新型コロナの変異ウイルスにワクチンは有効?変異株や変異体などとも呼ばれる変異ウイルスへの有効性に関するQ&Aをまとめました。

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    Q.インドで見つかった変異ウイルスにワクチンは効く?

    A.
    インドで見つかった変異ウイルスにワクチンが効くのか、まだはっきりとは分かっていませんが、一定の効果があるとする研究結果が報告され始めています。

    WHO=世界保健機関は2021年5月25日に出した週報の中で、インドで見つかった変異ウイルスに対するワクチンの効果に関する報告はまだ限られているとしながらも、発症を防ぐ効果が下がる影響はファイザーのワクチンとアストラゼネカのワクチンではほとんどないとしているほか、ウイルスの働きを抑える中和抗体の量についてもファイザーのワクチンとモデルナのワクチンでは一定程度下がるものの、十分な量があるとしています。

    このうち、発症を防ぐ効果は、イギリス政府が2021年5月22日に出した報告では、ファイザーのワクチンを2回接種した後、イギリスで見つかった変異ウイルスに対しては93%だったのに対して、インドで見つかった変異ウイルスに対しては88%だったとしています。また、アストラゼネカのワクチンを2回接種した後、イギリスで見つかった変異ウイルスに対しては66%だったのに対して、インドで見つかった変異ウイルスに対しては60%だったとしています。

    一方、中和抗体についてアメリカのエモリー大学などの研究グループの報告では、インドで見つかった変異ウイルスのうちの1つのタイプについて、モデルナのワクチンかファイザーのワクチンの場合、中和抗体の働きを示す値が7分の1程度に下がるものの、ウイルスの働きを抑えることは可能だったとしています。

    また、ほかの大学からも中和抗体の働きを示す値は下がるものの、十分機能したとする報告が出てきています。

    (2021年6月2日時点)

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    Q.変異ウイルスへのワクチンの効果は? 各社の見解は?

    A.
    世界各国で変異した新型コロナウイルスの感染が拡大していて、ワクチンが有効なのか、各メーカーやさまざまな研究機関が分析を進めています。

    ●ファイザー

    アメリカの製薬大手、ファイザーなどが開発したワクチンについて、ファイザーとビオンテックがテキサス大学とともに医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した論文によりますと、ワクチンを接種した人の抗体を使った細胞レベルでの実験で▼イギリスやブラジルで見つかった変異ウイルスに対しては働きを抑える効果が従来のウイルスに対してとほぼ変わらなかったほか、▼南アフリカで見つかった変異ウイルスに対しては効果は低かったものの、十分だったとしています。

    また、このワクチンの接種が進むイスラエルでの研究では、発症を防ぐ効果が94%、感染を防ぐ効果も92%だったなどとする論文が出されていて、分析の対象となった期間にイギリスで見つかった変異ウイルスが流行していたことから、この変異ウイルスに対する効果があることが示唆されるとしています。

    さらにファイザーが2021年4月1日に発表したプレスリリースによりますと、南アフリカで行われた臨床試験では、参加した800人のうち、発症した9人はすべて偽薬=プラセボを投与された人だったということで発症を防ぐ効果は100%だったとした上で「南アフリカで流行している変異ウイルスに対して高い有効性が見られた」としています。

    ●モデルナ

    アメリカの製薬会社、モデルナも自社で開発したワクチンについて同様の実験を行っています。

    それによりますと、会社などが「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した論文によりますと、▼イギリスで見つかった変異ウイルスに対しては、効果に目立った変化はありませんでしたが、▼南アフリカで見つかった変異ウイルスに対しては、抗体の働きを示す値がおよそ6分の1に、▼ブラジルで見つかった変異ウイルスに対しては抗体の働きを示す値がおよそ3分の1になったということです。

    ただ、会社ではいずれの変異ウイルスに対してもワクチンとして必要なレベルは上回っていたとしています。

    モデルナは2021年3月10日、イギリスで見つかった変異ウイルスや南アフリカで見つかった変異ウイルスに対応したワクチンの候補を製造し、これまでのワクチンに加えて接種した場合に効果があるか確かめる臨床試験を始めたと発表しました。

    ●アストラゼネカ

    イギリスの製薬大手、アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンについては、オックスフォード大学などのグループがイギリスで見つかった変異ウイルスに対しては変わらない効果がみられたという調査結果を公表しています。

    南アフリカで見つかった変異ウイルスに対しては効果が確認できないとする報告が出ています。

    オックスフォード大学などのグループが医学雑誌「ランセット」に発表した論文によりますと、アストラゼネカのワクチンの接種を2回受けた8534人のうち、2021年1月14日までに新型コロナウイルスに感染して症状が出た520人を分析した結果、ワクチンの有効性は▼従来のウイルスに対しては81.5%だったのに対し、▼イギリスで見つかった変異ウイルスに対しては70.4%だったとしています。

    また、南アフリカの大学などのグループが「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した論文によりますと、南アフリカで2021人を対象にした臨床試験では、ワクチンを接種したグループとしなかったグループで軽症から中等症の症状が出た人の数に差は見られず、南アフリカで見つかった変異ウイルスによる発症を防ぐ効果は10.4%で、効果は見られなかったとしています。

    いずれのワクチンも、変異ウイルスに対する効果は、実験室での実験や臨床試験だけでは分からないことも多く、WHO=世界保健機関はより多くのデータで詳しく分析する必要があるという認識を示しています。

    (2021年4月12日時点)

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    Q.ファイザーのワクチン 効果は?

    A.
    アメリカの製薬大手ファイザーは1月8日、ドイツの企業と開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、イギリスと南アフリカで見つかった変異したウイルスに対しても効果があることを示す実験結果が得られたと発表しました。

    それによりますと、実験では、新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染する際に重要な役割を果たす「スパイクたんぱく質」と呼ばれる部分の一部がイギリスや南アフリカのものと同じように変異したウイルスを人工的に作り、使いました。

    そしてファイザーのワクチン接種を受けた人の血液を使って、このウイルスが中和されるかどうか調べたところ、従来のウイルスと同等の結果が示されたということです。ファイザーは、イギリスと南アフリカの変異ウイルスに共通して起きている変化は「ワクチンに対する耐性につながっていないことを示す結果だ」としています。

    そのうえで、今回の結果は研究室での実験によるもので、まだ外部の専門家による検証を受けておらず、変異したウイルスに対するワクチンの有効性については引き続き調べる必要があるとしています。

    (2021年1月9日時点)

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    Q.モデルナのワクチン 効果は?

    A.
    アメリカの製薬会社モデルナは1月25日、モデルナのワクチン接種を受けた人の血液などを使って、イギリスと南アフリカで見つかった変異ウイルスにワクチンが、どのくらい効くか調べ、いずれのワクチンも効果を示す結果が得られたと発表しました。

    ただ、イギリスの変異ウイルスに対しては、ワクチンが作り出すウイルスの働きを抑える抗体の値に目立った変化は見られなかった一方、南アフリカの変異ウイルスに対しては、抗体の値がおよそ6分の1に減少したということです。

    モデルナは、いずれの抗体の値も必要なレベルを上回っていて効果はあるとしながらも、南アフリカの変異ウイルスについては、追加のワクチン接種が効果を高めるかどうか確かめる試験を行うほか、このウイルスに対応できる新たなワクチンの臨床試験も始めるとしています。

    (2021年1月26日時点)

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