もう一度、ゴールで自分の価値を証明したい

堂安律

サッカー

堂安律は力強いドリブルやシュートなど、攻撃力が持ち味のミッドフィルダーだ。2021-22年シーズンはオランダ1部リーグのPSVでレギュラーを獲得し、公式戦で11得点をマークした。

しかし、日本代表としては不本意なシーズンだったという。
2021年9月に行われたアジア最終予選初戦のオマーン戦。堂安は後半18分から途中出場したが、得点に絡むことができずチームは敗れた。

その後の最終予選では同じポジションを担う伊東純也が台頭。堂安の出番は減り、残り9試合でわずか5分の出場にとどまった。
そして、2022年3月には代表のメンバーからも外れた。

「腹が立った。それは自分自身に対しても『俺、何してんねん』と。メンバーを外れたことには何か理由が必ずあるはずなのでそれを自分自身に矢印を向けて考えないと絶対にここから成長しないと思った」

苦境の中で堂安が求めたのはゴールという「結果」だった。
3月に代表から外れて以降、オランダ1部のリーグ戦では6試合で3点をマーク。それまでの2倍近いペースで得点を重ねた。

代表に復帰して臨んだ、6月の強化試合。ワールドカップに向けた最後のアピールの場だと自分に言い聞かせ、覚悟を決めて臨んだ。

「もう失うものはないのでどんどん前に前にいけた。試合に出たときにおりから放たれた獣ではないがそういう感覚で今が堂安律という存在を証明するときだと思った」

6月の4試合で打ったシュートは日本の選手の中で最も多い6本、どん欲に狙い続けた。得点こそ奪えなかったが、2つのアシストをマークし、ゴールに絡む姿勢を貫いた。

本大会に向けて再び待ち受ける、代表での激しいポジション争い。
競争に打ち勝つために何が必要と考えているのか。

「やっぱりゴール。点を取ってこそ評価されるポジションで点を取ったから評価されてここまで来た。もう一度、ゴールで自分の価値を証明したい。競争したその壁の向こうに一番成長した感覚があるし、目の前にある壁をどう乗り越えていけるかは自分でもすごく楽しみにしている」

11月に開幕えを控えるワールドカップカタール大会。
世界中から注目される舞台でのゴールは「人生を変える」と信じている。

「努力したことはいつ花開くかわからない。それが5か月後だと信じて死に物狂いですべてをかけて準備し、人生を変えたい」

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