“かっこいい”を軸に やりたいのは自分らしいダンス

AMI(湯浅亜実)

ブレイキン #やっぱ好きだなぁ

2023年2月、北九州市で行われた国際大会。
ダンサーネーム「AMI」、湯浅亜実は、パリオリンピックの代表選考につながる重要な一戦でも「自分らしいダンス」を貫いた。

しゃがんで足さばきを見せる「フットワーク」から、回転技の「パワームーブ」へ。
持ち味の流れるようなダンスで多彩な技を繰り出し、日本勢トップとなる準優勝を果たした。

パリオリンピックでのメダル獲得に周囲からの期待は高まるばかりだが、AMIは、いたって平常心だ。

「出場するステージで自分らしい踊りができたらいい」

日本女子ブレイキン界のトップランナーとして2018年には世界最高峰の国際大会で初代女王に輝き、2019年と2022年の世界選手権を制覇した。
ただ、あくまでブレイキンは“自分を表現するもの”だとして結果だけに執着していない。

「かっこいいって思ってもらいたいのが1番の軸にあって。本当に存在としてかっこいいよねって思ってもらうことが目標」

そのかっこよさを表現するために、AMIが追求しているのが“クリーンな流れ”だ。
多彩な技や1つ1つのダンスが、1本の線でつながっているようなムーブを理想としている。

「私はオールラウンダーなので大きい回転技だけじゃなくて、そこへの入り方や抜け方、つながりのきれいさで人との違いをつけたい。そこを見てもらえたら、すごくうれしいですね」

パリオリンピックで初めて採用されるブレイキンだがAMIは当初、うれしさよりも驚きの方が強かったと明かす。

ブレイキンが“スポーツ”になることで、ジャッジのシステムやルールが大きく変わらないか、不安な思いもあったという。

そんな思いが吹っ切れたのは、自分にとってのブレイキンへの思いを再確認してからだった。

「ダンススポーツになってオリンピックに採用されても、自分がやることって何も変わらないなって思って。オリンピック出場を目指してスタイルを変える人もいるけど、どのステージになろうと、やりたいのは自分のダンス」

そして今はポジティブに捉えている。

「自分が学ばせてもらって、いろいろな人に出会わせてもらったのがブレイキンなので、それをオリンピックを通して、いろいろな人に知ってもらえて好きになってくれたらうれしい。それくらいオリンピックって大きなものだから」

あくまで“自分のスタイル”で目指すオリンピック。

AMIは、その先にあるブレイキンの未来を見据えている。

ブレイキン #やっぱ好きだなぁ