どれだけ失敗しても常に“一流”であれば絶対に成長できる

姫野和樹

ラグビー #迷っているとき ラグビーワールドカップ2023

2019年のラグビーワールドカップ日本大会で、ボールを奪いにいくプレー“ジャッカル”を世間に広めた姫野和樹。


その座右の銘を聞くと、中学時代の恩師に教わったということばをあげた。

「常に一流であれ」

姫野の言う“一流”とは何か。
それは失敗してもすぐに起き上がり、そこから新たなチャレンジを続けられる人のことだという。
だから「どれだけ失敗しようと、常に“一流”であれば絶対に成長できる」

ことし姫野は、まさにそのことばを体現して大けがからの復活を果たした。
けがをしたのは4月のリーグワンの試合。
得意のジャッカルを試みたが「太ももの裏がプチッと切れた」と左太ももを負傷。
復帰まで数か月を要する肉離れだった。

それでも姫野は「けがをする前よりも強い体を作る」とすぐに立ち上がった。
得意のジャッカルにも磨きがかかると考えた挑戦だ。
信頼するトレーナーのもとへ相談に行き、手術をせずに治していく方法を選択した。
リハビリを続けながら取り組んだのはこれまであまり鍛えられていなかった筋肉の強化。時にはサンダルを履いて坂道ダッシュを敢行。
脱げないように走ることで足先を強化するなど細部にもこだわって鍛えてきた。

そして、9月には日本代表候補に復帰。宣言どおり以前より強くなって帰ってきた。
“一流”たる証を示した姫野は、いよいよ来年に迫ったワールドカップへ自信をみなぎらせている。
「体力的にも経験値の面でも一番選手として価値のある年になるのではないか」


大フィーバーとなった2019年の日本大会を経て臨むフランス大会。
“一流”の男はさらに力強さを増した、あのプレーで再びファンをわかそうとしている。

「前回の大会でジャッカルということばが世に広まって、自分でもジャッカルが持ち味だという自覚が芽生えた。そこをこの3年間強みとして伸ばしてきた部分でもあるので、来年のワールドカップでもたくさんボールを奪いたい」

ラグビー #迷っているとき ラグビーワールドカップ2023