アメリカの製薬大手ファイザーはドイツのバイオ企業、ビオンテックと共同でワクチンを開発し、2020年12月からイギリスやアメリカなどで接種が始まりました。

日本国内では2021年2月12日に承認され、2月17日から医療従事者を対象にした先行接種が始まり、4月12日からは各地で高齢者の接種が行われています。

政府は年内に9700万人分の供給を受ける契約を結んでいます。

接種の対象は16歳以上となっていますが、アメリカではFDA=食品医薬品局が2021年5月10日に緊急使用の許可の対象を12歳以上に拡大しています。

mRNAワクチン

このワクチンは、遺伝物質のメッセンジャーRNAを使っていて、メッセンジャーRNAワクチン、もしくは頭文字をとって「mRNAワクチン」と呼ばれています。

新型コロナウイルスが細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質を作るための遺伝情報を含む物質、「mRNA」を投与する仕組みです。

「mRNA」はいわば設計図のようなもので、体内の細胞によってスパイクたんぱく質が作られ、その後、免疫の仕組みが働き、ウイルスを攻撃する抗体を作るよう促します。

実際のウイルスは使っておらず、ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに感染することはありません。

接種方法、回数

接種方法は筋肉注射で、皮下脂肪の奥にある筋肉に打つ注射の方法で、肩に近い腕の部分、上腕部に注射針を直角に刺して接種します。

1回目の接種のあと、通常、3週間あけて2回目の接種を受けます。

保管方法

ファイザーのワクチンは当初、マイナス90度からマイナス60度の超低温の冷凍庫での保管が必要とされてきましたが、現在は、マイナス25度からマイナス15度の状態で最長で14日間保管する方法が認められています。

接種前に解凍すると、2度から8度の冷蔵庫で保管し、5日以内に使い切る必要がありますが、厚生労働省はファイザーから新たに提出されたデータをもとに31日間に延長する方向で協議を進めています。

有効性は

このワクチンは、臨床試験だけでなく、実社会での接種の有効性も示されてきています。
▼臨床試験の結果をまとめた論文によりますと、発症を予防する効果が95%で
▼接種が速いペースで進むイスラエルでの接種の結果をまとめた論文によりますと、
▽発症を予防する効果が94%、
▽重症化を防ぐ効果が92%、
▽無症状の人も含めて感染を防ぐ効果が92%だったということです。

また、ファイザーとビオンテックは2021年4月1日にプレスリリースを出し、接種から6か月たった時点で解析した発症を防ぐ効果は91.3%で、重症化を防ぐ効果は100%だとしています。

変異ウイルスに効くのか

日本国内でも広がってきているイギリスで見つかった感染力の強い変異ウイルスには高い有効性が見られています。

ファイザーとビオンテックなどが発表した論文によりますと、ファイザーのワクチンは細胞レベルでの実験では、イギリスやブラジルで見つかった変異ウイルスに対しては、働きを抑える効果が従来のウイルスとほぼ変わらなかったほか、南アフリカで見つかった変異ウイルスに対しては、効果は低かったものの十分だったとしています。

また、イギリスで見つかった変異ウイルスが流行していたイスラエルでは高い有効性が確認されています。

副反応は

2021年4月30日にワクチンの副反応の専門部会で示された厚生労働省の研究班の資料によりますと、主な副反応は2回目の接種を終えた時点で
▼けん怠感が出た人は1回目の接種後は23.2%、2回目の接種後は69.6%、
▼頭痛が1回目の接種後は21.2%、2回目の接種後は53.7%、
▼かゆみが1回目の接種後は8.0%、2回目の接種後は12.1%、
▼38度以上の発熱が1回目の接種後は0.9%、2回目の接種後は21.5%などとなっています。

また、アメリカのCDC=疾病対策センターのウェブサイトによりますと、副反応は通常は接種後数日で消えるということです。

また、ほとんどが軽症から中等度で、日常生活に影響が出るほどの副反応は少数だったということです。

(2021年5月21日時点)