

現実の空間と仮想のものを融合する「AR(拡張現実)」の技術をスポーツの分野に使うことで、未経験者や苦手な人、さまざまな年代の人などの新たなニーズを掘り起こそうという取り組みが広がっています。
ゲーム感覚のボルダリング
長崎県諫早市にあるボルダリングの施設「アルクライミングスタジオ」では、ARを活用したボルダリングが行われています。使い方の一つが対戦型のゲームです。ARで映し出されたボールを追って、タイミングを合わせて突起物に触わることで、ボールを相手に打ち返します。

壁に映し出された映像をもとにゲーム感覚で楽しめます。経験のない人を呼び込むのがねらいです。

ボルダリングの施設 古泉みどりさん
「登ること自体こんなに楽しいんだということを発見してもらって、クライミングを好きになるきっかけになっていただければ」
“火の玉のようなボール”を打つARスポーツ
年齢や体力の差にかかわらず一緒に楽しめるARスポーツもあります。


競技者は、手の動きを感知するセンサーを内蔵したアームバンドと、スマホを組み込んだゴーグル型の端末を装着。腕を前に突き出すと、アニメの超人のように火の玉のようなボールを放つことができます。このボールを撃ち合い、相手の体の前にあるパネルを壊して得点を競います。

身体能力による差がつきにくく、さまざまな年代の人が一緒に試合ができるといいます。
やってみた男性は「運動が苦手な僕でもできるかな。インパクトもあるし」。また女性の競技者の一人は「身長も小さいので大きい人たちにかなわないかなと最初思っていたけど、いろんな人ができるスポーツだと感じる」と話しました。

今では世界中に体験できる施設があり、競技として世界大会も開催されています。

またインストラクターの指導のもとでスキルを高めるスクールもあり、競技人口を増やそうとしています。
ARスポーツを展開する会社「meleap」 福田浩士CEO
「実際に(端末を)装着して体を動かせば、ルールが分かる、すぐにプレーできる、誰でもスタートできる。この競技をスポーツとしてどんどん広げていきたい」
このARスポーツは日本で開発され、高校の部活や大学の授業でも導入されています。新たなスポーツとしてどれだけ広がっていくか、注目です。
【2023年3月15日放送】
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