スポーツの上達へ 体の動きを“見える化” リハビリなどに応用も

  • 暮らし・サービス

スポーツの複雑な「体の動き」をデジタル技術で解析するサービスが広がっています。この技術、スポーツだけにとどまらない活用法もあるそうです。

サッカーの動きを動画から解析

横浜市青葉区にある桐蔭横浜大学のサッカー部。練習が行われているピッチの傍らで、学生の梁允虎さんがビデオを撮影しています。

このサッカー部は、動画で撮影した選手の動きを解析するソフトを導入しています。

選手を選択し解析したい範囲などを指定すると、解析ソフトが選手を追尾して走る速度や累積の走行距離などを表示します。

このチームでは、ディフェンスの弱点となるスペースがどこにできていたかなど、選手が気づきにくい動きを把握するのに役立てています。

サッカー部の分析担当 梁允虎さん
「選手が(動きを)可視化して見ることができるので(選手との)コミュニケーションも前より取りやすくなった」

ケガのリハビリなどにも活用へ

この解析ソフトを取り扱う会社「ダートフィッシュ・ジャパン」はスポーツ以外でも活用を進めたいと考えています。

例えば整骨院などで、このソフトを使って体の傾きを計測し、ひざのケガなどからの回復に向けたトレーニングに使います。

体の傾きから片足で真っすぐ深くしゃがめるかどうかなどを分析することで回復の具合をつかみ、より効果的なトレーニング法を提案できるのではないかと考えています。

解析ソフトを取り扱う会社 小柳茂樹 社長
「動画に対して付加価値をつけ、ことばだけで伝わらない・伝えづらいというところを、映像を使ってきちんと相手に情報を伝えてあげるというところが大切なんじゃないか」

3D画像でスイングチェックするウエア

体の動きを立体的に見えるようにする技術も出てきています。

大阪の繊維メーカー「帝人フロンティア」が開発したのは「着用することでゴルフのレッスンのスイングが身につくウエア」。背中と腰の内側部分のポケットにセンサーを入れ、手首にもセンサーを取り付けます。

この状態でスイングすると、上半身の動きが3D画像で再現されます。ゴルフで重要な動きとなる体の軸や回転、ぶれなどをあらゆる視点から見ることができます。

メーカーは今後、ゴルフの練習にとどまらない応用も検討していきたいとしています。

繊維メーカー イノベーション開発課 安光玲 課長
「スポーツであったりリハビリテーションであったり、社会の役に立てたらいい。これからの時代の変革に必要なものとして力を入れていっている」

メーカーによると、こうした技術はこれまでプロチームが使うものだったそうですが、徐々にアマチュアや個人にも利用が広がり普及し始めている段階だということです。
【2022年11月14日放送】
あわせて読みたい