「アルムナイ」とは「卒業生」という意味です。大手金融機関では「アルムナイネットワーク」をつくって退職した元社員と交流を続け、即戦力としての再雇用や、知見の導入につなげようと取り組んでいます。人材の獲得競争が激しくなる中、企業と人材の新たな関係づくりが注目されています。
アプリでつくる“卒業生ネットワーク”
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東京千代田区にある「みずほフィナンシャルグループ」は3年余り前、退職した社員とつながりを持ち続ける取り組みを導入しました。
独自につくったアプリ上で「アルムナイネットワーク」を設け交流を続けています。アルムナイに登録した人は、いまでは1200人を超えました。
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コンサルティング会社やスタートアップなどに再就職した元社員と、定期的に交流会を開いています。
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再雇用や知見導入図る
この取り組みは、一度採用し育成した人材を即戦力として再雇用したり、転職先で培った知見を取り入れたりするねらいがあるといいます。
大手金融機関 ダイバーシティ・インクルージョン推進室 柳川佳代 室長
「一度会社を辞めてしまった方は、逆に言えば会社のことをとてもよく知っている方でもある。外の世界はこうなんだと(知見を)教えてもらうことで、バリューアップしていくこともできるんじゃないか」
元社員側のメリットとは
この取り組みは、アルムナイを活用したい会社側だけでなく、登録した元社員にもメリットがあるといいます。
この金融グループの会社を4年前に退職した北岡真弥さんは、アルムナイネットワークに登録しています。いまはITコンサルティング会社「ウルシステムズ」で人材育成に関わる新規事業の立ち上げなどを担当しています。
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いま考えている新規事業にどれだけニーズがあるのか。それを調べようと、北岡さんは元職場の金融機関のアルムナイネットワークを頼りにしました。
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金融機関側との打ち合わせで、北岡さんは「場所を1つ借りて、集まりをつくることを、アルムナイネットワークを使ってやることはできるのか」と相談。これに対し金融機関の担当者は「アルムナイ公認、事務局公認ということでイベントを仕立てることは大丈夫」と答えました。
新ビジネス創造にも期待
この金融機関では、アルムナイネットワークを通じた支援でビジネスが生まれれば、新たな融資先の確保にもつながると考えています。
柳川 室長
「金融機関は経済が発展してこそ発展できるものだと思っているので、アルムナイどうしでもいいし、アルムナイの皆さんと私たちでもいいので、何か新しいビジネスをぜひつくっていきたい」
こうした取り組みは、ほかの大手金融機関や大手企業などでも導入するケースが増えているということです。
(経済番組 岩永奈々恵)
【2024年1月10日放送】
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