新型コロナの変異ウイルスにワクチンは有効?変異株や変異体などとも呼ばれる変異ウイルスへの有効性に関するQ&Aをまとめました。

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    Q.変異ウイルスへのワクチンの効果は? 各社の見解は?

    A.
    世界各国で変異ウイルスの報告が相次いでいて、特に警戒が高まっているのは▼イギリスで最初に報告された変異ウイルス、▼南アフリカで最初に報告された変異ウイルス、それに▼ブラジルで広がった変異ウイルスの3種類で、ワクチンの効果はあるのか、それぞれのワクチンメーカーが確認を進めています。

    ●ファイザー

    アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンについて会社側は、これまでワクチンを接種した人の抗体を使った細胞での実験を行っています。

    この中では、イギリスで見つかった変異ウイルスに対して、効果があることを示す実験結果が得られたとしています。

    イスラエルでは、ファイザーのワクチンの発症を防ぐ効果が94%、感染を防ぐ効果も92%だったなどとする論文が出されていて、分析の対象となった期間にイギリスで見つかった変異ウイルスが流行していたことからこの変異ウイルスに対する効果があることが示唆されるとしています。

    また、ファイザーは、南アフリカで最初に報告された変異ウイルスについては、実験では抗体がウイルスを中和する効果が3分の1になったということですが、会社側は、この変異ウイルスがワクチンの攻撃を逃れる証拠はないとしていて、引き続き詳しい検証を行っていくとしています。

    さらにこの変異ウイルスについて、ファイザーとビオンテックは2月25日、ワクチンの効果を確かめるため、3回目の接種を行う臨床試験を始めると発表しました。

    ●モデルナ

    アメリカの製薬会社、モデルナも自社で開発したワクチンについて同様の実験を行っています。

    それによりますと、イギリスで見つかった変異ウイルスに対しては、効果に目立った変化はありませんでしたが、南アフリカで見つかった変異ウイルスに対しては、抗体の働きを示す値がおよそ6分の1になったということです。

    ただ、会社ではいずれの変異ウイルスに対してもワクチンとして必要なレベルは上回っていたとしています。

    モデルナは3月10日、イギリスで見つかった変異ウイルスや南アフリカで見つかった変異ウイルスに対応したワクチンの候補を製造し、これまでのワクチンに加えて接種した場合に効果があるか確かめる臨床試験を始めたと発表しました。

    ●アストラゼネカ

    イギリスの製薬大手、アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンについては、オックスフォード大学などのグループがイギリスで見つかった変異ウイルスに対しては変わらない効果がみられたという調査結果を公表しています。

    また、南アフリカで見つかった変異ウイルスに対しては、初期の臨床試験の結果、軽度から中程度の症状を防ぐ効果が著しく下がったという情報がある一方で、会社側は、「重症化を防ぐ効果があると確信している」としています。

    一方、南アフリカで行われた2000人あまりを対象にした臨床試験では、ワクチンを接種したグループとしなかったグループで軽症から中等症の症状が出た人の数に差は見られず、南アフリカで見つかった変異ウイルスによる発症を防ぐ効果は10.4%で、効果はみられなかったとしています。

    いずれのワクチンも、変異ウイルスに対する効果は、実験室での実験や臨床試験だけでは分からないことも多く、WHO=世界保健機関はより多くのデータで詳しく分析する必要があるという認識を示しています。

    (2021年3月23日時点)

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    Q.ファイザーのワクチン 効果は?

    A.
    アメリカの製薬大手ファイザーは1月8日、ドイツの企業と開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、イギリスと南アフリカで見つかった変異したウイルスに対しても効果があることを示す実験結果が得られたと発表しました。

    それによりますと、実験では、新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染する際に重要な役割を果たす「スパイクたんぱく質」と呼ばれる部分の一部がイギリスや南アフリカのものと同じように変異したウイルスを人工的に作り、使いました。

    そしてファイザーのワクチン接種を受けた人の血液を使って、このウイルスが中和されるかどうか調べたところ、従来のウイルスと同等の結果が示されたということです。ファイザーは、イギリスと南アフリカの変異ウイルスに共通して起きている変化は「ワクチンに対する耐性につながっていないことを示す結果だ」としています。

    そのうえで、今回の結果は研究室での実験によるもので、まだ外部の専門家による検証を受けておらず、変異したウイルスに対するワクチンの有効性については引き続き調べる必要があるとしています。

    (2021年1月9日時点)

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    Q.モデルナのワクチン 効果は?

    A.
    アメリカの製薬会社モデルナは1月25日、モデルナのワクチン接種を受けた人の血液などを使って、イギリスと南アフリカで見つかった変異ウイルスにワクチンが、どのくらい効くか調べ、いずれのワクチンも効果を示す結果が得られたと発表しました。

    ただ、イギリスの変異ウイルスに対しては、ワクチンが作り出すウイルスの働きを抑える抗体の値に目立った変化は見られなかった一方、南アフリカの変異ウイルスに対しては、抗体の値がおよそ6分の1に減少したということです。

    モデルナは、いずれの抗体の値も必要なレベルを上回っていて効果はあるとしながらも、南アフリカの変異ウイルスについては、追加のワクチン接種が効果を高めるかどうか確かめる試験を行うほか、このウイルスに対応できる新たなワクチンの臨床試験も始めるとしています。

    (2021年1月26日時点)

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