まだまだ変われる部分、成長できる部分がある

高橋大輔

フィギュアスケート

8年ぶりのオリンピック出場にはあと一歩、届かなかった。
フィギュアスケート、高橋大輔。
2022年春、36歳になった高橋は“現役続行”を選んだ。

「簡単なことではないので本当に毎日、天秤にかけながら過ごしていた。1年後にどういう気持ちになるかはわからないが、もう1年はやってみたい」

アイスダンスに転向して2年。
村元哉中とのカップルで、2021-22年シーズンは日本の歴代最高得点をマークし、2021年12月の全日本選手権は優勝すれば北京オリンピック出場が確実だった。
しかし、まさかの転倒。日本代表の1枠を逃した。

オリンピックは男子シングルで3回経験し、バンクーバー大会では日本男子初の銅メダルも獲得した。
その後、一度は引退しながらも現役に復帰。年齢を重ね、オリンピックを目指す難しさはこれまで以上に感じていた。それでも徹底した筋力強化で、リフトは安定感が増し、演技中の2人の距離も近くなったと感じていた。
だからこそ、悔しさが残った。

「オリンピックに行けなかったことより、欲を持った中で自分たちの演技ができなかった。そのことの方が悔しい。ようやくアイスダンサーとしてスタート地点に立てたところで終わってしまった。まだやり切っていない感覚が残っている」

とはいえ、現状を甘く見ているわけではない。

「次のオリンピックを考えられるほどメンタルは強くないし、年齢的なこともあるのでそこまで自分を過信していない。本当にギリギリのラインでやらせてもらってるので」

これからは1年ごとの勝負。
新たなシーズンに向けた気持ちを尋ねると、独特なことばで再スタートへの秘めた覚悟を語ってくれた。

「すごく凪いでいる感じ。かといってパワーが無いわけじゃない。やっていくうちにワクワクしたり、ギスギスしたり、色んな感情が出てくると思う。ここから新たに気合いを入れ直してのスタートなのかな。まだまだ変われる部分、成長できる部分があると思う。もう1年、どれだけレベルアップできるかを楽しみにやっていきたい」

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