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地球温暖化防止に向けた「脱炭素」の取り組みを「観光」と結びつけることで、観光地としての価値を高めようという取り組みが、島根県松江市で始まっています。
松江城のお堀めぐりを脱炭素化
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松江市の名物で、年間10万人以上が楽しむ「堀川遊覧船」。2024年に導入された新型の遊覧船には電気で動くモーターが備えられています。従来のガソリンモーターに比べ静かで、二酸化炭素(CO2)も出しません。
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このモーターは松江市が自動車メーカーと開発しました。このモーターを備えた新型船は現在2隻ですが、今後増やしていく計画です。
乗船した一人は「環境に配慮しつつ観光できるのは二重にお得」と話し、別の乗船客は次のように話しました。
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開発した自動車メーカーの担当者 髙橋能大 チーフエンジニア
「脱炭素に力を入れていくと、社として方針を出している。われわれとしても松江市に協力できる範囲でどんどんしていこうと」
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外国人観光客取り込みねらう
松江市が脱炭素を進める背景には、外国人観光客を取り込みたいとの思いがあります。
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松江市 上定昭仁 市長
「特に欧米の方(観光客)は自然環境に対する感度が非常に高くて、“環境に対して先進的な取り組みをしている松江だ”ということを分かってもらえるチャンス」
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電動三輪車も登場
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市街地を走る交通手段でも、環境を意識した取り組みが行われています。観光客みずからが運転するEVトゥクトゥク=電動三輪車です。
この電動三輪車は3人乗りで、フル充電で70キロメートル走行が可能です。2時間4000円で利用できます。
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売りは「ブルーカーボン」 全国初の旅行商品とは
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さらに市が主導して、「ブルーカーボン」を売りにした全国初の旅行商品も開発しました。ブルーカーボンとは海藻などの植物が海の中で吸収したCO2のことで、この旅行商品は、旅行者が排出したCO2を実質ゼロにできるといいます。
まず旅行者が列車などで松江を訪れる際にCO2が排出されます。一方で、松江の沿岸部の海中では海藻などがCO2を吸収、このCO2は専門機関からブルーカーボンの認証を受けていて、別の場所で排出されたCO2と相殺することができるのです。
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旅行の料金にはブルーカーボンを買い取る分の金額が上乗せされ、一般的な旅行プランに比べ1300円ほど割高になりますが、販売開始から半年で70人以上が利用しました。
上定 市長
「脱炭素化という取り組みを通じて、松江の社会を持続可能なものにしていく。オール松江市として取り組んでいくことが重要だと思う」
市がかけ声だけでなく具体的に動くことで、観光と環境の両立に向けた官民一体の取り組みが実現したようです。こうした動きは各地に広まるかもしれません。
(松江局 佐藤大輔)
【2024年5月17日放送】