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さまざまな業界で深刻化する人手不足。インフラの維持や施設管理に欠かせない点検作業の現場で、ロボットが活躍しています。
データセンターのメーター点検 ロボット導入で時間を半減
東京都内にあるデータセンター。クラウドサービスなどのサーバーは電気を大量に使うため、電源や電圧に異常がないか、200近くのメーターを毎日、目視で確認する必要があります。その一部をロボットが担っています。
このロボットには3台のカメラがついていて、事前に登録されたルートを自動で巡回しています。
メーターの正面に来ると、メーターの高さにカメラを合わせて撮影します。
撮影した画像は離れた場所でまとめて確認することができるため、点検時間を半分に減らすことができました。
このデータセンターを運用する会社は今後、全国のデータセンターにこのロボットの導入を進めていきたいといいます。
データセンターを運用する会社 奥村友佳さん
「(点検に)人手がすごく必要になっている。ロボットを利用することを前提にして業務フロー自体を変えていく」
このロボットを開発した企業によると、インフラの点検や警備を行うロボットの販売台数は2022年の2倍に増えていて、会社は今後、需要がさらに高まると考えています。
ロボット開発会社 松井 健 CEO
「例えば高齢者の方が離れた場所に行かずともロボットを通して働くことができたり、新しい働き方が生み出せる」
点検作業の危険を減らせ 建設会社などロボット開発中
危険が伴う点検作業にロボットを導入しようという動きも出ています。建設会社が大学と開発中なのが、ヘビ型のロボットです。
このロボットを使うのは「地下ピット」と呼ばれる部分です。工場やマンションの下にあり、排水溝や配管が集まる狭い場所です。状況によっては二酸化炭素(CO2)濃度が高いこともあり、人が作業する際は対策が欠かせません。
ロボットで実験を行ったところ、16ある車輪を使って、高い場所にある通り道も乗り越えることができました。すべて自動でプログラムしたとおりに動いているそうです。
ロボットの先端にはカメラがついていて、現場に落ちていた「くぎ」や、現場の水たまりを発見することができました。
このロボットを大学とともに開発している建設会社は、危険な作業を減らし働きやすい環境をつくることで人手不足を解消したいと考えています。
建設会社 技術開発部 戸澤浩則 担当課長
「人がやらなければいけないコアな要素、高い技術を要するところに作業員を注力させ、人手がなくてもいい部分はどんどん自動化していく」
このヘビ型のロボットは将来的には、水が流れる配管の中なども点検できるように改良を続けていくということです。
今後、人手不足の解消だけでなく危険作業も減らすことができるロボットの導入が進んでいくことが期待されます。
【2024年4月1日放送】
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