海外からの観光客が回復し、日本で働く外国人の数も増え続けています。日本に滞在中の外国人に満足度を高めてもらおうと、新たなサービスが生まれています。
外国人の目線で接客などチェック
大阪市阿倍野区の飲食店に、フランスから来日した留学生のモタードさんがやって来ました。客ではなく、店の接客などを調査しに来たのです。
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これは、外国人専門の求人サイトを運営する会社「YOLO JAPAN」が始めたサービスです。会社は飲食店などから依頼を受けると、登録している外国人の中から、店が求めているアドバイスができそうな人を選び、その店に送り込んで調査します。
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メニューの分かりやすさや説明の丁寧さなど、50近くの項目を外国人の目線でチェックするのです。
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店は改善点を洗い出すことで集客力アップにつなげます。
外国人専門の求人サイトを運営する会社 山岡稔 部長
「要望によっては、例えばイスラム教徒の方にあえて調査員にお願いするということで、(食事などで)分からなかった部分をあぶり出すことができるということもあるかと思う」
取材した飲食店では、調査したモタードさんから、料理名と写真がバラバラで分かりにくいとの指摘がありました。店は今後、改善したいとしています。
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飲食店オーナー 守屋彰則さん
「どんなメニューにしたらいいかとかも意見を聞いてみないと分からないので、海外の人たちにも対応できるようなお店になれたらと思う」
母国への贈り物も生活相談も ワンストップアプリ
日本で働く外国人のニーズに応えるサービスもあります。三重県木曽岬町の工場で働くゴンザルボさんは6年前にフィリピンから来日し、今は特定技能の在留資格で働いています。
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休憩時間にゴンザルボさんが見ていたのは、母国で人気がある日本の菓子などを購入すると、現地に配送してくれるアプリです。
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注文を受けたアプリの運営会社「KUROFUNE」が、同じ国への商品をまとめて代わりに送ってくれます。個人で手配するより価格も抑えられるといいます。
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ゴンザルボさんは「(これまでは)商品をダンボールに入れて、エージェンシー(代理店)に電話しないといけなかった。ワンストップでお届けできると便利」と話します。
このアプリにはほかにも、24時間受け付けている無料の生活相談や、アプリ上で銀行口座を開設できる有料サービスもあります。外国人の従業員の福利厚生の一環として導入するケースも増えているということです。
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アプリを提供する会社 倉片稜 代表取締役
「環境の整備が必要だと思っているので、日本の生活が満足できるようなアプリにしていきたいと思っている」
デジタルの力も使って外国人の満足度が高まれば、コミュニケーションもよくなって、ビジネスへのいい影響も期待されるかもしれません。
【2023年9月25日放送】
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