難しいところがあります。今までのサモアというのは強かったですが、日本の格下と言われたチームでした。ただ、今回、代表資格のフォーマットが変わったことによって、日本代表もかなり苦しめられるんじゃないかと思います。
Q.チームとしての特長は?

五郎丸さん
まずコンタクトが大好きなチームですね。体を当てることがとにかく大好きです。日本代表がアタックするときに真っ向勝負するとなかなか厳しい試合になります。なので相手に的を絞らせない形でアタックすることが非常に大事になってきます。
Q.日本のキーマンをあげるとすれば?

五郎丸さん
サモアはセットピースですね。日本はセットプレーで優位に立てる可能性が十分にあるので、稲垣啓太選手、堀江翔太選手、具智元選手などスクラム最前列の1番2番3番がキーになってくると思います。
7月のテストマッチの時はヨーロッパでプレーする選手が来日していませんでした。そうした選手が入ることについて、五郎丸さんは警戒すべきだと指摘します。
五郎丸さん
大きく変わりますね。世界のトップでやってきたメンバーや、日本でやってきたメンバーが帰ってきますから、先日のテストマッチの戦いとは全く変わってくる。非常に手ごわい相手ですね。
Q.1次リーグ全般のポイントは?

五郎丸さん
試合のスケジュールですね。2試合目、3試合目が(現地時間)21時からということで、日本国内で戦っている選手たちは21時の試合を経験したことないんですよ。遅くても19時半とかなので、21時にどうピークを持っていくかという部分。そこの準備、時間の過ごし方の調整は必要になってきます。21時に試合がある一方で、デーゲームもあるので、スケジュールの過ごし方ですね。キックオフまでにどうピークを持っていくか。ここはこの大会で大事になってくるポイントなんじゃないかなと思います。
21時キックオフの試合は、かなり涼しいコンディションで、夜露でボールが少し滑りやすくなります。ただ、ハイブリットの芝生だと聞いているので、そういった面では日本にとっては非常にいい環境でできるんじゃないかなと思いますね。
やはり天然芝だと芝生がすぐスパイクでめくれ上がってしまう。ハイブリッドの場合は人工芝と天然芝のミックスですから、芝生が完全にめくれ上がることはないと思います。スパイクのポイントと芝がしっかり噛むような状況です。スクラムが一番芝の影響を受けると思っています。