2022年10月17日
中国共産党大会 中国

【ショートコラム】中国“人民大会堂”に入るには?

中国には「人民大会堂」という、巨大な建物があります。

天安門広場の西側にある建物で、建国10周年を記念して1959年に建てられました。敷地面積は15ヘクタール、東京ドームが3個入る広さがあります。

毎年春には、全国人民代表大会(全人代)が開かれ、5年に1度の共産党大会が開かれているのも、この建物です。

10月16日から始まった共産党大会には、習近平国家主席をはじめ2000人を超える党員の代表が出席。たくさんのメディアも集まっています。

しかし、人民大会堂の中に入って取材をするためには、新型コロナウイルスの厳格な感染対策が求められていました。

開会式の取材には、当局指定のホテルで2日間の隔離。その後もホテルの敷地内で毎日PCR検査を受ける必要があります。

PCR検査を受ける筆者

2022年3月に人民大会堂で開かれた全人代では隔離は1日でしたので、さらに期間が長くなっていました。

中国での隔離は非常に厳しく、通常は部屋から一歩も出ることができないのですが、今回はホテル内に設置されたプレスセンターや食事会場を自由に行き来することができました。

冬の北京オリンピックで行われた、外部の接触を遮断する感染対策「バブル方式」を思い出しました。

ようやく人民大会堂の中に入ってみると…。

目に飛び込んできたのは、所狭しと取材している大勢の記者やカメラマン。少なくとも300人はいました。

コロナ禍の中、人民大会堂で何度も撮影してきましたが、感染対策のため“密”にならないよう取材を許可されたのは、多いときでも50人ほど。今回は、その5倍以上が許可されたことになります。

あるカメラマンは、隙間がないほどカメラが並ぶ様子を見て、コロナ前の風景が戻ってきたようだと話していました。

習近平国家主席が党のトップとして異例の3期目入りが確実とみられるなか、メディアを通じてアピールしたい。

多くの記者やカメラマンが人民大会堂で取材できた背景には、中国側のそんな思惑があるのかもしれません。

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