経済発展を遂げる東南アジアで、先進的な技術や新たなビジネスのアイデアを持つスタートアップ企業が続々と登場しています。いま日系企業の間で、現地の企業と連携を模索する動きが活発になっています。
「ピッチイベント」でアイデア探す日系企業
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ベトナム・ハノイで開かれた「ピッチイベント」と呼ばれる催し。スタートアップ企業が参加してビジネスのアイデアを披露します。
しかし最初に登壇したのはスタートアップではなく、大企業側です。ベトナム南部で都市開発を行っている日本の大手私鉄合弁会社の担当者が、より多くの人に住んでもらえるまちづくりに向けたアイデアを求めました。
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一般的には、スタートアップ側が資金調達などを求めて大手企業に対しアイデアを売り込みます。逆にこのイベントでは、大手企業側が自社の経営課題などを説明し、スタートアップに技術開発の協力を求めます。
催しでは日本の大手私鉄合弁会社側の説明を受けて、ベトナムの教育事業を手がけるスタートアップ企業がプレゼンしました。
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担当者はこのように話し、スポーツに特化した学校をつくって子育て世代を呼び込むアイデアをアピールしました。
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日本の大手私鉄合弁会社 ベカメックス東急 西村怜央さん
「斬新なアイデアや、先進的な、まだ聞いたことのないような取り組みも多くあった。なかなか自分たちだけでは見つけられないベンチャーに巡りあえたことが、いちばん大きな収穫だった」
大手ゼネコンの現地拠点 賃料ゼロでスタートアップ8社が入居
勢いのあるスタートアップの技術を取り込むため、専用の場所までつくった企業もあります。
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日本の大手ゼネコンは2023年夏、シンガポールに研究開発などを行う拠点施設をオープンさせました。ここには現在、自社の抱える課題に一緒に取り組むスタートアップ8社が入居していて、賃料はゼロです。
あるスタートアップは、ビルの壁面や太陽光パネルを清掃するドローンの開発を手がけています。高圧の水を放出しながらも安定的に飛行する技術が売りです。
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建設会社の社員は多くのビルを手がけてきた経験をもとに、実用化に向けたアドバイスを行います。
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将来的には、ビルメンテナンスの現場で人手不足が進む日本でも導入したいと考えています。
清掃ドローンを開発するスタートアップの経営者
「大企業が抱えている問題に対処することで、私たちのビジネスの成功に多くの気づきが得られる」
鹿島建設グループ会社 石川和良さん
「従前の事業をやっているだけでは、きっとわれわれも勝ち残っていけない。毎日ここ(現地の拠点施設)にスタートアップが来ているので、ふと廊下で会ったり、デスクが隣り合わせになったり、ちょっとした会話の中から新しいアイデアが生まれて、この“場”というのはとても大事だと思う」
企業が対応するべき課題が多様化する中で、現地ではこのほかにも、スタートアップとの交流施設を設置する企業が増えているということです。
(ハノイ支局 鈴木康太、アジア総局 加藤ニール)
【2024年2月15日放送】
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