日本酒がドジャースタジアムに 販路開拓のカギは?

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日本酒の人気が海外で高まっています。大谷翔平選手や山本由伸投手が所属する大リーグ・ドジャースの本拠地、ロサンゼルスにあるドジャースタジアムで、岡山のスタートアップ企業が手がける日本酒の販売が始まりました。販路を切り開くカギは何だったのでしょうか。

価格1万9000円 VIPルームで販売する日本酒

今シーズンからドジャースタジアムのVIPルームで販売されている日本酒。ワインのような芳醇な香りの純米大吟醸で、価格は720ミリリットル入りで120ドル=約1万9000円です。

「SOJA BLACK Ultra Premium」「120(ドル)」と書かれている
日本酒を味わえるドジャースタジアム

手がけたのは岡山市にあるスタートアップです。建築業を営んできた長谷川誠さんと、マーケティングの仕事をしていたアメリカ人のクリス・ウィナーズさんが、コロナ禍で本業の受注が減少するなか、豊かな自然や特産品など、岡山の魅力を世界の人々に伝えるビジネスを始めました。

スタートアップ企業 長谷川誠 社長
クリスは世界中に友達がいるので、岡山の商品を海外に向けて輸出したいという話になった

長谷川誠社長

スタートアップ企業 クリス・ウィナーズ 専務
岡山に恋に落ちた。ほかの人にも体験してほしいと思った

クリス・ウィナーズ専務

日本国内で消費減 外国人をターゲットに

2人が目を付けたのが、クリスさんの好きな日本酒でした。まず約30種類の酒をテイスティング。その中から、総社市の酒造会社が造る酒を外国人をターゲットにした新たなブランドで売り出すことを決めました。

この酒造会社は、日本酒の消費量が年々減少する中、海外での販売はチャンスだとして協力しました。

協力する酒造会社

総社市の酒造会社の杜氏 渡邊信行さん
初めてのアメリカ輸出なので、これをきっかけに『日本酒ってこんなにおいしいんだな』というふうに思うアメリカの方が一人でも増えたらうれしい

デザイン・名前・高級感にこだわり

輸出する酒は、アメリカのアルコール飲料を扱う会社と連携して、プレミアム志向を前面に押し出すことにしました。

クリスさんの感性を生かして、「総社」という地名の響きをブランド名に採用しました。

また、つやのない黒い瓶を使って高級感のある見た目にこだわりました。こうして新たなブランドが誕生しました。

この日本酒は2023年にまず500本をアメリカの日本料理店向けに輸出し始めました。すると評判が広がり、ドジャースタジアムのVIPルームでも販売されることになったのです。

長谷川社長
やっと何か爪痕を残したな、みたいな。クリスと2人で大喜びした。もっと岡山の酒が盛り上がっていくんじゃないか

ターゲットを明確にして、デザインや名前にこだわることで、付加価値を付けることに成功した事例。こうした可能性のある地方の商品はまだまだありそうです。
(岡山局 遠藤友香)
【2024年6月25日放送】