観光バスはコロナ禍と燃料価格の高騰という二重の苦境にあえいでいますが、新しいサービスで需要を生み出そうと取り組んでいます。
ARでバスツアーとエンターテインメントを融合
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東京都内を走る2階建ての観光バス。一見ふつうのバスですが、車内ではAR=拡張現実などを使ったツアーが行われています。
車内に「レッツ ターイム トリップ!」と掛け声があがると、車窓に変化が。窓に装着した透明のディスプレーに昔の江戸の町並みが映りました。
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皇居の近くを通ると、窓の外は雪景色に。江戸城が見えてきました。ガイドの声が「江戸城は完成するのに35年かかった」などと説明してくれます。
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ガイドは若い世代に人気がある男性アイドルです。車窓を楽しんでいると、その場所にちなんだ映像が出る仕掛けで、都内の広告代理店「クオラス」とバス会社などが共同で実現させました。
ツアーに参加した女性客の1人は「(ガイドが)かわいかったし東京のことをより知れて楽しかった」と話しました。
お客を飽きさせない取り組みだとして、移動距離の長い北海道の会社などからも問い合わせが来ているということです。
企画した広告代理店 松野博文 執行役員
「エンターテインメントの融合というのは大いに可能性がある。コロナ禍で苦しんでいるたくさんの観光事業者の皆さんの一助になればいい」
国と交渉 空港の制限区域内ツアー実現
羽田空港では、一般の人がふだんなかなか見ることができない空港の制限区域を約1時間で巡るバスツアーを、東京都内の観光バス会社「はとバス」が6月に始めました。
参加者は滑走路のすぐ近くで離着陸を間近に見ることができます。
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写真撮影もできますが、スマホやカメラには必ず「ストラップ」を装着します。万が一、風で飛ばされて飛行機のエンジンに吸い込まれると、最悪の場合は事故につながるおそれがあるからです。手荷物の持ち込みなども制限されています。
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このツアーは国土交通省との交渉などを経ておよそ半年がかりで実現しました。航空に関する知識を学んだバスガイドと空港内を走るための試験に合格したドライバーが案内します。
観光バス会社 広報 伊藤百那さん
「(制限区域内のツアーは)おそらくそうとうハードルが高いだろうということで実現には至っていなかった。一つの起爆剤のようなコースができてよかった」
この観光バス会社ではツアーの利用客数が回復してきているものの、コロナ前の2018年に比べるとまだまだで、今後政府の水際対策の緩和などに対応しながら利用者の回復を目指したいとしています。
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【2022年9月20日放送】
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