プレッシャーがかかればかかるほど自分は力を発揮できる

長友佑都

サッカー #自分を奮い立たせたいとき

「ワールドカップは不思議なもので経験すればするほど、とりこになる」

そう目を輝かせて語るのはワールドカップに3大会連続で出場しているディフェンダー、長友佑都だ。

イタリア1部リーグの強豪、インテルなどでプレーし、日本代表としても史上2番目に多い136試合に出場している経験豊富なベテランは去年、11年ぶりに復帰したJ1のFC東京でプレーしながらメンバー入りを目指している。

「ワールドカップは常に時間軸の中心にある」と言う長友。
「4大会目は今まで以上に強い思いがある」と明かしてくれた。

長友のカタール大会への道のりは4年前のロシア大会、ベルギー戦からすでに始まっていた。

2点のリードを追いつかれ、後半のアディショナルタイム。相手の鋭いカウンターを受けると最後は長友の横をパスでつながれ、逆転ゴールを許した。世界屈指の強豪に対し、あと一歩のところまで追い詰めながら日本サッカー悲願のベスト8はかなわなかった。

「とてつもない悔しさだったが、あの試合が今の自分をつないでくれている。あの試合はモチベーションを上げるためにも、自分を奮い立たせるうえでも、何度も見たりする。自分の中で原動力になっていると感じる」

長友は、この悔しさを胸にカタール大会のアジア最終予選に臨んだが、序盤は苦しい戦いが続いた。


「長友は限界だ」
「もう代表に呼ばなくてもいい」

年齢的な衰えが見えると指摘し、容赦なく批判する声がSNSなどで相次いだ。


「これだけ批判を浴びて普通だったら逃げる。だけどやっぱりワールドカップで戦いたい」

長友の思いはぶれることなくアジア最終予選の終盤は攻守で高いパフォーマンスを見せた。

そして、6月に行われた世界ランキング1位、ブラジルとの強化試合も存在感を示した
攻め込まれる時間が続いたがブラジル代表のエース、ネイマールやレアルマドリードでサイドの選手として活躍するビニシウスを相手に長友は一歩も引かず、攻撃で見せ場も作った。

幾度も逆境を乗り越えてきたことで改めて感じたことがある。

「批判というのは自分にとってガソリンであって、必要なものなんだと感じた。逆境になれば、そっちのほうが自分自身、力を発揮できる」

11月に開幕するカタール大会は36歳で迎える。

4大会連続でワールドカップの試合に出場した日本の選手はまだいない。

数々の逆境を力に変えてきたベテランは、待ちに待った大舞台で輝きを見せるつもりだ。

「プレッシャーがかかればかかるほど、自分は力を発揮できる。4回目のワールドカップのピッチに立ったときに、どういう景色が見えるのか。ベスト8以上を成し遂げられるように頑張りたい」

サッカー #自分を奮い立たせたいとき