捨てられる「未使用の建材」に疑問を感じて起業

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建設現場で出た壁紙や床材などの廃棄物を「建設混合廃棄物」といい、そのうちの3割弱が埋め立てによる最終処分や焼却処分になっています。しかし中には、新品で未使用のまま捨てられてしまう建材もあり、それをビジネスにしようという動きが生まれています。

起業した1級建築士

東京・文京区で建設中の学童保育施設に持ち込まれた床板は、未使用のまま廃棄される予定だったものです。

捨てられる予定だった建材の販売を始めたのは、「ハブアンドストック」の社長、豊田訓平さん(30)です。1級建築士として建築現場をまわり、未使用の建材が捨てられていることに疑問を感じて、2021年にビジネスに乗り出しました。

豊田訓平社長

未使用の建材を買い取り販売する会社 豊田訓平社長
「われわれの言葉で『建築資材ロス問題』と呼んでいるけれども、一刻も早く解決しないといけない問題なので、準備が整った段階で起業した」

未使用建材 なぜ余る? なぜ廃棄?

「建築資材ロス問題」とは、建材を多めに発注し、余ったら未使用でも廃棄することです。なぜそうしたことが起きるのでしょうか。

建築現場はそれぞれの工程を担う業者が、順番に、工期を守って、完成させます。もし現場で建材が不足すると作業が止まって次の工程に迷惑がかかり、納期の遅れにつながります。そのため余分に建材を持ち込まざるをえない実態があります。

余った建材のうちリサイクルしにくいものは廃棄処分に回されます。豊田さんは、廃棄される前の未使用の建材を買い取ります。

「お金をかけて処分、いちばんやりたくない」

取材した日、豊田さんは、業者から廃棄する予定の建材を買い取ってくれないかと相談を持ちかけられ、神奈川県厚木市を訪ねました。そして、壁や床に使うタイル約2トンを買い取りました。

買い取りを依頼した業者は「お金をかけて処分するという、いちばんやりたくないことを、買い取ってもらって次にまた生かしてくれるのでありがたい」と話しました。

豊田さんの会社は起業から2年たち、約120トンの建材を扱うまでになっています。

SNSで販売 店頭販売の協力も求む

集めた建材はSNSを使って販売します。メーカー小売り希望価格の7~8割引の価格で、リフォーム業者やDIYの愛好家などからの注文が相次いでいます。

さらに22年からは、大手ホームセンターに店頭販売の協力をあおぎ、売り上げを伸ばしていこうとしています。

未使用の建材を買い取り販売する会社 豊田社長
「『大事に資源循環することが当たり前だよね』みたいな空気感というか、文化というところまで定着することができれば、この会社の存在意義が一つあるのかな」

未使用の建材を捨てるためにはお金がかかります。回収してもらいたい業者も、買いたい人にも、お互いにメリットになるということで注目されています。
【2023年2月6日放送】
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