ガソリンが高騰しています。8月30日に発表されたレギュラーガソリンの全国平均価格は、1リットル当たり185.6円と過去最高値を更新しました。
政府は補助金を延長して、価格を1リットル当たり175円程度の水準に抑える方針を示し、9月7日に発動される予定です。家計の負担はどうなるのでしょうか?
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どのくらい補助?
補助金の仕組みは複雑です。レギュラーガソリンの場合、小売価格が1リットル当たり185円を超える部分について、12月まで全額を補助します。
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また168円~185円までの部分は、9月はその30%を補助し、10月~12月はその60%を補助します。こうすることで、10月中には175円程度の水準に抑えられる見込みだとしています。
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家計の負担どう変わる?
車の利用者はガソリン価格やこうした補助金について、どう感じているのでしょうか。山口県内のガソリンスタンドで話を聞いてみると、ある男性は次のように話しました。
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この男性はそのうえで「今の値段を見たら(175円なら)ありがたい」としました。
またある女性は「車がないとどこに行くのもちょっと不便な感じ、山口県は。少しでも安くなるのだったらうれしい」と話しました。
補助金の延長で家計の負担はどう変わるのか、専門家は次のような見方を示しています。
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野村総合研究所 木内登英 エグゼクティブ・エコノミスト
「節約できるお金、浮いたお金は、1年間で世帯ごとに平均6600円くらいになる。家計の負担が和らぐというのがプラス面ではないか」
補助金続けると…課題も
一方、補助金を続けることは課題もあると木内さんは指摘します。1つ目は「財政の負担増」です。
レギュラーガソリンの全国平均価格の推移について、実際の小売価格と、補助金がなかった場合の価格を見てみましょう。
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グラフの赤い線と青い線の価格差を税金で補ったことになり、すでに3兆円を超える額が使われました。今回、補助金の延長が決まったことで、さらに財政の負担が増えることになります。
補助金の2つ目の課題は「市場価格をゆがめる」ということです。価格は需要と供給で決まり、通常は価格が高くなると需要が減ります。
しかし補助金が入ることで、市場のメカニズムが働かなくなる可能性があり、その場合、価格が高くなっても需要が減らない状況が続くことになります。
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またガソリンの補助金は「脱炭素社会の流れに逆行」することも課題に挙げられます。
続く補助金投入 「日本だけが出口見えず」
野村総合研究所の木内さんは、こうした補助金のマイナス面をよく理解したうえで、“出口戦略”を考えることが重要だとしています。
木内エグゼクティブ・エコノミスト
「ガソリン補助金によって価格が抑えられるのは確かに消費者にとって助かるけれど、もうちょっと深く考えると、結局そのコストは自分が負担しているので、本当の意味では助かっていない。燃料価格を抑えるような政策を導入した国はいっぱいあるが、もうみんな出口を迎えてやめている。日本だけが出口が全然見えずにずっと続けている状況に陥ってしまっている」
補助金はやめるタイミングが難しいという問題がいつも付きまといます。将来の世代につけを残す政策だということは常に意識しないといけないと思います。
【2023年9月4日放送】
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