過疎地は、働き手不足や地域内の移動など多くの課題を抱えています。ロボットや新しい乗り物といった最新技術で課題を解決しようとする動きが出てきています。
「答えは合ってた?」算数の指導を助けるロボット
広島県三次市の山間部にある市立青河小学校。全校児童の数は20人で、授業は複数の学年を1つにしたクラスで行っています。
教師は、学年ごとに異なる内容を1人で同時に教えなくてはならないため、負担を感じていました。
そこでこの小学校は、算数の指導を助けるロボットを導入しました。
ロボットは児童の声を認識して、間違えた理由や間違えやすいポイントを解説します。
児童の1人は「間違ってた」と答えました。すると…
児童の1人は「間違えたら『今度頑張ろう』と励ましてくれたり、簡単に解説してくれて分かりやすかった」と話していました。
三次市立青河小学校 中原倫仁 教諭
「常に2学年を頭にいれながら授業を進めていかなければいけない。やっぱりロボットはもっと進化していくと思うので、もう少し細かい対応ができるようになったら、すごい」
このロボットを開発した東京・渋谷のベンチャー企業は今後、教育以外に、過疎地に住む高齢者の介護に使えるよう改良を続けています。
ロボットを開発した会社 酒井 拓 CEO
「私は、ドラえもんみたいなロボットをつくりたいというのが最初にあって、人手不足にすごく直結したサービスがロボットで提供できるんじゃないか」
高齢者の移動をサポート 階段を上る乗り物開発中
過疎地は高齢化が深刻で、急な坂道や階段が多い地域では住民の移動が大きな課題です。こうした中、高齢者などがひとりでも移動できるようサポートする乗り物の開発も進んでいます。
自動車メーカーが開発中の4本脚の乗り物は、脚がバラバラに動くことで坂や階段も上り下りできて、買い物など日常的に使うことができるといいます。
今後はいすに座りながら移動できるタイプも製作する予定です。いまはまだ研究段階ですが、将来的な実用化を目指しているということです。
自動車メーカー デザイン担当 伊達正泰さん
「過疎地は公共の交通機関がどんどん減少している。(開発している乗り物は)どこでも走れるというのが特徴なので、あらゆる用途に対応できるようにと考えている」
この乗り物は、過疎地での利用だけでなく災害救助でも役立てたいということでした。
過疎地での課題や問題はいずれ日本全体にも広がるので、うまくビジネスで解決できれば市場の広がりもありそうです。
【2024年2月5日放送】
あわせて読みたい