スキージャンプ 佐藤幸椰“日の丸飛行隊”復活を目指して

スキージャンプ男子の佐藤幸椰選手。2021年10月の全日本選手権を兼ねたNHK杯で、日本のエースの小林陵侑選手に次ぐ、2位に入った伸び盛りの新鋭です。北京オリンピック日本代表の有力候補として、名乗りを上げた佐藤選手は、ともに高めあってきた仲間と“日の丸飛行隊”の復活を目指しています。

目次

    北京オリンピックへ 伸び盛りの新星

    佐藤幸椰選手は、北海道石狩市出身の26歳。身長は1メートル61センチと日本代表選手の中でもひときわ小柄ですが、中学生のころから全国大会で優勝するなど活躍。16歳で出場したインスブルックユースオリンピックでは銅メダルを獲得しました。

    2012年冬季ユース五輪で銅メダル 右が佐藤幸椰選手

    2019-20年シーズンにはワールドカップで2回優勝。その次のシーズンは最高順位は4位でしたが、安定した成績を残して総合11位に入りました。

    2021年夏のサマーシリーズは5戦のうち4勝をあげ、さらに10月のNHK杯では最長不倒の142メートルを記録し2位。
    北京オリンピック代表の有力候補として活躍が期待されています。

    2021年NHK杯で2位 左が佐藤幸椰選手

    北京大会に向けて、目標を聞くと意外な答えが返ってきました。

    佐藤幸椰選手

    「団体戦って世界大会に行かないとないものなんで。すごく憧れる種目です。跳ぶときは1人でも、4人で戦う団体戦っていうのは自分の個人戦以上にやってやろうって気持ちがわいてきます」

    偉大な先輩を追いかけて…

    なぜ個人戦よりも、団体戦のほうが気持ちが沸いてくるのか。
    その理由の一つは、身近にいるレジェンドの存在です。

    1998年長野オリンピック

    日本が団体戦で金メダルに輝いた長野オリンピック。
    最初のジャンパーとしてチームを引っ張っていたのが岡部孝信さんでした。佐藤選手は現在、岡部監督率いる社会人チームに所属し、直接、指導を受けているのです。

    岡部孝信さん

    「世界のトップに立てている、間違いなく1位をとれている選手なので、団体戦だったら(自分と同じ)トップバッターで大ジャンプをしてチームを勢いづけてもらいたい」

    佐藤幸椰選手

    「(岡部監督は)長年、世界を相手に戦ってきている選手なので、いつか(監督に)並んで選手として追い抜いてみたい」

    ともに高みへ 仲間の存在

    佐藤選手には団体戦にひかれる理由がもう一つあります。
    それはともに戦う仲間たちの存在です。

    現在、団体戦をともに戦っている小林陵侑選手と兄の小林潤志郎選手。世界で活躍する2人から刺激を受けたことが、ワールドカップ優勝など佐藤選手の飛躍につながっています。

    2019年W杯ジャンプ男子団体で2位 右が佐藤幸椰選手

    佐藤幸椰選手

    「自分を奮い立たせてくれる仲間。競技者としてライバルとしてそういう人の存在っていうのは、僕にとってはいちばんここまで引き上げてくれた要因かなって感じています」

    前回2018年のピョンチャン大会で、日本は団体で6位に終わり、その後もなかなか世界大会で勝てませんでした。
    しかし、佐藤選手たちは、今年3月の世界選手権で4位に入り、メダルまであと一歩のところまで迫っています。

    ともに高めあってきた仲間と“日の丸飛行隊”の復活を目指します。

    佐藤幸椰選手

    「団体戦のメダル獲得っていうのを目指していますので/オリンピックでは力を貸してくださいねって言われるように準備をしたい/頑張ります」

    (スポーツ情報番組部 ディレクター 韮澤英嗣)

    佐藤幸椰選手のプロフィールはこちら

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