声で相撲?誰でも楽しめる競技が100以上!

スポーツの秋。皆さんは「ゆるスポーツ」を知っていますか?日本発祥の団体「世界ゆるスポーツ協会」によって考案されたもので、「こたつで行うホッケー」や「靴下をたたんでかごに入れる競技」など、年齢や性別、運動の得意・不得意にかかわらず100種類以上が楽しめます。こうした競技の開発に、いま多くの企業が参加しています。そのねらいは?

「トントントントン…」 音声で相撲

ゆるスポーツを取り入れている東京・八王子市の介護施設。「トントンボイス相撲」と呼ばれる紙相撲が行われていました。このゆるスポーツは、おもちゃやゲームなどの大手メーカーのグループ会社が開発しました。

マイクに入った声を電気信号に変換し、大きな揺れで相手を倒す競技です。

大きい声を出すことで衰えがちなのどの筋肉を鍛えることができるため、この介護施設では定期的に利用しています。今後はほかの競技の導入も検討しているということです。

介護施設 副施設長 阿久津清美さん
「車いすで座っていてもいいし、例えば手が使えないとかハンディキャップがある方も一緒に参加できる。どんどんいろんな種類(の競技)が出てくるといいなと思う」

顔認証技術を応用した競技も

なんのスポーツをしている?
キャラクターと同じ表情をして得点する「フェイスマッチ」

フェイスマッチ」もゆるスポーツの一つです。画面上に現れるのは「驚く」「怒る」「笑う」という3種類の表情をしたキャラクターです。プレーヤーはキャラクターと同じ表情をすると得点が入る仕組みです。

フェイスマッチは自治体が行うスポーツイベントや企業の運動会などに導入されていて、開発から1年余りで体験者が2万人を超えています。

この競技を開発したのは、大手電機メーカーのグループ会社です。空港などで使われる自社の「顔認証」の技術を応用しました。ゆるスポーツを通して多くの人に自社の技術を知ってもらいたいというねらいがあります。

システム開発会社 田靡雅基さん
「ゆるスポーツのコンセプト、すなわち老若男女誰もが楽しめることと非常に親和性が高くて、われわれのテクノロジーも今後どういうふうに展開していくか新たな可能性を追求できるのでは」

なぜ?増える、ゆるスポーツ開発企業

これまでに大手自動車メーカーや素材メーカーなど10社がゆるスポーツの開発に参加し、企業の数は増え続けているといいます。

世界ゆるスポーツ協会 萩原拓也 理事
「われわれとしても、つくったスポーツを別の方にやってもらう機会をつくれたり、ゆるスポーツの認知が技術を通して広まって、非常に多くのメリットがあるなと感じる」

ゆるスポーツを体験する側は新しい競技を楽しむことができて、競技を開発する企業は自社の技術を知ってもらうことができる。お互いにメリットがあります。

新型コロナでリモートワークが増え、社内のコミュニケーションが減ったという企業は少なくないと見られます。社内でゆるスポーツを企画して新入社員と交流を図るといった利用のしかたも多いということです。
【2023年10月10日放送】
あわせて読みたい