韓国スタートアップ企業が日本進出!グローバル展開を目指して

韓国といえば、BTSやBLACKPINKなどのアーティストや、ドラマ、コスメなどが日本に上陸し、人気を集めています。成長著しいスタートアップ企業の間でも今、日本を目指す動きが広がっています。

日本進出「ニーズ高い」 大手金融グループが後押し

韓国の大手金融グループ「新韓金融グループ」がソウルで行ったスタートアップ企業のイベントには、選抜コンテストに応募した800社のうち、勝ち抜いた25社の代表者が集まりました。

その中には日本への進出を目指す企業も含まれています。選抜された企業の一つで、メタバース上のアバターを制作する会社は、4年前に創業しました。2023年5月には日本法人を設立し本格的にビジネスを始める予定です。

アスリートや芸能人などのアバター制作で成長し日本へ進出

イベントで、あるスタートアップ企業の代表は「日本進出を助けてくれる新韓フューチャーズラボジャパンの皆さんにも感謝をいたします」と日本語で話しました。

この大手金融グループは、スタートアップ企業を支援する拠点を日本に設けて取り引き企業を紹介するなど、日本への進出を後押ししています。

大手金融グループ チン・オクドン(晋玉童)会長
「韓国と日本の生活習慣とか法令とかが、ものすごく似ている。ある程度技術が認められたら、いちばん行きたいというニーズが高いのが、やはり日本」

国を挙げスタートアップ育成 課題はグローバル展開

韓国政府も、経済を活性化させる柱の一つにスタートアップ企業の育成を掲げています。

イ・ヨン(李永)中小ベンチャー企業相

イ・ヨン(李永)中小ベンチャー企業相
「韓国の経済成長にスタートアップ企業が大きな役割を果たす。第4次産業革命をけん引できる企業1000社を育成する予定だ」

しかし、韓国のスタートアップ企業はグローバル展開が進んでいないのが課題です。海外での売上高が25%以上の企業の割合は7.0%(2021年)と、欧米や日本に比べ低くなっています。

ユニコーン企業も日本市場狙う

韓国のファッション通販会社「ムシンサ」は、韓国での会員数が1000万人以上、時価総額10億ドルを超えるユニコーン企業に成長し、海外進出を加速させようとしています。

目を付けたのは日本市場です。ブランドをアピールするため、若い世代の間で人気上昇中のK-POPグループ「New Jeans」が4月に来日しました。東京・原宿に期間限定で戦略店舗を開く試みも行いました。

ブランドをアピールするため来日したK-POPグループ

日本でネットによる販売も始めており、世界で事業を拡大したいと考えています。

ファッション通販会社 ハン・ムニル(韓文逸)CEO
「日本で有意義な成果を上げることを期待していて、その後は日本だけでなくアジアの人々が多く住むアメリカを含め、世界に事業を展開していくつもりだ」

韓国は人口が5100万人で日本の半分以下と国内市場が小さいことから、もともと輸出依存の高い経済構造になっています。しかしその輸出が最近は、海外経済の減速懸念などで失速気味と言われています。

スタートアップの海外進出が経済を後押しすることになるか、注目されます。
(国際部 近藤由香利)
【2023年4月27日放送】
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