強豪チームの代表でプレーした選手が加入
ワールドカップでの日本とサモアの対戦は3大会連続で、日本は2015年の前々回、イングランド大会と、2019年の前回、日本大会で勝っています。
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▽2015年W杯:日本 26対5 サモア
▽2019年W杯:日本 38対19 サモア
しかし今大会のサモア代表はこれまでのチームとは違います。
2022年にラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」の選手がプレーする代表チームを1回だけ変更できるというルールができたことで、強豪のニュージーランド代表やオーストラリア代表でプレーした選手が加わり、戦力を大幅に強化したのです。ベテラン選手が名を連ね、チームに豊かな経験が加わりました。
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【元ニュージーランド代表】
▽スティーブン・ルアトゥア選手(FL・NO8)
▽チャーリー・ファウムイナ選手(PR)
【元オーストラリア代表】
▽クリスチャン・リアリーファノ選手(SO)など
元ニュージーランド代表 ルアトゥア選手(32)
「もちろん経験を与えることはできるけど、われわれは他の選手達に指示するためにいるのではない。自分たちの仕事をすることで良い手本となって、そこから何かを拾ってもらえればいい」
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このようにチームに実績のある選手たちが加入していることについてワールドカップ初出場のスクラムハーフ、ジョナサン・タウマテイネ選手は存在の大きさを語りました。
タウマテイネ選手
「彼らはたくさんのものをもたらしてくれる。一番はリーダーシップであり、われわれを結束させてチームをより力強くしてくれている」
今大会もパワフルなラグビーは健在
そのサモア代表の最大の特徴は、フィジカルの強さを生かしたパワフルなラグビーです。
初戦のチリ戦ではフォワードがラインアウトやスクラムで優位に立ち、5つのトライはすべてそのセットプレーを起点に奪いました。
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アルゼンチン戦は敗れたものの、タックル成功数は141とアルゼンチンの76に対して倍近い数字を残し、トライを1つしか許していません。
そして試合の終盤にはフォワードがゴール前で押し込みトライを奪っています。
次の日本戦に向け、サモア代表のバオバサマナイア セイララ・マプスア ヘッドコーチは、力で圧倒する考えです。
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マプスア ヘッドコーチ
「ゲームのフィジカルな側面を楽しむ。衝突も楽しむ。それがわれわれの本当の強さだと思う。ゲームプランのことをあまり気にしたり、考えすぎることはない」
サモアの課題は
持ち味のパワーに経験豊かな選手が加わりこれまで以上に手ごわいチームとなったサモアですが、アルゼンチン戦では課題も明確になりました。
それは勝負所でのミスです。
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アルゼンチン戦では開始早々、空中でのタックルによるイエローカードで選手1人が10分間の退場となり、人数が少ない中で相手に先制を許しました。
さらに6点差まで追い上げたにも関わらず、試合終了間際に反則を犯して相手にペナルティーゴールを決められ「7点差以内の負け」に与えられるボーナスポイント「1」を獲得することができませんでした。
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両チームのトライの数は1つずつで、勝敗をわけたのは、ペナルティゴールの差で、アルゼンチンの「4」に対し、サモアは「1」でした。
日本が勝つために
日本が勝つためのポイントです。
▽フォワードがセットプレーで互角に戦い、特に日本が強化してきたスクラムで競り負けないこと
▽相手のミスを逃さず、確実に得点につなげること
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日本はイングランドに敗れたもののスクラムに関しては互角に組み合い、選手たちは自信を深めています。
大会前の7月に行われたテストマッチで日本はサモアに22対24と僅差で敗れていますが、そこからどう修正した戦いを見せてくれるのか、注目です。
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