インド人観光客を呼び込め!祭りやカレーで“おもてなし”

東南アジア各国では入国制限が緩和され、観光を再び活性化しようとしています。
しかし、これまで主要なターゲットだった中国からの観光客はゼロコロナ政策の影響で激減。そこで、注目されているのが「インド」です。
インドからの観光客をどう“おもてなし”するのか。あの手この手の戦略が展開されています。

タイの水上マーケットにインド人客続々

記念写真を撮るインド人団体客

タイの有名な観光地の一つパタヤ水上マーケットでは、訪れる客の2割以上をインド人が占めるようになりました。

取材した日は100人近い団体客が観光に訪れ、土産物店で服やベルトなどを次々と購入していました。観光客の一人は「この場所はすばらしい。とてもいい。また戻ってきたい」と話しました。

観光施設 ワンアヌソン営業部長
「インド人観光客はとても重要な顧客になっている。万全の準備をする必要がある」

インドからの観光客をさらに誘致しようと、行政も動き出しています。

タイの首都バンコクでは、ヒンドゥー教の祭り「ディワリ」にあわせたイベントが開かれ、インドの伝統芸能やダンスなどが披露されました。

ベジタリアンにどう対応? 食事に課題

しかしインド人観光客の誘致には課題もあります。「食事」です。

インドはベジタリアンの割合が27%と高くなっています。一方、中国は4%。東南アジアもベジタリアンの割合は全体的に低く対応が追いついていないのです。

“海外でもカレーが食べたい” 意外なニーズ

ベトナムもインド人観光客の誘致に力を入れています。ここでは、「カレーの味」を巡ってインドとの違いに苦労していました。

ホーチミンにある外資系のホテル。朝食会場にはベトナム料理や洋食が並んでいます。

しかしインド人の中には海外でもカレーを食べたい人が多いと言われています。

ベトナムにもカレーはありますが、ココナツミルクなどを使った甘いもので、インドのカレーのようにスパイスが効いたものを準備するのは簡単ではありません。

インド人の宿泊客の一人は「インド料理の種類がもう少し必要だというインド人もいると思う」と話しました。

このホテルではインド人シェフを招き、インド料理のスパイスやレシピについて勉強を始めています。

インド料理のレシピを勉強

外資系ホテル シェル総支配人
「新しく学ばないといけないことがあるが楽しい学び。人口を考えれば、インドからの利用客に限界はない」

タイでは、2022年の1年間でインドからの観光客を100万人誘致しようというかけ声も出されていて、大勢の人が参加する結婚式の誘致にも力を入れています。訪れた人の満足度をどう高めるか、日本の観光産業にとってもヒントがたくさんありそうです。
(アジア総局 影圭太)
【2022年11月11日放送】

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