2022年10月26日
中国共産党大会 中国

【ショートコラム】メディアは中国共産党の喉と舌?

中国の新たな最高指導部が発表された人民大会堂。

壇上に並ぶ最高指導部のメンバー

習近平国家主席やほかのメンバーが会場をあとにするのを撮影していると…。

先ほどまで習主席がいたステージに駆け寄る人たちが。

習主席が飲んでいた水がまだ置かれたままになっている演題の前で、ポーズをとって記念撮影を始めました。

声をかけてみると、セネガル、エチオピア、マリなどアフリカの国々から来た記者なのだといいます。ある記者は、中国メディアの取材に「習主席は世界で一番すばらしいリーダーだ」と、英語で答えていました。

彼らは、中国外務省から招待されて、最先端の科学技術の現場などを見ながら研修を受けているのだそうです。アフリカのほかにも、東南アジアのカンボジアなど、中国と政治や経済のつながりが強い国から来ている記者もいました。

習主席は演説の最後、国内外の記者たちに向けて、共産党大会の報道に感謝の気持ちを示しつつ「国内各地を回って、客観的な真実に基づいて中国のことを伝えてほしい」と要望しました。

会場に入るための招待状

中国の国営メディアは「共産党の喉と舌」とも呼ばれています。党指導部が何かを国民に述べる際の“喉と舌”のようになって「指導部がアピールしたいことを忠実にアピール」するのが役割だからです。

党大会を前にした北京の新型コロナウイルスの感染対策は、この2年あまりの間で最も厳しいものでした。

そのような中、影響力を増すアフリカや東南アジアなどの国からも記者を受け入れた中国。

背景には、海外メディアも「党の喉と舌」として利用しようというねらいがあるのかもしれません。

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