1泊2人126万円!「泊まれる城」は地域経済を潤すか

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「城泊」とは、城に泊まれるサービスのことです。香川県丸亀市にある丸亀城では、2人利用で1泊126万円の城泊を7月から始めます。ターゲットは海外の富裕層です。

この城泊を地域の活性化につなげようと、地元の観光協会が中心になって取り組んでいます。

丸亀城で「城泊」が始まる

丸亀城で“城主気分” 海外富裕層にアピール

丸亀城の城泊は1日1組限定。オープンを前に、日本の観光プランを海外に発信している女性2人が体験会に招かれました。

ゲスト2人は、地域の人たちによる和太鼓の演奏で出迎えを受けたり、国の重要文化財である丸亀城の天守を独占したりして城主気分を味わうことができます。

ゲストが宿泊するのは、特別に改装した城内の邸宅です。

 
食事は地元の食材を使用したコース料理

地元の丸亀市観光協会は、至れり尽くせりのサービスでインバウンド需要を取り込みたいと考えています。

丸亀市観光協会 山田哲也 事務局長
丸亀のよさを知ってもらうきっかけとして捉えている

地元店舗で体験型ツアーも

また観光協会は、歴史的建造物の活用を得意とする大阪の企業と提携して、城泊による経済効果を地域全体に広げようとしています。

この企業のアドバイスを受けて取り組んでいるのが、地元の店舗の価値を高めることです。例えば老舗和菓子店では、和菓子作りのオプションツアーを行うことにしました。

この店では、富裕層に職人の技を間近で体験してもらうほか、国の有形文化財に指定されている茶室でゲストをもてなします。

 

観光協会と提携している企業は、この店での特別な体験が富裕層に受け入れられるとみて、オプションツアーの価格を2人で5万円に設定しました。

老舗和菓子店の和菓子職人 桑田桃子さん
私たちが思っている以上の評価をしていただけたということに、たいへん驚きとうれしさを感じている

観光協会と提携している大阪の企業 他力野 淳 代表
官民が一緒になってみんなで地域を経営していく

周辺の島にもインバウンド効果を

観光協会はさらに、城泊をきっかけにして、周辺の島にもゲストに訪れてもらおうとしています。

船で20分、本島の笠島地区の古い空き家を宿泊施設に改装できないかと考えています。昔の暮らしを味わえるものが売りになると見ています。

観光協会が提携している企業の池上順一さんが注目したのは…

五右衛門風呂

丸亀市観光協会 山田事務局長
城泊に泊まった方も、次は本島、笠島地区に泊まってもらって、お金を落としてもらって、そのお金でまたこの素晴らしい文化財(丸亀城)を守っていく好循環をつくっていけたらいい

大洲城や福山城でも

こうした城泊はすでに愛媛の大洲城で行われていて、広島の福山城でも準備が進んでいます。

インバウンドビジネスに詳しい村山慶輔さんは次のように指摘していて、PR戦略も重要になりそうです。

インバウンドビジネスに詳しい村山慶輔さん
世界の富裕層が読む雑誌に取り上げられれば、町が広く認知されブランディングにつながる

(高松局 漆原 輝、山下遥香)

【2024年6月18日放送】