厳しいところに身を置けば置くほど成長できる

伊藤洋輝

サッカー #苦しいとき

サッカー日本代表の伊藤洋輝、23歳。1メートル88センチの体格を生かした力強い守備と左足のロングパスの精度が持ち味のディフェンダーだ。
初選出となったワールドカップには特別な思いを抱いている。

「やっぱり目標にしていた舞台だったので素直にうれしかった。出場できるチャンスを生かしてただ出るだけじゃなくて結果を残したい」

実は伊藤、前回のロシア大会も代表チームのサポートメンバーとして参加した。

ただ、目標の舞台への距離は遠かったという。

「ロシアに行って大会の大きさは感じたが、4年後、自分がその舞台に立てるかというところまではイメージできなかった」

そんな伊藤を成長させたのはドイツでの経験だ。
去年から世界トップクラスの選手たちが集まるドイツ1部リーグでプレーする。スピードがある屈強な選手たちと対じし、時には完全に抜き去られ、時にはみずからが空けたスペースを狙われた。失点につながるミスもあった。それでも、その苦い経験が糧になった。

「スピードやフィジカルの強さなど選手個々の能力の高さというのは、日本から行った僕にとって衝撃的なものだった。ただ、やられて気づく、やられて成長するという部分もたくさんあった」

失敗と成功を繰り返しながら自らを高めていった伊藤は、ことし6月の強化試合で日本代表に初めて招集された。そして存分に実力を発揮し、代表メンバー入りへの足がかりをつかんだ。急成長をとげた要因をこう自己分析する。

「レベルの高い環境に身を置いたことで成長することができた。人間は厳しいところに身を置けば置くほど成長できる。今回それを実感することができた」

「自分が舞台に立てるかイメージできなかった」と思っていた4年前の自分はもういない。ドイツやスペインといった優勝経験のある強豪が待ち構える舞台にも自信を持って臨もうとしている。

「僕たちも実績や経験のある選手、勢いのある選手がいっぱいいるので自信を持って臨める。いつもどおりプレーするのが難しい舞台だと思うが、自分の良さを出してきたい。強い気持ちを持って挑みたい」

サッカー #苦しいとき