都市水害から命を守るポイント
都市部ではコンクリートの建物が多く、道路も舗装されて雨水がしみこみにくく、1時間に50ミリの雨が降ると排水が追いつかなくなって浸水被害が出るおそれがあります。
2019年(令和元年)の台風19号の際には、首都圏でも駅が浸水したり、タワーマンションが停電したりする被害が出ました。都市部の水害から命を守るためのポイントをまとめました。
すぐに川から離れて!
都市の中を流れる川は、川幅が狭く、川底などがコンクリートに覆われていることが多いため、短時間で急激に水位が上昇します。
平成20年7月には神戸市内を流れる都賀川で、川の水位が10分間におよそ1メートル30センチ急激に上昇し、遊びに来ていた小学生や保育園児など5人が流されて死亡しました。
また、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が数時間降り続くと、氾濫の危険性が高まります。
川の周辺で雨が弱くても上流で大雨になった場合は、水位が急に上がる場合もあり、小さな川のそばからはすぐに離れてください。
周囲より低い土地 マンホールなどに注意
排水が追いつかないと、▽下水管に流れ込む雨水の水圧でマンホールのふたがずれたり、外れたりすることがあるほか、▽側溝を流れる水が勢いを増します。
また、周囲より低い土地や狭い道路には水が集まりやすく、川のような急な流れができて足元をすくわれる危険があります。
周囲が冠水している場合は、むやみに移動せず、どうしても移動が必要な場合も、必ず2人以上で行動し、傘や棒などで足元を確認しながら慎重に進む必要があります。
土砂災害のリスクも確認を
都市部であっても、かつては山だった場所を切り開いて造成した住宅地では、土砂災害のリスクがあります。
ハザードマップでリスクがあるかを確認してください。
地下から出て!
地下街や地下室、地下駐車場などに一気に水が流れ込む危険があります。
地下にいると、地上の状況がわからないため、雨が強まっていることや浸水が始まったことに気づきにくく、避難が遅れるおそれがあります。
浸水が始まると、流れに逆らって階段から地上に出るのが難しくなる上、停電してエレベーターが使えなくなることもあります。
停電が発生して周囲の様子が見えなくなるとパニックが起こるおそれもあります。
また、地下室などのドアは、外側に50センチ水がたまると水圧は100キロにもなります。
▽子どもや高齢者は10センチ程度、
▽大人でも30センチ程度で開けるのは難しくなります。
平成11年には、福岡市のJR博多駅周辺が冠水して、地下街や地下鉄に階段から大量の水が流れ込み、地下街にいた1人が死亡しました。
東京 新宿区では、住宅の地下室が冠水し、中にいた1人が死亡しています。
できるだけ建物の地下や地下街は避け、どうしても離れられない場合は、最新の気象情報や自治体の発表する情報に注意し、浸水が予想される場合はすぐに地上に出てください。
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