【決勝 ニュージーランド(2位)×南アフリカ(1位)】
決勝は、日本時間29日(日)午前4時からスタッド・ド・フランスで行われます。決勝の舞台にふさわしい、実力きっ抗のトップレベルの戦いが期待されます。
◆南アフリカ◆
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《プールB》
○南アフリカ 18-3 スコットランド
○南アフリカ 76-0 ルーマニア
●南アフリカ 8-13 アイルランド
○南アフリカ 49-18 トンガ
《準々決勝》
○南アフリカ 29-28 フランス
《準決勝》
○南アフリカ 16-15 イングランド
南アフリカ 2大会連続の決勝へ
愛称は“スプリングボクス”。前回王者で世界1位の南アフリカは、1次リーグでアイルランドに競り負けましたが、それ以外の試合では順調な試合運びで1次リーグを2位で通過しました。
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準々決勝のフランス戦では、地元のファンが大勢詰めかけるアウェーの状況の中、激しいシーソーゲームの末、1点差で勝利しました。
準決勝のイングランド戦は、一進一退の攻防が続く中、試合終了間際の後半38分にハンドレ・ポラード選手のペナルティーゴールで逆転し、再び1点差で勝利をものにしました。
前回、日本大会を制した南アフリカが厳しい戦いを勝ち上がり、連覇まであと1勝に迫りました。
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ジャック・ニーナバー ヘッドコーチ
「おそらく私たちのキャリアで最大の試合であり、歴史上、最も大切な試合になるかもしれない。ワールドカップの決勝で世界ナンバーワンとナンバーツーのチームが対戦し、どちらが勝ってもワールドカップで4回目の優勝をした最初のチームになる。とても偉大なことだ。ワールドカップの決勝は必ずしも華やかなものではない。厳しい戦いになるだろう」
注目はリーグワンでプレー デクラーク
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南アフリカの特長は、世界ナンバーワンと言われる圧倒的なフィジカルを生かしたラグビーですが、スピードとパスを駆使した展開も得意としています。
その核となるのが、日本のリーグワンでプレーするスクラムハーフのファフ・デクラーク選手です。
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正確で多彩なパスと身長1メートル72センチと小柄ながら激しいタックルが持ち味で、準々決勝、準決勝は、いずれも後半途中から出場して攻撃の起点となり、チームを勝利に導きました。
決勝は先発メンバーとして出場します。
◇ニュージーランド◇
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《プールA》
●ニュージーランド 13-27 フランス
○ニュージーランド 71- 3 ナミビア
○ニュージーランド 96-17 イタリア
○ニュージーランド 73- 0 ウルグアイ
《準々決勝》
○ニュージーランド 28-24 アイルランド
《準決勝》
○ニュージーランド 44- 6 アルゼンチン
ニュージーランド 初戦黒星も調子を上げ決勝に
世界ランキング2位のニュージーランドは、大会の開幕戦で地元フランスに敗れ、史上初めて1次リーグで敗れるという屈辱を味わいました。
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しかし、その後は3連勝して2位で決勝トーナメントに勝ち上がりました。
準々決勝は、この時点で世界ランキング1位だったアイルランドとの対戦でした。2枚のイエローカードで数的不利な時間帯がありながらも、粘り強い守備とテンポのいい攻撃で、試合の主導権を渡しませんでした。そして、4点リードで迎えた試合終盤もアイルランドの連続攻撃をしのぎきり、大接戦を制しました。
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準決勝のアルゼンチン戦は、鉄壁の守備陣がアルゼンチンに1つもトライを許さず、相手のミスを逃さない的確な攻めとフィジカルの強さを見せて、7つのトライを奪って大勝しました。
注目はリーグワンに加入するアーロン・スミス
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“オールブラックス”の愛称で知られ、世界中にファンがいるチームは、身体能力抜群の選手たちが豊富な運動量と圧倒的なフィジカルで展開するラグビーが今大会も健在です。
ここまで1試合あたりの平均トライ数は「8」と出場チームの中で最も多くなっています。
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決勝の注目は、こちらもスクラムハーフのアーロン・スミス選手です。
正確なパスにスピードのあるラン、そしてキックにも定評があり“世界屈指のスクラムハーフ”と呼ばれています。
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ここまでのパスの数は245と全選手で最多となっていて、強力な攻撃陣の起点となってきました。
決勝では南アフリカのデクラーク選手とのスクラムハーフ対決にも注目で、デクラーク選手は「スミス選手はニュージーランドにとってすばらしい選手で、私が間違いなく憧れてきた選手の一人だ。決勝では自分も意地を見せたい」と話しています。
☆優勝の行方は?ポイントは“スクラム”
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両チームの過去の対戦成績は、ニュージーランドが62勝39敗4引き分けと大きく勝ち越していますが、大会開幕直前の8月のテストマッチでは、南アフリカが35対7で勝利しています。
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勝負どころでの安定したプレーで接戦をものにしてきた南アフリカと、右肩上がりで調子を上げているニュージーランド。接戦が予想される中、勝負のポイントとなるのが“スクラム”です。
南アフリカは準決勝のイングランド戦、スクラムからチャンスをつかみ、逆転勝利につなげました。
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南アフリカは決勝の登録メンバーについて、控え選手8人のうち7人をフォワードにしました。
圧倒的なフィジカルを持ち味とするフォワード陣が、試合の立ち上がりから全力で圧力をかけてくるとみられます。
“勝負のスクラム”をどちらが制するのか。
接戦になればなるほど、ペナルティーをしないという点も重要になります。
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ニュージーランド イアン・フォスターヘッドコーチ
「南アフリカには南アフリカの戦術があり、私たちには私たちの戦術がある。そのぶつかり合いが試合をおもしろくする」
どちらが史上最多4回目の優勝をつかむのか。
交代要員を含めた両チームの総力戦が繰り広げられそうです。
《過去大会の優勝チームは》
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【3位決定戦 イングランド(5位)×アルゼンチン(7位)】
3位決定戦の見どころは
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両チームは1次リーグの初戦で対戦していて、その際はイングランドの司令塔、ジョージ・フォード選手が3つのドロップゴールを決めるなどして27対10で快勝しました。
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イングランドは今大会、伝統のキックを生かした攻撃で準決勝まで勝ち上がりました。準決勝の南アフリカ戦も高い弾道のキックを多用して、フォワードが粘り強く攻めるスタイルで前回王者を最後まで追い詰めました。
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対するアルゼンチンは、スピードとフィジカルの強さを生かしたラグビーで勝ち上がってきたチームです。
イングランドのキックにアルゼンチンがどう対応するかが勝負のカギを握ります。
イングランド スクラムハーフの花道飾れるか
イングランドはチーム歴代最多キャップを誇るスクラムハーフのベン・ヤングス選手が今大会を最後に代表から身を引くことを表明していて、3位決定戦に先発出場します。
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最後の花道を勝利で飾ることができるか、キックの名手のプレーにも注目です。
イングランド ベン・ヤングス選手
「ずっと頭の中にあって迷いもありません。正しい決断だと実感しています。イングランド代表はすばらしい思い出で長い旅でした。いい時も悪い時も見てきたので、週末は最高の気分で終われたらいい」