追跡 記者のノートから陸上自衛隊ヘリ事故 搭乗の第8師団長 坂本雄一陸将とは

2023年4月12日事故

陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故。

ヘリコプターには師団長など10人が乗っていて、自衛隊や海上保安庁が捜索を続けています。

坂本雄一陸将とは

搭乗していた第8師団の師団長、坂本雄一陸将は、先月30日付けで着任したばかりでした。

坂本師団長は北海道旭川市出身の55歳で、防衛大学校を卒業後、1991年に陸上自衛隊に入隊し、陸上総隊司令部の運用部長や第12旅団長を務め、防衛政策の立案や部隊の運用にかかわるポストを歴任してきました。

着任の翌日に行われた着任式では、「厳しい安全保障環境のなかで戦い方そのものが変化している。変化や進化を意識して、挑戦することを心がけてほしい」と隊員に訓示していました。

また、着任式のあとの記者会見では、「地域に信頼され、愛される第8師団に育成していきたい」と抱負を語りました。

その上で、日本を取り巻く安全保障環境をふまえた第8師団の役割について、「島しょ部を担当し機動運用される第8師団は、まさに陸上自衛隊の第一線といえる。サイバーや電子戦などの新領域への対応に加え、島しょ部の防衛に向けた部隊配置など、即応の能力が必要だと考えている」と述べていました。

師団長とは

陸上自衛隊の「師団長」は、全国に9つある師団のトップで、階級が最も高い「陸将」がつきます。

師団は、地上での戦闘などを行う「普通科連隊」や、ヘリコプターなどで輸送を行う「飛行隊」など、複数の部隊で編成される陸上自衛隊の「基幹部隊」で隊員は数千人規模となります。

このうち、熊本市に司令部を置く第8師団は熊本、宮崎、鹿児島の3県の防衛警備や災害派遣などにあたり、有事の際には機動的に対応する「機動師団」として沖縄県など南西諸島への展開も想定されています。

防衛省関係者によりますと、第8師団はこうした特性も踏まえ、ここ数年は人事でも重視されているということで、いまの自衛隊トップの統合幕僚長も第8師団長を務めています。

第8師団とは

熊本市に司令部を置く第8師団は、九州・沖縄地方を担当する陸上自衛隊西部方面隊の中核となる数千人規模の部隊で、熊本県と宮崎県、それに鹿児島県の防衛警備や災害派遣の任務などにあたっています。

また、有事が起きた際には機動的に展開する「機動師団」に位置づけられていて、沖縄県など南西諸島への展開も想定されているということです。

第8飛行隊は第8師団に所属していて、熊本県にある高遊原分屯地を拠点にヘリコプターによる輸送などの任務を行っています。