物価高騰 塾や習い事 子どもの学ぶ機会を“クーポン”で支援

    記録的な物価高の中、子どもが塾や習い事に通うための費用を捻出できないといった声が広がっています。子どもの学ぶ機会を守ろうと、“クーポン”で支援する取り組みが注目されています。

    塾や習い事に“クーポン” 寄付が取り組み支える

    生活が困窮する家庭の子どもを支援している団体「公益社団法人 チャンス・フォー・チルドレン」は、学習塾や習い事などで利用することができる「スタディクーポン」を提供しています。

    “電子クーポン”の形で提供される

    住民税の非課税世帯などを対象に、年間で15万円~30万円分の電子ポイントを無償で提供します。

    利用者は授業料の支払いなどにこのポイントを使い、それに応じた金額が、この団体から利用先に振り込まれます。

    資金は企業と個人からの寄付で支えられています。活動は首都圏や東北、関西に広がり、2022年度は688人を支援しました。

    この取り組みの特徴は、塾だけでなく、音楽やスポーツの教室など幅広い連携先を利用できることです。

    クーポンを運営する団体 今井悠介 代表理事
    「すべての子どもたちが、自分に合った、自分がやりたい学びの機会につながっていけるように、われわれは支援をこれから広げていきたい」

    利用者「すごく助かる」

    クーポンを利用している中学3年生の生徒は、高校受験を控え22年から学習塾に通っています。学校では吹奏楽部に所属していて、進学先は吹奏楽の強豪校を志望しています。

    生徒
    「中学校1年生の時から『入りたいな』と思っていた高校があって、苦手な教科、数学とか英語とかを中心に勉強している」

    生徒は母子家庭で、自営業の母親は、物価高で厳しさが増す中、クーポンがなければ2万円ほどの月謝を払うことはできなかったと言います。

    生徒の母親
    「電気代も上がるしガス代も上がるし、物価高だからできないのではなくて(子どもには)やらせてあげたいので、すごく助かる」

    自治体と連携広がる

    このクーポンへのニーズは今、急増しています。23年度の新規募集枠の約260人に対して3倍以上の応募があり(5月時点)、すべてに応えられないのが現状です。

    そこでこの団体が力を入れているのが、自治体との連携です。取材した日、団体のスタッフが東京・多摩市の生活福祉課を訪れました。市が7月からクーポンを導入するのを前に、システムやノウハウなどを提供しサポートします。資金は市の予算を活用します。

    この取り組みを始めた自治体は6つあり、この団体は今後も広げていきたいとしています。

    クーポンを運営する団体 今井代表理事
    「放課後で起きている格差に多くの自治体の皆さんに目を向けてもらって、(学習支援が)社会的なインフラになっていくことが私たちの目指すところ」

    この団体は、大学生などのボランティアを募り、子どもと月1回面談するなどしてさまざまな相談に乗る体制にしているそうです。子どもの立場に立った支援が期待されています。
    (経済番組 新野高史)
    【2023年5月23日放送】
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