負けず嫌いと真面目さで負けるつもりはない

上地結衣

車いすテニス

上地結衣にとって3回目のパラリンピックとなる東京大会。
狙うのは、ずばり金メダルだ。
その上地の前に立ちはだかるライバルがいる。
オランダのディーデ・デ フロート。
2018年、2019年と2年連続で女子シングルスの世界ランキングで年間女王に輝いた。

2019年、上地とデ フロートとの対戦成績は2勝7敗。
パワーあふれるデ フロートのショットに押される展開が多く、大きく負け越した。

2020年1月、シーズン開幕を前に上地はデ フロートとの距離をこう表現した。

「去年後半の大会では、敗れた試合でも追いつめることができた。
確実に近づいてはいるが、逆に、最後に勝ちきれないという少しの差に彼女の強さを感じる」

上地は今、ライバルに対抗するため、攻撃的な戦術を習得しようと取り組んでいる。
相手が体勢を整える前にノーバウンドで打ち込むドライブボレー。後方からの直線的な弾道の力強いショット。いずれもこれまでの上地には少なかったプレーだ。

ライバルに打ち勝つ自分自身を想像しながら、上地は静かに語った。

「彼女はすごく負けず嫌いですごく真面目ないい選手だが、そこに関して私は負けるつもりはない。
その気持ちで最後に自分が一歩前に出るために、もう少し技術の部分で彼女との差を縮めたい」

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