運動や体重の管理など健康に関するアプリが広がる中、医療の現場でも、国の認可を受けたデジタル技術の活用が広がっています。
インフルエンザの診察を助けるAI
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さいたま市見沼区の「みなみなかのたけのこ耳鼻咽喉科」にはこの夏、インフルエンザにかかったのではないかと心配する患者が訪れています。
医師は患者に症状を問診したあと、AIを搭載した内視鏡のシステムを使っています。AIはインフルエンザの患者を含めた50万枚以上ののどの画像をもとに開発されていて、実際の患者の画像と、問診の情報などを合わせて解析します。
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インフルエンザの診察は主に鼻から器具を入れて検査をしますが、初期症状の場合ウイルスが少なく、採取が難しい場合もあります。
新しい内視鏡のシステムで、患者にとっては負担も減るといいます。診察は医療保険が適用されます。
さいたま市の耳鼻咽喉科 河野淳 院長
「(インフルエンザの)発症早期は、AI搭載のこの機器もやるようにしている」
このシステムを開発したベンチャー企業は、AIの学習をさらに進め、ほかの感染症への活用も進めたいと考えています。
システムを開発したベンチャー企業「アイリス」 沖山翔 代表
「何百の病気で、のどの腫れとか特徴的ないくつかのパターンを検出して、幅広くいろいろな病気を診断していく。そういったさまざまな開発につなげられれば」
高血圧症の治療にアプリを処方
前橋市にある「さとり循環器・内科クリニック」は2月から、高血圧症の患者に対し、薬だけでなく医療アプリを処方しています。厚生労働省から承認を受けた治療用のアプリです。
アプリを処方された南美知子さんは、スマホで朝と晩の2回血圧を入力します。減塩、減量、運動、睡眠、ストレスなど、高血圧症の改善に関わる5つの要素について、具体的な目標が指示されます。
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取材した日、アプリは南さんに、塩分を含む「ちくわやハム、ソーセージを食べない」ように指導しました。南さんはそうした食材を使わずにサラダを作り、食生活を改善したことを入力していました。
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記録したデータはオンラインで医師と共有します。次の診察で治療の方向性を決める判断の材料になるといいます。
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前橋市のクリニック 佐鳥圭輔 院長
「アプリが日々の生活の中で指示をかなり細かくやってくれるので、非常にありがたい」
アプリを開発した企業「キュアアップ」 佐竹晃太 社長
「アプリを処方するというものが当たり前の治療として位置づけられる。そういった新しい治療をつくり上げたい」
地域医療に携わる医師など、現場はとにかく忙しいのが実態です。また2024年4月から勤務医は時間外労働の規制が強化されます。医療現場の働き方改革を進めるうえで、デジタル技術の導入が欠かせなくなっていると見られます。
【2023年7月31日放送】
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