10年間トップレベルで続けてこられた自分を少しは褒めてもいいのかな

石川佳純

卓球

先輩2人と挑んだ初めてのオリンピックから、後輩2人と臨んだ東京オリンピックまで。チーム最年長となった28歳の石川佳純は、3大会連続のメダルをつかみとった。

「日本のレベルが上がっていると感じているし、その中で自分もプレーできたことはすごくうれしかった」

初めてのオリンピックは、19歳で出場した2012年のロンドン大会だった。チーム最年少ながら、日本卓球界初のメダルとなる女子団体の銀メダルに貢献。続くリオデジャネイロ大会でも女子団体で銅メダルを獲得した。
しかし、その後は、自分よりも若い選手が続々と台頭し、思うような結果を出せない苦しい時期を過ごした。
それでも石川は諦めなかった。模索を続け、懸命に歩みを進めてきた。
迎えた3回目のオリンピック。チーム最年長として、20歳の伊藤美誠、21歳の平野美宇を引っ張る女子団体のキャプテンを任された。

「過去2大会は、先輩の平野早矢香さんや福原愛さんにまとめてもらったり、いい雰囲気で試合をさせてもらった。メダルを取る上でチームワークは欠かせないと思うので、自分が経験してきたことをぶつけたい」

ダブルスでペアを組む平野には試合中、何度も何度も声をかけ、シングルスを戦う伊藤には、ベンチからアドバイスをしたり、飲み物を渡したりするなど後輩を懸命にサポートする石川の姿があった。
決勝では中国に敗れたが、先輩から受け継いだバトンを手に石川は、3大会連続のメダル獲得を成し遂げた。

「先輩と初めてとったメダルから10年間、卓球を頑張ってきた。素晴らしい先輩とも、素晴らしい後輩とも、団体戦を組めたことをすごく幸せに感じている」

そして最後に、目を潤ませながら自分自身をねぎらった。

「こうして10年間、トップレベルで続けてこられた自分を少しは褒めてもいいのかな」

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