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苦労して採用し、ようやく会社に入ってもらった従業員がすぐ辞めてしまう―。頭を悩ませている経営者は少なくないかもしれません。
いま従業員のモチベーションを上げて人材の定着を図る取り組みが広がっています。
インストラクターに“心づけ” 「チップ」導入のジム
横浜市内にあるフィットネスジムは4月から、インストラクターのモチベーションを上げることを目指し、「チップ」の仕組みを導入しました。
客が指導に満足すると、スマホを通して200円から1500円分のチップをインストラクター個人に送れるようにしました。チップは店を通さず、客から全額受け取れるのが特徴です。
ヨガのインストラクターをしているNAOKOさんはこのシステムで、6月に300円分を客から直接受け取りました。
NAOKOさんは次のように話しています。
このシステムを開発した東京都内のベンチャー企業によると、賃金の引き上げは簡単なことではないとして、チップの導入で従業員のモチベーションアップを目指す企業が増えているといいます。
チップのシステムを開発した企業 山崎令二郎CEO
「給料だけで解決できない部分を“心づけ”みたいな形で表現することによって、収入をアップしていくのを目指していける」
ミュージシャン志望の従業員後押しするバーガーチェーン
お金以外の部分で従業員のモチベーションを引き出そうという動きも出ています。大手ハンバーガーチェーンは3月、従業員のために社内で音楽レーベルを設立しました。
従業員の中にプロのミュージシャンを目指している人が少なくないそうで、そうした人にデビューのチャンスを提供しようというのです。
アルバイト歴2年の本田琉愛(るい)さん(18)も、ミュージシャンを目指す一人です。
本田さんは6月19日に初めて開催された社内オーディションに参加し、弾き語りを披露しました。
オーディション終了後、本田さんは次のように話しました。
店に意外な効果も
オーディションに参加した人が働く店舗では同僚が応援してくれるなど、店の連帯感が強まる好循環も起きているといいます。
大手ハンバーガーチェーン 太田恒有 取締役
「時給以外のメリットというものをちゃんと出してあげたい。せっかく入ってきていただいたら長く勤めていただけるようなチェーンにしたい」
このチェーンによると、4月と5月のアルバイト応募者は、オーディションの効果もあって前の年と比べて3割増えたそうです。
従業員に少しでも長く働いてもらうための工夫が求められています。
【2024年6月24日放送】