不安もあったが、自分を信じて泳いだ

大橋悠依

競泳

東京オリンピック、競泳女子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した大橋悠依。決勝のレースは「予選よりも少し遅くてもいい」と余裕を持ってスタート。得意の背泳ぎを終えて前半の折り返しはトップと0秒45差の2番手。予選よりも1秒以上遅い入りだった。それでも平泳ぎで温存してきた体力を生かして抜け出し、体1つ分のリードを作って迎えた最後の自由形。隣の選手に追い上げられた。

「来るな、来るな」
「早く壁、こっちに来い」

心の中で念じながらフィニッシュ。電光掲示板で1着を確認すると、右手で水面をたたき感情を爆発させた。

調子が上がらない時期もあったが、これまでの積み重ねを信じて臨んだ初めてのオリンピックの舞台で金メダルをつかみとった。

「不安もあったが自分のレースをしようと自分を信じて泳いだ。いろいろなことがあったが、チャレンジさせてもらえて支えてくださった方々に感謝している」

その3日後、大橋は200m個人メドレーでも金メダルを獲得。最後の自由形は激しい競り合いとなったたが、タッチの差でかわした。

日本の女子選手では夏のオリンピックで初めて、1つの大会で2つの金メダル獲得となった。

「正直すごい接戦になると思っていて、その中で金メダルはどうかと思っていたが、なんとかふんばれた。最後は勝っても負けても何も後悔がないと言えるように泳いでいて、それがよかったかなと思います。女子で2冠は初めてなのでうれしいです」

競泳