どっちを使う? スレッズ vs. X(旧ツイッター)徹底比較

メタ(旧フェイスブック)が始めた新しいSNS「スレッズ」は、7月5日のサービス開始からわずか5日で登録者が1億人を突破し、話題をさらいました。

一方、イーロン・マスク氏が率いる「ツイッター」は7月24日に「X」にブランドを変更し、青い鳥のロゴも廃止しました。

Xとスレッズは何が違うのか?徹底比較します。

新SNS「スレッズ」 ユーザー数が“失速”

Xとスレッズ、両者の戦いは今どうなっているのでしょうか?街で聞いてみました。ある10代の男性は次のように話します。

また20代の女性の一人はXについて「正直、そんなにツイッターの時と使い方が変わったなと思っていない」と言います。

別の20代の女性は「スレッズは使っていない。(SNSが)たくさんありすぎて分からなくなっちゃうので」との答え。またスレッズのアプリを入れているという10代の男性は次のように話しました。

基本ソフトのアンドロイドを使ってスレッズを1日に1回以上利用したユーザー数をグラフで見ると、サービス開始直後は5000万人近く(推定)に達しましたが、その後は減少し、現在は1000万人ほどで推移しています。

Xとスレッズの違いは?

Xとスレッズは何が違うのか?無料で受けられるサービスを比較してみましょう。

投稿できる文字数はXが140文字に対し、スレッズは500文字。投稿できる画像の枚数はXが4枚に対し、スレッズは10枚動画の長さはXが140秒に対し、スレッズは5分となっています。スレッズのほうがより多くの情報を投稿できることになります。

ただ、Xにはあるがスレッズにはない機能があります。例えばダイレクトメッセージやハッシュタグ、トレンドの閲覧などはスレッズでは利用できません

ザッカーバーグ氏「今は成長より安定」

専門家は、旧ツイッターで慣れ親しんだ機能がスレッズに備わっていないことが、失速につながっていると指摘しています。

野村総合研究所 城田真琴プリンシパル・アナリスト
「(スレッズは)開発を急ぎすぎてリリースを急ぎすぎた。新しくリリースしたSNSだということで期待が大きかったばかりに、その反動で、使ってみると『あれ、ちょっと使いづらいな』みたいな、そういったところがやや失望となってユーザー離れが起こっているのかなと」

こうした指摘もある中で、スレッズのマーク・ザッカーバーグ氏は、スレッズに「今は成長よりも安定させることに力を入れている」と投稿し、軌道に乗っていることを強調しています。

Xの「ネットワーク効果」とは

一方、Xの利用者数の推移をグラフで見ると、1日当たりの利用者数は安定しています。先に始めた側の強みが生かされているからで、専門家はこれを「ネットワーク効果」と呼んでいます。

ネットワーク効果とは、SNSでは利用者が増えると投稿が増え、さまざまな情報が集まります。するとさらに利用者が増えて、サービスを利用すればするほどサービスの価値が高まることを言います。

今後「マスク氏の出方次第」との指摘も

今後、両者の戦いはどうなっていくのでしょうか?専門家によると、Xが目指すのはスーパーアプリで、短文投稿だけでなくビデオ通話や決済サービスなど1つでなんでもできるようにします。

一方のスレッズが目指すのはSNS連合。世界にあるさまざまなSNSのコミュニティーを互いに結びつけ、自由に通信しあえる環境をつくろうとしていると専門家は見ています。

野村総合研究所 城田プリンシパル・アナリスト
「スレッズもこれからどんどん機能を拡充していって今のXと同じようなサービスになってくる。Xもそういったスレッズの動きを見て、また改善していく可能性もある。当面は2つが共存するような形で進んでいって、あとはイーロン・マスク氏の出方次第だと個人的には考えている」

Xを巡っては最近、突然の仕様変更によって、台風などの時に「自動投稿」で避難指示などの情報を投稿してきた多くの自治体が投稿をやめざるをえなくなるケースが相次ぎました

こうしたケースについてXは8月15日に声明を投稿し、政府や公的機関からの防災・災害情報の発信については自動で投稿できるように対応すると表明しました。

マスク氏は18日に、特定のアカウントからの連絡などを制限できる「ブロック機能」を廃止することも表明しました。たび重なる仕様の変更に、ユーザーからは困惑の声が上がっています。

SNSは今や重要なインフラになっています。それぞれの特徴を知って賢く使っていくことが大事になっているようです。
【2023年8月21日放送】

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