ロケットから家具?北海道・釧路のものづくり企業が挑戦

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ロケットの廃材を使って新たな産業を創出しよう―北海道東部の釧路市で、ものづくり企業が協力して動き出しています

廃材譲り受け家具にリメーク

釧路市内でインテリアショップを経営する十枝内(としない)一德さん。倉庫には、変わった形をしたさまざまな家具が置かれています。ロケットの廃材を利用した家具です。

北海道の十勝の大樹町では、ベンチャー企業がロケットの開発を進めています

開発の工程で、試作品や予備の部品などが廃材として発生します。十枝内さんは廃材の存在を知り、それを譲り受けて家具にするプロジェクトを立ち上げました。

ロケットの廃材

インテリアショップ経営 十枝内(としない)一德さん
本来はなかなか機密で(外に)出てくるものではないものだと思う。僕はいなかの家具屋さんだけど、それでも宇宙を触れているというのは、すごくおもしろい

十枝内一德さん

発射台の断熱材 試作品がテーブルに

どんな家具を作っているのか。例えば、ローテーブルには発射台にセットされる断熱材の試作品を使っています。

使われている断熱材。ふかふかに見える

または、ヘリウムガスのタンク搭載部を再利用しました。

書かれていた記号がそのまま残っている

十枝内さん
飾り棚みたいな感じ。あえて(廃材についていた)マスキングテープは残している。そこに理由があったものだと思うので、それはそれとして残すのもいいな、と

地元企業 続々とプロジェクトに参加

ロケット廃材を利用した家具作りのプロジェクトには、地元のものづくり企業などを中心に8社が参加しています。

金属の溶接は、橋りょうメーカーが担当しました。

橋りょうメーカー 中川翔太さん
これから伸びる産業として宇宙という分野は非常に魅力的。そこ(プロジェクト)に参画する意義は感じながら取り組んでいる

また木材部分の加工は、創業56年になる工房が担いました。

木製家具メーカー 得地 哉 社長
木材とどう組み合わせていくか、新しい取り組みとして、社員の意欲という意味でも非常に効果があったと思う

プロジェクトでは今後、家具作りだけでなく、廃材を使った新たな製品開発を進めるといいます。

十枝内さん
釧路は意外とものづくりができる町。企業にとって新しいチャレンジになる。産業が元気になっていって広がっていくことが重要

大阪・関西万博に展示予定の品も

ロケットの廃材を使った家具。アルミ合金の燃料タンクをリメークしたベンチは、2025年に開かれる大阪・関西万博への展示が予定されているそうです

北海道では、宇宙ビジネスに取り組むベンチャー企業などが数多く拠点を置いていて、今後、宇宙関連ビジネスのすそ野の拡大が期待されています。
【2024年7月12日放送】