いいチームに勝てば自分たちの評価は上がる すごく大きなチャンス

鎌田大地

サッカー #やっぱ好きだなぁ

鎌田大地の持ち味はアイデアあふれるパスや精度の高いシュート。

攻撃センスが光る26歳のミッドフィルダーだ。ドイツ1部リーグのフランクフルトで通算4シーズンプレーし、多くの得点に絡んできた。

2年前のシーズンにリーグ戦33試合に出場し、5ゴール、12アシストをマークしてブレークすると、昨シーズンはチームに42年ぶりとなるヨーロッパリーグ制覇をもたらした。

昨シーズン、日本代表ではアジア最終予選のメンバーから外れたこともあったが、
鎌田の自信は揺らぐことはなかったという。

「代表メンバーから外れたことへの悲しさや不安は正直なかった。フランクフルトという今の代表選手の中では、いいチームでやっていると思うし、そこでしっかり結果を残せていたので、あとは監督が決めることだと割り切った感覚だった。自分の実力を普通に出せれば、今の代表なら全然できると思っていた」

鎌田が所属するフランクフルトは、格上とされる相手から勝利を挙げる「ジャイアントキリング」を何度も起こしてきた。ことし4月にヨーロッパリーグの準々決勝でスペイン1部の強豪、バルセロナを破ったほか、去年2月のリーグ戦ではドイツ1部の王者、バイエルンミュンヘンからも勝利を挙げた。

日本代表はワールドカップカタール大会の1次リーグで、優勝経験のあるスペイン、ドイツとの対戦が待ち受ける。

鎌田はボールを支配され、押し込まれる時間帯が長くなると予想される格上との試合では、ある戦い方がカギになると考えている。

「いくら相手にボールを持たれても嫌な気がしないし、最終的な勝敗で勝てればいい。
どれだけ失点をせずにゼロで耐えて、相手が点を取るために前に人数をかけてきたときに、どれだけカウンターで効率の良い攻撃ができるかが、すごく大事だと思う」


実際に昨シーズン、鎌田がドイツのリーグ戦で絡んだ得点のほとんどが、このカウンターからだった。ボールを奪った後、相手の守備が整わない間に素早く攻めきることがポイントだとしていて、鎌田自身は、一気にスピードアップして走るスプリントを強化してきたことが実を結んでいると考えている。

「フランクフルトは、ドイツの中でも奪った後の攻撃が特に速いチームなので、そこはすごく意識している。日本でプレーしていたときはスプリントができなかったが、今はスプリントの回数が増やせているというのは、少し体が変わったのかなと思う」

日本代表として臨んだ6月のチュニジア戦でも手応えを感じたシーンがあったと言う。相手のゴールキーパーからのロングボールを長友佑都が競り合い、こぼれ球を拾った右サイドの伊東純也が素早くドリブルで持ち運び、クロスボールを上げた場面。
ゴール前に入った鎌田が浮き球に合わせることができず、得点こそならなかったが
鎌田が描いている理想の展開だったという。

「長友選手が競り合ったとき勝てるだろうと信じて、前に行く準備をしていた。伊東選手は足が速いのでクロスボールまで来るという予測もあった。ゴールが決められていたらパーフェクトなカウンターのシーンだった。ああいう回数を増やせたらいい」

「みんなで目指してきた夢の舞台」だと語るワールドカップ。
鎌田は磨き上げたカウンターで世界を驚かせようと意気込んでいる。

「ドイツ、スペインは強い国だとは、もちろん思うけれど本番で一発勝負だったら、どうなるか全然わからない世界だ。いいチームに勝てば自分たちの評価は上がるし、世界的な見られ方も変わる。すごく大きなチャンスだと思う」

強い相手だからこそ、勝利をつかめれば自分たちの価値を上げられる。
強豪相手に結果を残してきた鎌田の経験は、日本代表の大きな武器になるはずだ。

サッカー #やっぱ好きだなぁ