山でとれる食材と言えば、山菜やきのこなどを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。「スギ」や「ヒノキ」などあまり食べることのない植物を食材に変えて、山の有効利用につなげようという取り組みが広がっています。
どんな味? スギやヒノキを食材に
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京都市左京区で5月上旬に開かれたイベント。参加者にふるまわれたフルーツには、「クロモジ」という植物のオイルを使ったドレッシングがかけられ、「スギの新芽」がトッピングされていました。試食させてもらうと、スギの新芽はやわらかく、さわやかな香りと酸味がありました。
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イベントでは、かんきつとスギの新芽を発酵させたジュースも提供されました。さまざまな食材と味の感想を聞いてみると、参加者の一人は「鮮烈な驚きがあった」と話しました。
このイベントを主催したのは、「日本草木研究所」という団体で活動する古谷知華さんと木本梨絵さんです。スパイスの専門的な知識を持つ古谷さんの呼びかけで、2年前に会社を設立しました。
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食用としてはそれほど広く活用されてこなかったスギやヒノキなどを、酒やシロップなどに加工して販売しています。
古谷知華さん
「これだけ日本に山がたくさんある中で、日本にもスパイスになったりハーブになったりするような可能性を秘めている植物があるんじゃないか」
原料の植物は、提携する山の所有者から仕入れます。山の所有者の収入を増やすことで山林の手入れなどが進むことも期待しています。
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木本梨絵さん
「商品の金額から山主さんにお金が回るサイクルが、どううまくできるか。しっかり副収入になるのはいちばん大事なところ」
放置された竹林から“宝”を 国産メンマを生産
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管理が行き届かなくなった竹林から隠れた食材を発掘する動きもあります。「純国産メンマプロジェクト」代表の日高榮治さん(77)は、たけのこよりも大きく成長した「幼竹」を収穫しています。
幼竹は調理が難しく使いみちがないとされてきましたが、日高さんはゆでで塩漬けにする調理法を徹底して研究し、歯ごたえを保ち、くせや臭みをなくす方法を編み出しました。
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調理された幼竹は、メンマなどとして2023年は40トンを生産しています。
さらに日高さんはメンマ作りのレシピを公開し、現在、全国で90を超える団体や個人に活用されています。
日高榮治さん
「山の価値を上げるという意味では、宝になればいい。そうなると思ってやっている」
山から利益が生まれる仕組みをつくることで、人の手が入って管理が行き届くようになる。そうした循環ができることが期待されます。
(国際放送局 高橋直哉)
【2023年6月19日放送】
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